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ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展が2021年に延期されることに。それに伴い美術展も2022年に延期。

ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展が2021年に延期されることが発表されています。2020年3月に、8月開催へ延期されることが発表されましたが、再延期が決定し2021年5月22日~11月21日の開催となりました。それに伴って、2021年開催予定だった美術展も、2022年4月23日~11月27日に延期されることも発表されました。ちなみに日本館の展示は2019年7月にコンペで決定した、門脇耕三がキュレーションする「建築のリサイクル-モノと生産の循環をデザインする」です。コンペ時の情報はこちらにまとめています

ツバメアーキテクツの設計、グランドレベルの企画による「TOKYO BENCH PROJECT」の写真など
ツバメアーキテクツの設計、グランドレベルの企画による「TOKYO BENCH PROJECT」の写真など photo©Morinaka Yasuaki

ツバメアーキテクツの設計、グランドレベルの企画による「TOKYO BENCH PROJECT」の写真などが11枚公開されています。

公共的空間をチューニングする

公開空地などにベンチを仕掛けていき期間限定で居場所としての公共的空間を設えていくプロジェクト。そのために移動式ベンチは二種類設計した。持ち運びしやすい「普通ベンチ」20台と、厚みや長さなどをそのまま二倍に拡大した「二倍ベンチ」をひとつ作った。

移動式のベンチというのは、配置を柔軟に変えることができ、都市空間の風景や機能を瞬時にチューニングすることができる。その時々の状況に合わせて、道沿いの木陰に連なる日常的な配置や、中心を作るような祝祭的な配置などを実験した。

2019年の実施だったが、コロナの状況下に遭遇していたら、それぞれのベンチの距離を離し、密度の下げた離散的な配置などを試すこともできるだろう。

公共的空間を設えるツールとして移動式のベンチというのはまだまだ可能性がありそうだ。

「建設業における新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」(国土交通省)

「建設業における新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」を国土交通省が作成しています。当該資料を国土交通省が2020年年5月14日にまとめて、各団体に配布していて、上記リンク先は一般社団法人日本在来工法住宅協会がUPしたPDFです。配布の説明はこちらに

トラフによる、東京・墨田区の店舗「立ち喰い梅干し屋 東京ソラマチ店」の写真

トラフのウェブサイトに、東京・墨田区の店舗「立ち喰い梅干し屋 東京ソラマチ店」の写真が12枚掲載されています。お店の公式サイトはこちら

東京ソラマチにオープンする、「立ち喰い梅干し屋」初の実店舗の内装計画。全国の梅干しの中から厳選した梅干し数十種類を、お茶と一緒に立ち喰いスタイルで提供しながら、瓶詰めされた梅干しなども販売する。

カウンターを利用する客と商品を購入する客の動線を考慮し、奥にカウンター、通路に面する手前に商品什器を配置した。什器には染色したラワン積層合板を使い、形の異なる様々な要素に統一感を与えた。カウンターの上に生えるのは、本計画のために紀州の梅農家から伐採してきた梅の木。欄間や什器の取っ手など、随所に梅をモチーフとして取り入れることでブランドの専門性を表現した。また、間口左右に掲げられた暖簾、オリジナルのネオンサインなど、共用通路からのアイキャッチとなる要素を多く取り入れた。中央の商品什器の上にも、表情をカスタマイズ出来る梅干し顔のサインを設け、客とのコミュニケーションツールとして親しみを与えている。

雑貨店など賑やかな売場が集まる環境の中で、初めての実店舗としてブランドの認知を高めると共に、気軽に立ち寄りたくなるような空間を目指した。

竹中工務店による、愛媛・松山市の「三浦工業本社ショールーム」
竹中工務店による、愛媛・松山市の「三浦工業本社ショールーム」外観全景。 photo©Kota Inokuchi
竹中工務店による、愛媛・松山市の「三浦工業本社ショールーム」ショールーム夜景。 photo©Tomoki Hahakura
竹中工務店による、愛媛・松山市の「三浦工業本社ショールーム」展示棟夜景。 photo©Tomoki Hahakura

竹中工務店の設計・施工による、愛媛・松山市の「三浦工業本社ショールーム」です。

愛媛県松山市。
ため池の広がる穏やかな風景の中、ボイラー国内最大手、三浦工業のショールームを本社工場の一角に計画した。

ブランドの象徴である「水」のイメージを世界に向けて発信するため、建築により「水の三態」を表現した。

分棟化した「氷(固体)」を連想するヴォリュームを「水(液体)」に浮かべ、来訪者と水の接点を最大化、外皮をシェードで覆うことで、陽の光や水面の揺らめきを「蒸気(気体)」のように建物全体に反射・増幅させる。

