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ペーター・メルクリへの、貝島桃代らによるインタビュー(日本語)

ペーター・メルクリへの、貝島桃代らによるインタビューが、窓研究所のサイトに掲載されています。

スイスを代表する建築家・ペーター・メルクリは、師である建築家ルドルフ・オルジアティとの出会いをきっかけにそのキャリアをスタートさせ、1978年には自身のスタジオ「Studio Märkli」をチューリッヒで設立。以降ハンス・ヨーゼフソンの美術館《彫刻の家》などの建築作品を通じ、都市、歴史、知覚といった建築の根源的な問題を思索し、実践し続けている。
スイス連邦工科大学チューリッヒ校(ETHZ)の「建築のふるまい学」研究室を主催する建築家・貝島桃代氏、同研究室所属のグレゴワール・ファルケ氏、シモーナ・フェラーリ氏が、メルクリ氏のチューリッヒのスタジオで話を聞いた。

野村大輔 / dada+徳野由美子建築設計事務所が全体空間デザイン等を手掛けた、宮城・石巻市の「ワーキングステージ / Third Selfワーキングスペース」
野村大輔 / dada+徳野由美子建築設計事務所が全体空間デザイン等を手掛けた、宮城・石巻市の「ワーキングステージ / Third Selfワーキングスペース」エントランス。 photo©徳野由美子建築設計事務所
野村大輔 / dada+徳野由美子建築設計事務所が全体空間デザイン等を手掛けた、宮城・石巻市の「ワーキングステージ / Third Selfワーキングスペース」ブースA「リトリートワークプレイス」/ 設計:ハーマンミラージャパン / 田沼智子+河合暁+野村大輔 / dada photo©山田真優美
野村大輔 / dada+徳野由美子建築設計事務所が全体空間デザイン等を手掛けた、宮城・石巻市の「ワーキングステージ / Third Selfワーキングスペース」ブースB「ワーキングステージ」/ 設計:徳野由美子建築設計事務所 photo©山田真優美
野村大輔 / dada+徳野由美子建築設計事務所が全体空間デザイン等を手掛けた、宮城・石巻市の「ワーキングステージ / Third Selfワーキングスペース」ブースC「タイニーオフィス」/ 設計:野村大輔 / dada photo©山田真優美

野村大輔 / dada徳野由美子建築設計事務所が全体空間デザイン等を手掛けた、宮城・石巻市の「ワーキングステージ / Third Selfワーキングスペース」です。また、スペース内のブースのデザインは「ブースA『リトリートワークプレイス』」をハーマンミラージャパン / 田沼智子+河合暁+野村大輔 / dadaが、「ブースB『ワーキングステージ』」を徳野由美子建築設計事務所が、「ブースC『タイニーオフィス』」を野村大輔 / dadaが手掛けています。施設の公式ページはこちら

2020年秋に行われたハーマンミラージャパン主催の設計コンペで最優秀賞を頂いたことがきっかけで、宮城県石巻市にある空き家(元文房具屋さんの倉庫建築)の2Fの一部130㎡をコワーキングスペースとしてコンペの審査員をして下さった野村大輔氏(dada株式会社)と共同で空間全体をデザインし、またさらにその一部のスペースをコンペ時のアイデアのケーススタディとして設計しました。

建築家によるテキストより

コンペ案のアイデアは、石巻に実在するRC壁式構造の旧社員寮を対象として、6畳程の広さで横に3つに仕切られた部屋を、少し高さのある床と長いテーブルを造作してつくる”ステージ”空間でつなぎ、小さい空間としての単位としても大きな空間としての単位としてもワーケーション利用を楽しめる魅力的な空間を作るというもので、既存の建築の構造を担保しながら空間の使われ方の新しい可能性を提案したものです。

建築家によるテキストより

今回のプロジェクトでは実際に使う空間でありながらワークスタイルのショールームとしてコンペのアイデアを再現することが求められていたので、他のワークスタイルブースや必要なオープンスペースとの関係を調整しながらコンペ敷地の面積にできるだけ近いスペースを敷地内に確保したところに、コワーキングスペースとして利用する際に椅子に座って周りの視線を遮ることができる高さとして床から1300mmの高さで壁を設定し、コンペ案を再現しました。

