architecture archive

桐山啓一 / Airhouseによる、愛知・名古屋市の「八事の家」。自然に囲まれた急傾斜の敷地。平地の無い状況での合理性も意図し、4本の鉄骨柱で支えるRC床の上に“木造の家”が載る構成を考案。木々と床の高さの関係を検討して“森に浮遊する”様な住環境を作る
桐山啓一 / Airhouseによる、愛知・名古屋市の「八事の家」。自然に囲まれた急傾斜の敷地。平地の無い状況での合理性も意図し、4本の鉄骨柱で支えるRC床の上に“木造の家”が載る構成を考案。木々と床の高さの関係を検討して“森に浮遊する”様な住環境を作る photo©矢野紀行
桐山啓一 / Airhouseによる、愛知・名古屋市の「八事の家」。自然に囲まれた急傾斜の敷地。平地の無い状況での合理性も意図し、4本の鉄骨柱で支えるRC床の上に“木造の家”が載る構成を考案。木々と床の高さの関係を検討して“森に浮遊する”様な住環境を作る photo©矢野紀行
桐山啓一 / Airhouseによる、愛知・名古屋市の「八事の家」。自然に囲まれた急傾斜の敷地。平地の無い状況での合理性も意図し、4本の鉄骨柱で支えるRC床の上に“木造の家”が載る構成を考案。木々と床の高さの関係を検討して“森に浮遊する”様な住環境を作る
桐山啓一 / Airhouseによる、愛知・名古屋市の「八事の家」。自然に囲まれた急傾斜の敷地。平地の無い状況での合理性も意図し、4本の鉄骨柱で支えるRC床の上に“木造の家”が載る構成を考案。木々と床の高さの関係を検討して“森に浮遊する”様な住環境を作る photo©矢野紀行

桐山啓一 / Airhouseが設計した、愛知・名古屋市の「八事の家」です。
自然に囲まれた急傾斜の敷地に計画されました。建築家は、平地の無い状況での合理性も意図し、4本の鉄骨柱で支えるRC床の上に“木造の家”が載る構成を考案しました。そして、木々と床の高さの関係を検討して“森に浮遊する”様な住環境を作る事も意図されました。

愛知県名古屋市天白区八事エリアに計画した住宅である。

建築家によるテキストより

急勾配の前面道路に接道しそこから地面が急傾斜して下っていくような、平らな部分がひとつも無い敷地が今回の計画地である。敷地の周囲は木々が茂り、特に北側は森になっている。

建築家によるテキストより

通常であれば家を建てようとするとき、地面を造成して平らな部分をつくる。だが、この敷地に平らな場をつくるには大きな土留め擁壁をつくる必要があり、施工性の難易度も加わり、それだけで家が建つくらいの費用がかかる。

なのでここでは経済的に建物を作るために、4本の鉄骨柱を基礎として建物の接地面を減らし、キャンティレバーのRCの床をつくり傾斜の森の中に浮遊させた。その床が建物の基礎となり、その上に小さな木造の家を乗せる設計となっている。

建築家によるテキストより
OSTR / 太田翔+武井良祐による、移動型サウナ「サバス」。路線バスの車両をサウナに改修。転用だから生み出せる“体験”を目指し、既存の座席配置等の活用に加えて“バスの廃材”を再利用して空間を構築。風景に馴染む“バスでありサウナであり建築”も志向
OSTR / 太田翔+武井良祐による、移動型サウナ「サバス」。路線バスの車両をサウナに改修。転用だから生み出せる“体験”を目指し、既存の座席配置等の活用に加えて“バスの廃材”を再利用して空間を構築。風景に馴染む“バスでありサウナであり建築”も志向 photo©サウナイキタイ
OSTR / 太田翔+武井良祐による、移動型サウナ「サバス」。路線バスの車両をサウナに改修。転用だから生み出せる“体験”を目指し、既存の座席配置等の活用に加えて“バスの廃材”を再利用して空間を構築。風景に馴染む“バスでありサウナであり建築”も志向 photo©大竹央祐
OSTR / 太田翔+武井良祐による、移動型サウナ「サバス」。路線バスの車両をサウナに改修。転用だから生み出せる“体験”を目指し、既存の座席配置等の活用に加えて“バスの廃材”を再利用して空間を構築。風景に馴染む“バスでありサウナであり建築”も志向 photo©サウナイキタイ

OSTR / 太田翔+武井良祐が設計した、移動型サウナ「サバス」です。
路線バスの車両をサウナに改修する計画です。建築家は、転用だから生み出せる“体験”を目指し、既存の座席配置等の活用に加えて“バスの廃材”を再利用して空間を構築しました。また、風景に馴染む“バスでありサウナであり建築”である事も志向されました。サバスの公式サイトはこちら

サバスとは、兵庫県にある神姫バスで実際に路線バスとして利用されていた車両をサウナに改造した移動型サウナです。

建築家によるテキストより

ピカピカに蘇らせるのではなく、バスの良さはそのままに使えそうなものは活かしながらサウナへとアップデートすることで、「路線バス→サウナ」でしかつくれないサウナ体験にできるのではないかと考えました。バス、サウナそれぞれの体験を重ね合わせることがサバスをつくっていくうえでの指標のひとつとなりました。

建築家によるテキストより

まず、バスにサウナを挿入するには敷地があって既存建物があるリノベーションとは違う方法でアプローチする必要がありました。

サウナのクオリティは当然ながら、バスは動くし、揺れるし、搭載できる荷重の制限もありました。法規も建築基準法ではなく、車検をクリアする必要があります。既存のバスもまともな図面はなく、よくわからないパーツや点検口もあったりして、それらを一つずつ実測・検証を繰り返して現場で調整していきました。既存建物をリノベーションすることと同様、そういった「路線バス」というコンテクストを読み込みながら「サウナ」へと変換していきました。

