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現代設計 / 村重盛紀による、東京・三鷹市のオフィスビル「MHビル」
現代設計 / 村重盛紀による、東京・三鷹市のオフィスビル「MHビル」 photo©Joaquín Mosquera [idearch]
現代設計 / 村重盛紀による、東京・三鷹市のオフィスビル「MHビル」
現代設計 / 村重盛紀による、東京・三鷹市のオフィスビル「MHビル」 photo©Joaquín Mosquera [idearch]

現代設計 / 村重盛紀が設計した、東京・三鷹市のオフィスビル「MHビル」です。

三鷹市に本社を構える、物流会社を統括するホールディングスのオフィスビル。
都道に面した敷地は南北に長く、将来的な敷地の有効活用を踏まえて敷地を分割した上で、位置指定道路の引込みや集合住宅の増築を段階的に行う、第一期の計画である。

ホールディングスとは多様な会社を包括するシステムであり、ゆえに会社の顔となるその建築も、画一的なものでなく多面的に捉えられるものであってほしい。計画に際し、物流業・運送業に端を発する会社の、仕事の確実性や徹底した規則そのものを体現する建築が相応しいと考えた。

建物の性格上、周囲に埋もれてはならず、かといって存在が突出し過ぎるのも好ましくない。そこで、プライバシーの確保と開放性、騒音振動への配慮、外観の近寄り難さを避け親密な建物とする、等の条件を満足させるため、建物の四周においてそれぞれ性格の異なる顔をつくっている。

外部からの視認性が高い北面は開口部と壁が規則的に反復し、東面は増築時の長い立面計画を見据えて開口部と壁がスパンを変えて反復する構成とした。ともに折板状の外壁がそのままインテリアへ持ち込まれる。南面・西面は隣接する住宅や共同住宅に応じた、ポツ窓や引違い窓が現れる。

建築家によるテキストより
最も注目を集めたトピックス [期間:2020/9/21-9/27]

アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2020/9/21-9/27)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。


  1. ロシアの公園の国際設計コンペの結果が公開。最終候補にはH&deM、BIG、隈研吾などのチームが名を連ねる
  2. 萬玉直子+鎌谷潤 / b-side studioによる、東京・世田谷区の、集合住宅の住戸改修「北沢のリノベーション」
  3. ザハ・ハディド・アーキテクツが計画している、香港の36階建ての高層ビル「2 Murray Road」。香港蘭のつぼみを再解釈した有機的な外観は、隣接する公園との調和を意図し、環境性能も考慮
  4. MVRDVによる、オランダ・ロッテルダムの、訪問者が閲覧可能な芸術作品の収蔵庫「デポ・ボイマンス・ファン・ベーニンゲン」が竣工。鏡面パネルの貼られたお椀のような形状が特徴的で、周辺環境を映しだし環境に溶け込むことを意図
  5. 菊竹清訓・妹島和世・坂茂らとの協働でも知られる構造家 松井源吾のアーカイブサイトが公開。作品集や論考もPDFで閲覧可能
  6. 山﨑健太郎デザインワークショップによる、静岡の「熱海の茶房」
  7. 隈研吾がスノーピーク社の為に設計した、長野・白馬村の商業施設「snowpeak LANDSTATION HAKUBA」の写真。ショップ、レストラン、カフェと屋外アクティビティを一体化した施設
  8. 山本周+小林栄範による、石川・金沢市の、既存建物を“掃除”することで生き生きとした場を生み出した建築プロジェクト「問屋町の大掃除」と、そのプロセスと考え方を綴った論考「リノベーションからの脱線」
  9. 森田悠紀 / 森田悠紀建築設計事務所による、東日本の住宅「L-house」
  10. ライトの弟子としても知られる遠藤新が手掛けた葉山の「加地邸」が、神谷修平らの設計で改修。民泊事業も開始されるとの事
  11. 岡田一樹 / R.E.A.D. & Architectsによる、長野の住宅「軽井沢のセカンドライフハウス」
  12. 麻生征太郎建築設計による、愛知・岡崎市の、木造平屋住宅の改修「岡崎の住宅」
  13. ヘルツォーグ&ド・ムーロンによる、スイス・バーゼルの、ショッピングセンターの屋上に建つ600人収容の中学校の計画案が公開。
  14. 藤木俊大+佐屋香織+佐治卓 / ピークスタジオによる、福岡の住宅「飯塚の平屋」
  15. 花本大作建築設計事務所による、広島・呉市の、動物病院付住宅「三芦の家」
  16. 中本尋之 / FATHOMによる、広島市のヘアーサロン「créde hair’s inokuchi」
  17. 日本ペイント×architecturephotoコラボレーション企画 “色彩にまつわる設計手法” / 第2回 藤原徹平・前編 「まずモノクロームから考えてみる」
  18. 安藤忠雄へのインタビュー『「お金は社会に還元して死ぬ」――「暴走族」安藤忠雄79歳、規格外の人生』が公開。過去の経歴から現在の社会貢献活動までを語る
  19. アトリエ・ワンによる、茨城・水戸市の、ヴォールト屋根と芝生のはられた屋上テラスを持つ住宅「ハウス・アーク」の写真
  20. 園田慎二 / SSAによる、群馬・高崎市の、既存ビルを改修したアートギャラリー「rin art association」

