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矢橋徹建築設計事務所による、熊本の住宅「下江津の家」。新興住宅地の畑や公園に囲まれた仕事場を持つ住宅、矛盾する開放性と堅牢性の両立を求めて“レベル差”と“ズレ”で距離感を作り応答、周囲の切妻を参照しつつも要素に新規性を忍ばせ公共的建ち方を志向
矢橋徹建築設計事務所による、熊本の住宅「下江津の家」。新興住宅地の畑や公園に囲まれた仕事場を持つ住宅、矛盾する開放性と堅牢性の両立を求めて“レベル差”と“ズレ”で距離感を作り応答、周囲の切妻を参照しつつも要素に新規性を忍ばせ公共的建ち方を志向 photo©八代写真事務所
矢橋徹建築設計事務所による、熊本の住宅「下江津の家」。新興住宅地の畑や公園に囲まれた仕事場を持つ住宅、矛盾する開放性と堅牢性の両立を求めて“レベル差”と“ズレ”で距離感を作り応答、周囲の切妻を参照しつつも要素に新規性を忍ばせ公共的建ち方を志向 photo©八代写真事務所
矢橋徹建築設計事務所による、熊本の住宅「下江津の家」。新興住宅地の畑や公園に囲まれた仕事場を持つ住宅、矛盾する開放性と堅牢性の両立を求めて“レベル差”と“ズレ”で距離感を作り応答、周囲の切妻を参照しつつも要素に新規性を忍ばせ公共的建ち方を志向 photo©八代写真事務所

矢橋徹建築設計事務所が設計した、熊本の「下江津の家」です。
新興住宅地の畑や公園に囲まれた仕事場を持つ住宅、矛盾する開放性と堅牢性の両立を求めて“レベル差”と“ズレ”で距離感を作り応答、周囲の切妻を参照しつつも要素に新規性を忍ばせ公共的建ち方を志向しました。

敷地は熊本市中心部にある新興住宅地にある。
約20年前に開発が始まり徐々に宅地範囲を広げ、今では熊本市のベッドタウンとして多くの世帯が住む住宅地である。
計画地は北入り道路の整形地である。南側と西側には住宅が建ち、東側には隣家の住人が大切にしている大きな畑に面している。
接道面の北側には道路を挟んで地区の子供達で賑わう公園が広がる明るい土地である。

建築家によるテキストより

計画は小さな仕事場を必要とする4人家族のための職住一体の住宅である。
配置計画は南北に長い長方形のフットプリントを置き、東側に空地を持った2階建ヴォリュームとした。
北側の道路から敷地奥の南に向かってプライバシー要求の高い諸室を並べ、街との関係を調整しつつ、東側の大きな畑に開く構成としている。

建築家によるテキストより

住宅を開放的につくりたい欲求と生活を守る器としての堅牢性との矛盾に対し、開放と遮蔽が入り混じった距離感の創出で応答した。
外観は周辺の住宅に多く見られる切妻屋根を参照しつつも、プロポーションや素材、肌理を新規的に忍ばせることで、公園の管理棟のような公共性を纏った建ち方となっている。

建築家によるテキストより
スキーマ建築計画の長坂常が、尾道の築110年の古民家を買い取り“アーティスト・イン・レジデンス”として再生させるプロジェクトを始動。修繕方法のオープン化を行い、風景の保存も目指し、クラファンを実施中
スキーマ建築計画の長坂常が、尾道の築110年の古民家を買い取り“アーティスト・イン・レジデンス”として再生させるプロジェクトを始動。修繕方法のオープン化を行い、風景の保存も目指し、クラファンを実施中 photo courtesy of スキーマ建築計画

スキーマ建築計画の長坂常が、広島・尾道市の築110年の古民家を買い取り“アーティスト・イン・レジデンス”として再生させるプロジェクトを始動させています。本プロジェクトでは、車の入る事ができない尾道での古い家屋の修繕方法のオープン化を行うことで、風景の保存も目指しています。また、それに伴いクラウドファウンディングも実施されています。

こちらは長坂からのメッセージ。

大切な風景を「残す」仕組みをつくりたい
―築110年の建物を活用し、課題解決の仕組みづくりへ

建築家、スキーマ建築計画代表として東京で活動する私、長坂常は、旅先の広島県尾道市の山手地域で、築110年以上の今は誰も住んでいない建物に一目惚れし、縁あって前オーナーから譲り受けることになりました。

そこにしばらく滞在し、この地域に魅了されると同時に、他の地方都市と同様、高齢化に伴う人口減少の問題、さらに、車が入ることのできない斜面地のため、古くなった建物の改修が容易ではないなど、この地域が抱える様々な課題を実感した私は、よそ者ではありますが、「建物だけではなく、心から大切にしたいと感じたこの美しい尾道の風景を、このままでは残していくことができない」という危機感から、今回のプロジェクトを立ち上げました。

まずは、この歴史ある建物を次の時代に残していけるように、修繕工事を実施します。尚、この工事の詳細をオープン化することで、尾道や近しい条件の他の地域で、同じような境遇で困っている人たちのガイドの一つになればと考えています。

さらに完成後の建物は「LLOVE HOUSE」と名付け、世界中から訪れるクリエーターに中長期的に滞在してもらえる、アーティスト・イン・レジデンスとして活用していく予定です。そこで新しい文化交流のあり方を提案しながら、クリエーターと地域の人々が相互に影響を与え合うことで、山手での暮らしを豊かにするきっかけをつくっていきたいと計画しています。