建築家によるテキストより
UID前田圭介・原浩二・山澤達義が審査した、中国電力主催の建築アワード「エネルギア住宅作品コンテスト」の入賞作品を公開。第26回目の開催となり、新築住宅・リフォーム住宅・学生の3部門で応募を募り、“計12作品”が選出
UID前田圭介・原浩二・山澤達義が審査した、中国電力主催の建築アワード「エネルギア住宅作品コンテスト」の入賞作品を公開。第26回目の開催となり、新築住宅・リフォーム住宅・学生の3部門で応募を募り、“計12作品”が選出 image courtesy of 中国電力
UID前田圭介・原浩二・山澤達義が審査した、中国電力主催の建築アワード「エネルギア住宅作品コンテスト」の入賞作品を公開。第26回目の開催となり、新築住宅・リフォーム住宅・学生の3部門で応募を募り、“計12作品”が選出審査風景 photo courtesy of 中国電力
UID前田圭介・原浩二・山澤達義が審査した、中国電力主催の建築アワード「エネルギア住宅作品コンテスト」の入賞作品を公開。第26回目の開催となり、新築住宅・リフォーム住宅・学生の3部門で応募を募り、“計12作品”が選出新築・住宅部門表彰式 photo courtesy of 中国電力

UID前田圭介・原浩二・山澤達義が審査した、中国電力主催の建築アワード「エネルギア住宅作品コンテスト」の入賞作品を公開します。第26回の募集テーマは「自然素材を活かしたサステナブルな住まい」でした。【ap・ad】

中国電力主催の建築アワード「エネルギア住宅作品コンテスト」では、「自然素材を活かしたサステナブルな住まい」をテーマとして作品を募集し、108件の応募がありました。応募作品の中から、自然の循環サイクルに還ることができる自然素材を取り込んだ高い機能性とデザイン性を実現する独創的な工夫を施し、地域の持つ景観・気候風土との調和に配慮されたもの等、計12作品を選出し、「新築・リフォーム住宅部門」の7作品、「学生部門」の5作品を公開しています。

■審査委員
前田圭介 (UID主宰、近畿大学工学部 教授)
原浩二  (原浩二建築設計事務所 所長、広島工業大学 非常勤講師)
山澤達義 (テレビ朝日系「渡辺篤史の建もの探訪」元番組プロデューサー)

エネルギア住宅コンテスト 総評 前田圭介

第26回目のコンテストは「自然素材を活かしたサステナブルな住まい」と題して、数多くの素晴らしい応募作品がありました。自然素材のテーマ性から木造形式の住まいや、内外の仕上げに木材を活かした作品が多いなか、コンクリート打放し仕上げもまた自然素材ではないかとの議論もあり、テーマを深掘りしながら審査員側がどのように解釈していくかが問われる審査会でもありました。

新築部門の最優秀賞は、住まい手だけでなく周辺へ情緒あふれる豊かな環境を生み出しており、この地域を含めた持続可能性を感じさせる作品でした。つまり、サステナブルな住まいとは個だけで完結するのではなく、地域社会と接続する居場所をいかにデザインできるかが問われているように思いました。

またリフォーム部門最優秀賞では小さな蔵にフィットするように建て主の暮らしを丁寧に落し込み、既存の時間に手を加えながら美しいディテールと合わせ新たな価値を創出している豊かな住まいでした。

そして、学生部門の上位案はどれもが地球上における自然の営みから人の暮らしへエネルギーを循環させながら持続可能な社会を実現させようとする意欲的な作品が多く充実した審査会となりました。

以下に各賞の受賞者と作品写真及び提案書を掲載します。

曽我部・吉岡研究室とマチデザインと長谷川明事務所による、愛媛の「来島海峡サービスエリア仮設店舗」と「大三島みんなのワイナリー醸造所」。“仮説店舗”を使用後に“醸造所”に再活用。店は、低コストと再活用を前提に、地域の“タバコ乾燥小屋”を想起させる建築を考案。醸造所は、既存部材に新部材を加えて要求機能に応える
曽我部・吉岡研究室とマチデザインと長谷川明事務所による、愛媛の「来島海峡サービスエリア仮設店舗」と「大三島みんなのワイナリー醸造所」。“仮説店舗”を使用後に“醸造所”に再活用。店は、低コストと再活用を前提に、地域の“タバコ乾燥小屋”を想起させる建築を考案。醸造所は、既存部材に新部材を加えて要求機能に応える来島海峡サービスエリア仮設店舗、外観 photo©高橋マナミ
曽我部・吉岡研究室とマチデザインと長谷川明事務所による、愛媛の「来島海峡サービスエリア仮設店舗」と「大三島みんなのワイナリー醸造所」。“仮説店舗”を使用後に“醸造所”に再活用。店は、低コストと再活用を前提に、地域の“タバコ乾燥小屋”を想起させる建築を考案。醸造所は、既存部材に新部材を加えて要求機能に応える来島海峡サービスエリア仮設、内観 photo©高橋マナミ
曽我部・吉岡研究室とマチデザインと長谷川明事務所による、愛媛の「来島海峡サービスエリア仮設店舗」と「大三島みんなのワイナリー醸造所」。“仮説店舗”を使用後に“醸造所”に再活用。店は、低コストと再活用を前提に、地域の“タバコ乾燥小屋”を想起させる建築を考案。醸造所は、既存部材に新部材を加えて要求機能に応える大三島みんなのワイナリー醸造所、外観 photo©曽我部・吉岡研究室
曽我部・吉岡研究室とマチデザインと長谷川明事務所による、愛媛の「来島海峡サービスエリア仮設店舗」と「大三島みんなのワイナリー醸造所」。“仮説店舗”を使用後に“醸造所”に再活用。店は、低コストと再活用を前提に、地域の“タバコ乾燥小屋”を想起させる建築を考案。醸造所は、既存部材に新部材を加えて要求機能に応える大三島みんなのワイナリー醸造所、内観 photo©曽我部・吉岡研究室

神奈川大学 曽我部・吉岡研究室マチデザイン長谷川明建築設計事務所が設計した、愛媛・今治市の「来島海峡サービスエリア仮設店舗」と「大三島みんなのワイナリー醸造所」です。
“仮説店舗”を使用後に“醸造所”に再活用したプロジェクトです。建築家は、店としては、低コストと再活用を前提に、地域の“タバコ乾燥小屋”を想起させる建築を考案しました。移築後の醸造所は、既存部材に新部材を加えて要求機能に応えました。ワイナリー醸造所の公式サイトはこちら