レム・コールハースとサミール・バンタルによる、グッゲンハイム美術館での展覧会「Countryside, The Future」の新しい美術館公式のPR動画が公開。展覧会のメイキングや関係者のコメントを紹介する内容

レム・コールハースとAMOのサミール・バンタルによる、グッゲンハイム美術館での展覧会「Countryside, The Future」の新しい美術館公式のPR動画が公開されています。展覧会のメイキングや関係者のコメントを紹介する内容です。展示の会期は2021年2月14日まで。

ピーター・クックへのインタビュー動画。北京都市建築ビエンナーレ2020のパイロット展の為に収録されたもの トーマス・ヘザウィックへのインタビュー動画。北京都市建築ビエンナーレ2020のパイロット展の為に収録されたもの ケネス・フランプトンへのインタビュー動画。北京都市建築ビエンナーレ2020のパイロット展の為に収録されたもの パスカル・フラマーへのインタビュー動画。北京都市建築ビエンナーレ2020のパイロット展の為に収録されたもの

パスカル・フラマーへのインタビュー動画。北京都市建築ビエンナーレ2020のパイロット展の為に収録されたものです。動画の公開は2020年9月26日。フラマーはヴァレリオ・オルジアティに師事した建築家。

隈研吾へのインタビュー動画。北京都市建築ビエンナーレ2020のパイロット展の為に収録されたもの 伊東豊雄へのインタビュー動画。北京都市建築ビエンナーレ2020のパイロット展の為に収録されたもの 青木淳が2020年2月に行った学生向け授業の音声ファイル。ラジオ番組の企画で行われたもので、学生からの質問にも回答

青木淳が2020年2月に行った学生向け授業の音声ファイルが公式でyoutubeにて公開されています。ラジオ番組の企画で行われたもので、学生からの質問にも回答しています。4つに分割されて公開されています。

建築家で京都市京セラ美術館館長の青木淳さん! 参加学生からは「何人かでやることと一人でやることの違い」について質問が。青木さんは「どちらもあり。設計するというのは妄想することとほとんど同じ。一人で妄想した方が構想しやすい人と、妄想が他の人の妄想と組み合わさって加速し楽しくなる人もいる。どっちが面白いか、好きな方。こだわらなくていいのではと思います」と回答しました。

アトリエ・ワンによる、茨城・水戸市の、ヴォールト屋根と芝生のはられた屋上テラスを持つ住宅「ハウス・アーク」の写真

アトリエ・ワンのウェブサイトに、茨城・水戸市の、ヴォールト屋根と芝生のはられた屋上テラスを持つ住宅「ハウス・アーク」の写真が12枚掲載されています。

ヘルツォーグ&ド・ムーロンによる、スイス・バーゼルの、ショッピングセンターの屋上に建つ600人収容の中学校の計画案が公開。
ヘルツォーグ&ド・ムーロンによる、スイス・バーゼルの、ショッピングセンターの屋上に建つ600人収容の中学校の計画案が公開。 image©Herzog & de Meuron
ヘルツォーグ&ド・ムーロンによる、スイス・バーゼルの、ショッピングセンターの屋上に建つ600人収容の中学校の計画案が公開。 image©Herzog & de Meuron
ヘルツォーグ&ド・ムーロンによる、スイス・バーゼルの、ショッピングセンターの屋上に建つ600人収容の中学校の計画案が公開。都市計画全体の様子。 image©Herzog & de Meuron

