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ヘルツォーグ&ド・ムーロンによる、カタールの「ルサイル博物館」。地域の文化的な核を目指す施設。“都市をひとつの建物に収めた”建築として構想され、周辺環境に応じた荒々しい“土地の一部”の様な外観が特徴。最上階には4つの歴史的建築を抽象化した展示空間も備える
ヘルツォーグ&ド・ムーロンによる、カタールの「ルサイル博物館」。地域の文化的な核を目指す施設。“都市をひとつの建物に収めた”建築として構想され、周辺環境に応じた荒々しい“土地の一部”の様な外観が特徴。最上階には4つの歴史的建築を抽象化した展示空間も備えるAerial View of Al Maha Island. ©Herzog & de Meuron. Courtesy Qatar Museums.
ヘルツォーグ&ド・ムーロンによる、カタールの「ルサイル博物館」。地域の文化的な核を目指す施設。“都市をひとつの建物に収めた”建築として構想され、周辺環境に応じた荒々しい“土地の一部”の様な外観が特徴。最上階には4つの歴史的建築を抽象化した展示空間も備えるLusail Museum view from Lusail Marina looking towards Al Maha Island. ©Herzog & de Meuron. Courtesy Qatar Museums.
ヘルツォーグ&ド・ムーロンによる、カタールの「ルサイル博物館」。地域の文化的な核を目指す施設。“都市をひとつの建物に収めた”建築として構想され、周辺環境に応じた荒々しい“土地の一部”の様な外観が特徴。最上階には4つの歴史的建築を抽象化した展示空間も備えるLusail Museum, view from Lusail Marina looking towards Al Maha Island. ©Herzog & de Meuron. Courtesy Qatar Museums.
ヘルツォーグ&ド・ムーロンによる、カタールの「ルサイル博物館」。地域の文化的な核を目指す施設。“都市をひとつの建物に収めた”建築として構想され、周辺環境に応じた荒々しい“土地の一部”の様な外観が特徴。最上階には4つの歴史的建築を抽象化した展示空間も備えるLusail Museum, The Crescent – an internal boulevard. ©Herzog & de Meuron. Courtesy Qatar Museums.

ヘルツォーグ&ド・ムーロンが設計している、カタールの「ルサイル博物館(Lusail Museum)」です。
地域の文化的な核を目指す施設です。“都市をひとつの建物に収めた”建築として構想され、周辺環境に応じた荒々しい“土地の一部”の様な外観を特徴としています。また、最上階には4つの歴史的建築を抽象化した展示空間も備えています。


こちらはリリーステキストの翻訳です

カタール博物館が、ヘルツォーグ&ド・ムーロンの設計による未来のルサイル博物館の新しい建築レンダリングを公開

カタール博物館は本日、未来のルサイル博物館の新しいレンダリング画像とバーチャル・フライスルー映像を公開し、プリツカー賞を受賞したスイスの建築家ヘルツォーグ&ド・ムーロンが設計したこの世界的な芸術施設とグローバルなシンクタンクの建物の新たな詳細を明らかにしました。

比類なきオリエンタリズム美術のコレクションを有するルサイル美術館は、過去から現在に至るまで、世界各地における人々と思想の動きを探求し、対話、芸術、革新を通じて分断された世界の架け橋となることを目指しています。著名な学者、アーティスト、政策立案者、思想家、キュレーターなどの参加を得て、ルサイル美術館は重要な世界的問題についてのハイレベルな研究、議論、討論、調停を行う機会を提供します。この博物館のデザインは、「縦に重なったスーク(※アラビア語で市場)あるいはミニチュアの都市をひとつの建物に収めたもの」として構想された建物で、融合と対話というこの使命を表現しており、ドーハの北に現在実現しつつある持続可能な都市、ルサイル・シティの文化的な核となります。

カタール博物館のチェアパーソンであるシェイカ・アル・マヤッサ・ビント・ハマド・ビン・ハリーファ・アル・ターニ閣下が、2023年12月にデビューしたカタールの現代文化開発を探求する彼女のポッドキャスト「The Power of Culture」の初回エピソードで、ジャック・ヘルツォーグとデザインについて議論しています。このエピソードでは、ヘルツォークが建築に対するアプローチと、ルサイル博物館のために地元の素材や、近代カタールの創始者であるシェイク・ジャシム・ビン・モハメド・アル・タニが1800年代後半に居を構えた地域に近いこの場所の歴史的意義から得たインスピレーションについて語っています。

博物館のためのヘルツォーク&ド・ムーロンのデザインは、島の南端を占め、島の中で物理的な目印として機能します。このプランは円の形をしており、普遍的な意味と、中東とドーハの建物の伝統に対する具体的な反応の両方を伝えています。交差する3つの球体が建物のボリュームを形作り、2つの異なる部分に分けています。ひとつは満月のような形、もうひとつはその周りを包む三日月のような形です。球体から派生した二重の曲面が、三日月形の内部通りを形成し、上方から自然に光が差し込む。この通りは、美術館の入口と中央ロビー、そして図書館、講堂、ショップ、カフェ、祈りの場などの公共機能をつなぐ役割を果たしています。

建物の外観は、海岸沿いという環境に応じて、荒々しく、土のようで、砂のようで、弾力性があり、まるで、その土地そのものの一部であるかのように見えます。日光は、ファサードから切り取られた深く窪んだ窓から室内空間に入り、室内を直射日光から守っています。また、周囲の海とルサイルの街並みは常に視界に入ります。地元や地域の職人やクラフトマンとのコラボレーションは、地元の風土との直接的なつながりを保証し、歴史的な職業や技術の保存と文化交流の促進におけるプロジェクトの役割を強化します。

【ap job更新】 多数の受賞歴があり、住宅設計の書籍も執筆する「石井秀樹建築設計事務所」が、設計スタッフ(2024年新卒・既卒・経験者)を募集中
【ap job更新】 多数の受賞歴があり、住宅設計の書籍も執筆する「石井秀樹建築設計事務所」が、設計スタッフ(2024年新卒・既卒・経験者)を募集中
【ap job更新】 多数の受賞歴があり、住宅設計の書籍も執筆する「石井秀樹建築設計事務所」が、設計スタッフ(2024年新卒・既卒・経験者)を募集中

