内藤廣による講演会「渋谷と益田、そして建築と都市を語る」の動画です。展覧会の開催に合わせて2025年7月に行われたもの。
アーキテクチャーフォトでは、内藤の展覧会「建築家・内藤廣 赤鬼と青鬼の場外乱闘 in 渋谷」の様子を特集記事として紹介しています。
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川嶋洋平建築設計事務所が設計した、沖縄・宮古島市の集合住宅「T_student dormitory」です。
海外や県外の生徒を受け入れる大学寮です。建築家は、様々な交流を促す存在を目指し、プライベートとパブリックの空間の“距離感”に重点を置く計画を志向しました。そして、各階の中央に様々な機能を持つ“コモンスペース”を配置する構成を考案しました。
沖縄県宮古島市に設計した地上3階建て、全127室の大学寮の計画です。
新たな学部を開設する大学であり、県外はもちろん海外からの生徒も受け入れる想定として、生徒同士の様々なコミュニケーションを促すような大学寮を求められました。
敷地は校舎として利用される以前廃校になった中学校と隣接する、周辺が開けた環境でした。本計画では寮室としてのプライバシー空間とコミュニケーションが生まれるようなパブリック空間の距離感を主に検討しています。
建物の計画としては、周辺からのセキュリティを考慮し、敷地四方にプライバシーを確保した寮室を配置し、中央に地元の植栽を配した大きな中庭、コモンスペースと称したパブリックスペースを配置しました。
コモンスペースには各階ごとに共有キッチンルーム、共有スタディルーム、共有リビングを計画しています。寮室を13.5㎡程度の最小限の個室とし、コモンスペースをLDKとすることで建物全体を自由に行き来するような計画としました。
また閉鎖的にならないように外部の共用廊下は要所で鉄骨柱を採用し、壁量を抑えることで風が通り、視線が抜けるように計画しています。風が抜け、季節、時間と共に表情を変える中庭が、人の気配のするコモンスペースと寮室のプライバシー空間を程よい距離感を作ってくれればと思います。


リノベる株式会社の、デザイン・設計パートナー(業務委託)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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【デザイン・設計パートナー募集】
月1~2件のデザインを、コンスタントに。
「リノベる。」のお客様に向けた、オーダーメイドのリノベーションデザインを手がけて頂きます。担当していただくのは、ご契約後のお客様のみ。
デザイナー自身が営業活動を行う必要はなく、お客様へのデザイン提案に集中頂けます。


創業53年の実績で、アトリエ系設計事務所の施工を多く手掛ける「株式会社 栄伸建設」の、意匠設計・施工管理・積算・不動産のスタッフ(経験者・既卒・2026年新卒)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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【栄伸建設とは】
東京都武蔵野市を拠点に、多くの建築家の設計ビジョンを施工することで、技術力を培ってきた総合建設会社です。独創的でありながら機能的、唯一無二の洗練された建築家が計画する建築空間を実現することに挑み続け、技術の際(キワ)に臆することなく、日々精進し、技術力の向上と継承に努めてきました。
人が成長していくように、建築物も変化し成長していきます。時と共に輝きを増し、生き生きと成長し続ける建築物であれるように、感性と知識と技術を磨き続けます。技術屋集団として、質の高い建築、そして技術力を追求することこそが将来の営業力と信じ、50年以上活動して参りました。
「木と鉄とコンクリートの融合」をコンセプトにしており、それぞれの構造形式と、それらの混構造の設計と施工を学ぶことができる施工会社です。設計と施工が一堂に会し、早い段階から智慧を出し合う事により、より良い創造が生まれます。
施工管理志望の方には、著名な建築家の先生の作品を手掛けられる事が貴重な経験となりますし、設計希望の方には、意匠系の様々な建築家の設計に触れられ、なおかつ施工や、予算に強くなれるという機会に恵まれます。施工側から見ることにより、広い見地で建築物を見る力をつけられます。不動産希望の方には、建築と不動産の狭間をなくした、両方の知識を持った新しいプロデュース力を期待します。
近年では、不動産的企画・自社設計・自ら運営するプロジェクトを強化すべく、これからの新しい栄伸建設を支えていただく社員(意匠設計・施工管理・積算・不動産スタッフ)を募集いたします。
また、来春には自社設計施工による新社屋竣工予定です。新卒の方は新社屋でお目にかかりましょう!!
能力や技術は、仕事をしながら習得していただければ問題ございません。総合的な技術者を目指して、ぜひ一緒に仕事をしましょう。資格取得支援制度も整えています。