今回、「一人が多くの資金を投じたから、残すことができた」というあり方ではなく、この取り組みに賛同くださる方々に参加してもらい、「この場所を一緒につくっていく一員」として、まずは建物を残すこと、その先の新しい文化交流、それを通じたコミュニティづくり…できるだけ多くの皆さまと私たちの経験を共有する方法を模索していきたいと考え、今回クラウドファンディングに挑戦することにいたしました。

大切な風景を残したいという一建築家の思いとこれからの取り組みに賛同いただける方からのあたたかいご支援をお待ちしております。

以下に、長坂が修繕を手掛けている建物の写真を掲載します。

狩野一貴建築設計事務所による、富山・高岡市の増築「荻布の家」。親の住宅に子世帯の居住空間を増築する計画、限られた面積内に大らかさを求めて心理的奥行きを作るべく動線上に多様な性質を持つ場が展開するように設計、風景や光も取込んで豊かな住まいを目指す
狩野一貴建築設計事務所による、富山・高岡市の増築「荻布の家」。親の住宅に子世帯の居住空間を増築する計画、限られた面積内に大らかさを求めて心理的奥行きを作るべく動線上に多様な性質を持つ場が展開するように設計、風景や光も取込んで豊かな住まいを目指す外観 photo©狩野一貴建築設計事務所
狩野一貴建築設計事務所による、富山・高岡市の増築「荻布の家」。親の住宅に子世帯の居住空間を増築する計画、限られた面積内に大らかさを求めて心理的奥行きを作るべく動線上に多様な性質を持つ場が展開するように設計、風景や光も取込んで豊かな住まいを目指すダイニング・書斎 photo©dot DUCK 内山昭一
狩野一貴建築設計事務所による、富山・高岡市の増築「荻布の家」。親の住宅に子世帯の居住空間を増築する計画、限られた面積内に大らかさを求めて心理的奥行きを作るべく動線上に多様な性質を持つ場が展開するように設計、風景や光も取込んで豊かな住まいを目指すリビング photo©dot DUCK 内山昭一

狩野一貴建築設計事務所が設計した、富山・高岡市の増築「荻布の家」です。
親の住宅に子世帯の居住空間を増築する計画、限られた面積内に大らかさを求めて心理的奥行きを作るべく動線上に多様な性質を持つ場が展開するように設計、風景や光も取込んで豊かな住まいが目指されました。

富山県高岡市に建つ私たち家族4人のための住宅である。
親世帯が住まう住宅敷地の一角に子世帯の居住部分を増築し、玄関を共有する二世帯住宅の計画としている。
クライアントである妻は、風通しが良い明るい生活空間と、敷地の残余スペースでの増築に起因する窮屈さを感じさせない大らかな暮らしを求めていた。

建築家によるテキストより

敷地は三方を住宅で囲まれているが、幸いにも東方向には抜けが得られ、晴れた日の遠方には富山県のシンボル立山連峰を望むことができる環境であった。近くには緑豊かな街区公園も位置している。この恵まれた自然環境を建築内部に取り込むとともに、雲天が多い北陸の気候の中でも光を十分に享受し、地域のシンボルや時と共に移ろう風景を巻き込んだ豊かな住まいをつくりたいと考えた。

建築家によるテキストより

建蔽率の制限から、敷地内に増築可能な建築面積が約15坪と限られている中での計画であった。既存住宅の1階にある書斎を将来の子供室へと内部改修し、増築部分に残りの必要諸室を納めている。プランは1階に個室や水廻りを、2階にLDKを配置することで、1階にLDKを有する親世帯との適度な距離感を保ちつつ、東側に広がる眺望と採光を確保している。

建築家によるテキストより
山田貴仁+犬童伸浩 / studio anettaiによる、ベトナム・ホーチミンの住戸改修「A Suite in Thao Dien」。北欧家具等を体験し宿泊する滞在型展示室の計画、“この国らしさ”を求めて5つの色鮮やかな円形床とエリア分節も担う南国の植栽で家具類を引き立てる空間を考案、モダンと地域性が共存した空間をつくる
山田貴仁+犬童伸浩 / studio anettaiによる、ベトナム・ホーチミンの住戸改修「A Suite in Thao Dien」。北欧家具等を体験し宿泊する滞在型展示室の計画、“この国らしさ”を求めて5つの色鮮やかな円形床とエリア分節も担う南国の植栽で家具類を引き立てる空間を考案、モダンと地域性が共存した空間をつくる入口から空間全体を見る photo©大木宏之
山田貴仁+犬童伸浩 / studio anettaiによる、ベトナム・ホーチミンの住戸改修「A Suite in Thao Dien」。北欧家具等を体験し宿泊する滞在型展示室の計画、“この国らしさ”を求めて5つの色鮮やかな円形床とエリア分節も担う南国の植栽で家具類を引き立てる空間を考案、モダンと地域性が共存した空間をつくるベッドエリアからエントランス方向を見る photo©大木宏之
山田貴仁+犬童伸浩 / studio anettaiによる、ベトナム・ホーチミンの住戸改修「A Suite in Thao Dien」。北欧家具等を体験し宿泊する滞在型展示室の計画、“この国らしさ”を求めて5つの色鮮やかな円形床とエリア分節も担う南国の植栽で家具類を引き立てる空間を考案、モダンと地域性が共存した空間をつくるオリジナルのシェルフを見る photo©大木宏之

山田貴仁+犬童伸浩 / studio anettaiが設計した、ベトナム・ホーチミンの住戸改修「A Suite in Thao Dien」です。
北欧家具等を体験し宿泊する滞在型展示室の計画、“この国らしさ”を求めて5つの色鮮やかな円形床とエリア分節も担う南国の植栽で家具類を引き立てる空間を考案、モダンと地域性が共存した空間をつくる