建築家によるテキストより
隈研吾の基本設計、竹中工務店・東急設計コンサルタントJVの実施設計による、東京・代官山の新商業施設。中庭を中心に、店舗・コワーキングオフィス・集合住宅が積層するプログラム
隈研吾の基本設計、竹中工務店・東急設計コンサルタントJVの実施設計による、東京・代官山の新商業施設。中庭を中心に、店舗・コワーキングオフィス・集合住宅が積層するプログラム
隈研吾の基本設計、竹中工務店・東急設計コンサルタントJVの実施設計による、東京・代官山の新商業施設。中庭を中心に、店舗・コワーキングオフィス・集合住宅が積層するプログラム

隈研吾建築都市設計事務所の基本設計、竹中工務店東急設計コンサルタント共同企業体の実施設計による、東京・代官山の新商業施設「(仮称)代官山町プロジェクト」。中庭を中心に、店舗・コワーキングオフィス・集合住宅が積層するプログラムとなっています。

コロナは建築と都市の歴史にとって大きな転換、折り返しポイントになるであろう。

コロナ以前の建築のテーマは「集中」であった。都心部に集中させることが効率的であり、幸福であると考えられていた。コロナのあと、われわれは都市の様々な活動を分散、多様な存在へと作り変えていかなければならない。
『代官山町プロジェクト』はそのような新しい試みの一つのモデルとなるであろう。そこで、われわれは集中の時代の単調な箱にかわる、新しい自由でやわらかな建築を提案しようと考えた。

代官山は様々な意味でそのような自由な建築をつくるために最適な場所である。まず、多様な地形を持ち、丘があり、川があり、それによって風の流れ、光の射し方も複雑で豊かである。
この地は利便でありながら「集中の時代」の退屈な都市とは異なる豊かな自然がそこかしこに生きているのである。そのうえ、新しい自由な街を追求する、様々な試みがつくられてきた「街の実験場」であり「集合住宅の聖地」でもある。

建築家によるテキストより
坂茂による、東京・渋谷区での「2021 新型コロナウィルスワクチン接種会場 / 紙の間仕切りシステム」の写真

坂茂のウェブサイトに、東京・渋谷区での「2021 新型コロナウィルスワクチン接種会場 / 紙の間仕切りシステム」の写真が5枚掲載されています。

中村拓志 / NAP建築設計事務所による、2021年日本建築学会賞を受賞した「上勝ゼロ・ウェイストセンター」の動画

中村拓志 / NAP建築設計事務所による、2021年日本建築学会賞を受賞した徳島の「上勝ゼロ・ウェイストセンター」の動画です。日本建築学会賞は山田憲明と連名での受賞です。こちらのPDFに施設の概要や図面がまとまっています。ゴミ分別センターやコミュニティ機能、宿泊機能を持った公共建築です。施設の公式サイトはこちら

隈研吾への、ルイジアナ美術館によるインタビュー動画「私たちの時代の建築」。約20分の動画で日本語で語られる

隈研吾への、ルイジアナ美術館によるインタビュー動画「私たちの時代の建築(Architecture for Our Time)」です。約20分の動画で日本語で語られています。2020年5月に収録されたもののようです。

Kengo Kuma (born 1954) is considered one of the most significant contemporary Japanese architects. In 1987 he founded the Spatial Design Studio (now Kengo Kuma & Associates) and opened his Paris Studio in 2008. In 1987, he founded the Spatial Design Studio. In 1990, Kengo Kuma & Associates, his own studio was established. During the 1998–1999 academic year, he was a visiting professor at the Faculty of Environmental Information at Keio University. In 2008, Kuma earned a Ph.D. from Keio University. In October 2021 The Waseda International House of Literature (The Haruki Murakami Library) will open. Kuma is the designer of the Japan National Stadium in Tokyo which has been built for the 2020 Summer Olympics.

Kengo Kuma was interviewed at his office in Tokyo by Mette Holm, in May 2020.