「来島海峡サービスエリア仮設店舗」について

来島海峡サービスエリアは、来島海峡大橋の近くに位置し、今治と尾道をつなぐしまなみ海道の要所にある。

店舗の入る建物が建て替えられることになり、工事期間中の営業のための仮設店舗が必要となった。プレハブ建物のリース費用と同程度の予算で建築が可能であることと、移築し再活用を可能とすることなどを前提に、構造形式やディテールを検討した。

大三島をはじめ、しまなみ海道沿いのエリアにはかつてのタバコ乾燥小屋が残されている。ユニット化した屋根部材を取り合わせるためのディテールにより、タバコ乾燥小屋を想起させるような佇まいが得られた。

建築家によるテキストより

「大三島みんなのワイナリー醸造所」について

仮設店舗として活用を終えた後、ワイン醸造施設として再建築することとなった。

敷地は元小学校である宿泊施設、大三島憩の家の一角である。醸造作業のための高さが必要となり、外周柱に添柱の補強を行い、階高をあげて一部2階建ての建築とした。

軒下のテラス部分も内部化し、作業エリアの拡大も行なっている。再建築にあたっては可能な限り部材を再活用し部材の管理や塗装など、施工プロセスにも学生たちが関わった。

建築家によるテキストより
西沢立衛へのインタビュー動画「“建築の声” 十和田市現代美術館」。AOMORI GOKANが制作したもの

西沢立衛へのインタビュー動画「“建築の声” 十和田市現代美術館」です。AOMORI GOKANが制作して2023年3月に公開されたものです。十和田市現代美術館は、西沢の設計で2008年に竣工しています。

二俣公一 / ケース・リアルによる、中国・四川省の「イッセイ ミヤケ 成都SKP」。商業施設内の“四角い”区画に計画。ブランドの“世界観”の可視化を目指し、円形の“ガラスウォール”と“ハンガーラック”で中心性のある空間を考案。製品を“空間の主体”として扱うと共に機能性も叶える
二俣公一 / ケース・リアルによる、中国・四川省の「イッセイ ミヤケ 成都SKP」。商業施設内の“四角い”区画に計画。ブランドの“世界観”の可視化を目指し、円形の“ガラスウォール”と“ハンガーラック”で中心性のある空間を考案。製品を“空間の主体”として扱うと共に機能性も叶える photo©ISSEY MIYAKE
二俣公一 / ケース・リアルによる、中国・四川省の「イッセイ ミヤケ 成都SKP」。商業施設内の“四角い”区画に計画。ブランドの“世界観”の可視化を目指し、円形の“ガラスウォール”と“ハンガーラック”で中心性のある空間を考案。製品を“空間の主体”として扱うと共に機能性も叶える photo©ISSEY MIYAKE
二俣公一 / ケース・リアルによる、中国・四川省の「イッセイ ミヤケ 成都SKP」。商業施設内の“四角い”区画に計画。ブランドの“世界観”の可視化を目指し、円形の“ガラスウォール”と“ハンガーラック”で中心性のある空間を考案。製品を“空間の主体”として扱うと共に機能性も叶える photo©ISSEY MIYAKE

二俣公一 / ケース・リアルが設計した、中国・四川省の「イッセイ ミヤケ 成都SKP」です。
商業施設内の“四角い”区画に計画されました。建築家は、ブランドの“世界観”の可視化を目指し、円形の“ガラスウォール”と“ハンガーラック”で中心性のある空間を考案しました。そして、製品を“空間の主体”として扱うと共に機能性も叶える事が意図されました。店舗の公式ページはこちら

「ISSEY MIYAKE」のコレクションラインを、シンプルな円形のガラスウォールで浮かび上がらせることを考えた。

建築家によるテキストより

計画地は、中国・四川省の省都・成都市で進められている成都SKPプロジェクトの一角で、単純な四角い空間の中に、大きな円形のガラスウォールとハンガーラックをレイアウトした。

建築家によるテキストより

そして円形の外側に生まれたそれぞれのブランクには、各種ディスプレイやカウンター、フィッティングエリアなどを配置。明快な中心性のある空間をつくることによって、ブランドの世界観を強調すると共にスムーズな動線と機能配置を確保した。

真っ白な空間に鏡面仕上げのフレームとガラススクリーンを組み合わせ、イッセイ ミヤケのアイテムそのものが空間の主体となるよう意識した。

建築家によるテキストより
【ap job更新】 “コミュニケーションサウナ”や“泊まれるシアター”の開発と運営も手掛ける「蒼樹 株式会社」が、開発部での 建築設計職(既卒・経験者)を募集中
【ap job更新】 “コミュニケーションサウナ”や“泊まれるシアター”の開発と運営も手掛ける「蒼樹 株式会社」が、開発部での 建築設計職(既卒・経験者)を募集中
【ap job更新】 “コミュニケーションサウナ”や“泊まれるシアター”の開発と運営も手掛ける「蒼樹 株式会社」が、開発部での 建築設計職(既卒・経験者)を募集中プライベートサウナ「OOO」001

“コミュニケーションサウナ”や“泊まれるシアター”の開発と運営も手掛ける「蒼樹 株式会社」の、開発部での 建築設計職(既卒・経験者)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

SNS・メディアで話題のコミュニケーションサウナ「OOO」、泊まれるシアター「TheaterZzz」を開発・運営している蒼樹株式会社が、ホテル・アパートメント・サウナなどの開発案件と組織拡大のため新たに募集を開始しました。

蒼樹株式会社は、東洋建築の基礎である、木の建築の考え方を基に、「すべての人が人生の主役になれる舞台を創る企業」として、
私たちは人生のステージにおける様々なシーンをクローズアップできるように時間と空間を編集していきます。

ホテルや民泊施設、アパートメントやスタートアップ向けオフィス、商業施設などのプロデュースから設計・デザイン・運営までトータルに行っています。大規模なリノベーション、用途変更、耐震改修等を用いて自社で4棟、新しいコンセプトの宿泊施設や、地域とつながる場所の提供・運営をしてきました。
2022年には設計・デザイン・プロデュースを行った新築ホテルを開業し、今後も新たな施設の開発を予定しております。

弊社は設計やデザインだけではなく企画・ブランディング・オペレーションまで一貫して自社で行うトータルプランニングを基本としている会社です。飲食事業・サウナ事業・アパレル・グッズ事業の立ち上げを全て自社内で行っており、様々な業務を横断的に行っています。
また、弊社は2018年に創業したばかりの新しい企業ですので、メンバー同士、フラットな関係の上で新しいアイデアを次々に生み出しています。

