中村拓志&NAP建築設計事務所による、千葉の住宅「ラジエータハウス」の動画です。NAPのウェブサイトに写真が20枚掲載されています。
NAPのサイトには、GMO社のVIPラウンジなど、雑誌未発表作品も追加されています。
密集市街地に建つ旗竿敷地の住宅である。民家に囲まれている敷地のため、施主は塀で囲まれた家を望んだが、風通しの悪さが問題となった。そこで南庭と隣地の境界に、約18mの幅でプライバシーと風の抜けの両方を確保する壁を設けた。そして壁の上部からわずかな水を均一に流し、打ち水効果によって心地よい風をつくる計画とした。いわばエンジンの冷却に用いられるラジエータのコア材のような壁である。材質は遮音性を高める質量を持ちながら、水に触れても錆びず、厚さわずか2cmの繊細な形状が可能なGRC(ガラス繊維補強セメント)とした。水が波型に折りたたんだフィンの表裏に秒速1センチで蛇行しながら落ち、水が長く表面にとどまる形状である。