最も注目を集めたトピックス [期間:2021/5/10-5/16]
最も注目を集めたトピックス [期間:2021/5/10-5/16]

アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2021/5/10-5/16)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。


  1. アルヴァ・アアルトが1936年に完成させた自邸の、日本語解説付オンラインツアー動画が、期間限定で公開中
  2. 坂牛卓+O.F.D.A.による、山梨・甲府市の「地域総合子ども家庭支援センター・テラ 第一期工事」
  3. 中村創 / DAN設計室による、神奈川の、既存戸建て住宅の改修「秦野の家」
  4. ツバメアーキテクツによる、埼玉・さいたま市の「やわらかい天井の保育園 1&2」
  5. 中山英之による、ポーラ美術館でのモネの展覧会「モネ-光のなかに 会場構成:中山英之」の写真と、中山によるコンセプト解説。モネの絵画を見るための光の質を現代技術で追求
  6. ザハ・ハディド・アーキテクツの上海での大規模回顧展をプレビュー。代表作・進行中のプロジェクト・プロダクト作品を140枚以上の豊富な写真で振り返る
  7. 奥和田健建築設計事務所による、兵庫・川西市の住宅「さかのさんのいえ」
  8. 青木淳と品川雅俊のASと昭和設計が進めている「松本平広域公園陸上競技場」の基本設計案を市民向けに解説している動画
  9. MVRDVの設計で着工した、中国・深センの「Shenzhen Terraces」。テラスを積層し立体的公園にように計画され劇場・図書館・大学等20以上のプログラムを内包する建築
  10. STA土屋辰之助アトリエによる、長野・小県郡の「SHouse HM 蓼科の第二住居」
  11. GENETOの基本設計・デザイン監修、コスモスモアの設計・監理による、京都市の宿泊施設「HOTEL KYOTOLOGY」
  12. 妹島和世が、ヴェネチアビエンナーレ国際建築展2021の審査委員長を務めることが発表。審査員5名のうち4名を女性建築家らが担う
  13. 中村創 / DAN設計室のデザイン監修、オカケンの設計施工による、神奈川・大和市の、建売住宅「南林間のふたつの家」
  14. bews / ビルディング・エンバイロメント・ワークショップ+東鉄工業による、東京・八王子市の「ヤマデン本社屋工場 1期工事」
  15. MADの設計で2023年末の完成を予定する、中国の「嘉興市民センター」。都市の新たな公共空間となる中庭と都市の風景や歴史を参照した有機的な外観が特徴
  16. 2020年にアーキテクチャーフォトで注目された作品トップ10
  17. 2021年のプリツカー賞をラカトン&ヴァッサルが受賞。主要作品の写真等を紹介
  18. 大堀伸 / ジェネラルデザインによる、東京・神宮前の店舗「NEIGHBORHOOD HARAJUKU」
  19. 建築家のヘルムート・ヤーン氏が亡くなりました
  20. 遠藤克彦建築研究所が、茨城の「大子町新庁舎」設計プロポで最優秀者に。提案書も公開。

妹島和世が、ヴェネチアビエンナーレ国際建築展2021の審査委員長を務めることが発表。審査員5名のうち4名を女性建築家らが担う
妹島和世が、ヴェネチアビエンナーレ国際建築展2021の審査委員長を務めることが発表。審査員5名のうち4名を女性建築家らが担う妹島和世。 photo©Aiko Suzuki

妹島和世が、ヴェネチアビエンナーレ国際建築展2021の審査委員長を務めることが発表されました。
その他の審査員には、ペルーの建築家サンドラ・バークレー(Sandra Barclay)、レバノンのヴィジュアル・アーティスト兼映像作家ラミア・ジョレイジュ(Lamia Joreige)、ガーナとスコットランドの建築家レスレイ・ロッコ(Lesley Lokko)、イタリアの建築家・歴史家ルカ・モリナーリ(Luca Molinari)が名を連ねています。審査員5名のうち4名を女性建築家・クリエイターが担っています。授賞式は2021年8月30日に行われるとのこと。今回の建築展のテーマは「どうやって一緒に生きていくのか?(How will we live together?)」です。

The International Jury of the Biennale Architettura 2021

The Jury, chaired by Kazuyo Sejima, will award the official prizes. The Awards Ceremony will take place on Monday 30th August 2021.