伊庭野大輔と藤井亮介による、東京・渋谷区の「ディアゴナルの住宅」。住宅密集地に計画。空間の“繋がり”と風景との“結合“を求め、全体をスキップフロアで連続させた上で床・壁・家具の操作で周囲との多様な関係性を構築。各要素を外部の形態と近似させて建築の“都市化”も意図
伊庭野大輔と藤井亮介による、東京・渋谷区の「ディアゴナルの住宅」。住宅密集地に計画。空間の“繋がり”と風景との“結合“を求め、全体をスキップフロアで連続させた上で床・壁・家具の操作で周囲との多様な関係性を構築。各要素を外部の形態と近似させて建築の“都市化”も意図 photo©関拓弥
伊庭野大輔と藤井亮介による、東京・渋谷区の「ディアゴナルの住宅」。住宅密集地に計画。空間の“繋がり”と風景との“結合“を求め、全体をスキップフロアで連続させた上で床・壁・家具の操作で周囲との多様な関係性を構築。各要素を外部の形態と近似させて建築の“都市化”も意図 photo©関拓弥
伊庭野大輔と藤井亮介による、東京・渋谷区の「ディアゴナルの住宅」。住宅密集地に計画。空間の“繋がり”と風景との“結合“を求め、全体をスキップフロアで連続させた上で床・壁・家具の操作で周囲との多様な関係性を構築。各要素を外部の形態と近似させて建築の“都市化”も意図 photo©関拓弥
伊庭野大輔と藤井亮介による、東京・渋谷区の「ディアゴナルの住宅」。住宅密集地に計画。空間の“繋がり”と風景との“結合“を求め、全体をスキップフロアで連続させた上で床・壁・家具の操作で周囲との多様な関係性を構築。各要素を外部の形態と近似させて建築の“都市化”も意図 photo©関拓弥

伊庭野大輔藤井亮介が設計した、東京・渋谷区の「ディアゴナルの住宅」です。
住宅密集地に計画されました。建築家は、空間の“繋がり”と風景との“結合“を求め、全体をスキップフロアで連続させた上で床・壁・家具の操作で周囲との多様な関係性を構築しました。また、各要素を外部の形態と近似させて建築の“都市化”も意図されました。

都内の建て込んだ住宅地に計画された、夫と子供のための住宅である。
複数の用途地域が入り混じった斜線制限の複雑な地域のため、必然的に周辺には、斜めの屋根やかたちが好き勝手に林立したような風景がつくられていた。

周囲との視線の交錯には配慮が必要となる一方、建主は料理が好きでキッチンの利用が多く、そこからリビングやテラスとの一体的な繋がりを望んだ。そこで、室内の連続的な繋がりを外の風景といかに結びつけることができるかが課題のひとつとなった。

建築家によるテキストより

建物全体は半地下から最上階までひと繋がりとなるスキップフロアの構成としたが、空間同士の繋がりをより感じられるように、斜線制限や眺望に配慮しながらスラブを斜めに折り上げたり、部分的にもち上げたりするなどの操作を行った。それによって、高い天井高や大きな開口ができる以外に、斜めの床は寝転がれる丘となり、スラブがもち上がった場所は寝床のためのアルコーブとなるなど、住宅にアクティビティが生まれ、繋がり方に変化をもたらす。

建築家によるテキストより

また、斜めのスラブの下にはそれに合わせた斜めのかたちの大きな階段状のソファを配置した。その隣のテラス1は壁を斜めにカットすることで斜め上の空が切り取られ、屋上のテラス2は周囲を見渡せるようにL字型にベンチを配置するなど、細長い敷地形状によって生活が一方向に規定されず、さまざまな方向に暮らしが広がりをもつことを意図した。それらのかたちが外壁やつくり付け家具へと定着し、周囲の多様な形態の風景と近似することで、住宅のどこにいても都市を感じられる空間を目指した。

建築家によるテキストより
坂本拓也 / ATELIER WRITEによる、東京・港区の「OVERCOAT TOKYO」。衣料品ブランドの直営店併設のスタジオ。技術に定評がある同社の“素の現場”に価値を見出し、“直接作り手から話を聞いて服を買う”空間を志向。“商業的な顔”の作り込みではなく“即興的”な設計も意図
坂本拓也 / ATELIER WRITEによる、東京・港区の「OVERCOAT TOKYO」。衣料品ブランドの直営店併設のスタジオ。技術に定評がある同社の“素の現場”に価値を見出し、“直接作り手から話を聞いて服を買う”空間を志向。“商業的な顔”の作り込みではなく“即興的”な設計も意図 photo©長谷川健太
坂本拓也 / ATELIER WRITEによる、東京・港区の「OVERCOAT TOKYO」。衣料品ブランドの直営店併設のスタジオ。技術に定評がある同社の“素の現場”に価値を見出し、“直接作り手から話を聞いて服を買う”空間を志向。“商業的な顔”の作り込みではなく“即興的”な設計も意図 photo©長谷川健太
坂本拓也 / ATELIER WRITEによる、東京・港区の「OVERCOAT TOKYO」。衣料品ブランドの直営店併設のスタジオ。技術に定評がある同社の“素の現場”に価値を見出し、“直接作り手から話を聞いて服を買う”空間を志向。“商業的な顔”の作り込みではなく“即興的”な設計も意図 photo©長谷川健太

坂本拓也 / ATELIER WRITEによるが設計した、東京・港区の「OVERCOAT TOKYO」です。
衣料品ブランドの直営店併設のスタジオです。建築家は、技術に定評がある同社の“素の現場”に価値を見出し、“直接作り手から話を聞いて服を買う”空間を志向しました。そして、“商業的な顔”の作り込みではなく“即興的”に設計する事も意図されました。ブランドの公式サイトはこちら

ニューヨーク発のファッションブランドOVERCOATの日本拠点の計画。
ニューヨーク現地と日本の生産背景とのつながりとなるスタジオと、初の直営となる店舗の併設が求められた。