ベトナム・ホーチミン市内の高層アパートの一室のリノベーション。
デンマークの家具ブランド<フリッツハンセン>を中心に、セレクトされた家具や照明器具を体験しながら宿泊できる住居兼滞在型ショールームです。

建築家によるテキストより

平面に配置された5つの円形のカラフルな床は、エントランス、リビング、ダイニング、スタディ、ベッドエリアに置かれた家具のためのショーステージとなります。各エリアの隙間には、異形のツリーポットがぐにゃりと立ち上がり、トロピカルな植栽が開放的なワンルームをゆるやかに分節しています。

建築家によるテキストより

クライアントによって選定された数々の家具の写真を眺めていると、それぞれが北欧のモダンインテリアはもちろん、雑多な廃墟や屋外空間、日本家屋に置いてもしっくりとくる普遍的なデザインだと改めて気づきます。であるならばこのショールームも、美術館のようなホワイトキューブとするのではなく、緑豊かな空間に家具がそっと置かれているような、南国ベトナムらしい在り方が模索されるべきだろうと考えました。

建築家によるテキストより
末光弘和+末光陽子 / SUEP.による、ギャラリー・間での建築展「自然を受け入れるかたち」の予告動画

末光弘和+末光陽子 / SUEP.による、TOTOギャラリー・間での建築展「自然を受け入れるかたち」の予告動画が公開されています。会期は、2022年6月8日(水)~9月11日(日)。

以下、展覧会公式の概要です。

SUEP.の特徴は、建築を地球環境における生命活動を促す媒体として位置づけようとする思想にあります。
彼らは地勢、水脈、植生、生態系などに着目し、自然環境にある風・熱・水などの働きをシミュレーションして設計の起点とすることで、建築を媒介した資源の循環システムを構築しています。自然に対して建築が寛容なアプローチをすることで、自然の恵みを得るとともに、それが持続できる社会を目指しています。また建物の居住性能を上げるという機能面はもちろん、住まう人、使う人たち、地域の人たちが、その循環の一員として参加する喜びを分かち合えることも大切にしています。

本展のタイトル「Harvest in Architecture」には、私たちが日々地球の恵みを受け取れることへの感謝と、それを継続するために行う努力への決意が込められています。展覧会では、彼らが行ってきたリサーチや検証と、それらがどのようなかたちで建築の循環システムに結実してきたかが明かされます。

彼らの取り組みは、建築が地球とつながり、未来を拓くためのチャレンジの連続といえます。人間が地球の恵みを一方的に搾取するのではなく、自然との共生により豊かな恵みが続いていく、そのために建築家として果たすべき役割は何か。本展覧会を通して、彼らの思考と試行の全貌をご覧いただきます。

長坂常 / スキーマ建築計画による、可動屋外家具「Tokyo Torch Parkのためのベンチ / テーブル / スツール」。東京駅近くの屋外広場の為に計画、隣接ビルの工事で敷地内の仮囲いが移動し続ける条件に管理者がハンドリフターで移動可能なように設計、コンクリート製脚部は重さがあり安定感にも寄与
長坂常 / スキーマ建築計画による、可動屋外家具「Tokyo Torch Parkのためのベンチ / テーブル / スツール」。東京駅近くの屋外広場の為に計画、隣接ビルの工事で敷地内の仮囲いが移動し続ける条件に管理者がハンドリフターで移動可能なように設計、コンクリート製脚部は重さがあり安定感にも寄与 photo太田拓実
長坂常 / スキーマ建築計画による、可動屋外家具「Tokyo Torch Parkのためのベンチ / テーブル / スツール」。東京駅近くの屋外広場の為に計画、隣接ビルの工事で敷地内の仮囲いが移動し続ける条件に管理者がハンドリフターで移動可能なように設計、コンクリート製脚部は重さがあり安定感にも寄与
長坂常 / スキーマ建築計画による、可動屋外家具「Tokyo Torch Parkのためのベンチ / テーブル / スツール」。東京駅近くの屋外広場の為に計画、隣接ビルの工事で敷地内の仮囲いが移動し続ける条件に管理者がハンドリフターで移動可能なように設計、コンクリート製脚部は重さがあり安定感にも寄与 photo©太田拓実

長坂常 / スキーマ建築計画による、東京・千代田区の、可動屋外家具「Tokyo Torch Parkのためのベンチ / テーブル / スツール」です。
東京駅近くの屋外広場の為に計画、隣接ビルの工事で敷地内の仮囲いが移動し続ける条件に管理者がハンドリフターで移動可能なように設計、コンクリート製脚部は重さがあり安定感にも寄与しています。設置場所の公式ページはこちら

可動屋外家具の提案である。

建築家によるテキストより

この家具が置かれるTOKYO TORCH PARKは最初2021年に1棟竣工し、その後2027年に2棟目が竣工することから敷地内の仮囲いが移動し続けることにより、屋外家具自体も移動しないとならなかった。

建築家によるテキストより

そこで人のアクティビティを誘発する家具として考案するインターフェースシステムのうち、ハンドリフターで動かせる家具を提案した。管理者がハンドリフターを使用して、コンクリート製の脚部を持つテーブルや椅子を動かすことができる。

