平本英行 / ヒラモトデザインスタジオによる、北海道・札幌市の宿泊施設「佳松御苑」 photo©藤井浩司(株式会社ナカサアンドパートナーズ)
平本英行 / ヒラモトデザインスタジオ が設計した、北海道・札幌市の宿泊施設「佳松御苑」です。
施設の公式サイトはこちら 。
原生林が生い茂る支笏洞爺国立公園内という類稀な環境に広がる敷地は約三千坪。札幌の奥座敷として知られる定山渓温泉からさらに車で10分ほど入った山間にひっそりと佇むその場所には、北海道の原風景が残されている。初めてこの地を訪れた際、その原風景に自然の脅威を感じた。そして、この「脅威」が私のデザインの出発点となり、「脅威の感覚」を「喜びの感覚」に変えることをデザインの役割として捉えた。つまり、この場所のありのままの自然を、現代人が受け入れやすいモダンな空間の中に再構築することを試みた。敷地周辺や北海道における素材やクラフトを探求し、これらの素朴な風合いを用いながら、ホテルに相応しいラグジュアリーな空間の創造を試みた。
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平本英行 / ヒラモトデザインスタジオによる、北海道・札幌市の宿泊施設「佳松御苑」 photo©藤井浩司(株式会社ナカサアンドパートナーズ)
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平本英行 / ヒラモトデザインスタジオによる、北海道・札幌市の宿泊施設「佳松御苑」 photo©藤井浩司(株式会社ナカサアンドパートナーズ)
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平本英行 / ヒラモトデザインスタジオによる、北海道・札幌市の宿泊施設「佳松御苑」 image©ヒラモトデザインスタジオ
平本英行 / ヒラモトデザインスタジオによる、北海道・札幌市の宿泊施設「佳松御苑」 image©ヒラモトデザインスタジオ
平本英行 / ヒラモトデザインスタジオによる、北海道・札幌市の宿泊施設「佳松御苑」 image©ヒラモトデザインスタジオ
以下、建築家によるテキストです。
原生林が生い茂る支笏洞爺国立公園内という類稀な環境に広がる敷地は約三千坪。札幌の奥座敷として知られる定山渓温泉からさらに車で10分ほど入った山間にひっそりと佇むその場所には、北海道の原風景が残されている。初めてこの地を訪れた際、その原風景に自然の脅威を感じた。そして、この「脅威」が私のデザインの出発点となり、「脅威の感覚」を「喜びの感覚」に変えることをデザインの役割として捉えた。つまり、この場所のありのままの自然を、現代人が受け入れやすいモダンな空間の中に再構築することを試みた。敷地周辺や北海道における素材やクラフトを探求し、これらの素朴な風合いを用いながら、ホテルに相応しいラグジュアリーな空間の創造を試みた。
ロビーの中心には、日本の伝統的な民家にある囲炉裏から着想を得た裸火の暖炉を、近隣の石切場から調達した札幌軟石にて製作/設置した。日本の伝統的な民家でもそうであるように、暖炉の周囲を、お迎え/談話/飲食/休息の場としてしつらえた。この暖炉のスペースを周囲の床に対して下げて沈みこませることで、このなかに座るゲストに落ち着きを与えるだけでなく、エントランスからロビーに入った際にロビーの先の池まで見通すことができるように配慮している。
レストランでは、料理人の所作を劇場の様に目前で堪能できる、オープンキッチンを囲んだ様にカウンター席をデザインした。そのカウンター上部には、間接照明を入れた、木(タモ)による格子をデザインした。
それと対照的に、池を臨める窓側に、ゆったりとしたテーブル席を設置した。これらテーブル席は、日本の織物技術を活かしたドレープカーテンにて、必要に応じて、テーブルごとに間仕切ることが出来る。
バーには、部屋の全幅に渡るカウンターと窓以外は、何も無い。この横に長い窓からは、木々や虫に気付かれない特殊な波長の光に照らされた国立公園の森を間近に見渡すことが出来る。この暗がりの中に薄っすらと浮かぶ景観に集中できる様、室内は全て黒色で仕上げた。
全ての客室は、国立公園に向けてレイアウトされたスイートルーム。引戸により、ゲストが思い思いに、部屋をつなげたり分けたりすることが出来る。居間とシースルーで繋がる浴室は、温泉施設としての安らぎを感じられると同時に、空間をより広く感じることが出来る。敷地近くで製作した畳/北海道近隣で製作されたナラのフローリング/アイヌの人たちが料理にも使っていた珪藻土/北海道近隣で製作した焼杉板型枠によるコンクリートへの木目転写/北海道の工場で製作された家具、といった日本的な素材によってコーディネートした。いくつかの客室は回遊式のプランとなっており、ゲストは客室の中を回りながら効率よくその機能を享受でき、必要に応じて引戸で仕切ることで回遊性を断ち切って部屋を作ることも可能となっている。
■建築概要
施設内容:客室23室、ロビー、レストラン、バー、売店、ラウンジ、エステ、フローティングテラス
所在地:北海道 札幌市 南区 定山渓 857
床面積:延床2,912平米
クライアント:株式会社ハマノホテルズ
設計:平本 英行(ヒラモトデザインスタジオ)
施工:株式会社盛永組
撮影:藤井浩司(株式会社ナカサアンドパートナーズ)
竣工:2018年5月20日