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【ap job更新】 沖縄を拠点とし 全国から注目される作品をつくる「STUDIO COCHI ARCHITECTS」が、設計スタッフ・設計補助スタッフを募集中
【ap job更新】 沖縄を拠点とし 全国から注目される作品をつくる「STUDIO COCHI ARCHITECTS」が、設計スタッフ・設計補助スタッフを募集中
【ap job更新】 沖縄を拠点とし 全国から注目される作品をつくる「STUDIO COCHI ARCHITECTS」が、設計スタッフ・設計補助スタッフを募集中House in Tamagusuku ©Ooki Jingu

沖縄を拠点とし 全国から注目される作品をつくる「STUDIO COCHI ARCHITECTS」の、設計スタッフ・設計補助スタッフ募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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STUDIO COCHI ARCHITECTSでは、設計スタッフ、設計補助スタッフを募集します。
現在、沖縄県内を中心に、住宅、店舗、宿泊施設、その他多くのプロジェクトが進行しています。

沖縄を中心にこれからの熱帯アジアの建築を共に考えていける方を歓迎します。

MVRDVによる、ドイツ・マンハイムの、高層集合住宅「the ‘O’」。HOMEの4文字の中の“O”の形をした建築で、“O”の中心部にパブリックテラスが設けられ、エリアの“リビングルーム”としての役割も果たす
MVRDVによる、ドイツ・マンハイムの、高層集合住宅「the ‘O’」。HOMEの4文字の中の“O”の形をした建築で、“O”の中心部にパブリックテラスが設けられ、エリアの“リビングルーム”としての役割も果たす image©MVRDV
MVRDVによる、ドイツ・マンハイムの、高層集合住宅「the ‘O’」。HOMEの4文字の中の“O”の形をした建築で、“O”の中心部にパブリックテラスが設けられ、エリアの“リビングルーム”としての役割も果たす image©MVRDV
MVRDVによる、ドイツ・マンハイムの、高層集合住宅「the ‘O’」。HOMEの4文字の中の“O”の形をした建築で、“O”の中心部にパブリックテラスが設けられ、エリアの“リビングルーム”としての役割も果たす image©MVRDV

MVRDVが設計した、ドイツ・マンハイムの、高層集合住宅「the ‘O’」。HOMEの4文字の中の“O”の形をした建築で、“O”の中心部にパブリックテラスが設けられ、エリアの“リビングルーム”としての役割も果たします。順次、他の文字(H、M、E)の形の建物も建設されるとのこと。

こちらはリリーステキストの翻訳です

近隣地域に個性をもたらす。MVRDVの「O」がマンハイムのフランクリン・ミッテに登場

MVRDVが設計した高層アパートメント「O」の最初の販売が開始されました。この建物は「HOME」を意味する4つの文字の形をしたアパートの1つとして、マンハイムのフランクリン・ミッテ地区の特徴的な要素を形成しています。15階建てのこの建物は、120戸のアパートメントに加え、地上階には商業施設やバー、テラスが設けられています。遊び心のある形をしたこの建物は、地域のランドマークとしても機能しており、地域全体の特徴を示す重要な要素となっています。

フランクリン・ミッテは、旧ベンジャミン・フランクリン米軍兵舎の持続可能な変革の中で実現された、いくつかの地区の一つです。フランクリン・ミッテのマスタープランは、41ヘクタールの敷地にさまざまなタイプの建物と用途を組み合わせたもので、MVRDVが同じ敷地に提案したマスタープランの要素をいくつか取り入れています。街を一直線に貫く「ヨーロッパ軸」、スーパーマーケットや診療所、薬局などを併設しながら街の中心部を見渡せる「グリーンヒル」、そして「HOME」を意味する大文字の形をした4つの高層ビルなどがあります。

HOMEの「O」はグリーンヒルに隣接しており、高層ビルと隣接するいくつかの低層ビルで構成されています。その存在感を際立たせているのが、青いレンガのファサードと、色鮮やかなガラスの手すりで囲まれたバルコニーです。これらのバルコニーにより、プロジェクトのほぼすべてのアパートメントが屋外スペースに直接アクセスできるようになっています。

「O」の中心にはパブリックテラスがあります。このテラスには公共の階段が設置されており、このエリアの「リビングルーム」としての役割を果たしています。近隣の景色を眺められるだけでなく、建物の4階にあるバーへの壮大な入り口にもなっています。グリーンヒルと合わせて、このポディアムは理想的なイベント会場となり、観客は丘の上で行われるショーを見ることができます。

地上では、「O」の四方を広場が囲んでいます。これはドイツのクリアランスエリア法で定められているものです。MVRDVのデザインでは、この規則を可能な限り忠実に再現し、各面に建物の高さを投影しています。広場のレイアウトに見られる「O」字型と格子状のファサードにより、居住者や訪問者が周囲の都市に形を与える法則について熟考することを促しています。

伊東豊雄が、2021年11月にArchitects not Architecture主催で行った講演の動画。建築ではなく建築家自身を語るイベントとして知られる

伊東豊雄が、2021年11月にArchitects not Architecture主催で行った講演の動画です。日本語でプレゼンテーションされたものが英訳されるスタイルで行われています。Architects not Architectureは、建築ではなく建築家自身を語るイベントとして知られていて、様々な建築家の講演を企画しています。