塩入勇生+矢﨑亮大 / ARCHIDIVISIONが設計した、北海道・札幌市の「maison y maison」です。
代々受け継がれた土地の設計者実家の増改築のプロジェクトです。建築家は、終の棲家であり未来に繋がる存在を求め、増築した上で既存の半分を共同住宅・テナント・共用部に転用し保存する計画を考案しました。そして、地域の活動が入り込み新たな交流も生まれています。
これは老後を迎える設計者の両親が暮らした築33年の住宅の増改築である。
計画地は札幌の開拓期から建主の一族が代々受け継いできた。そのため、場所への愛着と家族と暮らした家への愛着が共存している。約140年にわたって育まれた場所への愛着が、この地域のこれからの可能性と、夫婦の老後の生活とを結ぶように展開し、終の棲家としての役目を終えた、さらにその先まで持続していく計画を考えたいと思った。
さらに、両親の豊かな老後として私たちが想像したのは、大らかな空間に包まれながら、隣人と挨拶を交わす程度でも、地域の交流に巻き込まれるような暮らしだった。そこで、かつての記憶を残した家の半分を共同住宅として保存し、その隣に寄り添うように暮らす、増改築の提案を行った。
既存と一体増築を行うため、外壁を残したまま内部はフルスケルトンにして、新設の基礎と構造壁を追加した。増築側は4本柱のトラス架構を作り、既存のパラペットより高く持ち上げた伽藍堂のようなボリュームを既存に覆いかぶせる。すると既存外壁がそのまま室内に現れることになる。
両親の住居は1階のみで生活が完結するように、既存に片足を残したまま増築側にスライドさせ、洗面などの水廻りは再利用した。元リビングなど、家の中心だった残りの部分は、共同住宅として用途を整え、地域の活動が入り込む余白として、小さなテナントと大きな共用部を設けた。
テナントや共用部には両親も実際に入ることができる。そこでは新たに迎え入れた地域の活動と家族の記憶がオーバーラップする。現在テナントには50代の夫婦が営む生活用品店が入り、コーヒーを淹れて地域の人たちと談笑している。その中には両親の姿を見ることもあり、元リビングである共用部に再び人が集まってきた。

妹島和世の空間設計で、化粧品メーカー“ポーラ”の銀座旗艦店「ポーラ ギンザ」が2025年12月12日にリニューアルオープンします。
音楽家・渋谷慶一郎、照明家・豊久将三、嗅覚のアーティスト・和泉侃もプロジェクトに参画します。店舗の場所はこちら(Google Map)。
新しい自分に出会うフローラの森
ポーラの新しい空間は咲きあふれるフローラ(ラテン語:花や植物)に包まれた、森のような新しい庭です。フローラは壁面に影を落としながら、呼吸するようにゆっくりと動いています。この空間に足を踏み入れると人々は突然、いつもの時間の流れと少しだけ異なるフローラの時間に迎え入れられます。薄明るく柔らかい、心地よい光の中をめぐりながら、一人ひとりが自分との対話をゆっくりと愉しみ、まだ見ぬ自分に出会います。
この空間の呼吸とともに音楽が生まれます。瞬間ごとにかわりつづける音の響きと光の気配が重なり合い、その時そこにいる人だけの特別な体験が生まれます。
フローラの森の下には、その森を支える静謐な空間が広がっています。森のささやきの音が作り出す、静けさに溢れた空間では、自分がやってきた日常の光が遠くから少しだけ差し込み、さらに自分を開放する深い旅へと導かれます。
以下に、その他の画像も掲載します。