建築家によるテキストより
伊藤憲吾建築設計事務所による、大分市の仮設観光案内施設「まちなか案内所」
伊藤憲吾建築設計事務所による、大分市の仮設観光案内施設「まちなか案内所」 photo©イクマサトシ(TechniStaff)
伊藤憲吾建築設計事務所による、大分市の仮設観光案内施設「まちなか案内所」 photo©イクマサトシ(TechniStaff)
伊藤憲吾建築設計事務所による、大分市の仮設観光案内施設「まちなか案内所」 photo©イクマサトシ(TechniStaff)

伊藤憲吾建築設計事務所が設計した、大分市の仮設観光案内施設「まちなか案内所」です。このけんちくは既に解体されています。

大分駅北側に建設された観光案内施設である。道路上に建設された仮設建築であり、すでに解体されている。設置期間は2015年4月~2016年3月であった。

【観光案内所】
大分駅ビルのオープンや大分県立美術館の開館、大分都心南北軸整備事業など、歴史的な変革を遂げる大分市において、集客した人をまちなかに循環させる事が必要であり、その為のアナウンスを行う場所として設置された。大分市からの委託事業である。

【仮設建築】
JR九州のディスティネーションキャンペンの期間に合わせ、半年間(4月~9月)だけの期間限定の仮設建築となっている。解体撤去時の対応も含めた設計となっている。2015年9月末の撤去予定となっている。※のちに延長され一年間の設置となった。

【大分県と木材】
大分県は杉の生産量が国内で3位となっており、今後の都市の木質化の可能性が高い。環境問題において自国生産可能な木材の活用は求められており、林産業の活性は地方創生においても必要である。

建築家によるテキストより
山田優 / SNARK Inc.による、東京・渋谷区の集合住宅の一住戸の改修「松濤の家」
山田優 / SNARK Inc.による、東京・渋谷区の集合住宅の一住戸の改修「松濤の家」 photo©新澤一平

山田優 / SNARK Inc.による、東京・渋谷区の集合住宅の一住戸の改修「松濤の家」です。

東京都渋谷区にある中古マンションのリノベーション。

中古マンションを買い上げ、付加価値を付けて再販するプロジェクトである。事業収支を成り立たせる為に限られた予算の中での更新が必要とされた。壁式構造ということもあり大幅な間取りの変更が難しい物件である。

ポイント絞って物件の価値を引き上げる為に構造壁によってリビングダイニングと分断されていたキッチンとその隣にある大きな窓に着目し、キッチンに広がりや繋がりを持たせるために窓際からキッチンへと連続するカウンターを設けた。カウンターは既存の出入口があった構造壁をはさみキッチン側へ反転されている。

建築家によるテキストより
古家俊介 / DESIGN NETWORK ASSOCIATESがランドスケープデザインを手掛けた、福岡市の「福岡市立こども病院」
古家俊介 / DESIGN NETWORK ASSOCIATESがランドスケープデザインを手掛けた、福岡市の「福岡市立こども病院」 photo©八代写真事務所
古家俊介 / DESIGN NETWORK ASSOCIATESがランドスケープデザインを手掛けた、福岡市の「福岡市立こども病院」 photo©八代写真事務所

古家俊介 / DESIGN NETWORK ASSOCIATESがランドスケープデザインを手掛けた、福岡市の「福岡市立こども病院」です。

ホスピタル・パーク

ランドスケープは主に1Fのホスピタルガーデンと4Fの屋上庭園で構成され、こども病院が海に隣接していることから「海」をキーワードにデザインを展開した。ファニチャーやパーゴラは、海の軟体動物や深海魚等を想起させる抽象的なデザインを施すことにより、子どもたちの想像力や好奇心を喚起させることを意図した。また、周辺環境とランドスケープとを出来るだけシームレスに繋ぐことで、地域住民がランドスケープを公園のように気軽に利用できる環境をつくりたいと考えた。なぜなら、地域住民がランドスケープを日常的に利用することによって賑わいが生まれ、その賑わいが病院内へと波及していくことを期待したからである。

デザイナーによるテキストより
最も注目を集めたトピックス [期間:2020/5/11-5/17]
最も注目を集めたトピックス [期間:2020/5/11-5/17]

アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2020/5/11-5/17)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。