クリスト&ガンテンバインとオフィス・ゲールス・ファン・セーヴェレンが、2021年10月にハーバード大学主催で行ったレクチャーの動画

クリスト&ガンテンバイン(Christ & Gantenbein)オフィス・ケルステン・ゲールス・ダヴィッド・ファン・セーヴェレン(OFFICE Kersten Geers David Van Severen)が、2021年10月20日にハーバード大学主催で行ったレクチャーの動画です。

「香川県庁の旧館と東館が国の重要文化財に 丹下健三氏が設計」(NHK NEWS WEB)

「香川県庁の旧館と東館が国の重要文化財に 丹下健三氏が設計」という記事が、NHK NEWS WEBに掲載されています。
また、KSB瀬戸内海放送の同トピックのニュース動画は以下です。

【シリーズ・建築思索360°】第3回 保坂猛が語る“LOVE² HOUSE”と“建築思索”
【シリーズ・建築思索360°】第3回 保坂猛が語る“LOVE² HOUSE”と“建築思索”

「建築思索360°」は「360度カメラ RICOH THETA(リコーシータ)」と建築ウェブメディア「architecturephoto®」のコラボレーションによる特別連載企画です。現代社会のなかで、建築家として様々な試行錯誤を行い印象的な作品をつくる4組の建築家に、その作品と背景にある思索についてインタビューを行い、同時に建築・建設業界で新しいツールとして注目されているRICOH THETAを活用することの可能性についてもお聞きしました。さらに建築作品をRICOH THETA を用いた360度空間のバーチャルツアー「RICOH360 Tours」でもご紹介します。


保坂猛が2019年、都内に2度目の自邸として建てた「LOVE² HOUSE」は、床面積が18.84㎡の平屋というコンパクトさでありながら、不思議と狭さを感じさせない、実に心地よい空間だ。この「LOVE² HOUSE」はどのようなプロセスを経て生まれたのか。そして光や外部環境をうまく取り込む設計手法や発想の源泉となる建築めぐりの旅など、保坂の建築への姿勢について迫った。

※このインタビューは感染症予防の対策に配慮しながら実施・収録されました。


小さい空間にほしいものが全部ある

以下の写真はクリックで拡大します

【シリーズ・建築思索360°】第3回 保坂猛が語る“LOVE² HOUSE”と“建築思索”「LOVE² HOUSE」(設計:保坂猛建築都市設計事務所、2019年)ファサード。部屋にいると近所の人達から気軽に話し掛けられるという。 photo©藤井浩司


360度カメラRICOH THETA Z1で撮影した画像データを埋め込み表示した、RICOH360 Toursの「LOVE² HOUSE」バーチャルツアー。画像内の矢印をタップすることで、空間を移動することができます。

――保坂さんご夫妻は以前「LOVE HOUSE」(2005年)を設計して住まわれていましたが、新たに「LOVE² HOUSE」(2019年)を建てて引っ越されたんですよね。どのような経緯だったのですか。

保坂猛(以下、猛):2015年に早稲田大学芸術学校の准教授に就任して、横浜から早稲田まで通うのが困難になったのがきっかけです。
引っ越し先を探すにあたって、これまで戸建てに住んでいたのに都内でマンション暮らしは想像できなくて、結局もう一度建てることにしました。

【シリーズ・建築思索360°】第3回 保坂猛が語る“LOVE² HOUSE”と“建築思索”建築家の保坂猛と恵夫妻。 photo©大原宗

――新しい敷地が決まって、すぐに現在の姿をイメージされたのでしょうか。

猛:結構な紆余曲折がありましたね。最初は2階建ての四角い建物のイメージで40案ぐらいスタディを繰り返していましたから。平屋案に変わっても四角いままで。鉄骨造で考えていた時期もありました。どうにかまとまって確認申請を出して施工会社と工事契約を結んでも「何か違うな」と思って。

そうこうしていたら結局、確認申請を3回出すことになってしまいました。施工会社との契約も1回目の契約はご破算にしてもらっています。

――何が原因で決まらなかったのでしょう。

保坂恵:(以下、恵):「LOVE HOUSE」があまりに好きだったので、引きずっていたのでしょうね。でも「せっかくだから全然違う方が面白いかも」と割り切ったら、いい方向にいったみたいです。

たとえば前回の住宅はそぎ落としていく楽しさを体感したので、今度は小さい空間にほしいものが全部あるのがいいと思いました。

中山英之建築設計事務所が手掛けた、東京都渋谷公園通りギャラリーの「『語りの複数性』展 会場構成」をレビュー。既存ビル内を改装したギャラリーに、動線と壁面を緻密に設計することで、自然な流れを持ったひとまとまりの展覧会という感覚と作品に深く対峙できる状況をつくりだす
中山英之建築設計事務所が手掛けた、東京都渋谷公園通りギャラリーの「『語りの複数性』展 会場構成」をレビュー。既存ビル内を改装したギャラリーに、動線と壁面を緻密に設計することで、自然な流れを持ったひとまとまりの展覧会という感覚と作品に深く対峙できる状況をつくりだす大森克己《心眼 柳家権太楼》(2019年)展示風景 photo courtesy of 東京都渋谷公園通りギャラリー, photo 木奥惠三
中山英之建築設計事務所が手掛けた、東京都渋谷公園通りギャラリーの「『語りの複数性』展 会場構成」をレビュー。既存ビル内を改装したギャラリーに、動線と壁面を緻密に設計することで、自然な流れを持ったひとまとまりの展覧会という感覚と作品に深く対峙できる状況をつくりだす川内倫子《無題》(シリーズ「はじまりのひ」より)(2018年)展示風景 photo courtesy of 東京都渋谷公園通りギャラリー, photo 木奥惠三
中山英之建築設計事務所が手掛けた、東京都渋谷公園通りギャラリーの「『語りの複数性』展 会場構成」をレビュー。既存ビル内を改装したギャラリーに、動線と壁面を緻密に設計することで、自然な流れを持ったひとまとまりの展覧会という感覚と作品に深く対峙できる状況をつくりだす大森克己《心眼 柳家権太楼》(2019年)展示風景 photo courtesy of 東京都渋谷公園通りギャラリー, photo 木奥惠三
中山英之建築設計事務所が手掛けた、東京都渋谷公園通りギャラリーの「『語りの複数性』展 会場構成」をレビュー。既存ビル内を改装したギャラリーに、動線と壁面を緻密に設計することで、自然な流れを持ったひとまとまりの展覧会という感覚と作品に深く対峙できる状況をつくりだす会場風景 photo courtesy of 東京都渋谷公園通りギャラリー, photo 木奥惠三