多数の受賞歴があり、住宅設計の書籍も執筆する「石井秀樹建築設計事務所」の、設計スタッフ(2024年新卒・既卒・経験者)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

【弊社の特徴】
石井秀樹建築設計事務所では住宅を中心にクリニック、店舗など大小様々なプロジェクトが全国で進行中です。
当社はとりわけ住宅設計で高い評価を頂いており、国土交通大臣賞を史上初めて住宅作品で受賞するなど数多くの受賞歴があり、読者が選定するモダンリビング大賞を受賞するなど多くのメディアにも掲載されております。

代表の石井の著書「住まいのデザインノート」は重版され、家づくりを考えている方々から広く支持を頂いております。
『家づくりとは、生活の便利さや流行を追い求めるのではなく、人生を豊かにする空間を手に入れること』という考えに共感頂いた幅広いクライアントからのご依頼が後を断ちません。

一つ一つのプロジェクトに真摯に向き合い、ディテールを丹念に積み上げ、生活を豊かにする空間を大切に創り上げていく、そんな設計事務所です。

【仕事の内容】
住宅は100%エンドユーザーとの直接契約です。ご契約を頂いてから設計をするため営業的なプレゼンは一切ございません。

スタッフは担当案件を任されて一貫してプロジェクトに関わることができます。また事務所内では新入社の方が早く仕事に慣れるように先輩からアドバイスを受け易いチーム編成をしております。担当を任されてからは全てのプロジェクトは担当者と代表の石井が直接打ち合わせを行います。中途採用の方は試用期間を終えるとすぐに担当を持つことができます。このような事務所の体制に加え、住宅はプロジェクト期間が比較的短く、短期間で構造形式も含めて様々なプロジェクトを数多く経験できることから、スタッフの成長スピードは格段に早く4年もすれば独立する力が身につきます。

事務所のOBには独立している人も多く、海外へ渡って夢を叶えた人も居ます。独立を目指して力をつけたい方には適した環境です。
一方で、長く勤めて事務所を支えてくれる意志のある方は幹部候補とします。長く勤めてくれることは事務所にとって大きな財産ですので大歓迎です。勤続手当の他、給与面で厚遇いたします。

さらに設計事務所勤務の経験者で出産、子育てを機に離職されている方、働き方について相談に応じます。是非、そのスキルを弊社で活かして頂きたいと思います。
スタッフはそれぞれ担当案件を任され、一貫してプロジェクトに関わることができます。また事務所内では新人が先輩からの指導を受けられるようにチーム編成をしており、さらに全てのプロジェクトは代表の石井と直接打ち合わせを行っております。

ぜひ、私たちの仲間となり一緒に素晴らしい建築を生み出す充実感を感じてください。

石上純也による“水庭”が鑑賞できる宿泊施設「那須 無垢の音」が、2024年4月1日に開業
石上純也による“水庭”が鑑賞できる宿泊施設「那須 無垢の音」が、2024年4月1日に開業石上純也による「水庭」

石上純也による“水庭”が鑑賞できる宿泊施設「那須 無垢の音」が、2024年4月1日に開業します。リンク先はPR TIMESです。リンク先では施設が提供するサービスや、運営会社等についても紹介されています。

こちらは石上のコメントです。

「現代の庭とはなにか?」という題材のもと、約50年前水田だった土地の歴史と、この場所にある自然の素材を生かし、昔と現代の景色を重ね合わせたような新しい景色を作りたいという考えから、自然と人とが共存するアート「水庭」を構想しました。

現在の宿泊施設エリアにあった約三百数十本の樹林を采配しなおし、元々暗い環境であった森から、地面に太陽が当たる明るい環境へ変えていくことからはじめ、池の水は小川から水をひき、昔の水田を表現しました。また、この「水庭」では、元からある自然を活かし、少し整えることで、元々存在していたような、しかしながら自然界には存在しないような、新しい環境を作り上げることができました。

夏には、池の水、陸の草、光と影が交わる環境が作られ、秋には、色づいた葉が池の中にたまる景色、冬には雪の白、影の黒のモノトーン景色に変化します。季節ごとに変化する「水庭」で、それぞれの景色で愉しんでいただきたいです。

リリーステキストより

以下に、その他の画像も掲載します。

イーストロンドン大学の講師陣による「建築・空間デザインワークショップ」が、大阪で開催。実寸大のドローイングや小さな建築の制作を通じて、同大学独自の“手でつくりながら考える”デザインプロセスを体験する内容。無償でのポートフォリオレビューや留学相談会も実施
イーストロンドン大学の講師陣による「建築・空間デザインワークショップ」が、大阪で開催。実寸大のドローイングや小さな建築の制作を通じて、同大学独自の“手でつくりながら考える”デザインプロセスを体験する内容。無償でのポートフォリオレビューや留学相談会も実施 photo©Michele Roelofsma

イーストロンドン大学の講師陣による「建築・空間デザインワークショップ」が、大阪で開催されます。
実寸大のドローイングや小さな建築の制作を通じて、同大学独自の“手でつくりながら考える”デザインプロセスを体験する内容です。また、無償でのポートフォリオレビューや留学相談会も実施されます。
開催期間は2024年5月3日(金)から6日(月)までの4日間(※3日と6日は祝日)。
会場は、住之江区のコーポ北加賀屋。ワークショップの参加費は、10,000円(材料費込)です。参加の申込はこちらから。【ap・ad】

UELについて

イーストロンドン大学 University of East London(UEL)は、近代的かつ躍進的な大学で、幅広い学科において卓越した教育・研究水準の質で評判をあげています。

UELの建築・デザインプログラムでは建築、インテリアデザイン、ランドスケープデザイン、プロダクトデザインの分野における学部および大学院のコースが設置されています。各コースは質、独創性の点で国内外より 高く評価を受け、国際色豊かな留学生を多数迎えています。

当学部は専用スタジオ、ワークショップほか、展示スペースなど充実した施設を保有しており、最新の政府機関(NSS)による学生の満足度調査において英国で二番目に高い評価を受けました。

当学部の建築学士、修士課程はRoyal Institute of British Architects(RIBA) とArchitecture Registration Board(ARB)により共同で承認されています。イーストロンドン大学 建築学部は建築に対する実践的なアプローチを特長とし、マテリアルの探究、場所やコンテクストの理解力において高く評価されています。

