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諸江一紀建築設計事務所による、愛知・一宮市の「家具工房とピアノ教室のある家」。歴史ある街道に面する敷地。道行く人が仕事の様子を感受できる建築を求め、工房と作業場にもなる庭を通りに向かって開放する構成を考案。街との接点となる“少しだけ開かれた家”は住まい手の地元への意識も変える
諸江一紀建築設計事務所による、愛知・一宮市の「家具工房とピアノ教室のある家」。歴史ある街道に面する敷地。道行く人が仕事の様子を感受できる建築を求め、工房と作業場にもなる庭を通りに向かって開放する構成を考案。街との接点となる“少しだけ開かれた家”は住まい手の地元への意識も変える外観 photo©ToLoLo studio
諸江一紀建築設計事務所による、愛知・一宮市の「家具工房とピアノ教室のある家」。歴史ある街道に面する敷地。道行く人が仕事の様子を感受できる建築を求め、工房と作業場にもなる庭を通りに向かって開放する構成を考案。街との接点となる“少しだけ開かれた家”は住まい手の地元への意識も変える庭から工房を見る。 photo©ToLoLo studio
諸江一紀建築設計事務所による、愛知・一宮市の「家具工房とピアノ教室のある家」。歴史ある街道に面する敷地。道行く人が仕事の様子を感受できる建築を求め、工房と作業場にもなる庭を通りに向かって開放する構成を考案。街との接点となる“少しだけ開かれた家”は住まい手の地元への意識も変える1階、工房部分、右奥にピアノ教室が見える。 photo©ToLoLo studio
諸江一紀建築設計事務所による、愛知・一宮市の「家具工房とピアノ教室のある家」。歴史ある街道に面する敷地。道行く人が仕事の様子を感受できる建築を求め、工房と作業場にもなる庭を通りに向かって開放する構成を考案。街との接点となる“少しだけ開かれた家”は住まい手の地元への意識も変える2階、住居部分、寝室からキッチンとリビング見る。 photo©ToLoLo studio

諸江一紀建築設計事務所が設計した、愛知・一宮市の「家具工房とピアノ教室のある家」です。
歴史ある街道に面する敷地に計画されました。建築家は、道行く人が仕事の様子を感受できる建築を求め、工房と作業場にもなる庭を通りに向かって開放する構成を考案しました。そして、街との接点となる“少しだけ開かれた家”は住まい手の地元への意識も変えました。

家具工房とピアノ教室を併設した夫婦の住まいである。

建築家によるテキストより

1階には妻の家具工房があり、作業場ともなる大きな庭に開いている。庭は巡見街道に面しており、周辺住宅のように塀で閉ざすことはせず、工房の様子を街の人に感じてもらえるようにした。道路から少し距離を取ることで、見られることによる作業のしにくさを緩和している。

工房の天井高さは資材搬入や加工といった材料のスケール変化に合わせている。大きな両開き戸の搬入口は天井が高く、組み立てや塗装などをするスペースは天井が低い。天井高さの違いが2階の床の段差となり、その隙間から2階の家族と視線や会話のやり取りができる。

建築家によるテキストより

竣工して1年ほどして訪れたとき、施主が「この家を建ててから、地元を耕すような気持ちになった」と話していた。夫はこの地に生まれ育ったが、これまで地元には特段の愛着はなかったという。少しだけ開かれた家をつくったことで多くの人から声を掛けられるようになった。

建築家によるテキストより
最も注目を集めたトピックス[期間:2023/12/4-12/10]
最も注目を集めたトピックス[期間:2023/12/4-12/10]

アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2023/12/4-12/10)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。