建築家によるテキストより

同ブランドデザイナーの大丸隆平さんは、ニューヨーク内外の一流ブランドを顧客にデザインを具体化するコンサルティングを手がけ、技術を高く評価されるパタンナーでもある。服作りに軸をおくブランドの素の現場を覗けることはお客さんにとって他にない体験と考え、商業的な顔は作り込まず既存を活かし即興的に空間を作り上げることにした。

建築家によるテキストより

まず、内装解体時に既存天井の下地鋼材を残し、高強度の接合金具で補強し流用した。直接ストックやサンプルのハンガーをかけたり、ハンガーバーの吊り元としたり、波板をのせて反物(布)置場とするなど機能させている。内装は床壁天井の新設を行わずに、既存躯体(コンクリート)の肌理を活かす研磨仕上げとした。

また、ストックルームと試着室は躯体間にワイヤーを張り、そこに布をかけて間仕切っている。布をつまんでヒダを生む服作りの様子から着想を得て、フックにはダブルクリップを採用した。裁断用の台の側面はアルミアングルのガイドで既製品のコンテナボックスを個別に出し引きできるようにして、大量の副資材を機能的に納めつつ特徴的に見せた。

建築家によるテキストより
藤田雄介+伊藤茉莉子 / Camp Designによる、東京・北区の「野縁の家」。建て込んだ場の再建築不可の木造住宅の改修。採光確保を設計の主題として、天窓等からの光を拡散する“半透明ポリカの光天井”を考案。内部建具の見付も“極限まで”細くして光で満たされる空間を作る
藤田雄介+伊藤茉莉子 / Camp Designによる、東京・北区の「野縁の家」。建て込んだ場の再建築不可の木造住宅の改修。採光確保を設計の主題として、天窓等からの光を拡散する“半透明ポリカの光天井”を考案。内部建具の見付も“極限まで”細くして光で満たされる空間を作る photo©長谷川健太
藤田雄介+伊藤茉莉子 / Camp Designによる、東京・北区の「野縁の家」。建て込んだ場の再建築不可の木造住宅の改修。採光確保を設計の主題として、天窓等からの光を拡散する“半透明ポリカの光天井”を考案。内部建具の見付も“極限まで”細くして光で満たされる空間を作る photo©長谷川健太
藤田雄介+伊藤茉莉子 / Camp Designによる、東京・北区の「野縁の家」。建て込んだ場の再建築不可の木造住宅の改修。採光確保を設計の主題として、天窓等からの光を拡散する“半透明ポリカの光天井”を考案。内部建具の見付も“極限まで”細くして光で満たされる空間を作る photo©長谷川健太
藤田雄介+伊藤茉莉子 / Camp Designによる、東京・北区の「野縁の家」。建て込んだ場の再建築不可の木造住宅の改修。採光確保を設計の主題として、天窓等からの光を拡散する“半透明ポリカの光天井”を考案。内部建具の見付も“極限まで”細くして光で満たされる空間を作る photo©長谷川健太

藤田雄介+伊藤茉莉子 / Camp Designが設計した、東京・北区の「野縁の家」です。
建て込んだ場の再建築不可の木造住宅の改修計画です。建築家は、採光確保を設計の主題として、天窓等からの光を拡散する“半透明ポリカの光天井”を考案しました。そして、内部建具の見付も“極限まで”細くして光で満たされる空間が作られました。

再建築不可の土地に建つ戸建て住宅のリノベーションである。
既存家屋の形状を維持して、基礎補強から全面的な耐震補強を行い、耐震性能そして環境性能を新築同等まで引き上げている。

建築家によるテキストより

周辺が建て込んだ場所であることから、特に2階の採光を確保することがポイントとなった。
かろうじて西側は駐車場で開けていることからハイサイドライトを設けて、さらにトップライトを入れて上部から光を取り込んでいる。
しかし、それだけでは局所的な明るさを得るだけになるので、天井面に半透明ポリカーボネート板を用いた光天井にして、部屋全体に光が行き渡るようにしている。

光天井は、野縁組の構成を組み替えてつくっている。野縁受けの下に野縁を流して天井材を貼る一般的な構成に対して、野縁受けと野縁の間に天井材を挟んでいる。

また2階を中央で仕切る木製ガラス戸は、野縁材と同等の細い材で組んだ框戸にしている。

建築家によるテキストより

この極限まで細い框戸と、野縁組を再構成した光天井によって、光に満たされる家へと生まれ変わった。

建築家によるテキストより
【ap job更新】 公共プロポから地域のプロジェクトまで、大小様々な建築を手掛ける「STA土屋辰之助アトリエ」が、主任スタッフ(経験者) と プロジェクト契約スタッフを募集中
【ap job更新】 公共プロポから地域のプロジェクトまで、大小様々な建築を手掛ける「STA土屋辰之助アトリエ」が、主任スタッフ(経験者) と プロジェクト契約スタッフを募集中
【ap job更新】 公共プロポから地域のプロジェクトまで、大小様々な建築を手掛ける「STA土屋辰之助アトリエ」が、主任スタッフ(経験者) と プロジェクト契約スタッフを募集中陸前高田市立気仙小学校

公共プロポから地域のプロジェクトまで、大小様々な建築を手掛ける「STA土屋辰之助アトリエ」の、主任スタッフ(経験者) と プロジェクト契約スタッフ募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

主任スタッフ/プロジェクト契約スタッフ(経験者)募集

公共建築のプロポーザルによるプロジェクトや、地域とのつながりによるプロジェクト、規模の大きい別荘や住宅建築等、現在、複数のプロジェクトが同時進行中です。伊勢神宮内宮参集殿改修設計を機に立ち上げた当事務所も12年目となり実績とともに設計事務所としての認知度も充実してきました。

今回、実施設計、現場監理等を主任担当者として行うことができる一級建築士の資格を有する経験者を募集します。
資格を有しない方も、経験とやる気しだいで是非お問い合わせください。プロジェクト契約も可能です。

これまでの経験を活かして、主任として公共プロジェクトに取り組む意欲のある方、一人の建築家として共にアトリエ系設計事務所を盛り立てていくなど事務所の成長に積極的に取り組む意欲のある方、そして建築をつくること、また企画立案や維持運営といった建築、都市、コミュニティのサイクルに興味と実行力をもった人材を求めています。

