SHARE 大田将平 / ノarchitectsによる、福岡の住宅「en」
大田将平 / ノarchitectsが設計した、福岡の住宅「en」です。
対象の敷地は、東西に細長く、東側には町道が、敷地奥の西側には斜面状の林がある。町道は、43条但し書き道路で車通りはほとんど無く、道路を挟んだ反対側は空き地となっている。
コストという限られた条件に対し、極力シンプルな基礎形状とし、駐車スペースを確保した上で敷地に各要望をまとめた建物を配置する。すると、建物を挟んだ、道路側(東)と林側(西)に外部空間が生まれる。
最も重要なLDKを建物の中心に配置し、東西の外部に接する部分に多様な機能を持つ中間領域を配置した。さらに外側には軒下空間を設える。軒の出や屋根形状は、外部に半屋外の溜まり場をつくるのと同時に、内部に多様な光と影の変化を生み出す。
それぞれの外部空間はプライベート性の高い私的な外部と、パブリック性の高い公的な外部という特徴を持ち、それらの外部空間から享受する光や風といった環境的要素はこの中間領域を介して内部空間へと供給される。
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以下、建築家によるテキストです。
のびやかで開放的な生活を夢見て、市内から少し離れた郊外に土地を購入した共働きの夫婦+息子2人のための住宅である。施主の要望はただ一つ、とにかく広々とした家で家族と一緒に伸び伸びと生活したいということであった。“en”と名付けたこの住宅は“外と内”“公と私”といった、相反する二つの要素の中間点として、それらの要素を緩やかに、連続的につなぐ縁側のような場として、建物が機能するような。そんな居心地の良い住居を目指した。
対象の敷地は、東西に細長く、東側には町道が、敷地奥の西側には斜面状の林がある。町道は、43条但し書き道路で車通りはほとんど無く、道路を挟んだ反対側は空き地となっている。
コストという限られた条件に対し、極力シンプルな基礎形状とし、駐車スペースを確保した上で敷地に各要望をまとめた建物を配置する。すると、建物を挟んだ、道路側(東)と林側(西)に外部空間が生まれる。
最も重要なLDKを建物の中心に配置し、東西の外部に接する部分に多様な機能を持つ中間領域を配置した。さらに外側には軒下空間を設える。軒の出や屋根形状は、外部に半屋外の溜まり場をつくるのと同時に、内部に多様な光と影の変化を生み出す。
それぞれの外部空間はプライベート性の高い私的な外部と、パブリック性の高い公的な外部という特徴を持ち、それらの外部空間から享受する光や風といった環境的要素はこの中間領域を介して内部空間へと供給される。
さらに、建物は敷地奥の外部に向かって、階段状に下がっていく構成とすることで、各空間にキャラクターをもたせるのと同時に、緩やかに場と場、内と外を繋いでいる。
朝には東側から朝日が食卓に入り込み、日中は安定した光が差し込む。夕食の支度時には、適度に西日を遮りながら、夕日が林の奥から中間領域を介してリビングを彩る。季節や時間に応じて、ときにはLDKの一部として。時には洗濯物を干す生活の場として、多様な活動を許容する豊かな生活が、この縁側のよう場をきっかけに展開していく。
時間や季節と共に変わり続ける光や影、風の中で、外と内とを縦横無尽にのびのびと行き来する暮らしが、家族の風景として子供たちの記憶に残ることを期待している。
■建築概要
建築名称:en
所在地:福岡県遠賀郡岡垣町
用途:個人住宅
建築主:個人(夫婦+子供2人)
設計者:大田将平 / ノarchitects
施工:ハウステップ株式会社
規模
構造:木造
階数:2
敷地面積:458.58㎡
建築面積:100.32㎡
延床面積:134.43㎡
竣工:2020年3月
写真:八代写真事務所
Yashiro Photo Office
種別 | 使用箇所 | 商品名(メーカー名) |
---|---|---|
外装・壁 | 外壁 | ガルバリウム鋼板縦ハゼ葺き |
外装・屋根 | 屋根 | ガルバリウム鋼板縦ハゼ葺き |
内装・床 | LDK床 | 複合フローリング:アッシュグレイッシュオイル(IOC) |
内装・床 | 1階床(LDKを除く) | モルタル金鏝て仕上げの上防塵塗装 |
内装・床 | 2階床 | ラワン合板の上オスモカラーフロアー塗装(オスモ) |
内装・壁 | 各居室壁 | ビニルクロス貼り:VS245(東リ) |
内装・壁 | 壁2 | ポリカーボネート板フラット |
内装・キッチン | 造作キッチン | (モールッテックス) |
内装・キッチン | キッチン水栓 |
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