母子家庭向け居住支援にも関わり、“福祉と住まいの間”を追求する設計事務所「秋山立花」の、設計スタッフ(経験者・既卒)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください。
株式会社秋山立花は私たちとともに活動する設計スタッフを募集いたします。
【秋山立花について】
秋山立花は「社会と人生に新しい選択肢を産みだす」ことを理念として設計活動を行なっています。
空間を設計するだけではなく、新しい仕組みや新しい制度を産みだしていくことによって、社会に選択肢を増やし、より良い未来を形作っていくことを目指しています。
建築設計では福祉施設と住宅の設計が多いですが、現在は宿泊施設のプロジェクトもあり、多様な設計経験をすることができます。
現在は代表の秋山怜史を含め、スタッフ4名全員が子育て世代であり、仕事と子育ての両立がしやすい環境が整っています。【代表 秋山怜史について】
代表である秋山怜史は日本で初めてとなるシングルマザーシェアハウスの産みの親であり、現在はNPO法人全国ひとり親居住支援機構という、全国の母子家庭向けの居住支援を行う団体が加盟するNPOの代表も務めています。この国の居住支援の選択肢はとても少なく、本来必要である「福祉と住まい」のちょうど中間に位置する支援や制度がほとんどありません。この何もなかったところに産みだされたのが、シングルマザーシェアハウスです。
いまでは、東京都豊島区や静岡県川根本町、群馬県など行政と協力をしているプロジェクトも生まれてきており、まさに、空間だけではなく、仕組みや制度から作っていっています。
希望があれば、このような社会に求められる活動にも参画することが可能です。【秋山立花に興味をもっていただいた方へ】
私たちの活動に興味をもっていただけましたら、ぜひ、ご連絡をください。
建築の可能性を信じ、建築を通じて新たな選択肢を産みだす。その一連の流れをぜひともに歩んでいただけましたら幸いです。
また、ご自身の感じている社会課題や取り組みたいことも積極的に応援いたします。一緒に新しい選択肢を産みだしていきましょう。




田村秀規 / PODAが設計した、埼玉・戸田市の「笹目の作業場」です。
工場街に建つ空調設備会社の社屋の計画です。建築家は、“記憶を喚起する”存在を求め、“周辺視”に着目して“無意識のまなざし”を顕在化する建築を志向しました。そして、数種類のポリカ板とバルコニーで“多様な解像度の風景”を内部空間に生み出しました。
意識の捉えるリアルな対象よりはむしろその周辺にぼんやり漂う風景のほうが、記憶や夢には鮮明によみがえる。周辺視*1とも呼ばれる「無意識のまなざし」を顕在化する試みである。
数種類のポリカーボネート板と植栽に囲われたバルコニーを介し、場所ごとに多様な解像度で調停された風景が工場街と親和的に響き合う。
何かの作業に没頭するとき、誰かと会話するとき、私たちは家具の配置や窓辺の風景に注意を払っているだろうか?
印象的な出来事のあった日の夜には、取るに足らない背景こそが決まって夢に回帰するのはなぜか?
ぼんやりと周囲にただよう風景には、意識が直面するリアルな像には還元できない、底知れぬ強度が潜んでいるように思える。埼玉県戸田市南西部、荒川左岸の工場街に、記憶を喚起するような風景をつくりたいと考えた。
クライアントは、20年ほど前からこの地に拠点を構える空調設備会社で、既存社屋の老朽化に加え、非効率な作業環境の改善が問われていた。
主要なワークススペースのある2階には、植栽に囲われたバルコニーが張り出す。南西からの日差しを抑制し、隣接する工場とのあいだの緩衝帯となる。
バルコニー沿いの植栽や、遠方に広がる緑樹と同様に、工場街の風景や機械音までも等価に引き受ける。周囲を取り巻く環境は身体との関係から再解釈された。外壁の主要な採光面と内部間仕切りにおいては、各階各室ごとに求められる耐風圧強度と視認性の条件が異なるため、仕様の異なるポリカーボネート複層板とガラスが個別に採用された。
植栽と黒ずんだサイディング壁、荒川の土手と錆びついたトタン屋根、階段越しに半階ずれた室内同士がランダムに調停され、場所ごとに多様な解像度の風景が立ち現れる。工場のノイズが通奏低音となり風景と交わる。周辺視が捉える弛緩した風景は、想像力の降り立つ余白を生み、記憶と現実のあいだを移ろう。