重さがあるので素手のエンドユーザーには動かせず、強風で倒れることもなく、安全な屋外家具が実現した。

建築家によるテキストより
赤松佳珠子+大村真也 / CAtによる、群馬の「共愛学園前橋国際大学5号館」。教育や運営の向上の為に学習・交流・事務の一体化を担う施設、地域と大学の結節点として人々を繋ぐ事も目指して全方向に開いた建築を志向、様々な用途の場を緩やかに繋いで空間をアクティビティで満たす
赤松佳珠子+大村真也 / CAtによる、群馬の「共愛学園前橋国際大学5号館」。教育や運営の向上の為に学習・交流・事務の一体化を担う施設、地域と大学の結節点として人々を繋ぐ事も目指して全方向に開いた建築を志向、様々な用途の場を緩やかに繋いで空間をアクティビティで満たす photo©阿野太一+楠瀬友将
赤松佳珠子+大村真也 / CAtによる、群馬の「共愛学園前橋国際大学5号館」。教育や運営の向上の為に学習・交流・事務の一体化を担う施設、地域と大学の結節点として人々を繋ぐ事も目指して全方向に開いた建築を志向、様々な用途の場を緩やかに繋いで空間をアクティビティで満たす photo©阿野太一+楠瀬友将
赤松佳珠子+大村真也 / CAtによる、群馬の「共愛学園前橋国際大学5号館」。教育や運営の向上の為に学習・交流・事務の一体化を担う施設、地域と大学の結節点として人々を繋ぐ事も目指して全方向に開いた建築を志向、様々な用途の場を緩やかに繋いで空間をアクティビティで満たす photo©阿野太一+楠瀬友将
赤松佳珠子+大村真也 / CAtによる、群馬の「共愛学園前橋国際大学5号館」。教育や運営の向上の為に学習・交流・事務の一体化を担う施設、地域と大学の結節点として人々を繋ぐ事も目指して全方向に開いた建築を志向、様々な用途の場を緩やかに繋いで空間をアクティビティで満たす photo©阿野太一+楠瀬友将

赤松佳珠子+大村真也 / CAtが設計した、群馬・前橋市の「共愛学園前橋国際大学5号館」です。
教育や運営の向上の為に学習・交流・事務の一体化を担う施設、地域と大学の結節点として人々を繋ぐ事も目指して全方向に開いた建築を志向、様々な用途の場を緩やかに繋いで空間をアクティビティで満たす事も意図されました。大学の公式サイトはこちら

共愛学園は、133年の歴史を誇る子ども園から大学までを有する総合学園で、その一翼を担う共愛学園前橋国際大学はGLOCALな人材育成を目指し、(GLOBAL+LOCAL)地学一体となった取組で注目を集めている。

アクティブラーニング、キャンパスライフの拠点となっている「4号館KYOAI COMMONS(以下COMMONS)」(乾久美子建築設計事務所)に加え、さらなる教育環境・学生生活の向上、大学の事務・運営機能の集約・充実を図るために、「学習の場」「集い・交流の場」と「事務機能」を一体化した新たな建築を求めて、建築家の倉田直道さんがアドバイザーとして参画した指名プロポーザルが行われた。

建築家によるテキストより

計画地はサクラ並木の美しい「キャンパスモール」の始点、COMMONSと広場を挟んで並ぶ関係にある。既存の大学の中枢機能がある事務棟(1号館)は、「キャンパスモール」の終点に位置していたが、今回キャンパスの奥から玄関口に移転するにあたり、地域とキャンパスの結節点として、人々を繋ぎ、流れを生み出す裏表なく全方向に開いた建築が必要だと考えた。

建築家によるテキストより

職員・学生・地域住民が緩やかに関係をつくることができるように、大学事務のワークプレイスと学生や地域住民が自由に使うことができるFLAとの境界は、壁やカウンターで区切るのではなく、ベンチや書架、建具を組み合わせた家具で緩やかな境界をつくりその廻りにアクティビティを誘発させる。

さらに、大階段と一体となった段状のデッキや、手すりと一体となったカウンターデスクなど、「ミドルスケール」と定義した家具以上建築未満のエレメントによって、より人間の身体に近いスケールのエレメントが、ささやかな日常に佇まいや気配を与え、空間や建築の外側に対しても場を生み出し、あらゆる場所が多様なアクティビティに満ちた空間となる。

建築家によるテキストより
【ap job更新】 noizが、建築設計スタッフ(経験者・新卒既卒)を募集中
【ap job更新】 noizが、建築設計スタッフ(経験者・新卒既卒)を募集中
【ap job更新】 noizが、建築設計スタッフ(経験者・新卒既卒)を募集中Industrial Technology Research Institute (ITRI) (2014), Photo: 阿野太一

noizの、建築設計スタッフ(経験者・新卒既卒)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

noizでは、現在、住宅から大規模プロジェクトを含む、建築・インテリアプロジェクトが複数進行中です。

この度、建築設計スタッフ(シニアアーキテクト、ジュニアアーキテクト)を募集します。

noiz は、2007 年に豊田啓介と蔡佳萱が設立、2016 年より酒井康介が新たにパートナー として加わる形で、東京と台北、ワルシャワの三拠点で活動している建築設計事務所で、今年15年目を迎えました。

コンピューテーショナルな手法および知見を駆使し、建築設計やインテリアデザインを軸としながら、デジタルインスタレーションから都市計画、コンセプトデザインまで幅広いジャンルで国際的に活動しています。最新のデジタル技術と建築設計の知見とを融合しながら、国内外から集まった多様な背景やスキルを持ったメンバーによるチームで、新しい知識や技術のリサーチや導入なども積極的に行っています。

noizではCAD や BIMにとどまらず、ゲームエンジンやプログラミングなど、建築とその周辺の最新のテクノロ ジーを駆使し、建築ならではの場所や素材の力を引き出すプロジェクト、データや行動を間接的にデザインするシステム構築、多様な企業やアーティスト、プログラマーとのコラボレーションを前提としたインスタレーションやプロダクトのデザイン、さらにはメタバースやコモングラウンドと呼ばれる、バーチャル空間での建築や空間設計の在り方、およびそれらと物理世界との接続に関する新しい技術とデザインの開拓に積極的に取り組んでいます。
また、毎月、東京・台湾・ワルシャワを繋ぐミーティングとプロジェクトのプレゼンを行い、全スタッフで共有しています。