リリーステキストより

アワードには以下の5つの賞があります。

The International Jury will award the following official prizes:

The Jury may also award:

リリーステキストより
スタジオ・アン・ホルトロップによる、バーレーンの、芸術作品の倉庫兼アーカイブ「35 Green Corner Building」の写真と図面。敷地内の土でコンクリートブロックを成形し構造体に使用

スタジオ・アン・ホルトロップが設計した、バーレーン・ムハッラクの、芸術作品の倉庫兼アーカイブ「35 Green Corner Building」の写真と図面が15枚、domuswebに掲載されています。敷地内の土でコンクリートブロックを成形し構造体の一部にに使用していることも特徴的です。アン・ホルトロップは、スイス連邦工科大学チューリッヒ校で教鞭をとるなどでも注目を集めています。また、メゾン・マルタン・マルジェラの店舗を継続的にデザインしていることでも知られています。

奥和田健建築設計事務所による、兵庫・川西市の住宅「さかのさんのいえ」
奥和田健建築設計事務所による、兵庫・川西市の住宅「さかのさんのいえ」 photo©山田圭司郎 / YFT
奥和田健建築設計事務所による、兵庫・川西市の住宅「さかのさんのいえ」 photo©山田圭司郎 / YFT
奥和田健建築設計事務所による、兵庫・川西市の住宅「さかのさんのいえ」 photo©山田圭司郎 / YFT

奥和田健建築設計事務所が設計した、兵庫・川西市の住宅「さかのさんのいえ」です。

兵庫県東部の私鉄の駅「川西能勢口」から少し北へ上がった住宅地に「さかのさん」は敷地を購入された。 家族5人が集まり暮らす住宅をつくること、それが主たる目的であった。



設計中、さかのさん家族と食事など様々な時間を共にしていると、親子5人が仲良く、個々の状況を家族で共有しながら問題を解決し、生活を楽しまれている様子が伺えた。この家族の為の住宅であれば、大きなワンルームの構成でも良いかと思えたが、お子さんが成長し、特に男女を認識する時期になると、幾分かのプライバシーは必要にも思い、隔たりなく暮らせる「回遊の場」と、少し個を感じられる「隔ての場」とを併せ持つことが「さかのさん」にとって良いのではと思い、住居を考えた。

建築家によるテキストより
bews / ビルディング・エンバイロメント・ワークショップ+東鉄工業による、東京・八王子市の「ヤマデン本社屋工場 1期工事」
bews / ビルディング・エンバイロメント・ワークショップ+東鉄工業による、東京・八王子市の「ヤマデン本社屋工場 1期工事」南東からの俯瞰。多摩丘陵の中にゆったりした馬蹄形を置き、”ちゃぶれたハート”の片方(1期)に。段状敷地を一筆書きでつなぐ動線をそのまま象ったヴォリュームです。 photo©淺川敏
bews / ビルディング・エンバイロメント・ワークショップ+東鉄工業による、東京・八王子市の「ヤマデン本社屋工場 1期工事」2階、背骨のようなメインストリートから西のファクトリーガーデンをみる。トップライトや、インジケータライト、縦長の開口部やフロアランプとのコンビネーションで、1日の移り変わりが感じられます。 photo©淺川敏
bews / ビルディング・エンバイロメント・ワークショップ+東鉄工業による、東京・八王子市の「ヤマデン本社屋工場 1期工事」事務スペースと会議室群内観。暗くなりがちな建物中央部は常時は人のいない会議の”中之島”とし、南北の仕切りをフルハイトガラスとすることで、見通しのよいワンフロア空間としました。 photo©淺川敏

bews / ビルディング・エンバイロメント・ワークショップ東鉄工業 建築本部が設計した、東京・八王子市の「ヤマデン本社屋工場 1期工事」です。クライアント企業のウェブサイトはこちら

創業55年目を迎える樹脂系加工工場の新本社屋工場1期です.
最新の可変性&生産性とともに,新しい人材と製造業の未来を見据え,多様な視点から「今日的で快適なワークプレース」が求められました.新天地である多摩丘陵の敷地内法面を逆手にとり,身近に愉しむ緑のオヘソ「ファクトリーガーデン」として活用しました.大きな庇は,大小様々な搬出入を可能とし,衛星からの馬蹄形屋根(2期合わせて歪んだハート)がアイコンとなります.

建築家によるテキストより

施主は創業以来,先代からの才を受け継ぎ生産ネットワークの多角化に取り組んで,東北から九州まで全国15拠点へと成長を遂げました.一方で創業地の昭島を中心とする本社工場は,つくりが前世代的で手狭になり,優秀な次世代雇用の面ではマイナス要因に転じていました.こうした雇用と器の問題は同社だけでなく,戦後日本の高度経済成長の礎となった昭和感の残る工場で近年同様の課題を抱えており,工場というビルディングタイプの見直しは今や普遍的といえます.