リリーステキストより

ワークショップについて

イギリスのイーストロンドン大学の講師による建築・空間デザインワークショップを行います。

このワークショップでは、実寸大(1:1)のドローイングや小さな建築(ルーム)を制作します。実際のマテリアルに触れながら空間をつくることによって、素材の特徴、空間の質、場所との関係性を直観的に捉え、イーストロンドン大学の特徴である「手でつくりながら考える」デザインプロセスを体験していただきます。

ワークショップ最終日にはゲストを招き、完成作品の展示・講評会を実施する予定です。

リリーステキストより

以下に、詳細を掲載します。

伯耆原洋太 / HAMS and, Studioと風間健による、東京の住戸改修「切断の諸相05『A Round and Around』」。改修済みの空間を部分的に再改修。愛着のある“物に囲まれた生活”の要望に、外壁のR形状から着想した“円環の本棚”でリビングを包み込む構成を考案。既存仕上げを“地形”と捉えて様々な“様相”を積極的に受容
伯耆原洋太 / HAMS and, Studioと風間健による、東京の住戸改修「切断の諸相05『A Round and Around』」。改修済みの空間を部分的に再改修。愛着のある“物に囲まれた生活”の要望に、外壁のR形状から着想した“円環の本棚”でリビングを包み込む構成を考案。既存仕上げを“地形”と捉えて様々な“様相”を積極的に受容玄関からリビングを見る。(建築家による解説:円環の本棚は迎え入れるキャノピーとして浮かび上がる) photo©中村晃
伯耆原洋太 / HAMS and, Studioと風間健による、東京の住戸改修「切断の諸相05『A Round and Around』」。改修済みの空間を部分的に再改修。愛着のある“物に囲まれた生活”の要望に、外壁のR形状から着想した“円環の本棚”でリビングを包み込む構成を考案。既存仕上げを“地形”と捉えて様々な“様相”を積極的に受容リビング。(建築家による解説:ぐるりと一周する本棚。本棚の中に開口、動線を組み込むことでリズムを作っている。本棚上部に伸びる円環のフィンには照明・空調機器や透明度を操作するカーテンが取り付く) photo©中村晃
伯耆原洋太 / HAMS and, Studioと風間健による、東京の住戸改修「切断の諸相05『A Round and Around』」。改修済みの空間を部分的に再改修。愛着のある“物に囲まれた生活”の要望に、外壁のR形状から着想した“円環の本棚”でリビングを包み込む構成を考案。既存仕上げを“地形”と捉えて様々な“様相”を積極的に受容左:セカンドリビング、右:リビング。(建築家による解説:円環の本棚に背をもたれるように、夫婦のワークスペースを配置。雁行する既存の空間性を活かし、パーソナルなコーナーをニッチに作り出した) photo©中村晃

伯耆原洋太 / HAMS and, Studioと風間健が設計した、東京の住戸改修「切断の諸相05『A Round and Around』」です。
改修済みの空間を部分的に再改修する計画です。建築家は、愛着のある“物に囲まれた生活”の要望に、外壁のR形状から着想した“円環の本棚”でリビングを包み込む構成を考案しました。また、既存仕上げを“地形”と捉えて様々な“様相”を積極的に受容することも意図されました。

本を開くと、頭の中をぐるぐると言葉が巡り、窓を開くと、街と街をぐるぐると鉄道や車が駆けている。内と外は一体に繋がって活動を続けている。非所有が推し進む世の流れの中で、過去の自分を引き摺りながら蓄積した愛着のあるものに囲まれた設計者自邸を計画した。

建築家によるテキストより

敷地はスカイツリーふもとの密集住宅地にあり、マンション一室の部分改修プロジェクトである。
マンションの一室でありながら、目の前を幹線道路が通り、部屋と同じレベルを鉄道が走るなど、都市交通の動きをダイレクトに感得できる位置にある。

既存はすでに買取再販不動産会社によって改修がなされており、規格化された仕様は築20年超の一室を手際よく整えてはいたが、独特な平面形状がもつポテンシャルを抑え込んでいるような印象も与えた。

建築家によるテキストより

今回の改修では、すでにリノベーションされた仕上げ面までをある一つの地形・コンテクストとして捉え、その中で寄生するように最低限の操作で空間全体に最大限影響を及ぼしながら、都市活動全体の一部として拡がっていく私的な居住空間の在り様を模索した。

住み手の現住居には多くの書籍が蓄積し、その物量に手をこまねきながらも、思い入れのある様々な物に囲まれた暮らしを要望していた。そこで、間取りの中央に円環の本棚を計画し、文字通りぐるりと360度包み込まれた空間の中心部をリビングとすることで、物と住み手が臨場感のある暮らしを展開できると考えた。

建築家によるテキストより
小泉瑛一と勝邦義による、宮城・登米市の「三塚牧場シルクロ」。旧集会所を牧場運営のカフェ等に転用。施主の生産する牛肉を食べられ“地域交流”も生む場として、“資源の循環”を主題にし“堆肥”を混ぜた左官材などを使用して空間を構築。WSも行って支援者を巻き込んで作る
小泉瑛一と勝邦義による、宮城・登米市の「三塚牧場シルクロ」。旧集会所を牧場運営のカフェ等に転用。施主の生産する牛肉を食べられ“地域交流”も生む場として、“資源の循環”を主題にし“堆肥”を混ぜた左官材などを使用して空間を構築。WSも行って支援者を巻き込んで作る外観、施主が運営する牧場越しに見る。 photo©FWD 楠瀬友将
小泉瑛一と勝邦義による、宮城・登米市の「三塚牧場シルクロ」。旧集会所を牧場運営のカフェ等に転用。施主の生産する牛肉を食べられ“地域交流”も生む場として、“資源の循環”を主題にし“堆肥”を混ぜた左官材などを使用して空間を構築。WSも行って支援者を巻き込んで作る外観、北側道路より見る。 photo©FWD 楠瀬友将
小泉瑛一と勝邦義による、宮城・登米市の「三塚牧場シルクロ」。旧集会所を牧場運営のカフェ等に転用。施主の生産する牛肉を食べられ“地域交流”も生む場として、“資源の循環”を主題にし“堆肥”を混ぜた左官材などを使用して空間を構築。WSも行って支援者を巻き込んで作る土間 photo©FWD 楠瀬友将
小泉瑛一と勝邦義による、宮城・登米市の「三塚牧場シルクロ」。旧集会所を牧場運営のカフェ等に転用。施主の生産する牛肉を食べられ“地域交流”も生む場として、“資源の循環”を主題にし“堆肥”を混ぜた左官材などを使用して空間を構築。WSも行って支援者を巻き込んで作る土間から客席を見る。 photo©FWD 楠瀬友将