木村智彦 / グラムデザインによる、鳥取・東伯郡の「田後のアトリエ住居」。長閑な環境に建つ作家夫婦の為の住宅で、長い時間を掛け育っていく“素”の状態の建築を求めて素直な形・簡素な素材・素地仕上げの建築を志向、加えて大屋根と大気積居間が安心感と求心力を生み出す
木村智彦 / グラムデザインによる、鳥取・東伯郡の「田後のアトリエ住居」。長閑な環境に建つ作家夫婦の為の住宅で、長い時間を掛け育っていく“素”の状態の建築を求めて素直な形・簡素な素材・素地仕上げの建築を志向、加えて大屋根と大気積居間が安心感と求心力を生み出す photo©gramdesign
木村智彦 / グラムデザインによる、鳥取・東伯郡の「田後のアトリエ住居」。長閑な環境に建つ作家夫婦の為の住宅で、長い時間を掛け育っていく“素”の状態の建築を求めて素直な形・簡素な素材・素地仕上げの建築を志向、加えて大屋根と大気積居間が安心感と求心力を生み出す photo©gramdesign
木村智彦 / グラムデザインによる、鳥取・東伯郡の「田後のアトリエ住居」。長閑な環境に建つ作家夫婦の為の住宅で、長い時間を掛け育っていく“素”の状態の建築を求めて素直な形・簡素な素材・素地仕上げの建築を志向、加えて大屋根と大気積居間が安心感と求心力を生み出す photo©gramdesign

木村智彦 / グラムデザインが設計した、鳥取・東伯郡の「田後のアトリエ住居」です。
長閑な環境に建つ作家夫婦の為の住宅で、長い時間を掛け育っていく“素”の状態の建築を求めて素直な形・簡素な素材・素地仕上げの建築を志向、加えて大屋根と大気積居間が安心感と求心力を生み出す事が意図されました。

クライアントはガラス作家と鞄職人の夫婦、共に緻密且つ繊細、独特な世界観の作品を創る作家である。
永住の地を何処に構えるか思案していた夫婦であるが、夫の父が東京から鳥取に帰省したという縁もあり、鳥取中部の長閑な環境も気に入り、この場所に家を考えるに至った。1年半前に設計を依頼したいという連絡をいただいてからのお付き合いとなる。

建築家によるテキストより

切妻の大屋根、軒の跳ね出しは1.5mと大きくとり、軒下土間天端より軒天下端を2.1mと低く抑えている。
開口部の上端より低く垂れ下がる屋根は、物理的な機能として雨と日差しを遮るが、外皮として機能する外壁面より、住まい手の領域を大きく確定してくれているようにも感じる。
小さな庇と比べ大きな屋根は、住まい手にとって大きな安心感をもたらすように感じるのだ。 しかし屋根を大きく取ることで、建築の実質施工面積は大きくなる。 限られた予算の中、最大限に床を確保することに専念した。

建築家によるテキストより

今、この建築を“素”の状態であるように感じる。何故なら設計者である私が、アイコン的なイエらしい家のカタチを求め、素直なカタチ、簡素な素材でつくり、仕上げも粗方素地で終わっている。庭にもまだ土があるだけだ。 クライアントは夫婦で作家である。つくる人だ。職住一体の住まいを羨ましくも感じ、これからの長い時間を掛け、この建築が育まれていく姿を楽しみに感じている。

建築家によるテキストより
畑友洋建築設計事務所による、大阪・堺市の、バーベキューフィールド「原池公園拠点施設」の写真

畑友洋建築設計事務所のウェブサイトに、大阪・堺市の、バーベキューフィールド「原池公園拠点施設」の写真が6枚掲載されています。

環状の木立

堺市原池公園のPark-PFI事業によって整備された公園拠点施設としてのバーベキューフィールドの計画。堺市からはプロポーザルに際し、公園内にある体育館や野球場などの中央に位置する、公園における賑わいの核とすることが期待されていた。
野球場や体育館などの大きな運動施設に挟まれ、見渡す限り物陰もない広場の中心であったことから、訪れた人々が思い思いに休息し、たたずめるような、少し身を隠せるような場所がふさわしく思えたことから、隣接する池のほとりに開かれた木陰のような場所を生み出したいと考えた。そこで、実際の木々と建築が混ざり合い、多くの人々がそれぞれ快適な距離を保ちながらも、同時に大きな広場を囲んでいる一体感を生み出すことができるようなゆるやかに環を形作る木立のようなイメージを描いた。
公園周辺には低層の住宅地が迫る環境であることから、屋根を住宅スケールにまで細分化し、木立の中に溶け込ませる計画とした。細分化させた屋根の構造は、壁を無くし傾斜した柱によるネットワーク構造とすることで全体として水平力を担保しながら、木々に溶け込み、木立に分け入るような認識を生み出すことを意図した。既存のテント棟や管理棟を巻き込みながら、公園の中心であることとともに、密集した住宅地の憩いの核としても位置付けられるような場所になることを期待している。