中山英之建築設計事務所が手掛けた、東京都渋谷公園通りギャラリーの「『語りの複数性』展 会場構成」です。既存ビル内を改装したギャラリーに、動線と壁面を緻密に設計することで、自然な流れを持ったひとまとまりの展覧会という感覚と作品に深く対峙できる状況をつくりだしています。会期は2021年12月26日まで。展覧会の公式サイトはこちら

こちらは、実際に会場を訪問したアーキテクチャーフォトによるレビューです

この展覧会の、特に会場構成自体を作品として紹介する際には「東京都渋谷公園通りギャラリー」の背景を共有することが必須であるように思う。このギャラリーは、渋谷区立勤労福祉会館という建物内の1階に位置しており、2020年2月にアール・ブリュット等の振興の拠点として設立された施設である。

実際にギャラリーを訪問して分かるのは、このギャラリーや入居している建物が、新築時に展覧会を行う事を前提に建てられたわけではないという事である。同じフロアには、時間貸しのワークスペースが入居していたりとビル内にはギャラリーと日常が混在しているような印象である。加えて、ギャラリーの展示スペースが、廊下やホールなどを介しフロア内に点在していることも特徴だと感じた。これは建物内の違う用途で使われていたスペースを活用したギャラリーである事を想起させる。建物内に足を踏み入れた瞬間に、美術作品をみるのだという気持ちが切り替わるように考えられているそれ専用に建てられた美術館と比較すると、ある種の作品を展示することに対する難易度が高いギャラリーだと言うことが出来るだろう。

実際に展覧会を訪れて、作品を眺めながら会場をぐるりと一回りした。そこでの経験を振り返ると、先に書いたような展示空間が、フロア内に点在しているにもかかわらず、ひとつづきの展覧会のまとまりとして経験した感覚が残っているのである。これはまず、中山が今回の展示にあたり苦心した部分だと感じた。具体的には、展示の最初のスペースと二番目のスペースに移動するには、ホールと廊下を通過するのだが、この細長い廊下部分を作品展示スペースとしている。これによって、各展示空間の距離が縮まり、一連の展覧会として認識されやすくなっている。アートに対峙するという経験に出来る限りノイズが入らないように設計されているのである。

また、外部に最も近い公園通りに面した展示スペースのつくり方にも注目したい。ネットなどで他の展覧会期間の写真を見てもらうと明確に分かるのだが、このスペースは道路側がすべてガラス面であり内部の様子が通り側から見られることを意図してつくられた場所なのである。もともとがギャラリーである事を想定していなければ、合理的なつくりであるし、展覧会の性質によってはこの空間がそのまま生かされる場合もあるだろう。後述しているが、本展では出展作家が多様だ。その為に展示壁面を増やす必要があったと思われる。と同時に作品によっては光を許容するものと受け付けないものがある。そんな状況において、中山は、ガラス面から少しのクリアランスをとって新たな展示壁面をつくった。これにより、室内側は川内倫子の作品スペースが生まれ、ガラス面側には、大森克己の展示スペースが生まれる。これだけでも素晴らしいアイデアなのだが、ガラス面側の奥行きの浅さによって、そこが街中にあるショーウィンドウに擬態しているのである。この効果により大森の作品は渋谷の街中において鑑賞すべきものとして通りを行きかう数多の人々の記憶に刻まれることになるのである。

科学的グラフィズムの壮大な歴史を描いた書籍『世界を一枚の紙の上に 歴史を変えたダイアグラムと主題地図の誕生』の中身を先行プレビュー。代官山蔦屋書店とamazonで予約受付も開始
科学的グラフィズムの壮大な歴史を描いた書籍『世界を一枚の紙の上に 歴史を変えたダイアグラムと主題地図の誕生』の中身を先行プレビュー。代官山蔦屋書店とamazonで予約受付も開始

科学的グラフィズムの壮大な歴史を描いた書籍世界を一枚の紙の上に 歴史を変えたダイアグラムと主題地図の誕生』の中身を先行プレビューします。発売は2021年12月17日を予定。【ap・ad】

現在、代官山蔦屋書店とamazonで予約受付中です。

代官山蔦屋書店にて2021年12月8日までに事前予約いただいた分は、amazonより早いお届けになります。なお、代官山蔦屋書店では、刊行時に著者選書フェアおよび発刊トークイベントを開催予定。

アレクサンダー・フォン・フンボルトからオットー・ノイラートまで150年に及ぶ「世界視覚化」の歴史を描く。
雑誌『アイデア』の好評連載を待望の書籍化。

いまから200年以上前に制作された、一枚の図―

この図は、「近代デザインの父」とされるモリスらの活動を半世紀以上も先行していただけでなく、現代のダイアグラム表現を凌駕する、高度な領域に達していた!?