また住宅の設計などにも、ひとつひとつ丁寧に向き合える、「好きな仕事」としての建築設計を実行できる、熱意のある方を歓迎します。

菊嶋かおり+永澤一輝 / knofによる、東京・江東区の住戸改修「Y / wardrobe」。大量の衣服を持つ施主の為に計画。大きな“クローゼット”の要望に、床面積の約半分を“ワードローブ”として生活の中心に据える設計を志向。保管だけでなく“選ぶ・片づける・共に過ごす”楽しみを生み出す
菊嶋かおり+永澤一輝 / knofによる、東京・江東区の住戸改修「Y / wardrobe」。大量の衣服を持つ施主の為に計画。大きな“クローゼット”の要望に、床面積の約半分を“ワードローブ”として生活の中心に据える設計を志向。保管だけでなく“選ぶ・片づける・共に過ごす”楽しみを生み出す photo©古末拓也
菊嶋かおり+永澤一輝 / knofによる、東京・江東区の住戸改修「Y / wardrobe」。大量の衣服を持つ施主の為に計画。大きな“クローゼット”の要望に、床面積の約半分を“ワードローブ”として生活の中心に据える設計を志向。保管だけでなく“選ぶ・片づける・共に過ごす”楽しみを生み出す photo©児玉晴希
菊嶋かおり+永澤一輝 / knofによる、東京・江東区の住戸改修「Y / wardrobe」。大量の衣服を持つ施主の為に計画。大きな“クローゼット”の要望に、床面積の約半分を“ワードローブ”として生活の中心に据える設計を志向。保管だけでなく“選ぶ・片づける・共に過ごす”楽しみを生み出す photo©児玉晴希

菊嶋かおり+永澤一輝 / knofが設計した、東京・江東区の住戸改修「Y / wardrobe」です。
大量の衣服を持つ施主の為に計画されました。建築家は、大きな“クローゼット”の要望に、床面積の約半分を“ワードローブ”として生活の中心に据える設計を志向しました。そして、保管だけでなく“選ぶ・片づける・共に過ごす”楽しみを生み出す事が意図されました。

江東区にあるマンションの一室のリノベーション。

クライアントのYさんが持つ大量の衣服を軸に生活を構想し、住戸面積の半分を「ワードローブ」とするプランとした。
残り半分は、素のままで過ごせるLDK+ベッドスペース。ブラウンガラスの境界面がそれぞれの空間の質を対比している。

建築家によるテキストより

エントランスを入ってすぐに広がるワードローブは、玄関・洗面・水回りを兼ねており、帰宅/外出の際の生活動線としても機能的な計画とした。店舗にもホテルにも見える、深いブラウンでまとめた空間は、GUBIのミラー、桧脚に大理石の天板を乗せた洗面台、ウールのカーペットなどで設え、既存建具にリブ材を張った壁面はベンガラ塗装とした。

建築家によるテキストより

ワードローブを通り、ブラウンガラスを抜けた先には明るく開放的な空間。ここではワードローブとは対比的に、衣服を脱ぎ去って裸のまま過ごせるよう計画した。キッチンと一体になった大きなテーブルは極小のモザイクタイル張りとし、ハードボードや無塗装のペン下クロスなど、手触りのあるマテリアルを中心とした。木部はMDFに柿渋塗装とし、経年変化もまた楽しみである。

計画初期の段階では衣類の収納用に大きめのクローゼットがあれば良いという要望だったが、「ワードローブ」として生活の中心に据えることで、このクライアントとしかつくり出せない場所となった。

建築家によるテキストより
【ap job更新】 坂茂を中心に活動する「NPO法人 ボランタリー・アーキテクツ・ネットワーク(VAN)」が、スタッフ(経験者・既卒・2023年新卒)を募集中
【ap job更新】 坂茂を中心に活動する「NPO法人 ボランタリー・アーキテクツ・ネットワーク(VAN)」が、スタッフ(経験者・既卒・2023年新卒)を募集中
【ap job更新】 坂茂を中心に活動する「NPO法人 ボランタリー・アーキテクツ・ネットワーク(VAN)」が、スタッフ(経験者・既卒・2023年新卒)を募集中

坂茂を中心に活動する「NPO法人 ボランタリー・アーキテクツ・ネットワーク(VAN)」の、スタッフ(経験者・既卒・2023年新卒)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

VANスタッフ募集

NPO法人ボランタリー・アーキテクツ・ネットワーク(VAN)では約30年に渡り、建築家としての災害支援活動を行ってきました。
現在もウクライナ、トルコで仮設住宅を供給する活動を行っております。

この度、スタッフを募集いたします。
好奇心旺盛に取り組める方を歓迎します。

清水義文 / SOU建築設計室による、東京・西東京市の、医療複合施設「LIFE MEDICAL CARE いずみ」。未病維持から看取りまでを担う地域拠点となる施設。様々な用途が“適度な距離感”で共存する場を求め、“町並み”を想起させる“小屋の集合体”の様な建築を考案。特徴的な外観は周辺の住宅街との親和性も意図
清水義文 / SOU建築設計室による、東京・西東京市の、医療複合施設「LIFE MEDICAL CARE いずみ」。未病維持から看取りまでを担う地域拠点となる施設。様々な用途が“適度な距離感”で共存する場を求め、“町並み”を想起させる“小屋の集合体”の様な建築を考案。特徴的な外観は周辺の住宅街との親和性も意図南側外観 photo©堀内広治
清水義文 / SOU建築設計室による、東京・西東京市の、医療複合施設「LIFE MEDICAL CARE いずみ」。未病維持から看取りまでを担う地域拠点となる施設。様々な用途が“適度な距離感”で共存する場を求め、“町並み”を想起させる“小屋の集合体”の様な建築を考案。特徴的な外観は周辺の住宅街との親和性も意図公園側からのアプローチ photo©堀内広治
清水義文 / SOU建築設計室による、東京・西東京市の、医療複合施設「LIFE MEDICAL CARE いずみ」。未病維持から看取りまでを担う地域拠点となる施設。様々な用途が“適度な距離感”で共存する場を求め、“町並み”を想起させる“小屋の集合体”の様な建築を考案。特徴的な外観は周辺の住宅街との親和性も意図診療所、訪問介護 photo©堀内広治
清水義文 / SOU建築設計室による、東京・西東京市の、医療複合施設「LIFE MEDICAL CARE いずみ」。未病維持から看取りまでを担う地域拠点となる施設。様々な用途が“適度な距離感”で共存する場を求め、“町並み”を想起させる“小屋の集合体”の様な建築を考案。特徴的な外観は周辺の住宅街との親和性も意図ホームホスピス、リビング photo©堀内広治