  1. 鈴木理考建築都市事務所+座二郎+高橋みのり による、東京の、建蔽率50%の敷地を最大限活用する為に屋根のないリビングを計画した住宅「オープンスカイハウス」
  2. 御手洗龍建築設計事務所による、埼玉・所沢市の複合ビル「Grove」。“無機質な高層化”が進む街中の細長い敷地。環境と動的な関係を紡ぐ“新たな積層建築”を求め、ひとつの規則に縛られない“筋書のない建築”を志向。雑木林の様な構造体を頼りに“アドホック”な設計を積み重ねる
  3. ヘザウィック・スタジオが低層部デザインを手掛けた、東京・港区の「麻布台ヒルズ」。都心の約2.4haの敷地に計画。東京の建物が密集する多様性を称賛し、施設を“立体的で探索可能”なランドスケープと組合せる設計を志向。エグゼクティブアーキテクトとして日本設計・日建設計・山下設計も参画
  4. 五十嵐理人 / IGArchitectsによる、埼玉の「市松の家」。住宅街の角地に計画。暮らしの変化に柔軟に応える存在を目指し、諸機能を収めた“大きな壁柱”を対角線上に配置してスラブを片持ちで支える建築を考案。柱と床を行き来して“思い思いの場で生活できる”空間を作る
  5. 藤本壮介+東畑建築事務所+梓設計による、2025年大阪・関西万博の「大屋根(リング)」。外側高さ約20mで内径約615mの世界最大級の木造建築。会場の主動線として交通空間であると共に、雨風等を遮る快適な滞留空間としても機能。屋上には緑の丘が広がり瀬戸内海の景観を眺望
  6. 安藤忠雄による、オーストラリア・メルボルンの「MPavilion 10」。建築家が招聘されパヴィリオンを造る企画の10番目の作品。人々の記憶に永遠に残る存在を求め、古代からの秩序をもたらす手段“原初の幾何学形態”を用いた建築を考案。人間の想像の原点となる“余白”を生み出す
  7. 小松隼人建築設計事務所による、広島・呉市の「Oshigome Base」。事務所と住宅に加え“会所”機能を持つ建築。地域に貢献する存在を求め、庭と一体となる“かつての民家の庭先”の様な“セミパブリックな性質”の空間を考案。外観を特徴づける“草屋根”は周辺環境との連続も意図
  8. 原山大+村上芙美子 / HaMAoによる、広島・尾道市の二世帯住宅「向島の家」。本土から島へ移住する家族の住まい。近隣との関係性の構築を主題とし、新たな建築を“既に存在する周囲の多様な状況”と繋ぎ合わせる設計を志向。庇や外壁等の様々な要素が敷地境界を越えて周りと関わるように作る
  9. 小田切駿 / ハヤオオダギリアーキテクツによる、東京・港区の店舗「MIKAGE SHIN AOYAMA」。構築的な特徴を持つモードブランドの初の実店舗。“足を運びたくなる”場を目指し、身体・衣服・建築が融合する“インスタレーション”としての空間を志向。機能も担う“約40mの金属の曲線”を全体に駆巡らせる
  10. 武保学 / きりんによる、三重・伊賀市の住宅「森の中の浮き床」。山あいの広大な敷地に計画。周囲の木々の植生の変化に着目し、環境を“ここにしかない”風景として実感できる建築を志向。外まで伸びる“十字壁”で空間を分割し其々の領域と風景を関係づけるように開口部を設計
  11. 小山光+KEY OPERATIONによる、東京・豊島区の「池袋テラスビル」。駅前の間口の狭い敷地に建つ商業ビル。隣接建物の後退に着目し、角部に積層させたテラスが“大きな袖看板”の様に賑わいを周知する建築を考案。軒裏を第二のファサードと捉えて意識的な素材選択と照明計画も行う
  12. 二俣公一 / ケース・リアルによる、佐賀・唐津市の「Whale Brewing」。空家増加の課題を抱える町の古民家を改修した醸造所。地域の活気への貢献を求め、内側が“通りに滲み出る”ように二層吹抜のガラスファサードの建築を考案。既存空間の強さと新機能を掛け合わせランドマークを作る
  13. MVRDVによる、ドイツ・ベルリンの「Atelier Gardens Haus 1」。映画スタジオの再開発の一環として施設の入口近くの既存ビルを改修。キャンパスの象徴を目指し、鮮やかな黄色と屋上まで続く外部階段を特徴とする建築を考案。持続可能性を考慮した建材と設備で建物の寿命も伸ばす
  14. 小田真平建築設計事務所とランディ・マリエ・ジェンセンによる、大阪市の住戸改修「弁天の住居」。施主の日本滞在用の住まい。自身が考える日本の“伝統的空間”の導入を目指し、和紙で仕上げた“透過性”の異なる二つの面を用いて“その先を連想させる”空間を構築。既存を活かし最小限の解体と追加で完成させる
  15. トラフ建築設計事務所による、京都・下京区の、店舗「Aesop 京都髙島屋店」。百貨店内のモノトーンの共用部に面する区画。店がオープンする秋の京都の景色に着想を得て、イチョウを想起させる“黄金色のカーペット”を敷詰めた空間を考案。商品棚には“幹”を思わせる濃い色調の合板を用いる
  16. ザハ・ハディド事務所による、中国・珠海市の「珠海金湾市民芸術センター」。舞台芸術・科学・美術の三施設を内包する建築。現代の創造拠点として、公共広場を中心に諸機能を配置し“渡り鳥の飛行パターン”を参照した形の屋根で覆う構成を考案。特徴的な屋根は施工性や機能性も考慮して設計
  17. 鈴木知悠 / 地域価値共創センターによる「SHOPKIT」。街の様々な場の活性化を意図した装置。ビル建替時の遊休地の活用方法への疑問を出発点とし、明るく親しみ易い空間が“即席で立ち上がる”仕組みを考案。都市の中の自然空間の肯定と個人の振舞の促進も意図
  18. 石上純也建築設計事務所による、神奈川・厚木市の「神奈川工科大学KAIT広場」
  19. 青木淳の東京藝術大学退任記念展「雲と息つぎ」。同大学敷地内の“陳列館”を舞台に開催。“建築とは何か?”という自問自答を促される展覧会。青木と助手の笹田侑志が学生達と議論した構想を様々な協力も得てDIYで完成させる
  20. 石上純也建築設計事務所による、山口の「House & Restaurant」。旧知の友人の為の住宅兼店舗。“時間と共にその重みを増していく”空間の要望に、地面に穴を掘りコンクリートを流して土の中の躯体を掘り起こしガラスを嵌める建築を考案。不確定要素を許容し使い方の発見更新を繰り返して作る