五十嵐理人 / IGArchitectsが設計した、埼玉の「グランドルーム / ハウス」です。
田園風景の中の開発された住宅地の敷地。建築家は、開放的な環境と呼応する存在を求め、様々な用途を許容する二層吹抜の大空間“グランドルーム”を核とする住宅を考案しました。また、“ジグザグ梁”は“居場所の手掛かり”としても機能します。
敷地は田園風景が広がる環境に囲まれた開発地の一角で、交通量の多い道路と私道に面した場所にある。
クライアントは夫婦+子二人の4人家族で、まだ小さい子供たちと、将来の暮らしの変化を柔軟に受け止められる大らかな住宅を望まれていた。
この計画では敷地の大きさや周辺環境が持つ開放感や伸びやかさを活かし、明るく開放的な空間を考えた。建物は巨大な1室空間であるグランドルームとその周囲に個室群を設けた構成になっている。
建物の面積の半分を占めるこのグランドルームはリビングであり、ダイニングであり、廊下であり、子供たちの遊び場であり、庭でもあり、上部に流れる梁を手掛かりに、使い方を変化させることができる。
グランドルームは「まち」と個室群の間に位置し、スケールの異なる2つの空間を接続し、「まち」や個室のもの・ことを受け止める余白の空間になる。
グランドルームは天井高さ5mの大空間を実現するためには、面剛性の確保と風に対する面外抵抗が必要になる。通常はキャットウォークや抜梁と火打ちで対応するのだが、この住宅では梁と火打ち両方の役割を持たせたジグザク梁を用いることで、単一のルールの線材のみで大空間を実現している。
このジグザグ梁は高さ方向に奥行きをつくり、水平方向にパースをきかせることで空間をさらに広く感じさせる。
さらにライティングレールを兼ねていて、人の居場所の手掛かりにもなっている。


建築設計事務所バケラッタの、設計スタッフ(2025年新卒・既卒・経験者)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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建築設計事務所バケラッタは住宅に力を入れている設計事務所です。数多くのハイレベルな住宅を設計しているので住宅の設計をやりたい方は是非来て下さい。


“素材と空間の特性を生かす構造デザイン”を掲げ、国内外の多様な建築に携わる「清水良太構造デザインスタジオ」の、構造設計スタッフ(経験者・既卒)、CADオペ、事務職 募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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【会社方針・経営理念】
「やってみようからはじめよう」
素材と空間の特性を生かした構造デザインを軸に、大規模木造からリニューアルデザインまで幅広く、国内外で活動を行っている構造設計事務所です。
あなたの「できますか?」に「やってみよう」で答えます。【仕事内容】
建築物の構造設計管理及びそれに付随する業務を担当していただきます。
構造的にチャレンジングな計画が多く、BIMを活用した設計を行うこともある為、構造設計の技術の知識を深めながらスキルアップを目指せます。
多様なプロジェクトに携わりながら、構造設計の深い知識と実務経験を積むことができます。
わからないところがあれば積極的に聞いて解決していくスタイルで業務を進めています。ひとりで抱え込まずに、たくさん発信してください。【活躍できる人物像】
意匠性の高い建築に携わる機会が多く、構造的にチャレンジングな案件に取り組めるのが弊社の魅力です。
BIMを活用した設計体制を整えており、先進的なスキルを実務で磨けます。
また、チームとして役割を分担して進めていく体制の為、経験の浅い方でも安心してステップアップすることができます。
資格取得のバックアップもあります。仕事内容や待遇などに関する疑問点は、お気軽にご質問ください。