上林剛典 / platによる、東京・原宿の店舗「RESTAURANT U」。若者が集まる通りに面する飲食店の内装計画、街と店の距離感を近づける事を目指して室内のカウンターが外に飛出るデザインを考案、内部では客と店員が交錯する動線設計を意図的に行い自然な交流を促す
上林剛典 / platによる、東京・原宿の店舗「RESTAURANT U」。若者が集まる通りに面する飲食店の内装計画、街と店の距離感を近づける事を目指して室内のカウンターが外に飛出るデザインを考案、内部では客と店員が交錯する動線設計を意図的に行い自然な交流を促す photo©Naomi Circus
上林剛典 / platによる、東京・原宿の店舗「RESTAURANT U」。若者が集まる通りに面する飲食店の内装計画、街と店の距離感を近づける事を目指して室内のカウンターが外に飛出るデザインを考案、内部では客と店員が交錯する動線設計を意図的に行い自然な交流を促す photo©Naomi Circus
上林剛典 / platによる、東京・原宿の店舗「RESTAURANT U」。若者が集まる通りに面する飲食店の内装計画、街と店の距離感を近づける事を目指して室内のカウンターが外に飛出るデザインを考案、内部では客と店員が交錯する動線設計を意図的に行い自然な交流を促す photo©Naomi Circus

上林剛典 / platが設計した、東京・原宿の店舗「RESTAURANT U」です。
若者が集まる通りに面する飲食店の内装計画、街と店の距離感を近づける事を目指して室内のカウンターが外に飛出るデザインを考案、内部では客と店員が交錯する動線設計を意図的に行い自然な交流を促しました。

東京、原宿の若者が集うストリートに位置するヴィーガンレストラン・カフェのインテリアデザインである。

建築家によるテキストより

1Fは奥にキッチンを、手前にゲストを迎える設えであるが、まるでキッチンの延長かのような銅板カウンターが建物内部から前面のストリートまで染み出ることで、街とお店の距離感を近づける計画にした。

建築家によるテキストより

空間の奥から手前まで、造形が横たわることで、動線に問題が生じる。その動線と造形が絡み合う関係をつくれないか検討した。

本来であれば、あまり好ましくない動線ではあるものの、お店のコンセプトである人・動物・地球にやさしいボーダレスな取り組みからゲストが造形を横切る動線計画を提案した。

この動線によって、ゲストとスタッフの間で自然な会話が生まれることを期待した。ひとつの造形が人や街に及ぼす影響を自ら感じた設計であった。

建築家によるテキストより
大西麻貴+百田有希 / o+hによる、山形市の児童遊戯施設「シェルターインクルーシブプレイス コパル」の完成見学会が開催。加えて、設計者や館長が参加する特別座談会もオンラインで公開
大西麻貴+百田有希 / o+hによる、山形市の児童遊戯施設「シェルターインクルーシブプレイス コパル」の完成見学会が開催。加えて、設計者や館長が参加する特別座談会もオンラインで公開外観写真
大西麻貴+百田有希 / o+hによる、山形市の児童遊戯施設「シェルターインクルーシブプレイス コパル」の完成見学会が開催。加えて、設計者や館長が参加する特別座談会もオンラインで公開特別座談会の参加者

大西麻貴+百田有希 / o+hが設計した、山形市の児童遊戯施設「シェルターインクルーシブプレイス コパル」の完成見学会がシェルターの主催で開催されます。開催日は2022年6月14日(火)と7月12日(火)参加費は無料で、要事前申し込み(※締切は、各開催日の1週間前)。
また、設計者や館長が参加する特別座談会もオンラインで公開されます(※特別座談会ご視聴のみのお申込みも可能)。参加の申込はこちらからどうぞ。【ap・ad】

山形市内にオープンしたシェルターインクルーシブプレイスコパル(山形市南部児童遊戯施設)の完成見学会を開催致します。

美しい山並みに呼応する雲のような屋根が特徴的な本施設は、「障がいの有無や、人種、言語、家庭環境に関わらず、多様な個性や背景を持った全ての子どもたちの遊びと学びの場」という基本方針を持つ、全国的にも事例の少ないインクルーシブ施設です。

この機会に是非ご覧下さい。

以下に、建物の写真も掲載します

スカーン・チャイヤワット+進藤理奈+ウィティー・ウィスタムポーンによる、タイの、寺院の施設「Buddhanimit Temple」。寺運営の教育施設に入る子供の増加に伴う寮の計画、新築予定に対し調査を行い予算配分を再検討して既存建物の寮への改修と図書館等新設を提案、生活・学習・課外活動の場を様々な文脈を尊重してつくる
スカーン・チャイヤワット+進藤理奈+ウィティー・ウィスタムポーンによる、タイの、寺院の施設「Buddhanimit Temple」。寺運営の教育施設に入る子供の増加に伴う寮の計画、新築予定に対し調査を行い予算配分を再検討して既存建物の寮への改修と図書館等新設を提案、生活・学習・課外活動の場を様々な文脈を尊重してつくるメインのアクセスから、旧校舎を改修した寮を見る。 photo©Chaovarith Poonphol Photography
スカーン・チャイヤワット+進藤理奈+ウィティー・ウィスタムポーンによる、タイの、寺院の施設「Buddhanimit Temple」。寺運営の教育施設に入る子供の増加に伴う寮の計画、新築予定に対し調査を行い予算配分を再検討して既存建物の寮への改修と図書館等新設を提案、生活・学習・課外活動の場を様々な文脈を尊重してつくる旧校舎を改修した寮 photo©Chaovarith Poonphol Photography
スカーン・チャイヤワット+進藤理奈+ウィティー・ウィスタムポーンによる、タイの、寺院の施設「Buddhanimit Temple」。寺運営の教育施設に入る子供の増加に伴う寮の計画、新築予定に対し調査を行い予算配分を再検討して既存建物の寮への改修と図書館等新設を提案、生活・学習・課外活動の場を様々な文脈を尊重してつくる新設された水廻り photo©Chaovarith Poonphol Photography
スカーン・チャイヤワット+進藤理奈+ウィティー・ウィスタムポーンによる、タイの、寺院の施設「Buddhanimit Temple」。寺運営の教育施設に入る子供の増加に伴う寮の計画、新築予定に対し調査を行い予算配分を再検討して既存建物の寮への改修と図書館等新設を提案、生活・学習・課外活動の場を様々な文脈を尊重してつくる新設された図書館 photo©Chaovarith Poonphol Photography