ヘルツォーグ&ド・ムーロンによる、スイス・バーゼルの、ショッピングセンターの屋上に建つ600人収容の中学校の計画案が公開されています。ショッピングセンターの屋根の上に中学校が建設されるのはスイス初との事。この学校は同じくヘルツォーグ&ド・ムーロンが手掛けている「Dreispitz Nord」という都市開発区域内に位置しています。ヘルツォーグは2017年にこの都市開発コンペで設計者に選定されていました。

体育館とグラウンドは、スポーツクラブや協会、その他の活動に利用できるようになっていたり、庭園やその他の屋外エリアは、地域住民や一般の人々がいつでも利用できるようになるのだそう。
またこの都市計画では、現在のアスファルトの表面が、緑の多い2つの広々とした公園に置き換えられ、学校のほか、魅力的なアパート、改装されたショッピングモール、オフィスや商業スペース、近隣住民や青少年センター、カフェやレストラン、小さなお店などが計画されているのだそう。そして、ショッピングセンターに依存している自動車による交通を無視することなく、ゆっくりと動く交通を目指しているのだとか。また、新しい自転車と歩道の接続と4,000台の駐輪場によって、この地域において、車のない生活ができる為の条件を具体的に実現するのだそうです。

OMAによる、中国・北京の、WeChat等の運営で知られるメディア企業 テンセントの新しい本社屋の写真

OMAが設計した、中国・北京の、WeChat等の運営で知られるメディア企業 テンセントの新しい本社屋の写真が10枚、dezeenに掲載されています。

フランク・ゲーリーがデザインした、ヘネシー社の商品の150周年を記念するボトル「ヘネシー X.O マスターピース」。ゴールドとシワを表現した素材感が特徴的
フランク・ゲーリーがデザインした、ヘネシー社の商品の150周年を記念するボトル「ヘネシー X.O マスターピース」。ゴールドとシワを表現した素材感が特徴的

フランク・ゲーリーがデザインした、ヘネシー社の商品の150周年を記念するボトル「ヘネシー X.O マスターピース」です。もう一種類の150周年を記念するスペシャルデザインの限定ボトルもフランク・ゲーリーが手掛けているとの事(こちらは販売されるようです)。こちらの特設サイトでゲーリーのインタビュー動画もみることができます

フランク・ゲーリーのコメント

この作品に命を吹き込むには、ヘネシー誕生の地であるコニャックを訪れ、多くのインスピレーションを得ました。コニャックで造られるヘネシー特有のパワーを表現するために、クシャッとしたギャザーのようなデザインを取り入れることで、動きのある活き活きとしたものにしました。今回のデザインのために選んだ素材は適度に光を取り入れ、それだけでも佇まいのあるオブジェとして成り立つように考えました。それはヘネシー X.Oのボトルとは思えないような存在感になったことでしょう。

リリーステキストより
藤木俊大+佐屋香織+佐治卓 / ピークスタジオによる、福岡の住宅「飯塚の平屋」
藤木俊大+佐屋香織+佐治卓 / ピークスタジオによる、福岡の住宅「飯塚の平屋」 photo©田中克昌
藤木俊大+佐屋香織+佐治卓 / ピークスタジオによる、福岡の住宅「飯塚の平屋」 photo©田中克昌
藤木俊大+佐屋香織+佐治卓 / ピークスタジオによる、福岡の住宅「飯塚の平屋」 photo©田中克昌