デザイン史を揺さぶるこのグラフィックは、なぜ、制作されたのか―

「世界を描く」という不可能に挑戦した人たちの知られざる科学的グラフィズム150年の軌跡。

書誌概要文より

【推薦の言葉、続々!】

中野豪雄(アートディレクター・グラフィックデザイナー)
関係づけ、比較し、体系立てる 〝世界〞を描く視覚表現の起源を紐解く画期的な論考

三中信宏(進化生物学者・生物統計学者)
情報を描く、知が見える 可視化の世界観がいま明らかに

真鍋 真(古生物学者・恐竜学者・国立科学博物館 標本資料センター長)
19世紀の一枚の絵図から始まった 情報デザインのルーツとその進化

推薦の言葉より
【シリーズ・色彩にまつわる設計手法】第6回 芦沢啓治 インタビュー・後編「環境全体への眼差しから生みだす上質な空間」
【シリーズ・色彩にまつわる設計手法】第6回 芦沢啓治 インタビュー・後編「環境全体への眼差しから生みだす上質な空間」

本記事は学生国際コンペ「AYDA2021」を主催する「日本ペイント」と建築ウェブメディア「architecturephoto®」のコラボレーションによる特別連載企画です。今年の「AYDA」日本地区のテーマは「音色、空間、運動」。このテーマにちなみ、現在活躍中の建築家に作例を交えながら色彩と空間の関係について語ってもらうインタビューを行いました。昨年、全4回にわたり公開された色彩に関するエッセイに続き、本年は建築家の青木淳と芦沢啓治の色彩に関する思考に迫ります。作品を発表する度に新鮮な驚きを与えてくれる二人。その色彩に関する眼差しを読者と共有したいと思います。


第6回・後編では、芦沢啓治が現在の設計スタイルに至った経緯や、設計思想について語ります。鉄を用いた家具製作を経て設計事務所を設立し、家具、店舗、住宅など幅広い分野でクオリティの高い仕事を続けている芦沢。はたして大きな影響を受けた建築家とは誰か、そして設計活動を続ける上で心掛けていることは何か。その誠実な姿勢に、芦沢流設計術の秘密が垣間見えた思いのするインタビューとなりました。(インタビューの前半はこちら


環境全体で考える上質な空間

【シリーズ・色彩にまつわる設計手法】第6回 芦沢啓治 インタビュー・後編「環境全体への眼差しから生みだす上質な空間」建築家の芦沢啓治。 photo©︎渡部立也

――芦沢さんのつくられる空間は、いわゆるラグジュアリーとも違う空間の上質さが特長だと思います。上質さというのは、ご自身も意識していらっしゃるのでしょうか。

芦沢:確実にそうです。建築やインテリアのデザインは“空間体験”を提供する技術ですから。

空間さえ整えてあげれば、光がきれいで、気持ち良く、置かれてある家具もさらに良く見える。そこにいる人だってきれいに見える。それなら「もう一回あそこに行ってみたい」とか「誰かに薦めたい」と思ってくれるでしょう。

そして欠かせないのは、ほどよい緊張感です。
ほどよい緊張感とコンテンポラリー、ある種現代的であることは繋がっていると思うんです。単なる心地よさだけではなく学びがある。空間そのものによって「ここを目指していかなければ」という感じにさせられるかどうかなんです。

そのために、一つひとつの選択に対して責任を持つのが僕らの仕事だと思っています。

――そのような方向性はいつから意識されたのでしょうか。独立された当初は今の方向性と少し違うように思うのですが。

芦沢:はい。事務所を立ち上げた32歳ぐらいの頃はあまりよく分かっていなかったんです。鉄を使った家具の製作からスタートして、「とにかく面白いものをつくるぞ」と躍起になっていただけでした。

――何か転機があったのでしょうか。

芦沢:大きな転機は、オーストラリアの建築家、ピーター・スタッチベリーさんの「Wall House」(2009年)という日本のプロジェクトを2年半ぐらい共働したことでした。その間、彼の建築を巡り彼と対話する中で、ランドスケープが上位概念であることに気付かされたんです。

たとえば彼から送られてきたスケッチは、どこまでが部屋の中でどこまでが外側か分からない。建築だけをつくろうとするのではなく環境全体をつくろうとしているんですね。できるだけ外側から物事を考えていかないとその境地には辿り着きません。そのアプローチに共感して以来、建築に対する視点が変わりました。

もちろんランドスケープと言ったところで、簡単に大きな公共コンペが取れるわけではありませんが、現在のプロジェクトにその視点は活かされています。

たとえば「ブルーボトルコーヒー みなとみらいカフェ(以下、みなとみらいカフェ)」では、テナントの目の前にある公園に丸いプラスチックの彫刻があったので、その隣に丸いベンチを置いて一緒に使ってもらうというアイデアが生まれました。

僕が自分の事務所を道路に面した場所に借りているのも、設計事務所のクリエイティブな空気感が街に浸透すればと願っているからです。知らない街に行った時にかっこいいお店が1~2軒あるだけで「いい街だな」と思うじゃないですか。その延長で「こんな設計事務所があるんだったらいい街だな」と思ってもらいたいと。