清水義文 / SOU建築設計室が設計した、東京・西東京市の、医療複合施設「LIFE MEDICAL CARE いずみ」です。
未病維持から看取りまでを担う地域拠点となる施設として計画されました。建築家は、様々な用途が“適度な距離感”で共存する場を求め、“町並み”を想起させる“小屋の集合体”の様な建築を考案しました。また、特徴的な外観は周辺の住宅街との親和性も意図されました。

人生100年時代を迎える現代において学校跡地を活用して「未病維持から看取りまで」を実現した医療複合施設。
「診療所、カフェ、ホームホスピス、フィットネス、地域交流、動物介在活動」6つのテーマを集約・連携することで医療・介護・交流の時間的連続・地理的連携を実現した。

建築家によるテキストより

地域活動としての建物、終の住処としての建物、それぞれが独立せずに適度な距離で共存できる場とするために中庭を囲むように配置した2層の小屋の集合体とも言えるボリュームは、隣接する公園や敷地周辺の住宅街に馴染む。平面的にも立面的にも凹凸のある建築群は内部空間に様々なシークエンスをつくり出す。時としてそれは活動する人々と療養する人々の間仕切りとなり共通の居場所ともなる。

建築家によるテキストより

低層のコンクリートの群れは部分的に木造の小屋組みとなっており、周囲に開けた大開口からその温かみのあるテクスチャーを覗かせ、町の医療施設としての役割を建築的にも具現化している。

町の医療として地域に開くこと、療養施設として落ち着きのある空間とすること、用途が複雑に絡み合う中で統合的に括ろうとした結果、それぞれの性格の異なる小屋が群れを成し住宅の町並みのようなカタチとなった。

建築家によるテキストより
最も注目を集めたトピックス[期間:2023/3/20-3/26]
最も注目を集めたトピックス[期間:2023/3/20-3/26]

アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2023/3/20-3/26)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。


  1. 藤本壮介による、東京・渋谷区の「西参道公衆トイレ」。都心部の幹線道路沿いの敷地。公衆トイレを“都市の泉”と捉えて“新しい公共空間”を目指し、中央が凹んだ“うつわ”の様な“手洗い場”を持つ建築を考案。“小さなコミュニティ”が生まれる契機を作る事も意図
  2. 藤原・室 建築設計事務所による、大阪・吹田市の「南千里の家」。住宅街の段差のある敷地。場の特性を生かした空間を目指し、レベル差のある床と3つの庭で“目線を変化”させ“多様な広がり”を生む建築を考案。施主の職業を尊重して内外装に“和の仕上げ素材”を用いる
  3. 小野晃央 / シグマ建設+ONOによる、埼玉・深谷市の「House-K」。周囲からの距離が生む“バッファー”を持つ敷地。“家族全員の生活が中心”の家との要望に、明るい光を取り込む“余白”としてのリビング空間を考案。窓を介し環境と接続して内部のみで“完結しない”状況も作る
  4. 藤田雄介+伊藤茉莉子 / Camp Designによる、神奈川・藤沢市の住戸改修「白と黒の家」。壁式RC造の団地での計画。間取り変更が難しい条件での“生活の更新”を求め、用途を一室にまとめる等の“必要諸室の在り方の再構成”を志向。入念に物の配置を検討して施主の求める“気持ち良さ”も作る
  5. KASAと湯浅良介による建築展「In Between Two Houses」の会場写真。石上純也事務所と内藤廣事務所で其々に経験を積んだ二組の建築家の展覧会。“対話”をテーマとして各自が構想した“家”に関する作品を公開。畝森泰行と金野千恵の事務所でもある東京台東区の“BASE”を会場に開催
  6. 伊藤隆一+伊藤彩香 / itoto architectsによる、愛知・蒲郡市の「西浦グランドホテル吉慶 客室WAN」。海の景色を望む旅館客室の改修。既存の二部屋をまとめ、広々とした中に“海の気配”を感じ“思いに耽る”静寂の場を複数持つ空間を考案。“景色の移ろい”に染まる素材を選定して宿泊客に様々な感覚を与える
  7. 田中亮平 / G ARCHITECTS STUDIOによる、東京・杉並区の住戸改修「杉並のリノベーション」。鉄骨造の集合住宅での計画。“タイムレスなデザイン”の要望に、素材と機器のほぼ全てを“定番”製品から選定する設計を志向。“どこか見慣れた物”に囲まれた空間は“時間が止まった”ような様相を見せる
  8. へザウィック・スタジオの、森美術館での展覧会「共感する建築」。世界中でプロジェクトを手掛けるファームの日本初の展示。主要プロジェクト“28作”を模型や素材サンプル等で紹介。会場構成は同スタジオが日本の“暖簾”等に着想を得て考案
  9. 大野友資 / DOMINO ARCHITECTSによる、北海道・札幌市の牧場「BANKEI FARM」。企業運営の森の中の牧場。地域の自主施工の“農作業小屋”から着想し、使用者自身での拡張を可能とする“特注フレーム”用いた空間を考案。工夫の重なりが“この場所らしさ”を作る“いい道具”の様な存在を目指す
  10. 伊原慶と和久田幸佑による、高知・土佐町の「湖と山と弧 さめうらテントパーク全体整備」。森林公園のキャンプ場の整備。景観と渾然一体となる“場所性”を求め、山々と連続して湖をフレーミングする二枚屋根を持つ“炊事棟”などを設計。規格合板を用いて予算と工期の中で“60mm厚”の軽やかさを実現
  11. 五十嵐理人 / IGArchitectsによる、沖縄・糸満市の「一本足の家」。遠くに海を臨む敷地。要望や風土への応答を“複合的に解決”する在り方を求め、中央の1本柱が屋根と垂れ壁を支えて大きく開放できる建築を考案。変化を受容する“しなやかさ”と不変の“強度”持つ空間を作る
  12. 二俣公一 / ケース・リアルによる、東京・江東区の店舗「Atelier Macri」。ギャラリー併設の眼鏡と香水の店。既存区画の空間を二つに分ける様な形を考慮し、様々な機能を集約する“コの字型”カウンターで空間を繋ぎ“一体感”を構築。クラシックなバーの様な在り方を想像して細部を設計
  13. 関口貴人と新明工産による、埼玉・飯能市の、新築平屋の美容院「Hair room TOARU」の内覧会が“3/26”に開催。平田晃久事務所出身の建築家による独立最初の作品。カットスペースを構成する鏡を“3m”を超えるサイズにまで拡大して空間を構成。目の前に座る自分だけでなく緑や街をも映し出す
  14. トーマス・へザウィックが、2022年にTEDで行った講演「退屈な建築の隆盛ーそしていかにも人間的な事例について」の動画(日本語字幕付)
  15. 伊原洋光+伊原みどり / hm+architectsによる、愛知の「蒲郡の店舗併用住宅」。地上階に菓子店のある家。“店”の存在感と“住居”のプライバシーの両立を求め、基壇の上に家形の量塊が飛び出る外観と外に閉じ内に開く構成を考案。異なる要素を1つの建築に重ね合わせ固有の存在感を示す
  16. 石上純也建築設計事務所による、山口の「House & Restaurant」。旧知の友人の為の住宅兼店舗。“時間と共にその重みを増していく”空間の要望に、地面に穴を掘りコンクリートを流して土の中の躯体を掘り起こしガラスを嵌める建築を考案。不確定要素を許容し使い方の発見更新を繰り返して作る
  17. 泉幸甫を含む著名な住宅作家たちが講師を務め、日本建築学会教育賞も受賞した「家づくり学校」が第15期の受講生を募集中。実務者を対象とした、実際に建てるための知識を学び、自分らしく生きる道を見つける場
  18. 奥野崇建築設計事務所による、愛媛・松山市の住宅「ブドウ棚のある家」
  19. 久保秀朗+都島有美 / 久保都島建築設計事務所による、神奈川・足柄下郡の宿泊施設「水鏡の離れ」。温泉街の中心から離れた山深い敷地。変化する自然風景を“最大限生かす”在り方を目指し、周囲を写し込む“鏡の様な”天井と“川に向かい開く”平面構成を考案。仕上げや設備等も川の景色を際立たせるよう選定
  20. ヘルツォーグ&ド・ムーロンによる、サンフランシスコの20世紀初頭に完成した発電所を改修した複合施設「Power Station」。約12万㎡の湾岸地域の再開発計画の一部として計画