藤木俊大+佐屋香織+佐治卓 / ピークスタジオ 一級建築士事務所が設計した、福岡の住宅「飯塚の平屋」です。

敷地は国道と田畑の広がる集落とに挟まれた位置にあり、交通量が多く時間の流れが速い西側と、穂波川や田畑の開けたのびやかな風景とのギャップが大きい場所である。また敷地周辺は、神社が作り出す森があり、遠くにはボタ山が見える。少し離れた箇所には炭鉱時代の巻き上げ機基礎の遺構、そして、宿場町の名残を残す煙突やレンガの塀など、年月を経て残ってきた印象的な風景がみられる。

新たにここに建つ住宅も今後それらのひとつとなり得る様に、白華していくセメント板や黒ずんでいくZAM鋼板、苔むしていくカゴ詰めの割栗石などを、外観を構成する素材として選定し、時間とともに風景の一部になってゆけたらいいと考えた。
一方、ここに住まう家族は、東京から地元へ移り住み、緩やかな時間の中で過ごすことを望んでいた。
また、施主家族と話すなかで、近隣で畑を借りて農作業を行いたいなど、近所付き合いや親戚家族との交流も深めて丁寧な暮らしをしたいと考えているように感じた。

建築家によるテキストより
【ap job更新】 株式会社ブルースタジオが、ポストコロナの社会環境を共に拓く仲間(正社員)を募集中
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株式会社ブルースタジオの、ポストコロナの社会環境を共に拓く仲間(正社員)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

仲間募集!ポストコロナの社会環境を「ブルースタジオ@東京オフィス&福岡オフィス」と共に拓こう。

 
—— コロナの与えた気づき。これから建築の役割、社会に与えた大きな影響がどうなるか。

賑わした花形建築の歴史。
短期的な経済効果が大きく、その在り方が生活者達の夢を背負っていた。
しかしこの時代に夢が変わった。コロナが与えた気づき。
首都圏、地方、世界中の人々、世界中あまたの場所で夢を見直すこととなった。
ポストコロナ時代の都市環境に求める理想の未来図、夢の世界が変わったモノと言えるだろう。
不安な要素。

それは何を考えているかわからないヒトが増え、信頼関係が強いもの同士のつながりが信頼を担保する。
知らないヒトがいる環境。高機能多機能高性能。知らない人との価値観をどう寄り添えるように考えるか。
人が集まる場所にはビジョン・コンセプトが強くなった。
ヒトが集まる・増えるはいい。

しかし減っていく現状においてはあらたなモノを開発し供給するのではなく、共感を得られる仲間を増やすことが重要であり、目指すべきビジョンを共有する時代へとなった。

2000年までは高度成長期時代。
人口減少期に日本が突入し、日本は歴史上経験したことのない現在を迎えている。
これまではマクロであった考え方とは異なり、ミクロの視点の持ち方が重要である。

 
—— そんな時代に必要な建築・都市環境の行方をブルースタジオはどうとらえるのか。

働き方において今まではオン・オフという時代だったが、現在は境目がない。両方が重なっている時代に変わった。オン・オフでは割り切ることのできない、マルチタスクからの暮らしの提案が必要だ。
それはひとりひとりの生活環境の中において、オフの日常の中に楽しみも含めたマルチな機能を持たすことが必然である。

コロナによるリモートワークは休みではない。
家の中で過ごすのであれば、家の中でマルチタスクをこなすことのできる生活環境をしつらえる必要がある。
自分の生活圏の中にマルチタスクがちりばめられていることが重要だ。これまでは自分の生活圏の中に取り入れることのなかったモノやコトが、自分の生活圏の中にマルチを置く時代へと変化し、非日常がなくなりつつある現在。サスティナブルの名のもとに、今までの日常の商業施設や住宅設計が変わるであろう。

 
—— ブルースタジオが考える暮らしのデザインとは。

建築のハコをつくることを目的とするのではなく、都市環境の中にあるハコ。
ハコがおかれる街をデザインすることを仕事としています。
国民意識・生活者意識を捉え分析し、パラダイムシフトに目を向ける。

そんな視点を持つ者同士が集まり、建築設計をはじめ不動産売買や賃貸借、マーケティングやプロモーションまで、住まいにまつわることを一貫し、街のデザイン、暮らしのデザインをしています。
私たちの考えるデザインに共感できる方のご応募をお待ちしています。

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