SHARE 加藤直樹+魚谷剛紀が制作した、現代美術センターCCA北九州でのインスタレーション「SCOPE SCAPE Hibikino」
all photos©三浦賢一
加藤直樹+魚谷剛紀が制作した、現代美術センターCCA北九州でのインスタレーション「SCOPE SCAPE Hibikino」です。
2015年にCCA北九州が北九州学術研究都市に移転した。新たな拠点となった「ひびきの」の周辺エリアは学術都市として新しくつくられた場所であるが、郊外の住宅造成地や畑や川といった「見覚えのある」ように強く感じられ、不思議な違和感を覚えた。「見覚えのある」といった風景の印象は、その全てではなく、見たことがあるような断片の集合によって認識させていると考える。そこで、風景の印象を構成している全体を解体し、その場所を形成する、埋もれた、あるいは消え行くディテールによって全体を構成し直すことで、その場所の持つ魅力を浮かび上がらせることを試みる。
※以下の写真はクリックで拡大します
以下、建築家によるテキストです。
SCOPE SCAPE Hibikino
ここがどのような場所なのか知ることから始めようと考えた。
-なんでもない風景の中に何があるのかを探す-
新しい見方を探すことによって、その場所の持つ魅力が浮かび上がる。
2015年にCCA北九州が北九州学術研究都市に移転した。新たな拠点となった「ひびきの」の周辺エリアは学術都市として新しくつくられた場所であるが、郊外の住宅造成地や畑や川といった「見覚えのある」ように強く感じられ、不思議な違和感を覚えた。「見覚えのある」といった風景の印象は、その全てではなく、見たことがあるような断片の集合によって認識させていると考える。そこで、風景の印象を構成している全体を解体し、その場所を形成する、埋もれた、あるいは消え行くディテールによって全体を構成し直すことで、その場所の持つ魅力を浮かび上がらせることを試みる。
本展では、「ひびきの」周辺360°をリサーチした写真(断片)をコの字型の展示壁に展開し、平面に地図:縮尺1/1600の位置に合わせて、その断片の情報を配置している。見る者が、壁面の写真と平面の情報を行き来することで、断片から全体(風景)を認識し、日常の印象が少し変わって見えるのではないかと考えている。
■建築概要
作品名:SCOPE SCAPE Hibikino
用途:インスタレーション
設計:加藤直樹(建築設計 加藤住吉), 魚谷剛紀(Uo.A)
展覧会名:CCAフェローシップ・プログラム展2015/16
会期:2016年 3 月 20 日ー3月 30 日
会場:現代美術センター CCA 北九州
ウェブサイト:http://cca-kitakyushu.org/
コピーライト:加藤直樹/魚谷剛紀+CCA北九州
写真:三浦賢一