SHARE 吉田裕一 / 吉田裕一建築設計事務所による「中目黒・ROOM・S」
吉田裕一 / 吉田裕一建築設計事務所が設計した「中目黒・ROOM・S」です。
以下、建築家によるテキストです。
中目黒・ROOM・S
若い夫婦のためのマンション1室のリノベーションです。大きなワンルームのような空間の中にそっと生活の補助線を引くように家具を配置しています。家具のいくつかは可動であり、シーンに合わせて自由に移動することができます。キッチンカウンター及びダイニングテーブルは少しだけ高く、大きめに、逆に床のラーチ合板の割付は少しだけ細かめにするなど、少しだけ過剰にしたものを集めそれらを各部位に丁寧に配置していくことで、どれがいわゆる「あたりまえ」のスケールなのかわからないような状態を目指しました。この「あたりまえ」のスケールがわからない部屋では、視覚的に錯覚が起こり、居る場所によって広く感じたり狭く感じたりします。ワンルームという変化の乏しくなりがちな空間の中で、視覚的な広さの変化と補助線を自由に引き直すことの組み合わせによって新しい自由度のある生活をつくりだそうとしました。
■計画概要
所在地:東京都目黒区
構造:鉄筋コンクリート造
延べ床面積:49.92㎡
設計期間:2011年9月〜11月
竣工:2012年1月
プロデュース:スマサガ不動産
設計者:吉田裕一/吉田裕一建築設計事務所
施工:TANK
写真:阿野太一