小泉瑛一 / about your city勝邦義 / KATSU STUDIOが設計した、宮城・登米市の「三塚牧場シルクロ」です。
本作品では、小泉瑛一 / about your cityがプロジェクトデザインとワークショップデザイン、勝邦義 / KATSU STUDIOが建築設計を担当しています。
旧集会所を牧場運営のカフェ等に転用する計画です。建築家は、施主の生産する牛肉を食べられ“地域交流”も生む場として、“資源の循環”を主題にし“堆肥”を混ぜた左官材などを使用して空間を構築しました。また、WSも行って支援者を巻き込んで作りました。店舗の公式ページはこちら

宮城県登米市で和牛の生産を手掛ける三塚牧場が実践する、資源の循環をテーマに食と農と人を繋ぐプロジェクト「シルクロ」のためのリノベーション建築である。
約10年間空き家だった地域の集会所を循環的視点を持って改修し、カフェとシェアスペースをつくった。

建築家によるテキストより

三塚牧場は1972年から親子2代に渡って肉牛の生産を手掛けている。自社の田んぼで生産する米や稲わら、里山の間伐材を用いた杉炭などを牛の飼料とし、排出された牛糞を堆肥として再び田畑に還元するなど、食と農が循環する畜産業を営んでいる。

一方で肉牛の流通の関係上、東京食肉市場で価格が付けられ卸売を通して販売されることが多いため、登米市内で地元産の牛肉を提供する飲食店や販売店が少なく、地域の食の豊かさに触れる機会が乏しかった。また、牧場の近隣には人々が日常的に集まってくつろぐ場所もあまりないことから地域の交流が生まれづらかった。

そういった状況に対して三塚牧場の牛肉を手軽に食べられるメニュー形式で提供するカフェを作り、自社で運営することに挑戦した。10年間空き家だった地域の元集会所を取得し、できるだけ廃棄物を出さずリノベーションに取り組むことを考えた。

建築家によるテキストより

建物のリノベーションに取り組む前に、本プロジェクトが将来目指したい姿を「資源の循環をテーマに食・農を通じて人を繋ぐ」と定義した。そこから「めぐる、ひらく、わかちあう」というコンセプトを導き出し、それらを具体的に表現するような建築設計を行った。

建築家によるテキストより
齋藤弦と酒井禅道による、神奈川・足柄下郡の週末住宅「湯河原の擁壁」。雛壇状の造成地での計画。敷地と呼応する“独自の建築の形式”を求め、土木と建築のスケールを調停する“擁壁に擬態した構造体”を“背骨”とする建築を考案。軽やかな“木架構の屋根”で地形に寄添う住空間も作る
齋藤弦と酒井禅道による、神奈川・足柄下郡の週末住宅「湯河原の擁壁」。雛壇状の造成地での計画。敷地と呼応する“独自の建築の形式”を求め、土木と建築のスケールを調停する“擁壁に擬態した構造体”を“背骨”とする建築を考案。軽やかな“木架構の屋根”で地形に寄添う住空間も作る鳥瞰、東の隣地側より見る。 photo©西川公朗
齋藤弦と酒井禅道による、神奈川・足柄下郡の週末住宅「湯河原の擁壁」。雛壇状の造成地での計画。敷地と呼応する“独自の建築の形式”を求め、土木と建築のスケールを調停する“擁壁に擬態した構造体”を“背骨”とする建築を考案。軽やかな“木架構の屋根”で地形に寄添う住空間も作る2階、階段から1階を見下ろす。 photo©西川公朗
齋藤弦と酒井禅道による、神奈川・足柄下郡の週末住宅「湯河原の擁壁」。雛壇状の造成地での計画。敷地と呼応する“独自の建築の形式”を求め、土木と建築のスケールを調停する“擁壁に擬態した構造体”を“背骨”とする建築を考案。軽やかな“木架構の屋根”で地形に寄添う住空間も作る2階、玄関側より書斎を見る。 photo©西川公朗

齋藤弦 / Strings Architecture酒井禅道 / 湖雲山が設計した、神奈川・足柄下郡の週末住宅「湯河原の擁壁」です。
雛壇状の造成地での計画です。建築家は、敷地と呼応する“独自の建築の形式”を求め、土木と建築のスケールを調停する“擁壁に擬態した構造体”を“背骨”とする建築を考案しました。そして、軽やかな“木架構の屋根”で地形に寄添う住空間を作ることも意図されました。

親子二世帯のための週末住宅である。

敷地は火山が長い年月をかけて浸食された地形の中の、雛壇状の別荘造成地の一角である。間知石擁壁によって造成された土木的地形の上に、不自然なコントラストで小さな住宅が並んでいる。一見歪なこの状況を独自の建築の形式に変換できないかと考えた。

建築家によるテキストより

土木スケールと建築スケールの間を調停する、擁壁に擬態させたRC造の斜めの構造体(以降“擁壁”)を背骨として建築を構成する。この“擁壁”をコアとして機能に合わせて変形させ、さらに施主である音楽家のスタジオとして、響きを担保する気積を与えることで、擁壁の断面形状がL字にクランクしたような形態が生まれた。