スカーン・チャイヤワット進藤理奈ウィティー・ウィスタムポーンが設計した、タイ・ウドーンターニーの、寺院の施設「Buddhanimit Temple」です。
寺運営の教育施設に入る子供の増加に伴う寮の計画、新築予定に対し調査を行い予算配分を再検討して既存建物の寮への改修と図書館等新設を提案、生活・学習・課外活動の場を様々な文脈を尊重してつくる事が意図されました。

タイ・ウドーンターニーの農村地帯に位置する、寺院の修行僧のための寮と共用施設である。
この寺院には、公教育を受けられない家庭に無償で教育を提供する寺子屋があり、修行僧として入学する子どもたちの増加に伴って新たな寮の建設が求められた。

当初の依頼は、限られた予算で2階建ての寮を新築する計画だったが、現地調査を経て、敷地内にある旧校舎を寮に改修し、残る予算で共用の水廻りと図書室の新築することを提案した。これにより、当初の予算内で、生活の場だけでなく学習や課外活動の場をつくるとともに、敷地がもつコンテクストや既存建物を尊重しながら、新しいものと共存させることを試みた。

建築家によるテキストより

敷地内で廃墟となっていた旧校舎は、RCの柱と梁を残して解体し、外壁・間仕切壁・屋根などの必要な要素のみを追加して、約40人の修行僧が暮らす寮へと改修した。僧侶たちとのワークショップを経て、リビングを兼ねた大きな廊下に沿って4~5人で共有するベッドルームを配置するプランが採用された。土地の風道に直交して建つ既存建物の配置を活かし、居室の南北に開口部を設けることで、空調設備がなくても自然な風の流れで有効に換気ができる計画とした。

建築家によるテキストより

寮の裏手に配置された水廻りは、寺院の敷地内にいるすべての僧侶に利用され、気軽な集まりや交流の場となる。
屋根は、周囲の木々が作り出す光と影に呼応して、半透明と不透明の屋根材を交互に配置することで、自然光をバランスよく取り込めるように設計した。また、水廻りの隣には、洗濯した僧衣を干す物干しスペースを設けた。掛けられた衣は、隣接する道路からの目隠しの役割も果たしている。

図書室は、既存校舎から直接アクセスできるよう校舎の廊下の延長線上に配置し、渡り廊下で繋いだ。
既存校舎の床レベルに合わせて床を高くすることで、床下の風の流れを良くし、床面温度や湿度を下げる効果も得られる。また、南側の外壁には開口を設けず、屋根を南向きに傾斜させることで直射日光を防ぐとともに、北側にハイサイドライトを設けた。隣接する校舎の白い壁面に日光を反射させ、間接光として図書室内に取り込むことで、書籍の劣化を防ぎながらも心地よい明るさを確保した。

建築家によるテキストより
小嶋健志郎 / STUDIO JEUによる、福岡の美容室「ZOEY et.」。自己表現として髪型に拘りをもつ若者が訪れるサロンの2号店の計画、刺激的体験を共有する場を目指して視線が交差し互いの思想が垣間見える円形空間を設計、SNS時代以降の実店舗の在り方も考慮
小嶋健志郎 / STUDIO JEUによる、福岡の美容室「ZOEY et.」。自己表現として髪型に拘りをもつ若者が訪れるサロンの2号店の計画、刺激的体験を共有する場を目指して視線が交差し互いの思想が垣間見える円形空間を設計、SNS時代以降の実店舗の在り方も考慮 photo©Yousuke Harigane / 針金洋介
小嶋健志郎 / STUDIO JEUによる、福岡の美容室「ZOEY et.」。自己表現として髪型に拘りをもつ若者が訪れるサロンの2号店の計画、刺激的体験を共有する場を目指して視線が交差し互いの思想が垣間見える円形空間を設計、SNS時代以降の実店舗の在り方も考慮 photo©Yousuke Harigane / 針金洋介
小嶋健志郎 / STUDIO JEUによる、福岡の美容室「ZOEY et.」。自己表現として髪型に拘りをもつ若者が訪れるサロンの2号店の計画、刺激的体験を共有する場を目指して視線が交差し互いの思想が垣間見える円形空間を設計、SNS時代以降の実店舗の在り方も考慮 photo©Yousuke Harigane / 針金洋介

小嶋健志郎 / STUDIO JEUが設計した、福岡の美容室「ZOEY et.」です。
自己表現として髪型に拘りをもつ若者が訪れるサロンの2号店の計画、刺激的体験を共有する場を目指して視線が交差し互いの思想が垣間見える円形空間を設計、SNS時代以降の実店舗の在り方も考慮されました。

福岡の中心に位置するファッショナブルな若者が行き交う通りから一本はずれた小さな路地にあるヘアーサロンZOEYの2号店。
自己表現媒体としての髪型にこだわりをもつ若者が多く来店しその要望に答えうる、情熱と技術をもった挑戦的なスタイリストが揃っていた。彼らのアトリエであり、刺激的な体験を共有できる場であることをもとめられた。