ネリ&フーによる、中国・峨眉山の「チュアン・モルトウイスキー蒸溜所」。中国で最も精神的に深い場所として知られる敷地に、中国哲学の“山水”の精神に基づき、建築の外観や形態において二面性を持つ建築を構想
ネリ&フーによる、中国・峨眉山の「チュアン・モルトウイスキー蒸溜所」。中国で最も精神的に深い場所として知られる敷地に、中国哲学の“山水”の精神に基づき、建築の外観や形態において二面性を持つ建築を構想 photo©Chen Hao
ネリ&フーによる、中国・峨眉山の「チュアン・モルトウイスキー蒸溜所」。中国で最も精神的に深い場所として知られる敷地に、中国哲学の“山水”の精神に基づき、建築の外観や形態において二面性を持つ建築を構想 photo©Chen Hao
ネリ&フーによる、中国・峨眉山の「チュアン・モルトウイスキー蒸溜所」。中国で最も精神的に深い場所として知られる敷地に、中国哲学の“山水”の精神に基づき、建築の外観や形態において二面性を持つ建築を構想テイスティング棟。5つのテイスティングルームがある。 photo©Chen Hao
ネリ&フーによる、中国・峨眉山の「チュアン・モルトウイスキー蒸溜所」。中国で最も精神的に深い場所として知られる敷地に、中国哲学の“山水”の精神に基づき、建築の外観や形態において二面性を持つ建築を構想レストラン&バーの入る建物。 photo©Chen Hao

ネリ&フーが設計した、中国・峨眉山の「チュアン・モルトウイスキー蒸溜所」。中国で最も精神的に深い場所として知られる敷地に、中国哲学の“山水”の精神に基づき、建築の外観や形態において二面性を持つ建築が構想されました。

こちらは建築家によるテキストの翻訳

Shan-shui: 二面性|チュアン モルト ウイスキー蒸溜所

1,000年以上にわたり峨眉山は、中国で最も精神的に深い場所のひとつとして存続しており、1996年にユネスコの世界遺産に登録されました。何世紀にもわたって、この土地は印象的な修道院、歴史的な戦いの場、多くの巡礼路や貿易路の中継地として使われてきました。今ではその名残はありませんが、その空虚さが記憶を呼び覚ましています。3年前、ネリ&フーはデザインコンペを勝ち抜き、ペルノ・リカールの中国初のウイスキーのための蒸留所と家の設計に挑みました。これは、先見性のある新しいブランドの基本的な価値観や、維持しようとする物質的・文化的な遺産に語りかける、時代を超えた建築を創造する機会となりました。

三方を曲がりくねった小川に囲まれ、雄大な峨眉山を背景にしたこのプロジェクトの敷地は、私たちの住む世界を構成する自然要素の二面性という中国の概念を象徴しています。Shan-shuiは文字通り「山水」を意味します。「山」は力強さや永続性を表し、「水」は流動性や変化を表し、相反するが相互に補完する力を持っています。この哲学の精神に基づいて、この提案の立場は、自然への深い敬意をもって、謙虚さとシンプルさを強みとする身振りを考案することです。このパラダイムは、中国の伝統的な絵画の3つのジャンルの1つである山水画にも現れており、2つの要素を統合することで、絵画の別の次元へと導いています。このバランスのとれた二面性は、建築物自体にも様々な形で現れています。工業用の建物は中国の地方建築を現代的に解釈したものであり、ビジター用の建物は地形に根ざした要素的な幾何学模様です。

敷地の北側には、ウイスキー製造施設を収容する3棟の長い建物があります。これらの建物は、自然の緩やかな斜面に平行に配置され、屋根のラインは徐々に下がっています。現代的なコンクリートの柱と梁で構成された構造体の上に葺かれた屋根には、現地の建築様式を反映して、再生された粘土瓦が質素な風合いを与えています。ロックウォールのインフィルは、敷地を整地する際に地面から取り出された岩石で作られており、破壊と再生のサイクルが永続的な進化を遂げるようになっています。

【ap job更新】 南青山に事務所を構え 美容室・医院・飲食店などを得意とする「株式会社スパンデザイン」が、空間デザインの正社員(中途・新卒)を募集中
【ap job更新】 南青山に事務所を構え 美容室・医院・飲食店などを得意とする「株式会社スパンデザイン」が、空間デザインの正社員(中途・新卒)を募集中
【ap job更新】 南青山に事務所を構え 美容室・医院・飲食店などを得意とする「株式会社スパンデザイン」が、空間デザインの正社員(中途・新卒)を募集中

南青山に事務所を構え 美容室・医院・飲食店などを得意とする「株式会社スパンデザイン」の、空間デザインの正社員(中途・新卒)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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株式会社スパンデザインとは

デザイン業界が集まる南青山に事務所を構え全国からのクライアントの依頼による空間デザイン設計を行う会社です。
しっかりしたノウハウをもとに、美容室/医院/飲食店などを得意としています。

私たちの目指すことは

(Client side)常にクライアントの傍らで事業をサポートします。
(do one’s best)どのような状態でもベストな選択を提供します。
(Hands of creation)どこか温かみのあるデザインを目指します。

そんな会社の中であなたも、空間デザインに携わってみませんか?
ゼネコン、組織設計では経験できない、人と人との温度が感じられる距離でクライアントと仕事仲間と共に喜びを共有できる会社です。