建築家によるテキストより

そこにかつての地形をトレースするような、木架構の軽やかな屋根を“擁壁”に腰掛けるように設置することで、土木的地形に寄り添うような住空間とした。

些細な敷地の特異性に着目し、そこに住人の個性を掛け合わせることで、その状況下でしか成立し得ない建築の形を目指した。

建築家によるテキストより
UID前田圭介・原浩二・高坂敦信が審査した、中国電力主催の建築アワード「エネルギア住宅作品コンテスト」の入賞作品を公開。第27回目の開催となり、新築住宅・リフォーム住宅・学生の3部門で応募を募り、“計12作品”が選出
UID前田圭介・原浩二・高坂敦信が審査した、中国電力主催の建築アワード「エネルギア住宅作品コンテスト」の入賞作品を公開。第27回目の開催となり、新築住宅・リフォーム住宅・学生の3部門で応募を募り、“計12作品”が選出 image courtesy of 中国電力
UID前田圭介・原浩二・高坂敦信が審査した、中国電力主催の建築アワード「エネルギア住宅作品コンテスト」の入賞作品を公開。第27回目の開催となり、新築住宅・リフォーム住宅・学生の3部門で応募を募り、“計12作品”が選出審査会の様子 photo courtesy of 中国電力
UID前田圭介・原浩二・高坂敦信が審査した、中国電力主催の建築アワード「エネルギア住宅作品コンテスト」の入賞作品を公開。第27回目の開催となり、新築住宅・リフォーム住宅・学生の3部門で応募を募り、“計12作品”が選出表彰式の様子 photo courtesy of 中国電力

UID前田圭介・原浩二・高坂敦信が審査した、中国電力主催の建築アワード「エネルギア住宅作品コンテスト」の入賞作品を公開します。第27回の募集テーマは「自然素材を活かしたサステナブルな住まい」でした。【ap・ad】

中国電力主催の建築アワード「エネルギア住宅作品コンテスト」では、昨年に引き続き「自然素材を活かしたサステナブルな住まい」をテーマをとして作品を募集し、108作品の応募がありました。応募作品の中から、自然の循環サイクルに還ることができる自然素材を取り入れた高い機能性とデザイン性を実現する独創的な工夫を施し、中国地域の持つ景観・気候風土との調和に配慮されたもの等、計12作品を選出し、「新築・リフォーム部門」の7作品、「学生部門」の5作品を公開しています。

■審査委員
前田圭介 (UID主宰、近畿大学工学部 教授)
原浩二  (原浩二建築設計事務所 所長、広島工業大学 非常勤講師)
高坂敦信 (住宅誌「モダンリビング」編集長)

エネルギア住宅コンテスト 総評 前田圭介

第27回目を迎えた今回も数多くの応募作品が新築・学生部門共にありました。一方、ポストコロナにおけるオルタナティブな働き方や生活様式が期待されるなかリノベーションの応募作品が減少していることが気になりました。現代の縮退する日本において、ささやかな規模の提案が建て主の生活を豊かにするリノベーションなど、数多くの作品を来年は待ち望みたいと思います。

その中で新築部門の最優秀賞である「屋内庭のある家」は山陰特有の気候から、全面屋根からの採光と大小の気積を活かした設計により、温熱環境の厳しい時期・そうでない時期など、その時々の建て主の感度にあわせて暮らす、この地域ならではの住空間を見事に実現させており評価されました。

リフォーム部門最優秀賞の「広葉の家」は庭屋一如ともいうべき空間として仕立て上げられており、奥まで引き込むアプローチや縁側的な居場所など、巧みな空間を実現している作品として評価されました。

その他入選された案、惜しくも入選を逃した案含めて数多くの素敵な暮らしの提案があり、あらためて住まいの多様さを感じさせていただく審査会となりました。

以下に各賞の受賞者と作品写真及び提案書を掲載します。

村上譲+菊田康平 / Buttondesignによる、山形市の「山形の家」。雪が降りカーポートも必要な地域。“繋がりのある”住まいとの要望に、カーポート・庭・建築を“軒下”空間を介して接続する構成を考案。内部でも“高断熱仕様”を活かして全体を“ひとつの大きな部屋”の様に作る
村上譲+菊田康平 / Buttondesignによる、山形市の「山形の家」。雪が降りカーポートも必要な地域。“繋がりのある”住まいとの要望に、カーポート・庭・建築を“軒下”空間を介して接続する構成を考案。内部でも“高断熱仕様”を活かして全体を“ひとつの大きな部屋”の様に作る外観、東側道路より見る。 photo©小松正樹
村上譲+菊田康平 / Buttondesignによる、山形市の「山形の家」。雪が降りカーポートも必要な地域。“繋がりのある”住まいとの要望に、カーポート・庭・建築を“軒下”空間を介して接続する構成を考案。内部でも“高断熱仕様”を活かして全体を“ひとつの大きな部屋”の様に作る庭からテラスを見返す photo©小松正樹
村上譲+菊田康平 / Buttondesignによる、山形市の「山形の家」。雪が降りカーポートも必要な地域。“繋がりのある”住まいとの要望に、カーポート・庭・建築を“軒下”空間を介して接続する構成を考案。内部でも“高断熱仕様”を活かして全体を“ひとつの大きな部屋”の様に作る1階、リビングエリアからダイニングエリアを見る。 photo©小松正樹
村上譲+菊田康平 / Buttondesignによる、山形市の「山形の家」。雪が降りカーポートも必要な地域。“繋がりのある”住まいとの要望に、カーポート・庭・建築を“軒下”空間を介して接続する構成を考案。内部でも“高断熱仕様”を活かして全体を“ひとつの大きな部屋”の様に作る1階、左:リビングエリア、右:ダイニングエリア photo©小松正樹

村上譲+菊田康平 / Buttondesignが設計した、山形市の「山形の家」です。
雪が降りカーポートも必要な地域での計画です。建築家は、“繋がりのある”住まいとの要望に、カーポート・庭・建築を“軒下”空間を介して接続する構成を考案しました。また、内部でも“高断熱仕様”を活かして全体を“ひとつの大きな部屋”の様に作りました。

県内としては降雪量が少ないもののまとまった雪の日もあり、冬季は日常的に雪かきが必要な地域。対して夏季は盆地のため気温も高く、年間の気温差が大きい環境です。そのため、建築には高い断熱性と、日々の使い勝手に対する工夫が求められます。
市内の住宅を見て回ると劣化している箇所は共通しており、建物の外壁や基礎周り、屋根の軒先など、雪と接触している時間が長い箇所が劣化している事がわかりました。

また、主な移動手段が車のため、住宅には2台以上停車できる駐車スペースと雪対策のカーポートが設置されていることがほとんどです。

建築家によるテキストより

設計におけるクライアントからの要望は「家のどこにいても繋がりがあるようにしたい」との一つだけでした。
それを受け、家の中だけではなく母屋とカーポート、庭が分断されてしまわないような繋がり、また家族や来客がどこにいても心地よく過ごせる場所づくりを大切に考えこの家を計画しました。