※現在、トップページのランキングが不調の為、大元のアクセス解析からデータを抽出しています


  1. 中尾彰宏+齋藤慶和 / STUDIO MOVEによる、福岡・糸島市の駐車場「#ジハングン」
  2. 「建築家のレム・コールハース氏は、パンデミックの前に公共空間の再設計が必要だったと語る(TIME)
  3. 眞柴一樹+河合美里 / アトリエウルルによる、大阪狭山市の住宅「2つのニワと大きなワンルーム」
  4. SNSで発信した手描きのスケッチが大きな反響を呼び出版に至った、建築家・瀬野和広による書籍『瀬野式 住宅設計エスキス帖』のプレビュー
  5. 齋藤慶和+中尾彰宏 / STUDIO MOVEによる、大阪・八尾市の美容室「hair terrace sooH」
  6. 永松淳建築事務所による、静岡・駿東郡の住宅「長泉の家」
  7. 下川徹 / TORU SHIMOKAWA architectsによる、大分・日田市の「大原参道ビル」
  8. 永山祐子建築設計が入居している杉並区のオフィスの、居抜きでの借主を募集中
  9. 隈・安井設計共同企業体が設計を進めている、滋賀の「守山市新庁舎」の基本設計書(案)と解説動画が公開
  10. 子浦 中 / シオ建築設計事務所による、千葉の集合住宅の住戸改修「handcraft house」
  11. アメリカ生まれで藤本壮介事務所・takramを経て自身の事務所 Bureau 0–1を立ち上げたカズ・ヨネダへのインタビュー『「建築的思考」で都市と建築を考える』
  12. 杉山幸一郎による連載エッセイ “For The Architectural Innocent” 第4回「ペンから筆へ」
  13. OHA+MOVE設計共同体による、京都の宿泊施設「長岡京のホテル」
  14. 小田真平建築設計事務所+アトリエロウエによる、京都の既存住宅の改修「大山崎の住居」
  15. くまもとアートポリス「(株)エバーフィールド木材加工場」設計プロポの結果と提案資料などが公開
  16. 桐山啓一 / Airhouseによる、愛知の住宅「豊橋の家」
  17. 古家俊介 / DESIGN NETWORK ASSOCIATESがランドスケープデザインを手掛けた、福岡市の「九州産業大学」
  18. 永松淳建築事務所による、大阪・南河内郡の住宅「大宝の家」
  19. 篠原一男・坂本一成・伊東豊雄・白澤宏規の建築を被写体とする、多木浩二の初写真集『建築のことばを探す 多木浩二の建築写真』が、発行元・建築の建築のサイトで予約受付中。プレビューも掲載
  20. LIXILギャラリーとLIXIL出版が、その活動を終了することを発表

ヴォ・チョン・ギア・アーキテクツが手掛けた、ベトナムのユニクロ旗艦店内での、竹のインスタレーションの写真

ヴォ・チョン・ギア・アーキテクツが手掛けた、ベトナムのユニクロ旗艦店内での、竹のインスタレーション「bird nest」の写真が15枚、designboomに掲載されています。

アムステルダムのレストランが、新型コロナウイルスを考慮し社会的距離を確保するための、小さな温室状の客席を設置

アムステルダムのレストラン「mediamatic」が、新型コロナウイルスを考慮し社会的距離を確保するための、小さな温室状の客席を設置しています。リンク先のdesignboomに写真が9枚。

以下はお店の公式アカウントに投稿された写真です。

ハッペル・コルネリス・ヴェルホーヴェンとジュリアン・ハーラップ・アーキテクツによる、オランダ・ライデンの、築375年の建築を修復・増築した、新設部のクラシカルなファサードも特徴的な「ラーケンハル市立博物館」の写真と図面

ハッペル・コルネリス・ヴェルホーヴェン(Happel Cornelisse Verhoeven)ジュリアン・ハーラップ・アーキテクツ(Julian Harrap Architects)による、オランダ・ライデンの、築375年の建築を修復・増築した、新設部のクラシカルなファサードも特徴的な「ラーケンハル市立博物館」の写真と図面が57枚、建築家のサイトに掲載されています。dezeenでは英語による解説も読むことができます
ジュリアン・ハーラップ・アーキテクツは建築の修復を専門とするファームで、チッパーフィールドなどとも組んでいるようです。サイトのつくりも興味深いです。

構造家の金箱温春へのインタビュー動画 くまもとアートポリス「(株)エバーフィールド木材加工場」設計プロポの結果と提案資料などが公開

くまもとアートポリス「(株)エバーフィールド木材加工場」設計プロポーザルの結果と提案資料などが公開されています。
最優秀賞に選ばれたのは「小川次郎/アトリエ・シムサ+kaa」、優秀賞は「倉掛・秋山・井上・川崎建築設計共同企業体」でした。