建築家によるテキストより
青木淳と品川雅俊のASと昭和設計が進めている「松本平広域公園陸上競技場」の基本設計案を市民向けに解説している動画

青木淳と品川雅俊のAS昭和設計が進めている、長野の「松本平広域公園陸上競技場」の基本設計案を市民向けに解説している動画です。2021年4月24日にオンラインで行われたタウンミーティングのワンコーナーとして行われたものです。前後に行われた内容は、こちらの「長野県建設部施設課」のyoutubeアカウントから閲覧できます。
また、長野県のこちらのページでは、AS・昭和設計共同体と県側の打ち合わせを経た最新版の基本設計図面を公開し続けています。2020年7月に公開されたプロポーザル時の提案書はこちらで閲覧可能です。

MVRDVの設計で着工した、中国・深センの「Shenzhen Terraces」。テラスを積層し立体的公園にように計画され劇場・図書館・大学等20以上のプログラムを内包する建築
MVRDVの設計で着工した、中国・深センの「Shenzhen Terraces」。テラスを積層し立体的公園にように計画され劇場・図書館・大学等20以上のプログラムを内包する建築 image©Atchain
MVRDVの設計で着工した、中国・深センの「Shenzhen Terraces」。テラスを積層し立体的公園にように計画され劇場・図書館・大学等20以上のプログラムを内包する建築 image©Atchain
MVRDVの設計で着工した、中国・深センの「Shenzhen Terraces」。テラスを積層し立体的公園にように計画され劇場・図書館・大学等20以上のプログラムを内包する建築 image©Atchain

MVRDVの設計で着工した、中国・深センの「Shenzhen Terraces」です。テラスを積層し立体的公園にように計画され劇場・図書館・大学等20以上のプログラムを内包する建築となっています。

こちらは、建築家によるテキストの翻訳

「Shenzhen Terraces」が着工:劇場、図書館、大学を備えた熱帯気候のための建築物

MVRDVは、深センの龍崗区にある活気ある大学地区の核となる複合施設「Shenzhen Terraces」の建設を開始しました。このプロジェクトは、建物のプログラムを含むアクセス可能なプレートを積み上げることで構成されており、すべてのコミュニケーションは、パブリックライフを最大限に活用する日陰のテラスで行われます。持続可能性を重視して設計されたこのプロジェクトでは、緑の屋外スペースと、劇場、図書館、美術館、会議場、小売店などの様々なアクティビティが混在し、出会い、学び、レジャー、文化、リラクゼーションの拠点となっています。水平に積み重ねられたテラスは、周囲の高層タワーとの貴重なコントラストとなっているだけでなく、エコロジー機能も果たしています。オーバーハングは日陰を作り、丸い形状は風の流れを促進し、自然な換気を行います。また、豊富な緑、歩行者専用道路、水場などにより、このプロジェクトは深センで最もサスティナブルなものの一つとなっています。

歩行者に優しい景観と、公共交通機関を含む20種類以上のプログラムを組み合わせた「Shenzhen Terraces」は、周辺地域のサステイナブルな拠点となることが期待されています。豊富な植栽と水の機能は、地域の気温を下げ、都市の野生生物に生息地を提供し、庭園と雨水の収集は、食料と水資源を生み出します。

テラスの端は、各フロア間のつながりを形成したり、小さな屋外オーディトリアムとして機能するために、戦略的に傾斜しています。他の場所では、ファサードを内側に押し込むことで入口を強調し、計画の中で認識できる場所を作り、訪問者が自分の方向性を見つけやすくしています。敷地の東側に位置する最も大きなビルの中央部では、テラスが内側に向かってカーブし、屋外のアトリウムを形成しています。敷地の西側にある建物では、新しいコンセプトの図書館が複合施設を特徴づけています。図書館は独立した存在ではなく、2つの建物に分かれており、ユース・アクティビティ・センターやユース・アントレプレナーシップ・センターなど、関連する教育プログラムや商業プログラムをつなぐ「接着剤」の役割を果たしており、外には「ブック・パーク」が設けられています。ブリッジで建物をつなぎ、2階を連続したルートにすることで、「Shenzhen Terraces」と周辺の開発地をつなげています。