建築家によるテキストより

駐車エリアと玄関ポーチの間に、カーポートの屋根延長したテラスを設け、玄関までのアプローチを自然に繋げました。カーポートの屋根には駐車スペースだけではなく、テラスを覆う役割も与え、また玄関先までの動線をも包み込みます。

植栽の管理負担を減らす意味で草木の面積は少なくしたものの、大きなヤマモミジを庭の中心に据え、それを囲むように母屋、テラス、デッキを配置しました。それらも軒下の導線で繋がり、室内の各部屋からはどこからでも庭の景色を楽しめます。

建築家によるテキストより
【ap job更新】 KIAS イシダアーキテクツスタジオが、設計スタッフ(経験者・既卒・2024年新卒)と 秘書兼総務を募集中
【ap job更新】 KIAS イシダアーキテクツスタジオが、設計スタッフ(経験者・既卒・2024年新卒)と 秘書兼総務を募集中
【ap job更新】 KIAS イシダアーキテクツスタジオが、設計スタッフ(経験者・既卒・2024年新卒)と 秘書兼総務を募集中Moss House

KIAS イシダアーキテクツスタジオの、設計スタッフ(経験者・既卒・2024年新卒)と 秘書兼総務募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

KIAS イシダアーキテクツスタジオではプロジェクト業務拡大にともない、建築意匠設計スタッフと秘書・総務スタッフを募集いたします。

イシダアーキテクツスタジオ(KIAS)は建築家、石田建太朗の主宰する建築設計事務所です。

2019年に設計した軽井沢の「積葉の家」は英国の建築誌が主催するAR House Award 2020の優秀賞を受賞するなど海外メディアからも高い評価を受けています。日本のみならず海外へと活動の領域を広げていくなか、チームの一員として参加してくれるメンバーを募集します。

建築はその土地の歴史や気候そして環境を丁寧に読みとり、その文脈に呼応したスペシフィックなものでなければならないと考えています。その信念が素材や空間の設えに大きく影響することによって人を豊かにする美しい建築が成立すると信じています。

現在、美術館や企業の本社ビルなどのプロジェクトが進行中です。コンセプトデザインの段階からRhino3D、V-Rayや模型などを使いデザインスタディを進め、デジタルモデリングで得られたデータを実施設計や現場に反映することにより造形力の高い建築作品も実現可能にしています。

30代のスタッフを中心とした明るい職場環境で、助け合いながら知識を吸収することができます。建築設計から監理まで責任を持って誠実に取り組んでいける方、建築の可能性を広げるデザインに挑戦する仲間として参加してくれる方をお待ちしています!

谷口弘和設計室による、京都の「八幡の二世帯住宅」。雛壇状の高低差のある土地での計画。場の可能性を引き出す在り方を目指し、“敷地と住宅が一体”となる“建ち方”の設計を志向。基礎の接地面積を減らして“ひと繋がりの庭”が“立体的に巻き付く”様な建築を造る
谷口弘和設計室による、京都の「八幡の二世帯住宅」。雛壇状の高低差のある土地での計画。場の可能性を引き出す在り方を目指し、“敷地と住宅が一体”となる“建ち方”の設計を志向。基礎の接地面積を減らして“ひと繋がりの庭”が“立体的に巻き付く”様な建築を造る俯瞰 photo©笹の倉舎 笹倉洋平
谷口弘和設計室による、京都の「八幡の二世帯住宅」。雛壇状の高低差のある土地での計画。場の可能性を引き出す在り方を目指し、“敷地と住宅が一体”となる“建ち方”の設計を志向。基礎の接地面積を減らして“ひと繋がりの庭”が“立体的に巻き付く”様な建築を造る2階、リビング1からキッチン1を見る。 photo©笹の倉舎 笹倉洋平
谷口弘和設計室による、京都の「八幡の二世帯住宅」。雛壇状の高低差のある土地での計画。場の可能性を引き出す在り方を目指し、“敷地と住宅が一体”となる“建ち方”の設計を志向。基礎の接地面積を減らして“ひと繋がりの庭”が“立体的に巻き付く”様な建築を造る外観、1階のピロティを見る。 photo©笹の倉舎 笹倉洋平
谷口弘和設計室による、京都の「八幡の二世帯住宅」。雛壇状の高低差のある土地での計画。場の可能性を引き出す在り方を目指し、“敷地と住宅が一体”となる“建ち方”の設計を志向。基礎の接地面積を減らして“ひと繋がりの庭”が“立体的に巻き付く”様な建築を造る2階、世帯2部分、リビング2からキッチン2を見る。 photo©笹の倉舎 笹倉洋平

谷口弘和設計室|HTAが設計した、京都・八幡市の「八幡の二世帯住宅 ─ 更新される農地 / 構築される長屋」です。
雛壇状の高低差のある土地での計画です。建築家は、場の可能性を引き出す在り方を目指し、“敷地と住宅が一体”となる“建ち方”の設計を志向しました。そして、基礎の接地面積を減らして“ひと繋がりの庭”が“立体的に巻き付く”様な建築を造りました。

京都府南部にある雛壇上の土地に建つ、高齢者の親世帯と息子世帯のための二世帯住宅である。

建主は、両親を見守るため二世帯住宅を検討していた。近所付き合いの継続や引越しの負担など、今までの生活を大きく変えずに負担なく暮らせる土地を探していた所、実家より徒歩3分の農地が売りに出ているのを発見し、購入を決めた。

建築家によるテキストより

計画地は高低差のある雛壇状の不整形地であり、かつては農地として利用されていたが長年放置され、荒れていた。理由としては、宅地にする場合に擁壁を建てなければ成らず、住宅が一つ建ってしまうくらいの莫大な費用をかける割には敷地が分断され、敷地全体を活用することが難しいためである。

周囲の住宅も同様の問題に直面しており、通例に習い擁壁を設け、敷地の半分で住宅を建てて残りは駐車場や庭など、元から別敷地であったかのように住宅と他が切り離されて活用されており、土地のポテンシャルを活かしきれてないように思えた。
この場所ならではの高低差のある豊かな敷地が、家を建てるために機械的に造成されて、小さくて平らなどこにでもあるものに書き換えられ、様々な事柄を分断している。