建築家の千葉学と西澤徹夫の対談「穴が開くほど見る―建築写真から読み解く暮らしとその先 第9回」の動画がLIXILのサイトで期間限定で無料配信。其々が選んだ、アルド・ファン・アイク、吉村順三、OMA、香山アトリエ/環境造形研究所の作品の写真を題材に、建築と写真の関係性や可能性を議論
建築家の千葉学と西澤徹夫の対談「穴が開くほど見る―建築写真から読み解く暮らしとその先 第9回」の動画がLIXILのサイトで期間限定で無料配信。其々が選んだ、アルド・ファン・アイク、吉村順三、OMA、香山アトリエ/環境造形研究所の作品の写真を題材に、建築と写真の関係性や可能性を議論左:西牧厚子(ファシリテーター)、中:千葉学、右:西澤徹夫 許可を得て掲載

建築家の千葉学と西澤徹夫の対談「穴が開くほど見る―建築写真から読み解く暮らしとその先 第9回」の動画がLIXILのサイトで期間限定で無料配信されています。
其々が選んだ、アルド・ファン・アイク、吉村順三、OMA、香山アトリエ/環境造形研究所の作品の写真を題材に、建築と写真の関係性や可能性を議論しています。視聴申込期間は、2024年1月15日(月)まで。また、本記事では、テーマとなった写真と語られた内容のキーワードも掲載します。【ap・ad】

LIXILと「新建築住宅特集」は、これまで「穴が開くほど見る──建築写真から読み解く暮らしとその先」と題し、名作住宅の建築写真を隅々まで掘り下げて読み取る企画を展開してきました。

1枚の写真から時代背景、社会状況、暮らし、建築家の思いなど、読み取る側の想像も交えながら細部まで紐解くことで、時代を超えた大切なものを見つめ直し、未来に向けた建築のあり方を探ります。

今回は、「新建築住宅特集」23年12月号に掲載された、本企画 第9回目の千葉学氏と西澤徹夫氏の対談動画を、期間限定で配信いたします。ぜひご登録のうえ、ご視聴ください。

(2023年10月23日 東京都港区 堀ビルにて収録)

千葉学が語る自身の学生時代(アーキテクチャーフォト編集部が抜粋)

1982年に建築学科に入学 / 入学時はポストモダンの全盛期の頃 / ポストモダンの建築には心が動かなかった / 雑誌を読み込むというより実際に見に行っていた / 写真と体験した空間が大きく違っていた / 写真は信用できないとおもっていた / 建築を理解する為に図面のトレースを行っていた / その他

アーキテクチャーフォト編集部が抜粋

西澤徹夫が語る自身の学生時代(アーキテクチャーフォト編集部が抜粋)

課題と課題の合間に図書館で雑誌のバックナンバーを見ていた。 / ぼくらの世代はナチュラルボーンポストモダニスト / 理論から入るというよりも新しい表現を探していた / レファレンスを探す為にひたすら見ていた / 図面を読む訓練を意識的にしていた / 図面を見てパースをスケッチしていた / その他

アーキテクチャーフォト編集部が抜粋
豊田市美術館でのフランク・ロイド・ライト展の記念講演会の動画。監修者でワシントン大学教授のケン・タダシ・オオシマと、特別アドバイザーでライト財団副代表のジェニファー・グレイが登壇

豊田市美術館でのフランク・ロイド・ライト展の記念講演会の動画です。監修者でワシントン大学教授のケン・タダシ・オオシマと、特別アドバイザーでライト財団副代表のジェニファー・グレイが登壇しています。2023年10月21日に行われたもの。