このプロジェクトの重要な野望は、建物と景観を融合させ、可能な限り持続可能なプロジェクトにすることでした。Openfabric社と共同で開発したランドスケープは、歩行者用ルートの間にジャングルのような緑の区画とパブリックプログラムを追加しています。これらの区画には、この地域の亜熱帯自然林を模した植栽が施され、草原の丘、パブリックアート、リフレクティブプール、クライミングや卓球などのアクティビティゾーンなどが混在しています。屋上もこのランドスケープの一部であり、太陽光発電パネルや雨水の貯留だけでなく、アクセスしやすい広い緑の芝生としても利用されています。

「深センのような都市では、パブリックスペースや自然の景観をどのようにして密集した都市に組み込むかを慎重に考えることが不可欠です。天候から守られたクールな空間は、エアコンの効いた室内からの脱出を可能にします」と、MVRDVの設立パートナーであるウィニー・マースはこう言います。「『Shenzhen Terraces』は、学生たちが暖かい気候の中、家の中に閉じこもるのではなく、外に出て講義を受けることを可能にする立体的な公園と捉えることができます。このプロジェクトでは、気候に逆らうのではなく、気候と一緒に取り組んでいます。自然に換気されたテラスは、オーバーハングによって日差しから守られ、やがて人々が出会い、勉強するための素晴らしいたまり場となるでしょう。」

ザハ・ハディド・アーキテクツの上海での大規模回顧展をプレビュー。代表作・進行中のプロジェクト・プロダクト作品を豊富な写真で振り返る
ザハ・ハディド・アーキテクツの上海での大規模回顧展をプレビュー。代表作・進行中のプロジェクト・プロダクト作品を豊富な写真で振り返る2012年に中国・北京に完成した「Galaxy SOHO」。 photo©Hufton+Crow
ザハ・ハディド・アーキテクツの上海での大規模回顧展をプレビュー。代表作・進行中のプロジェクト・プロダクト作品を豊富な写真で振り返る2012年にアゼルバイジャンに完成した「Heydar Aliyev Centre」。 photo©Hufton+Crow
ザハ・ハディド・アーキテクツの上海での大規模回顧展をプレビュー。代表作・進行中のプロジェクト・プロダクト作品を豊富な写真で振り返るオーストラリア・シドニーで進行中の「Western Sydney International Airport」。
ザハ・ハディド・アーキテクツの上海での大規模回顧展をプレビュー。代表作・進行中のプロジェクト・プロダクト作品を豊富な写真で振り返る2014に発表された「Tela」。

ザハ・ハディド・アーキテクツが中国・上海で行う大規模回顧展「ZHA Close Up – Work & Research」をプレビューします。代表作・進行中のプロジェクト・プロダクト作品を140枚以上の豊富な写真で振り返ります。展覧会は、現代美術館「MAM上海」にて2021年6月26日から9月15日まで開催されます。

こちらはプレスリリースの翻訳

MAM上海で開催される「ZHA Close Up」展は、(ZHA)の中国における初期の作品を時系列で紹介するもので、世界各地のプロジェクトを結びつける先駆的な研究と相互関係を探り、スタジオの想像力、デザイン、建築環境の構築方法を変えている技術革新について詳しく説明します。

2021年6月26日から9月15日まで開催される本展では、ローマの「MAXXI 21世紀美術館(2010年)」や北京の「Leeza SOHO(2019年)」の流れるような都市空間から、現在6大陸で開発中の画期的なプロジェクトまで、過去40年間のザハ・ハディド・アーキテクツの建築物の進化を検証し、革新とインスピレーションへの一貫した願望を示しています。

1979年に故ザハ・ハディド氏が設立したザハ・ハディド・アーキテクツ(ZHA)は、21世紀の建築を再定義し、世界中の人々の想像力をかき立てるプロジェクトを数多く手がけてきました。ハディド氏は建築界の重鎮であり、2004年には女性として初めてプリツカー建築賞を受賞しました。彼女が初めて中国を訪れたのは、キャリアをスタートさせたばかりの1981年のことでした。ユーフラテス川とチグリス川に削られた彼女の生まれ故郷であるイラクと同様に、中国の自然景観や都市居住地は、大河や水路によって歴史的に形成されてきました。ハディッド氏は、北から南へと旅をして中国の多くの都市を訪れ、その芸術と建築を体験しながら、自然の景観という大きな劇場の中に歴史的な建築を埋め込む方法を研究しました。