島崎威郎 / Takero Shimazaki Architectsが設計した、イギリス・ロンドンの「ロイヤル・アカデミー・オブ・ダンス」です。
新築建築の低層部に計画された教育機関のプロジェクトです。建築家は、広大な面積という与件に、全体を“都市の延長”として構想して其々の部屋を“ひとつの建物”の様に扱う設計を志向しました。また、RCの構造柱は空間に都市性を与える要素として捉えました。
2018年の夏、t-sa(Takero Shimazaki Architects)はロイヤル・アカデミー・オブ・ダンス(以下RAD)と共に本部移転計画のプロジェクトを始動しました。
RAD本部はバタシースクエアにありましたが、今回の用途にあわせて新たに建てられた建物に移転する計画です。その新しい本部の入居先として、他の建築家により設計された、高層の集合住宅棟の地上階と2階に場所が用意されました。
t-saでは既存の建物やそのコンテクストの中で提案を行う際、その構造や素材を慎重に調査・考慮し、「as found-既にそこにあるもの」を提案へ落とし込む設計アプローチをとっています。
ここでの、形あるコンテクストとしては地上階にある「ポディウム」と呼ばれる構造がありました。これは直上に建つ3つの住宅タワーの台座のように見えるボリュームで、外壁や垂直なコンクリートの構造体で明確に建物の建ち現れ方を区切っています。
ポディウムを形成するコンクリートの円柱や壁柱はこのプロジェクトでの設計における重要な要素となりました。また、物理的なコンテクストではありませんが、プロジェクトを実現するために重要な土地の取引や法的な契約などの背景もあり、このような状況を踏まえると、さまざまな仕様の制約がある中で慎重・効率的に進め、ディベロッパーの目線でも好ましい材料や建設形態を取り入れつつ、RADの名声や国際的な立場としてもふさわしい建築ビジョンを実現する必要がありました。
RADのCEOであるSir Luke Rittner氏やRADの関係者と計画を進める中で、建物自体の広大なフットプリントを都市の延長として連想し、スタジオや学習スペース1つ1つを建物として読み解きました。これらの「建物」はダンサー、講師、スタッフ、来訪者によって共有される屋内の「通り」や「都市の広場」によってつながります。
完成した空間は延床面積5000㎡以上にわたり、180人以上を収容可能なスタジオシアター、設備が整った7つのダンススタジオやショップ、ライブラリー、カフェ、オフィススペースが配置され、これらは全て公共性を帯び広々としたホワイエからアクセスできます。
効率的な建設を実現する中で建築のランゲージを表現するために、空間を構成するための手がかりとなる、「figures-要素」を考えました。先述にある、ポディウムを形成する既存のコンクリートの円柱や壁柱は計画当初、仕上げで覆われる予定でしたが、コンクリートそのままを現すこととしました。

OMA / 重松象平の建築デザインによる、東京の複合商業施設「原宿クエスト」が2025年9月11日にオープンします。
建築家は、“デュアリティ(二面性)”をコンセプトとし、原宿と表参道という異なる個性の街を繋ぐ空間を志向しました。また、設計・監理にはNTTファシリティーズが参画しています。施設の場所はこちら(Google Map)。
本施設は、OMAの重松象平氏によるデザインで「デュアリティ(二面性)」を建築コンセプトに、原宿・表参道に併存する異なる街の個性をつなぐ空間として計画されました。地上6階・地下2階の高層棟と地上1階の低層棟で構成され、両棟の間に街の回遊性を高めるパサージュ(敷地内通路)を設けることで、都市に奥行きと新たなリズムをもたらしています。
表参道側には、垂直性と透明性を意識したアイコニックな外観を採用し、ガラス面に街路樹を映し出すことで、特徴的な個性を通りに可視化。ファサードが街のにぎわいと調和し、街との連続性を生み出しています。一方、表参道から続くパサージュの先には、小さな店舗や広場、アートスケープを配置し、住居地域に配慮したヒューマンスケールのファサードを採用することにより、街並みに自然に溶け込むやわらかな印象を形成しています。
また、パサージュ沿いや地下階には、地層をイメージした版築壁を設けており、透明感のあるガラス面と対比的な印象を与えています。壁面には、明治神宮の地層や植生を反映した素材を用いており、地域の自然環境と調和した緑豊かな空間を生み出しています。
以下に、その他の写真や計画段階のパース画像なども掲載します。