また、それぞれのスタッフの経験段階に合わせ適正な経験が出来るプログラムが有り、およそ3年程度でデザイナーとして担当物件を持つ方が多い様です。担当物件を持つとお店を自分中心にデザインをまとめることが出来ます。

その後、5年程度で独立を希望される方には独立支援を会社に残られる方には、ディレクターとしての活躍の場をご用意しています。

どちらを選ばれても、長く一生をかけてお付合い出来るそんな会社で有りたいと考えております。

この様な会社であればこそ、プロジェクトのパーツではなく、様々な仕事を主体的に経験し学ぶ事が出来ます。デザイナーとは、手に職をつければ、一度産休でお休みしても、独立をしたとしても、一生好きな仕事と共に成長して行く事が出来ます。

【ap job更新】 東京・上海・シンガポールに会社を設立し各国のプロジェクトを手掛ける「S.D.S. International」が、スタッフ(経験者・新卒等)を募集中
【ap job更新】 東京・上海・シンガポールに会社を設立し各国のプロジェクトを手掛ける「S.D.S. International」が、スタッフ(経験者・新卒等)を募集中
【ap job更新】 東京・上海・シンガポールに会社を設立し各国のプロジェクトを手掛ける「S.D.S. International」が、スタッフ(経験者・新卒等)を募集中Y.J.Y.-Progressive Book Shop/ 中国鄭州

東京・上海・シンガポールに会社を設立し各国のプロジェクトを手掛ける「S.D.S. International」の、スタッフ(経験者・新卒等)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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S.D.S. International Co., Ltd.は国内及び海外のホテル、レストラン、リテール、ショールーム、オフィス等の商業施設のインテリアデザインを行っているデザイン会社です。

代表の新谷典彦は、大学で建築を学び、桑沢デザイン研究所で実務的なデザインを習得したのち、スーパーポテトで32年間(内13年間副社長として)各国のホテル等のプロジェクトのデザインをクリエイティブディレクションして来ました。

令和を機に独立して、東京、上海、シンガポールに会社を設立しアジアを中心に各国のプロジェクトを進めています。
現在、国内ではニセコのホテル1棟全体、中国、韓国、シンガポール等のアジアやオセアニアのプロジェクトが進行中です。

世界が大きく変わってきているこの時代に、新しいライフスタイルのデザインに挑戦したい方。まだ若い会社ですが、東京でデザイン業務の経験を積んで、上海、シンガポール等で働きたい方。コミュニケーション能力が高く積極的にデザインに参加出来るやる気がある方をお待ちしております。

胡実建築設計事務所による、東京の「大屋根の住宅」。技術向上により住宅屋根の存在が目立たなくなる街並みに対し、その技術を逆手に取り屋根自体がメインとなる空間構成をもった、親と子の二つの世帯を内包する建築
胡実建築設計事務所による、東京の「大屋根の住宅」。技術向上により住宅屋根の存在が目立たなくなる街並みに対し、その技術を逆手に取り屋根自体がメインとなる空間構成をもった、親と子の二つの世帯を内包する建築 photo©田中克昌
胡実建築設計事務所による、東京の「大屋根の住宅」。技術向上により住宅屋根の存在が目立たなくなる街並みに対し、その技術を逆手に取り屋根自体がメインとなる空間構成をもった、親と子の二つの世帯を内包する建築 photo©田中克昌
胡実建築設計事務所による、東京の「大屋根の住宅」。技術向上により住宅屋根の存在が目立たなくなる街並みに対し、その技術を逆手に取り屋根自体がメインとなる空間構成をもった、親と子の二つの世帯を内包する建築 photo©田中克昌

胡実建築設計事務所が設計した、東京の「大屋根の住宅」です。技術向上により住宅屋根の存在が目立たなくなる街並みに対し、その技術を逆手に取り屋根自体がメインとなる空間構成をもった、親と子の二つの世帯を内包する建築となっています。

当該敷地は西東京の閑静な住宅街の一角にあり、広めの区画にゆったりと民家が並び、屋根の連なりによる美しい住宅街を形成していた。

しかし防水や断熱の技術の向上により、深い庇を作らなくとも性能のよい家ができるようになり、建て替えが進むにつれて、屋根の存在が目立たなくなってきている。壁面ばかり強調されるようになり、屋根による陰影が少なくなりつつある。

建築家によるテキストより

技術の向上による高い自由度を逆手に取って、屋根による空間構成を試みたのが、今回の住宅である。
屋根自体がメインの空間であり、屋根を変形させることでテラスや屋上を作り、屋根に穴を穿つことでハイサイドライトなどの開口部を作っている。浮遊する、奥行きのある塊状の屋根を作り上げた。

建築家によるテキストより

大屋根の下に住む両親世帯と、大屋根に住む子世帯。 
一つ屋根の下ながらも、程よく独立した上下の空間を作った。

建築家によるテキストより
今津康夫 / ninkipen!による、大阪市の、集合住宅の住戸リノベーション「910」。高層階の窓からも緑が映る環境に、群島状に家具を並べ開口から光・風・街の景色が通り抜ける設計で、閉じた箱を解放し多孔質な暮らしの場へ再生
今津康夫 / ninkipen!による、大阪市の、集合住宅の住戸リノベーション「910」。高層階の窓からも緑が映る環境に、群島状に家具を並べ開口から光・風・街の景色が通り抜ける設計で、閉じた箱を解放し多孔質な暮らしの場へ再生 photo©河田弘樹
今津康夫 / ninkipen!による、大阪市の、集合住宅の住戸リノベーション「910」。高層階の窓からも緑が映る環境に、群島状に家具を並べ開口から光・風・街の景色が通り抜ける設計で、閉じた箱を解放し多孔質な暮らしの場へ再生 photo©河田弘樹
今津康夫 / ninkipen!による、大阪市の、集合住宅の住戸リノベーション「910」。高層階の窓からも緑が映る環境に、群島状に家具を並べ開口から光・風・街の景色が通り抜ける設計で、閉じた箱を解放し多孔質な暮らしの場へ再生 photo©河田弘樹