ZHAがコンペで受賞した香港の「ピーク・クラブ(1982-1983)」の設計は、建物と敷地、内部と外部、建築とエンジニアリングの間の流動的な関係についてのハディドのリサーチを明らかにしています。ZHAの作品は、周囲の山腹の地形によって定義され、「広州オペラハウス(2010年)」や「北京大興国際空港(2019年)」などの後続の重要なプロジェクトにおいて、有機的な建築言語で自然の一貫性を反映し、直感的にナビゲートでき、世界中で認められている比類のない空間体験を生み出しています。

「ZHA Close Up」は、ZHAの建築に刻まれた40年にわたる実験の旅を探ります。そして、彼らのデザインが新しいデザインごとに空間的に独創的で、構造的に効率的で、技術的に高度で、環境に配慮したものになっていくのを見る中で、その作品を建築実務の最前線として位置づけます。

「ZHA Close Up」では、世界中の市民、専門家、学術機関から最高の栄誉を受けたプロジェクトを紹介し、業界の設計・施工方法を改善するためのスタジオの先駆的な研究を紹介します。

持続可能性 – 詳細な環境分析と形状最適化技術の適用により、廃棄物や資源の消費を抑えた効率的な設計を実現します。

コンピューテーション&デザイン – 世界的に著名な科学機関とのコラボレーションにより、ロボット工学、人工知能、デジタルファブリケーションの分野で革新的な技術を開発しています。

ZH ソーシャル – 差別化されたエージェント集団と意思決定プロセスを用いたエージェントベースのシミュレーションにより、デザインされた環境で期待される社会的相互作用のプロセスを調査します。

アナリティクス&インサイト – データ分析と人間行動のモデル化により、健康的で生産性の高い職場環境を設計し、全体および個人のウェルネスに合わせてカスタマイズします。

バーチャルリアリティ – 没入型テクノロジーが建築家に提供する、拡張現実でのコラボレーションとデザインの可能性を示します。

本展では、2006年に設立されたザハ・ハディド・デザイン(ZHD)も紹介されます。ZHDは、ハディド氏の現代デザインに関する独自の対話を共有するための独立したプラットフォームを構築する必要性から設立されました。ZHDのポートフォリオは40年にわたる研究を網羅しています。今日では、ハディド氏の独創的な方法論と、家具、照明、ファッションにおける国境を越えた特徴的なデザインによって定義され、世界中で支持されています。また、ZHDは象徴的なブランドと提携し、世界で最も尊敬されている美術館のコレクションの一部となるような、特別な1点物や限定品を制作しています。それぞれの作品は、完璧なクラフトマンシップと、ハディッド氏の流麗な幾何学性を難なく表現しています。2014年に発表された「ZHDコレクション」は、ハディド氏のビジョンを表現したもので、妥協することなく卓越性と不適合性を追求することで、高い評価を得ているブランドを定義し、デザイン界において時代を超えて尊敬される存在となっています。

MAM上海のアーティスティック・ディレクター、シャイ・バイテルは次のように述べています。
「MAMでの学際的かつ没入型のアプローチの一環として、ザハ・ハディドの独創性を称えるこの重要な展覧会を開催できることを嬉しく思います。ハディド氏は非常に優れた女性で、研究者、デザイナー、建築家としての彼女の活動が、さまざまな地域や歴史の中で発展してきたこと、そしてこの活動が、早すぎる死を迎えたザハ・ハディド・アーキテクツの現在の革新的なビジョンと作品にどのような影響を与えているかを、観客の皆様にお見せできることを嬉しく思っています。ザハ・ハディド・アーキテクツ(ZHA)は、彼女の遺産を継承・発展させており、現代の最も重要な建築家の一人のビジョンについて、これまでにない洞察を与えてくれる本展の開催をMAMは誇りに思っています」

ザハ・ハディド・アーキテクツのプリンシパル、パトリック・シューマッハは次のように述べています。
「この展覧会では、私たちがどのような人間なのか、私たちの経験の深さ、現在の関心事、そして未来への願望を間近に提示することを目的としています」