最終候補に残った5者の提案書(PDF)はこちら。

伊東豊雄による審査講評はこちらで閲覧できます。

以下は、最終候補者によるプレゼンテーションの動画です。

篠原一男・坂本一成・伊東豊雄・白澤宏規の建築を被写体とする、多木浩二の初写真集『建築のことばを探す 多木浩二の建築写真』が、発行元・建築の建築のサイトで予約受付中。プレビューも掲載
篠原一男・坂本一成・伊東豊雄・白澤宏規の建築を被写体とする、多木浩二の初写真集『建築のことばを探す 多木浩二の建築写真』が、発行元・建築の建築のサイトで予約受付中。プレビューも掲載

篠原一男・坂本一成・伊東豊雄・白澤宏規の建築を被写体とする、多木浩二の初写真集『建築のことばを探す 多木浩二の建築写真』が、発行元・建築の建築のサイトで予約受付中です。

本書は、故・多木浩二(1928-2011)が1968年から1979年に撮影した個人住宅17軒、124点の写真を収録します。被写体の建築家は、篠原一男(1925-2006)、坂本一成(1943-)、伊東豊雄(1941-)、白澤宏規(1943-)で、それぞれの建築家が生前の多木から預かったというフィルムおよびプリントを複写しました。本書編者のアーティスト・飯沼珠実が、本書刊行までにみつけた多木の建築写真は12,000コマを数え、収録写真の半数以上が、撮影から50年前後のときを経て、本書において初めて発表されます。

写真は被写体の竣工年順に並べられ、建築作品の基本情報に加え、本書デザイナー・高室湧人が描きおこした図面に、多木の撮影地点をプロットした資料が添えられます。さらに2本のテキスト、多木が篠山紀信写真集『家 Meaning of the House』(潮出版, 1975)に寄せた19編のエッセイのひとつ「家のことば」と、文化人類学者・今福龍太の書き下ろし「家々は海深く消え去りぬ 多木浩二の『反-建築写真』」を収録します。

被写体:花山南の家 1968, 鈴庄さんの家 1968, 未完の家 1970, 篠さんの家 1970, 直方体の森 1971, 同相の谷 1971, 海の階段 1971, 久ヶ原の住宅 1972, 成城の住宅 1973, 谷川さんの住宅 1974, 上原通りの住宅 1976, 代田の町家 1976, 中野本町の家 1976, 花山第3の住宅 1977, 愛鷹裾野の住宅 1977, 上原曲がり道の住宅 1978, 銀舎(多木自邸)1979.

「建築の建築」はアーティストの飯沼珠実が立ち上げた出版社だそう。

2017年ころより開始した多木浩二の建築写真の調査について、その研究成果を出版するため、2020年春に東京を拠点とする出版社・建築の建築を立ち上げました。
初めての刊行物となる『建築のことばを探す 多木浩二の建築写真』を皮切りに、建築と視覚芸術にまつわるアートブックを制作していきます。
建築の建築では、大文字の歴史からはこぼれおちてしまうとしても、
そこにたしかにある歴史のかけらとしての個をみつめる、
historyからhis-storyをすくいあげる、
そのような書籍をつくっていきたいと考えています。
イメージとテキストが織りなす空間の可能性を信じ、
コンセプトとデザインがひとつになるかたちを探しながら、
小さな建築としての書籍制作をめざします。

また、2020年7月に出版記念展・イベントが、東京・銀座で企画されています。

以下に、プレビュー画像を掲載します。

古家俊介 / DESIGN NETWORK ASSOCIATESがランドスケープデザインを手掛けた、福岡市の「福岡山王病院」
古家俊介 / DESIGN NETWORK ASSOCIATESがランドスケープデザインを手掛けた、福岡市の「福岡山王病院」 photo©エスエス九州

古家俊介 / DESIGN NETWORK ASSOCIATESがランドスケープデザインを手掛けた、福岡市の「福岡山王病院」です。

まちのリビング

敷地は病院と医療系専門学校の公開空地である。周囲には小学校や図書館、博物館、テレビ局、高層マンション等、様々な施設が建ち並んでいる。病院や医療系専門学校関係者だけでなく、周辺住民や周辺施設の利用者も気軽に立ち寄ることのできる“リビング”のようなランドスケープを目指した。芝生のカーペットの上に、スケールアウトしたスツールやテーブル、ライトをぱらぱらと配置することによってリビングの和やかな雰囲気を演出している。一般的にリビングが住居の中心にあるように、このランドスケープが周辺地域の人々の憩いや活動の拠点となることを望んでいる。

デザイナーによるテキストより

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