今津康夫 / ninkipen!が設計した、大阪市の、集合住宅の住戸リノベーション「910」です。高層階の窓からも緑が映る環境に、群島状に家具を並べ開口から光・風・街の景色が通り抜ける設計で、閉じた箱を解放し多孔質な暮らしの場へ再生する計画です。

大阪市北部に位置するマンションのリノベーションである。

市内有数の高層マンション群は40年の間に木々に覆われて豊かな公園と化し、9階の窓からも自らの庭のように緑が映る。

建築家によるテキストより

できるだけ壁によって部屋を分けず、群島状に並べた家具によってそれぞれの領域を作ることで、光と風、街の景色が南北のバルコニーから通り抜け、高層階でありながら周辺環境の移ろいと同期することを目指した。

建築家によるテキストより

玄関は北に向かって趣味の陶芸とワークスペースを兼ねた通り土間とし、南側リビングの窓には花台を設けると共に床はモザイクタイル貼として、バルコニーを挟んだ内外をグラデーショナルに繋げた。

風呂とトイレ、寝室にも積極的に窓を開け、閉じたコンクリートの箱を解放し、多孔質な暮らしの場へ再生を試みている。

建築家によるテキストより
京智健 / カイトアーキテクツと山口陽登 / YAPによる、愛媛の「伊方町観光交流拠点施設 佐田岬はなはな」。津波対策で護岸がかさ上げされた敷地にて、建物にピロティ・スロープ・ランドスケープを導入し集落と海を接続し直すことで、大自然のスケールと集落のスケールが同居する建築を構想
京智健 / カイトアーキテクツと山口陽登 / YAPによる、愛媛の「伊方町観光交流拠点施設 佐田岬はなはな」。津波対策で護岸がかさ上げされた敷地にて、建物にピロティ・スロープ・ランドスケープを導入し集落と海を接続し直すことで、大自然のスケールと集落のスケールが同居する建築を構想 photo©長谷川健太
京智健 / カイトアーキテクツと山口陽登 / YAPによる、愛媛の「伊方町観光交流拠点施設 佐田岬はなはな」。津波対策で護岸がかさ上げされた敷地にて、建物にピロティ・スロープ・ランドスケープを導入し集落と海を接続し直すことで、大自然のスケールと集落のスケールが同居する建築を構想 photo©長谷川健太
京智健 / カイトアーキテクツと山口陽登 / YAPによる、愛媛の「伊方町観光交流拠点施設 佐田岬はなはな」。津波対策で護岸がかさ上げされた敷地にて、建物にピロティ・スロープ・ランドスケープを導入し集落と海を接続し直すことで、大自然のスケールと集落のスケールが同居する建築を構想 photo©長谷川健太
京智健 / カイトアーキテクツと山口陽登 / YAPによる、愛媛の「伊方町観光交流拠点施設 佐田岬はなはな」。津波対策で護岸がかさ上げされた敷地にて、建物にピロティ・スロープ・ランドスケープを導入し集落と海を接続し直すことで、大自然のスケールと集落のスケールが同居する建築を構想 photo©長谷川健太

京智健 / カイトアーキテクツ山口陽登 / YAPが設計した、愛媛の「伊方町観光交流拠点施設 佐田岬はなはな」です。津波対策で護岸がかさ上げされた敷地にて、建物にピロティ・スロープ・ランドスケープを導入し集落と海を接続し直すことで、大自然のスケールと集落のスケールが同居する建築が構想されました。施設の公式サイトはこちら

愛媛県伊方町、佐田岬半島の先端近くに建つ交流拠点施設の計画である。
公募型プロポーザルを経て、私たちの設計チームの提案が選定された。

敷地は、大分県佐賀関と伊方町三崎を結ぶフェリーターミナルに隣接している。町内で生産・収穫した海の幸や山の幸を、旅行者が気軽に楽しめる直売所や飲食店舗に加え、地域住民が普段から利用できるカフェ、公民館のような機能を持つ多目的スペース、ギャラリーなどが求められた。

建築家によるテキストより

目の前には宇和海の雄大な風景が広がり、背後には三崎の山々と集落が広がっている。この風景は佐田岬半島の海と陸が延々と絡まりながら東西に続く「ひだ」状の独特な地形によって生み出されている。南海トラフ巨大地震などに備える津波対策として護岸のかさ上げ工事が行われ、グランドレベルから宇和海への視界は絶たれ、「自然」と住民の「暮らし」が分断された。

建築家によるテキストより

敷地には既存の建物があったが、広大な敷地の中で点として存在し、隣接するフェリーターミナルとも集落とも、うまく関係をつなぐことができていないように感じた。そのような状況でも敷地を読み取り、宇和海の大自然のスケールと集落のスケールが同居する建築となることを目指した。