中村創 / DAN設計室のデザイン監修、オカケンの設計施工による、神奈川・大和市の、建売住宅「南林間のふたつの家」
中村創 / DAN設計室のデザイン監修、オカケンの設計施工による、神奈川・大和市の、建売住宅「南林間のふたつの家」A棟外観。 photo©堀越 圭晋 / 株式会社 エスエス
中村創 / DAN設計室のデザイン監修、オカケンの設計施工による、神奈川・大和市の、建売住宅「南林間のふたつの家」A棟内観。 photo©堀越 圭晋 / 株式会社 エスエス
中村創 / DAN設計室のデザイン監修、オカケンの設計施工による、神奈川・大和市の、建売住宅「南林間のふたつの家」B棟外観。 photo©堀越 圭晋 / 株式会社 エスエス
中村創 / DAN設計室のデザイン監修、オカケンの設計施工による、神奈川・大和市の、建売住宅「南林間のふたつの家」B棟内観。 photo©堀越 圭晋 / 株式会社 エスエス

中村創 / DAN設計室のデザイン監修、オカケンの設計施工による、神奈川・大和市の、建売住宅「南林間のふたつの家」です。

「南林間」の緑豊かなこの地に中庭に囲まれ「緑」「光」「風」を常に感じる事の出来る2棟の住宅を計画した。

建築家によるテキストより

雁行プランにより出来たふたつの中庭は家の中心となるLDKから常に眺めることが出来、自然を感じることが出来る。
LDKは吹抜け、大開口をもち、木漏れ日のような光が降りそそぎ、自然に包み込まれたような開放的な居住空間を生み出すことが出来た。内装材や家具には木を多用することで、木に包まれた暖かみのある空間が生まれた。
また、木の深い軒を設けることで、木質感を建物全体でも感じることが出来るよう計画した。

建築家によるテキストより

2棟の家は街と調和するよう小さなボリュームの屋根に分割し、屋根ごとに勾配方向を変化させ、街並みとの連続性を図った。
また、外壁に凹凸を付けることで、時間とともに異なる陰影を落とし異なる表情を生み出す。まるで、2棟で一体のボリュームであるかのように感じることの出来る二つの家を生み出すことが出来た。

建築家によるテキストより
坂牛卓+O.F.D.A.による、山梨・甲府市の「地域総合子ども家庭支援センター・テラ 第一期工事」
坂牛卓+O.F.D.A.による、山梨・甲府市の「地域総合子ども家庭支援センター・テラ 第一期工事」ライトグリーンの屋根の建築が「センター棟」。エンジの屋根の建築が「クリニック棟」。 photo©Akeda Masashige
坂牛卓+O.F.D.A.による、山梨・甲府市の「地域総合子ども家庭支援センター・テラ 第一期工事」センター棟内観。 photo©Akeda Masashige
坂牛卓+O.F.D.A.による、山梨・甲府市の「地域総合子ども家庭支援センター・テラ 第一期工事」クリニック棟外観。 photo©Akeda Masashige
坂牛卓+O.F.D.A.による、山梨・甲府市の「地域総合子ども家庭支援センター・テラ 第一期工事」クリニック棟内観。 photo©Akeda Masashige

坂牛卓+O.F.D.A.が設計した、山梨・甲府市の「地域総合子ども家庭支援センター・テラ 第一期工事」です。第一期工事として、センター棟とクリニック棟が完成しています(研修棟は2期工事として2021年末完成予定)。

甲府市に建つこの建物は地域の恵まれない子供達のためにその家庭の親子の相談、アドバイス、医学的なカウンセリングなどを行う施設である。

本施設は3つの機能を3つの棟で分担している。1つはセンター棟で相談室、事務室など3棟の運営を統括する棟。2つ目はクリニック棟で医者による医学的なカウンセリングを行う棟。3つ目は研修棟で本施設の運営法人の全職員の研修を行う棟である。
今回第1期工事としてセンター棟、クリニック棟が完成した(研修棟は2期工事として2021年末完成予定である)。

建築家によるテキストより

3つの建物には建築的に共通する3つの特徴がある、1つ目は屋根形状とその色、2つ目は木構造露わしの内装、3つ目は中央と周辺という平面構成である。屋根形状は2棟の屋根は両方とも寄棟と切妻を混合した形状である(頂部に水平に近いトップライトを設けている)。

建築家によるテキストより

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