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プリズミックギャラリーで行われたドットアーキテクツ展のレビュー
サムネイル:プリズミックギャラリーで行われたドットアーキテクツ展のレビュー

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ドットアーキテクツ建築展

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photo©architecturephoto.net

東京・南青山のプリズミック・ギャラリーでドットアーキテクツの展覧会が行われた。
ドットアーキテクツは、家成俊勝、大東翼、赤代武志の三人が主催する建築設計事務所で、大阪府豊中市を拠点に活動している。
今回の展示は、ギャラリーのスペースを区切り、”exhibition [NO.00]”、”超並列”、”Ultra Ordinary View 超日常な風景から”と名付けれられた三つの展覧会を同時開催するという形式で行われた。

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住宅[NO.00]の模型
一つ目の展覧会”exhibition [NO.00]”では、今年竣工する住宅[NO.00]の模型が展示された。
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“超並列模型”
二つ目の展覧会”超並列”では、学生が中心となり、決められたルールの下に、住宅[NO.00]を増築していくことで完成した”超並列模型”が展示された。
そのルールとは、
“「周りを見て、ここにこんなのあればいいのにな~」を大切に!全体の調和にとらわれないこと”
“みんなで話し合いながら進めよう。批判ではなく、みんなで作る雰囲気を大切に”
“ホームセンターで買えるもので作り、地元の大工さんに手伝ってもらえばできるものが好ましい”
など、制作を規制しつつも自由な発想を許容するものであった。
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“超並列模型”
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三つ目の展覧会”Ultra Ordinary View 超日常な風景から”は、約十分の映像作品。
住宅[NO.00]が建設される敷地の日常的な風景を定点観測の映像で紹介するものであった。
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“Ultra Ordinary View 超日常な風景から”
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住宅[NO.00]の模型
神戸の西宮に建てられるという住宅[NO.00]の模型を眺めていて思い出したのは、街を歩いていると、ときどき発見することができる古いアノニマスな住宅だ。
それらの住宅は、いわゆる建築家によって建てられたものではない。
ファサードのプロポーションや、窓の配置、庇の素材、全体の構成など、どこを見ても、設計者の計算によるものではなく、なぜそうなったのかよくわからない。
しかし、奇跡的に絶妙なバランスを保って、存在している。
そんな興味深い住宅に時々出会うことがある。
常々、それは、建築家には作り難い、奇跡的な偶然が生み出した、魅力的な建物だと思っていた。
そのような建物が持っている特別な雰囲気・魅力に近いものを、住宅[NO.00]の模型を見ていて感じることができたのである。
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住宅[NO.00] の模型を観察していると、その複雑さに驚かされる。
微妙な手すりの違い、部屋ごとに異なる開口部の仕様、屋根の形状、また、それぞれの関係、バランス、全ての要素が絶妙で、また、見ているものに「なぜ」と問いかけさせる。
それが、この建築の魅力であり、前に書いたアノニマス住宅を思いださせる理由であろう。
そして、この複雑さ・魅力を生み出す原動力となっているのが”超並列”という方法論だという。
ドットアーキテクツの話や、書籍『1995年以後』に収録されているインタビューによれば、
“超並列”という方法論とは、家成が模型を、赤代が図面を、大東がディテールをそれぞれ担当し、同時並行で作業を進めていき、それぞれの制作物にお互いが影響を受け(または与え)最終的な形態を完成させていく手法だそうだ。
ドットアーキテクツの、方法論で建物を設計するという極めて建築的な行為によって、既成の建築が持ち得ない、奇跡的に生まれた古いアノニマス住宅のような魅力的を持つ建築が実現されようとしていることは非常に興味深い。
今からこの建築の完成が楽しみである。
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photo©architecturephoto.net
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ドットアーキテクツ建築展
2009.05.18 Mon 21:13
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