そこで本計画では、高低差のある敷地と住宅が一体となるような建ち方を模索した。

建築家によるテキストより

具体的には、低い地盤に小さいヴォリュームを置き、高い地盤から長いヴォリュームを掛け渡すことで、一切の敷地造成をすることなく、必要な面積を確保しながら、住宅を敷地に着地させる。また、敷地と住宅の接地面を最小にすることで、基礎を減らしてコストダウンを図ると同時に、人や庭が入り込める隙間を設けることができる。

こうすることで敷地全体が分断されることのない、起伏のあるひと繋がりの庭となり、立体的に住宅に巻きつくことで、外部⇄内部、敷地⇄地域、世帯⇄世帯等、大小様々なスケールの事柄を結びつけるきっかけとなると考えた。

建築家によるテキストより
高塚陽介 / TYdo architectsによる、静岡・磐田市の「西新町の住宅」。通学路に面した角地での計画。プライバシーの確保と子供たちの通行を考慮し、角部を曲面とした“RC塀”を1階の個室周りに配置する建築を考案。2階のリビングは床と天井の操作で一室空間を緩やかに分節する
高塚陽介 / TYdo architectsによる、静岡・磐田市の「西新町の住宅」。通学路に面した角地での計画。プライバシーの確保と子供たちの通行を考慮し、角部を曲面とした“RC塀”を1階の個室周りに配置する建築を考案。2階のリビングは床と天井の操作で一室空間を緩やかに分節する外観、北東側道路より見る。 photo©Kenta Hasegawa
高塚陽介 / TYdo architectsによる、静岡・磐田市の「西新町の住宅」。通学路に面した角地での計画。プライバシーの確保と子供たちの通行を考慮し、角部を曲面とした“RC塀”を1階の個室周りに配置する建築を考案。2階のリビングは床と天井の操作で一室空間を緩やかに分節する外観、RC塀 photo©Kenta Hasegawa
高塚陽介 / TYdo architectsによる、静岡・磐田市の「西新町の住宅」。通学路に面した角地での計画。プライバシーの確保と子供たちの通行を考慮し、角部を曲面とした“RC塀”を1階の個室周りに配置する建築を考案。2階のリビングは床と天井の操作で一室空間を緩やかに分節する2階、手前:ダイニング、奥:リビング photo©Kenta Hasegawa

高塚陽介 / TYdo architectsが設計した、静岡・磐田市の「西新町の住宅」です。
通学路に面した角地での計画です。建築家は、プライバシーの確保と子供たちの通行を考慮し、角部を曲面とした“RC塀”を1階の個室周りに配置する建築を考案しました。また、2階のリビングは床と天井の操作で一室空間を緩やかに分節しています。

静岡県磐田市の住宅街の中に計画した夫婦と子供2人のための木造二階建の住宅です。

施主は、家族一人ずつの個室と、家族が集える大きなリビングを要望した。
敷地は、北東側二面が道路に接しており、小学校の通学路でもありつつ保育園とその送迎用駐車場の間の角地にある。

建築家によるテキストより

まずは個室を1階にまとめ、道路に面してRCの塀を設けることで視線をカットすることでプライバシーを確保するものとし、家族が集うリビングを2階に配する計画とした。

建築家によるテキストより

RC塀は道路に沿って敷地を取り囲むが、花壇を配したり、隅切り部はR形状とするなど、子どもの通行に配慮した形状とし、また、RC塀の内側はサウナ後の水浴び、外気浴スペースとして周囲から遮断した屋外空間として利用するため、高いプライベート性を確保するという側面も担っている。また、躯体から出た庇と統一した意匠とすることで一体化させ、庇とRC塀がつくるスリットの存在も印象的なものにした。

2階に配したリビングは、天井と床高さをゾーンによって変化を与えワンルーム空間を緩やかに分節している。また、その分節は2つのバルコニーともつながり、屋外リビングとしてのバルコニー、通風、採光用のバルコニーという性格をより強固なものにした。

建築家によるテキストより
最も注目を集めたトピックス[期間:2024/3/18-3/24]
最も注目を集めたトピックス[期間:2024/3/18-3/24]

アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2024/3/18-3/24)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。