建築家によるテキストより
90年代後半から00代前半に起こった建築とデザインのムーブメントを生み出した『BRUTUS』編集長 西田善太への、浅子佳英によるインタビュー動画「『BRUTUS』と『Casa BRUTUS』が建築にもたらしたもの」が、LIXILのウェブサイトで期間限定で無料配信。建築界にも多大な影響を与えた雑誌の背景と意図を、そのつくり手が詳細に回顧
90年代後半から00代前半に起こった建築とデザインのムーブメントを生み出した『BRUTUS』編集長 西田善太への、浅子佳英によるインタビュー動画「『BRUTUS』と『Casa BRUTUS』が建築にもたらしたもの」が、LIXILのウェブサイトで期間限定で無料配信。建築界にも多大な影響を与えた雑誌の背景と意図を、そのつくり手が詳細に回顧

90年代後半から00代前半に起こった建築とデザインのムーブメントを生み出した『BRUTUS』編集長 西田善太への、浅子佳英によるインタビュー動画「『BRUTUS』と『Casa BRUTUS』が建築にもたらしたもの───専門誌はどこに向かう?」が、LIXILのウェブサイトで期間限定で無料配信。建築界にも多大な影響を与えた雑誌の背景と意図を、そのつくり手であった西田が詳細に回顧しています。公開期間は2021年11月15日(月)~11月29日(月)。【ap・ad】

今回は『BRUTUS』編集長であり、かつて『Casa BRUTUS』副編集長もつとめられていた西田善太氏に、建築と雑誌の関係性についてお聞きしました。
西田氏は、『Casa BRUTUS』では「安藤忠雄×旅」「SORI YANAGI A Designer──日本が誇るプロダクトデザイナー、柳宗理に会いませんか?」「最強・最新! 住宅案内2006」、『BRUTUS』では「居住空間学」「安藤忠雄があなたの家を建ててくれます。」「東京23区に家を建てられますか?」といった特集を企画されました。専門誌の領域であった建築を、カルチャー・ライフスタイル誌ならではの切り口でとりあげた背景や、ウェブ媒体も広く浸透した今、建築をどのように伝えていくかといったテーマについてお話ししていただきました。

動画内で語られたトピック(アーキテクチャーフォトが動画から抜粋)

90年代に建築雑誌がなくなっていく / 建築メディアの弱体化 / 若い人が雑誌を読んでいない / 建築メディアはどうしたらよいか / 一般誌として『カーサ ブルータス』が建築雑誌の世界にのりこんでいった / 『ブルータス』の建築特集は入り口は易しいが中身はコア / ブルータスはどう考えて建築を取り上げてきたのか / 80年代後半から『ブルータス』と安藤忠雄はつながっていた / なぜ一般誌が建築を取り上げるようになったのか / 集合住宅特集が大ヒットする / 90年代代替わりがおきて集合住宅をデザイナーズマンションとしてつくったのでは? / 集合住宅で建築家が有名になれるムーブメントが起きた / 1999年「東京23区に家を建てられますか?」特集が凄く売れた / 2000年に「誰でもわかるル・コルビュジエ」特集が完売した / 2000年「安藤忠雄があなたの家を建ててくれます」特集 / 施主募集企画 / 安藤忠雄が最初に企画に賛同してくれた / 安藤さんへの応募が200件くらいきた / 実際に10数件の家が企画で実現している / 節操のなさが一般誌の特徴 / 建築の世界はネットワークがあるから資料がしっかりしている / ブルータス不動産という連載 / 建築という手つかずの鉱脈を発見 / 一般誌はわくわくさせる方が大事 / 建築界の何に先に載せるか問題 / カーサに先に載ると専門誌に載らない時代があった / 90年代後半イームズ特集がバカ売れする / ミッドセンチュリーモダンブーム / 買い出しだけでひと財産できた時代 / リテラシーが上がる / 建築とファッション特集 / 1999年にコムデギャルソンのファサードをフューチャーシステムズがつくる / 名古屋のルイ・ヴィトン / 表参道が建築家のショーケースになっていく時代 / いらっしゃいませと言われる建築を有名建築家がつくる時代がきた / 「安藤忠雄×旅」特集が3日で売り切れる / 安藤忠雄のヨーロッパ出張についていき7都市を回る  / 柳宗理と作った特集「SORI YANAGI A DESIGNER」 / アートや建築のコンテンツはいかにして豊富になったか / 西田善太が考える建築のおもしろさ / 実際に行くのが大事 / 昔は見ることが出来なかったから写真が大事だった / 建築誌が衰退とは思わない / 今の学生は建築雑誌があった時代を知らない / 今は日本のインテリアの方が海外より面白い / 『カーサ ブルータス』の方向性が変わったのはなぜか? / 建築がみんなの知識の一部になった / 読者の建築に対するリテラシーが高まった / 一般誌ならではの建築の見せ方とは / 建てられるとなった時に建築のデータが輝いて見えるようになる / 分かりやすくす®のではなく本気にさせる / 建築には紙媒体にしかできない編集がある / ネットと紙媒体の関係はどうなっていくのか? / 編集という仕事は、ここを見るんだと伝えられること / VRで建築がわかるというのと、建築家の考えを分からせるのは違う / 専門誌を紙で見ないから劣化しているというのはおこがましい / 1995年と比べて2020年に書店数は半分に / 大きな書店は動線をジグザグにして滞留時間を稼ぐ / 娯楽の質が変わったことを嘆いてもしょうがない / 雑誌は良い意味で不要不急 / なくてもいいけど面白いものがある 等々

動画内で語られたトピック

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