若松均建築設計事務所が設計した、東京・世田谷区の「瀬田立体交叉点の集合住宅」です。
往来が多く日照条件も厳しい敷地での計画です。建築家は、光庭かつ動線空間の“ヴォイド”を中央に据え、環境から導いた“わずかに歪んだ外形”との間を住戸とする構成を考案しました。そして、小スケールの箱を上下左右に組合わせて多彩な住戸形態も実現しました。
「ヴォイド」を敷地の中央に据える。
「ヴォイド」は、敷地環境を飛躍的に変化させるライトコートであり、エントランスホールとスロープ状の階段の空間である。東西に細長い傾斜地形に合わせ、緩勾配の引き延ばされた階段により、各住戸へはそれぞれ踊り場から直接アクセスする。さて、集合住宅において中庭形式の構成は幾度か取り組んできているが、今回はまず完結的なかたちの直方体を積極的につくろうとした。
近年、「ヴォイド」の内部化、または外部の内部的構成の方法を試みてきたが、ここではさらに閉鎖的な構成として周囲の喧騒から遠ざかる緩衝帯と位置付けている。にもかかわらず、同時に外部へと繋がる東西、南北方向への抜けや天井のスリットから光や風、まちのノイズや匂いが侵入し外部環境と結び付いてもいて、独立性が高く完結的であるからこそ、より一層、まちとの距離を図ることのできる立体の路地的な場になり得ていると捉えている。
建物の外形は、平面、断面ともにわずかに歪んでいる。これは店舗併用の鉄筋コンクリート造が建っていた既存杭の回避、設備スペースの確保、斜線、日影規制などの外的要因に依る。同様に周辺環境から、表裏がなく4面同じ論理でできた1枚の表皮を纏った立面の構成により建物の輪郭が形成される。
各階のスラブ庇は積層する建物において、今までは、敷地を超えてどこまでも広がる非完結的平面のかたちをイメージしていたが、今回はスラブの拡張表現よりも、歪んだ全体形を続合すると同時に、住戸構成の結果、塔状の集まりとなる立面を水平方向に分節するエレメントとして、または単純に庇の機能的役割としての意味合いが強い。
ランダムに見える正方形窓の位置と配置も法規上ほぼ厳密に決められている。内側の自律的な「ヴォイド」とは対照的に、複数のさまざまな事象に反応した結果としての外形・立面である。
「歪んだ外形」と「ヴォイド」との間にできる残余部分が住戸のスペースとなる。
一般的な住戸よりも小スケールの箱の単位が、内・外と交互に繰り返しながら数珠繋ぎに外周を取り巻き、この単位空間が上下左右さまざまに連結することで、長いI型・L型・クロスメゾネット型などの多彩な住戸を構成する。内包された「ヴォイド」と箱の単位の間合いにより、各住戸では、奥まり方の度合い、外との距離感が、住むための場所に求められる落ち着きと独立性を生み、同時に住人同士の共有感とわずかな繋がりが感じられる。戸建て住宅のような環境がつくられている。