ファラによる、ポルトガルの集合住宅「houses of cards」。5つの住戸を持つ建築。“遊び心”のある“帯状”の要素で全体を包んで、住戸群をひとつに見せかけ“集団と私的の緊張関係にあるオブジェ”を志向。内部では道と庭を繋ぐ横断的な構成の中に擬似的な中心を作る
ファラによる、ポルトガルの集合住宅「houses of cards」。5つの住戸を持つ建築。“遊び心”のある“帯状”の要素で全体を包んで、住戸群をひとつに見せかけ“集団と私的の緊張関係にあるオブジェ”を志向。内部では道と庭を繋ぐ横断的な構成の中に擬似的な中心を作る photo©giulietta margot
ファラによる、ポルトガルの集合住宅「houses of cards」。5つの住戸を持つ建築。“遊び心”のある“帯状”の要素で全体を包んで、住戸群をひとつに見せかけ“集団と私的の緊張関係にあるオブジェ”を志向。内部では道と庭を繋ぐ横断的な構成の中に擬似的な中心を作る photo©francisco ascensao
ファラによる、ポルトガルの集合住宅「houses of cards」。5つの住戸を持つ建築。“遊び心”のある“帯状”の要素で全体を包んで、住戸群をひとつに見せかけ“集団と私的の緊張関係にあるオブジェ”を志向。内部では道と庭を繋ぐ横断的な構成の中に擬似的な中心を作る photo©francisco ascensao

ファラが設計した、ポルトガルのマルコ・デ・カナヴェゼスの、集合住宅「houses of cards」です。
5つの住戸を持つ建築の計画です。建築家は、“遊び心”のある“帯状”の要素で全体を包んで、住戸群をひとつに見せかけ“集団と私的の緊張関係にあるオブジェ”を志向しました。また、内部では道と庭を繋ぐ横断的な構成の中に擬似的な中心を作る事も意図されました。

こちらは建築家によるテキストの翻訳です

建築可能な最大ヴォリュームは、2階建ての歪な箱であることが判明しました。周囲に広がる断片化を拒み、5つの家がひとつになるように見せかけます。集団と私的の緊張関係にあるオブジェ、それは複数のウェディングケーキです。

そのまとまりは、縦長の帯状にラフに構成された4つの面を遊び心たっぷりに包み込むファサードの中に横たわっています。ファサードは開口部(フランス窓、バルコニー)と壁(三角形の王冠と大理石のボタン)が交互に配置されています。ぶつかり合うリズムと例外が、内部の不協和を感じさせます。

1階はガレージドアのミニスカートの上に浮かんでいるような感じです。道路側のブリッジエントランスと裏側の庭園を結ぶように、横長のリビングルームが配置されています。リビングスペースはおおらかで一体感のある、自由で横断的な壁の間で揺れ動きます。プライベートレベルは、果物の断面のように整理されています。シンプルに整えられたベッドルームの層には、軽やかなバスルームとサーキュレーションスペースのコアが隠されています。各住宅では、一見すると任意に配置された一本の柱が2つのフロアをつなぎ、コアに日照をもたらす屋根の開口部と対話します。つまり、横断的な構成であるにもかかわらず、住宅には擬似的な中心、不安定な位置にあるいくつかの垂直なものがあるのです。

Subscribe and Follow

公式アカウントをフォローして、
見逃せない建築情報を受け取ろう。

「建築と社会の関係を視覚化する」メディア、アーキテクチャーフォトの公式アカウントです。
様々な切り口による複眼的視点で建築に関する情報を最速でお届けします。

  • 情報募集建築・デザイン・アートの情報を随時募集しています。
  • メールマガジン メールマガジンで最新の情報を配信しています。