  1. 神出顕徳 / 3411 STUDIOによる、和歌山市の「神前の家族葬会館」。幹線道路が交差する角の敷地。情報化社会での“建築形態”を考慮し、街のスケールとの“整合性”も意図した量塊を二分割する建築を考案。内部では精度の高い“お見送り”の場として“木架構が連続”する空間を作る
  2. 森下陽 / AMPによる、静岡・掛川市の、住宅兼アトリエ「原里の欄間」。山裾のレッカーの進入が難しい敷地。大きな制作の場を備えた可変性のある住まいを求め、105角材の“トラス”梁を用いた自由な空間が連なる建築を考案。外周の高窓等から生活が滲みだし地域との繋がりも生まれる
  3. 柿木佑介+廣岡周平 / PERSIMMON HILLS architectsによる、東京・港区の「WOWK芝公園」。現代社会における在り方を追求した賃貸事務所ビル。交流を促し“都市の新しい風景”となる建築を目指し、避難階段の配置と量塊の操作で“基準階を壊す”設計を実施。都市構造の立体化での新旧風景の接続も意図
  4. 桑原淳司建築設計事務所による、大阪の住戸改修「豊中の家」。閑静な住宅地にある集合住宅の中での計画。“上質で洗練された空間”の要望に、様々な種類の“素材”や“照明”の使い方に注力する設計を志向。既存サッシの内側に設けた造作建具は上質さと共に機能性も向上させる
  5. 高塚陽介 / TYdo architectsによる、静岡・磐田市の「西町の住宅」。祭典が盛んな地区での計画。祭り仲間で話し合える場を持つ住居との要望に、人が集まる“半屋外リビング”と“家族リビング”を備えた建築を考案。二つの居間の間に中庭を設けて必要に応じて空間の分節も可能にする
  6. 丹羽隆志アーキテクツによる、ベトナムの飲食店「矢澤ハノイ」。歴史あるヴィラを改修した焼肉の店。調理に用いられる“鉄”に着目し、鉄で彩った空間が連続して風景となる建築を志向。地域で普及する“鋳物”で店名を参照した“紋章”を作ってスクリーン等の様々な場所に用いる
  7. 浅利幸男 / ラブアーキテクチャーによる、東京・品川区の集合住宅「蓮山居 市中の立体山居」。袋小路の突当りの敷地。“生き生きと体験”される建築を求め、厳しい与件を解いて生まれた専有部と共用部を“茶室と露地の関係”に見立てる設計を志向。建物の詳細部分は“山々”や“茶庭”等を想起させる様に作る
  8. 藤原徹平 / フジワラテッペイアーキテクツラボによる、東京・大田区の、集合住宅「チドリテラス」。“コーポラティブハウス”として計画。元の土地所有者の意思に応え“庭と共生する建築”を求め、“雁行配置”で多くの樹木を残して建物の存在感も軽減。住戸と庭の在り方を追求して“18戸18タイプ”を設計
  9. OSTR / 太田翔+武井良祐による、大阪市の「大阪サウナDESSE」。都心のビルの中に計画された温浴施設。閉鎖的な状況で“日常の延長”としての空間を目指し、多様な動線がある“庭のような建築”を志向。異なる特徴を持つ7つのサウナをフロアに点在させて“川的な風景”で繋げる
  10. 勝野大樹 / 勝野建築事務所による、長野・上伊那郡の「ハウスKA」。かつての典型的な間取りの住居を改修。日照の良い場に“お座敷”が位置する既存に対し、平面構成の基準を“接客”から“家族”へと変更する設計を志向。元座敷を欄間等を再活用した“開放的雰囲気”のLDKに転用
  11. 谷口幸平 / and to 建築設計事務所による、福岡の「ラジアルアンプハウス」。再開発が進む建て込んだ市街地での計画。“実際の空間以上の豊かさ”の獲得を求め、“建築や土地の境界”を越えて意識を拡げる建築を志向。屋根を構成する“垂木”の操作で“感覚”を外の世界へと拡張させる
  12. 小松隼人建築設計事務所による、大阪市の「帝塚山の家」。住宅が密集した“閉塞的な印象”の敷地。緑に溢れ光と風を体感できる空間を目指し、“性格の異なる庭”を南北に配置する構成を考案。南庭では水平方向にも連続する“ブリーズソレイユ”で柔らかな光を導入する
  13. 宮部浩幸+清水均 / SPEACによる、東京・中央区の「兜町第7平和ビル」。既存ビルの地上階の一部を改修して“オープンスペース”にする計画。人々が滞留する場の創出での、街とビルの居心地と存在感の向上を志向。“街の文脈との連続性”も意図してエリアの歴史や痕跡を設計に参照
  14. 山本嘉寛建築設計事務所による、大阪市の住宅「木川の長屋」。かつての長屋街のビルの谷間に建つ住宅の建替。多様な設えが可能な住まいとして、全体を8つに区画して其々の“間”の繋がりを“戸”の開閉で変えられる建築を考案。2つの広縁を適切に配置して採光と通風も確保
  15. 村上譲+菊田康平 / Buttondesignによる、東京・荒川区の住戸改修「尾久のアパートメント」。陽当たりと風通しの良い建物角の区画。集合住宅でも“開放的な空間”との要望に、外部との繋がり等で“空間の広がり”を創出する設計を志向。触覚に着目して床に屋外を感じさせる“砂利の洗い出し仕上げ”を用いる
  16. 「葛西臨海水族園のリニューアルについて」(東京都建設局)。谷口吉生の建築は保存され、有識者と利用方法に関して意見交換を行うとのこと。これまでの経緯のまとめも掲載
  17. 国立新美術館での展覧会「マティス 自由なフォルム」の入場チケットをプレゼント。最晩年に取り組んだ“ヴァンスのロザリオ礼拝堂”にも焦点をあてる展示。礼拝堂の“内部や時間の流れを再現した空間”や“マティスのドローイングが施された模型”も公開
  18. “演劇的な写真表現”を特徴とする写真家Gottinghamによる、東京・台東区での展覧会「オープンスタジオのためのオープンスタジオ」が開催。作家のスタジオが入居する建物が会場。オリジナルプリント作品に加え、近年取り組んでいるマチエールや透過原稿の制作研究も紹介
  19. 藤本壮介へのインタビュー動画。建築家を目指した背景や、設計した北海道の複合施設について聞く内容。2024年2月に公開されたもの
  20. 山口誠デザインによる、東京・台東区の、オフィスビル「MONOSPINAL」。ゲーム制作会社の本社。従業員の“集中力”と“リラックス”のバランス確保を目指し、環境要素も向上をさせる“斜壁”を持つ建築を考案。小スケールの素材を集積をさせる仕上げで“あらたな風景”を作る

ピーター・ズントーとインドの建築家アブハ・ナレイン・ランバーの対談の動画。アブハはコルビュジエのチャンディーガル等の保存も手掛ける人物。2024年2月に行われたもの

ピーター・ズントーとインドの建築家アブハ・ナレイン・ランバー(Abha Narain Lambah)の対談の動画です。アブハはコルビュジエのチャンディーガル等の保存も手掛ける人物。2024年2月に行われたもの。

ピーター・ズントーとビジョイ・ジェインの対談の動画。ID Symposium 2024の一環として2024年2月に行われたもの

ピーター・ズントーとスタジオ・ムンバイのビジョイ・ジェインの対談の動画です。India Deaseig Symposium 2024の一環として2024年2月6日に行われたものです。内容は、彼らの個人的な体験からプロとしての学び、そして若い建築家に対する洞察まで多岐に渡る。

益子義弘・藤井章・堀部安嗣・六角美瑠が参加したシンポジウム「吉村順三の眼差しを継承すること」の動画。Gallery A4での展示に合わせて2024年3月に行われたもの

益子義弘(建築家、東京藝術大学名誉教授)・藤井章(建築家、吉村順三設計事務所元所員)・堀部安嗣(建築家)・六角美瑠(建築家、神奈川大学教授)が参加したシンポジウム「吉村順三の眼差しを継承すること」の動画です。Gallery A4での展示に合わせて2024年3月6日に行われたもの。2024年5月7日18:00までの期間限定公開です。

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