DP アーキテクツの建築デザインとKR+Dの内装クリエイティブデザインによる、大阪・関西万博の「シンガポールパビリオン」です。
建築家は、小さな国土ながら大きな夢を持つ同国の愛称“リトル・レッド・ドット”に着目し、最大直径18.5mの“赤い球体”の建築を考案しました。また、実施設計でHUNE、+U Architects、中倉徹紀建築都市設計も参画しています。施設の公式ページはこちら。
シンガポール共和国はその国土は小さいながらも大きな夢を持つことという意味から「Little Red Dot」という愛称で親しまれています。2025年大阪・関西万博におけるシンガポールパビリオンはこの愛称に着想を得て設計されました。
シンガポール共和国の精神とアイデンティティーは「Dream Sphere」と名付けられた高さ約17m、最大直径18.5mの赤い球体の建築物として実現され、同時に、より良い未来をつくるための願いと希望を共有する装置として構想されました。
建物内部においては、来館者は体験型展示「Dream Repository」やショップとバーが併設された「Dream Forest」などの没入感のある展示を楽しむことができます。また、1階にはシンガポールの食文化を体験することができるカフェが設けられ、チキンライスやラクサ、サテー等のシンガポールの代表的な料理をテイクアウト形式で楽しむことができます。
建物の外殻は約17,000枚のリサイクルアルミニウム製の赤い円盤(ディスク)及び繊維強化プラスチック(FRP)によって構成され、ディスクの重なり合うデザインは日本の国内外で親しまれている「青海波」の文様に着想を得てデザインされました。夜間には「Dream Sphere」はディスクの裏に仕込まれたLED照明によって繊細な輝きを放ち、没入型の体験への期待を高めます。


新居千秋都市建築設計の、設計スタッフ(新卒・既卒・経験者)と アルバイト 募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください。
新居千秋都市建築設計では新規プロジェクト開始の為、新規スタッフ、アルバイトを募集しております。
【新居千秋の考え、スタンス】
私は約50年前にルイス・カーンに出会いました。カーン事務所最後の所員であり最年少だった私がカーンから学んだのは建築だけでなく、次世代へ「建築の正しい考え方」「教育」「ものの見方」を伝えていくことがある種の機会となりました。ペンシルベニア大学を卒業後、AA School、東京都市大学(武蔵工大)、東京理科大学、ペンシルベニア大学、早稲田大学(1課題)、東京工業大学(4課題)、シンガポール大学(外部判定員)等で50年近く教鞭をとりました。
その間の学生からは、建築学会賞などの賞をとる人も出ています。(手塚貴晴/由比、堀場弘、羽鳥達也、福島加津也、三分一博志、石上純也、栃澤麻利(SALHAUS)等)大手の設計事務所(日建設計/日本設計/久米/佐藤総合/NTTファシリティーズ/山下/石本/等)を代表する設計者や、役員になる人も出てきました。
また現役の所員も、「公共建築」を始め色々な雑誌に寄稿したり、私と共著で本を出したりしています。
「ジェネリック」にならない建築、「Nostalgic Future=懐かしい未来」を持った建築、これまでの建築で忘れ去られているものを再発見し、「歴史的哲学」を持ちながら、これらをさらに次世代に伝えていけるような人たちを育てていきたいと考えています。
【求人概要】
先月、大阪府のコミュニティ複合施設のプロポーザルで私たちの提案が採用され、また、別のプロポーザルでも案が選定され、2つの公共施設のプロジェクトが新たに始まりました。私達の事務所は、月1-2回/年間20以上/43年間で300以上のプロポーザルに取り組み生き残ってきました。コンペやプロポーザルが得意だという人や、大きな規模の公共建築をやってみたい人に向いていると思います。また、時には大手設計事務所とコラボレーションすることもあります。そういう少し変わった経験をしたい人や、ジェネリックな建物に疑問を持っている人にも良いかもしれません。
また、ワークショップで市民の人達の意見を聞きながら、自分の意見とみんなの考えの違いを議論し設計をしており、そのような経験を通して、独立して自作を作りながら大学で教えてみたいという人にも向いていると思います。何人かの事務所の卒業生は現在大学で教えています。
現在私たちの事務所では、代表の新居千秋だけでなく各担当が責任を持ち、所員でも本を執筆したり、雑誌「公共建築」等に寄稿したりしている人もいます。三次元、BIM、動画など新しい技術も所員の意見で取り入れ、設計を進めていきますが、時代に流されない建築家としての感覚も大事にしています。
私達の建築に興味がある方は、是非ご応募ください。