荒木信雄 / アーキタイプが設計した、東京・渋谷区の美術館「The Mass」です。施設の場所はこちら。
今回のロケーションは、表参道から裏に1本入った住宅街にある、キャットストリート沿いに存在する。
4つの敷地からなる1つの街区を、1敷地ずつ4段階に分けて計画していくプロジェクトの、1期目にあたる。
全体のコンセプトは、都市のすき間を意識し、拡張していくランドスケープとしての建築計画である。
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以下、建築家によるテキストです。
The Mass “Harajuku Expanding Landscape Project”
今回のロケーションは、表参道から裏に1本入った住宅街にある、キャットストリート沿いに存在する。
4つの敷地からなる1つの街区を、1敷地ずつ4段階に分けて計画していくプロジェクトの、1期目にあたる。
全体のコンセプトは、都市のすき間を意識し、拡張していくランドスケープとしての建築計画である。
まず今回の敷地では、1つの建築の中に3つの展示スペースを持つ小さな美術館を計画した。それぞれの3つのスペースは、入り口を別に設け、あえてそれぞれを別のアプローチにしている。それは今後の拡張計画を意識したものであり、エキシビジョンの規模に合わせて、3つのスペースをフレキシブルに使い分けることも考慮している。
またその動線計画は、全体計画の“都市のすき間”を体現できるようになっている。そして、敷地のところどころに「たまり」的、中庭スペースを設けていることで、近隣の街区計画と同化することを意識している。
街として表を意識し、裏を考え、裏を意識し、表を考える、ということが裏テーマでもある。
■建築概要
建物名:The Mass
所在:東京都渋谷区神宮前5-11-1
設計:荒木信雄/アーキタイプ 荒木信雄 梶直樹 藤田直矢
構造設計:我伊野構造設計室(G.DeSIGN)
設備設計:SH建築事務所
照明設計:On&Off inc.
造園:GREENETTA
施工:株式会社辰
竣工:2016年11月
構造規模:鉄筋コンクリート造 地下1階 地上1階
面積
敷地面積:197.24㎡
建築面積:117.30㎡
延床面積:192.65㎡
建蔽率:59.47%(法定60%)
容積率:97.68%(法定160%)
地域地区:第一種中高層専用地域、準防火地域
主な外部仕上げ
屋根───コンクリート金コテ押え(躯体防水)
外壁───コンクリート内放し(普通型枠)+撥水剤
建具───スチールサッシ、ステンレスサッシ
主な内部仕上げ
天井───PB下地AEP塗装仕上
壁────PB下地AEP塗装仕上
床────コンクリート金コテ押え+防塵クリア塗装 ツヤ消し
設備
冷暖房──ビル用マルチエアコン
主な設備機器
照明器具─ERCO、SD lighting
建築金物─d-line、掘商店
撮影:PHOTOGRAPHER/SHIMIZU KEN