建築家によるテキストより

ファサードにはショーウィンドウのような正方形の鋼製ガラス框扉を設置した。
押すと回転して内部空間にまねかれる、特異性をもつエントランスとした。
カッティングスペースは24枚からなる幅600mmx高さ2,100mmのMDFパネルを円形に並べて構成した簡素で実験的な空間とした。

建築家によるテキストより

円形スペースには、動線が交わりやすくなるといったネガティブな要素がある反面ファッションショーの舞台裏のような何かを生み出そうとする、熱量の中心がうまれる。
また、そこで髪を切る人同士の視線の交差も何色に髪を染め、どんな髪型にしているのか。相互フォローするように、ライフスタイルや思想を垣間見る。SNSが浸透した世代にとっては新しい美容室のありかたのように思える。

建築家によるテキストより
【ap job更新】 ディスカッションを大切にし、集合住宅やオフィスビル等を手掛ける「OID architects」が、設計スタッフ(新卒既卒・経験者)を募集中
【ap job更新】 ディスカッションを大切にし、集合住宅やオフィスビル等を手掛ける「OID architects」が、設計スタッフ(新卒既卒・経験者)を募集中
【ap job更新】 ディスカッションを大切にし、集合住宅やオフィスビル等を手掛ける「OID architects」が、設計スタッフ(新卒既卒・経験者)を募集中

ディスカッションを大切にし、集合住宅やオフィスビル等を手掛ける「OID architects」の、設計スタッフ(新卒既卒・経験者)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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OID architectsは建築設計のスタッフを募集します。

これまで店舗、オフィス、学校、クリニック、集合住宅、ゲストハウスなどを手がけてきました。

現在は集合住宅、オフィスビル、ゲストハウスの新築・リノベーション案件を中心に手がけています。

基本的にデザイン提案から工事監理まで行うため、建築物ができるまでの一連のプロセスを経験できます。
案件はメンバーと話し合ったり、考えていることを形にしたりしながら進めていきます。

事務所は少人数でオープンな環境とし、スタッフの個の能力と所内でのディスカッションを大切にしています。

井原正揮+井原佳代 / ihrmkによる、茨城の「石岡のLDK、そしてはなれ」。退職後に家での時間が増えた夫婦の為の改修計画、現地調査で施主の住居への愛着を感じて更新でなく空気を紡ぐ様な“修繕”を志向、新旧の差異を表現しない小さな操作の積み重ねで新たな歴史を重ねる
井原正揮+井原佳代 / ihrmkによる、茨城の「石岡のLDK、そしてはなれ」。退職後に家での時間が増えた夫婦の為の改修計画、現地調査で施主の住居への愛着を感じて更新でなく空気を紡ぐ様な“修繕”を志向、新旧の差異を表現しない小さな操作の積み重ねで新たな歴史を重ねる photo©千葉顕弥
井原正揮+井原佳代 / ihrmkによる、茨城の「石岡のLDK、そしてはなれ」。退職後に家での時間が増えた夫婦の為の改修計画、現地調査で施主の住居への愛着を感じて更新でなく空気を紡ぐ様な“修繕”を志向、新旧の差異を表現しない小さな操作の積み重ねで新たな歴史を重ねる photo©千葉顕弥
井原正揮+井原佳代 / ihrmkによる、茨城の「石岡のLDK、そしてはなれ」。退職後に家での時間が増えた夫婦の為の改修計画、現地調査で施主の住居への愛着を感じて更新でなく空気を紡ぐ様な“修繕”を志向、新旧の差異を表現しない小さな操作の積み重ねで新たな歴史を重ねる photo©千葉顕弥

井原正揮+井原佳代 / ihrmkが設計した、茨城の「石岡のLDK、そしてはなれ」です。
退職後に家での時間が増えた夫婦の為の改修計画、現地調査で施主の住居への愛着を感じて更新でなく空気を紡ぐ様な“修繕”を志向、新旧の差異を表現しない小さな操作の積み重ねで新たな歴史を重ねる事が意図されました。

茨城県石岡市に建つ住宅、その一角にある少し草臥れた畳敷きの茶の間とキッチンダイニングのリノベーションをしたいという依頼があった。

子どもが独立、ご主人の退職によって家で過ごす時間が多くなったことから、料理をするだけでなく料理をしながら夫婦の会話ができるようなレイアウトの調整を、という要望がはじめにあげられた。住宅の一部を子どもや孫が帰って来たときに皆でくつろげると同時に、日常使う夫婦にとっても居心地の良い空間へと改修したいという。

建築家によるテキストより

現地調査に伺うと、伝統構法で建てられた大きな平屋が彼らの持つ畑に囲まれて建っていた。
第1種電気工事士として自ら施工した配線や配管への愛着を語る夫や日常生活の様子を語る妻、そして居室を構成する真壁の穏やかな経年変化を前にして、ドラスティックな空間更新としての「リノベーション」をするのではなく、あるいは仕様や性能を更新するような「リフォーム」をするのではなく、今そこにある空気を紡ぐような「修繕」をしたいと考えた。

建築家によるテキストより

極力元の仕上げをそのままに現すこと、必要に応じて新たに加えた部材や仕上げはエージング処理や色合わせなどをせずに用いること、そしてその差異を表現として用いないことによって、新旧の間の忖度を発生させずにリフォームとリノベーション*の間にある何かを拾い上げる。まるで細胞の新陳代謝の様に、古いものに新しいものが少しずつ重なりまた更に重なり、その場所の歴史は紡がれていく。

建築家によるテキストより

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