「フランク・ロイド・ライト 世界を結ぶ建築」展、監修者ケン・タダシ・オオシマ氏と特別アドヴァイザーのジェニファー・グレイ氏による記念講演会を開催します。

講師:
ケン・タダシ・オオシマ氏(ワシントン大学建築学部教授 )
ジェニファー・グレイ氏 (フランク・ロイド・ライト財団副代表、タリアセン・インスティテュート・ディレクター)
*使用言語: 英語(逐次通訳あり)

フランク・ゲーリーとルイ・ヴィトンがコラボしたハンドバッグのコレクションが公開。ゲーリーのキャリアにおける重要な3つのテーマ「建築とフォルム」「素材の探求」「動物」を軸としてデザイン
フランク・ゲーリーとルイ・ヴィトンがコラボしたハンドバッグのコレクションが公開。ゲーリーのキャリアにおける重要な3つのテーマ「建築とフォルム」「素材の探求」「動物」を軸としてデザインアート・バーゼル・マイアミ・ビーチでの展示風景。 photo©LOUIS VUITTON

フランク・ゲーリーとルイ・ヴィトンがコラボレーションしたハンドバッグのコレクションが公開されました。それぞれの製品は、ゲーリーのキャリアにおける重要な3つのテーマ「建築とフォルム」「素材の探求」「動物」を軸としてデザインされています。2023年12月8日から10日まで一般公開されるアート・バーゼル・マイアミ・ビーチで発表されました。

その他の写真は以下に掲載します。

鈴木知悠 / 地域価値共創センターによる「SHOPKIT」。街の様々な場の活性化を意図した装置。ビル建替時の遊休地の活用方法への疑問を出発点とし、明るく親しみ易い空間が“即席で立ち上がる”仕組みを考案。都市の中の自然空間の肯定と個人の振舞の促進も意図
鈴木知悠 / 地域価値共創センターによる「SHOPKIT」。街の様々な場の活性化を意図した装置。ビル建替時の遊休地の活用方法への疑問を出発点とし、明るく親しみ易い空間が“即席で立ち上がる”仕組みを考案。都市の中の自然空間の肯定と個人の振舞の促進も意図展開前(両開き式) photo©足袋井竜也
鈴木知悠 / 地域価値共創センターによる「SHOPKIT」。街の様々な場の活性化を意図した装置。ビル建替時の遊休地の活用方法への疑問を出発点とし、明るく親しみ易い空間が“即席で立ち上がる”仕組みを考案。都市の中の自然空間の肯定と個人の振舞の促進も意図展開中の様子(両開き式) photo©足袋井竜也
鈴木知悠 / 地域価値共創センターによる「SHOPKIT」。街の様々な場の活性化を意図した装置。ビル建替時の遊休地の活用方法への疑問を出発点とし、明るく親しみ易い空間が“即席で立ち上がる”仕組みを考案。都市の中の自然空間の肯定と個人の振舞の促進も意図展開後(両開き式) photo©足袋井竜也

鈴木知悠 / 地域価値共創センターが設計した「SHOPKIT」です。
街の様々な場の活性化を意図した装置です。建築家は、ビル建替時の遊休地の活用方法への疑問を出発点とし、明るく親しみ易い空間が“即席で立ち上がる”仕組みを考案しました。また、都市の中の自然空間の肯定と個人の振舞の促進も意図されました。

組み立て解体が可能な移動店舗「SHOPKIT」を制作した。
この建築は誰もが店舗を持つことを可能にし、まちのあらゆる場を活性化する装置である。

建築家によるテキストより

このプロジェクトは、広島市街地のビル建て替え時の遊休地を、広場として活用する計画から始まった。当初この広場の計画は暫定利用が目的であり、建て替えと同時になくなる想定であった。しかし、多くの資源が火起こし的に用いられることに違和感を覚え、一過的な公共空間から、継続的な仮設空間へと設計方針をシフトし、この移動店舗が設計された。

広島市街地には複数の河川が都心部へ流れ、平和記念公園周辺をはじめ、その沿岸には多くの公園が群集している。人口密集地に豊かな自然空間が存在することは、この都市の大きな魅力である。私たちは、そういった周囲に存在する空間を肯定的に捉え、個人の振る舞いを促進するための装置を設計した。今後は都市空間やまちの営みへと展開し、連鎖的にまちの風景へ参入することを目指している。

建築家によるテキストより

直方体の側面部を扉のように開くことで即席で空間が立ち上がる。底面部にキャスターが備えられ、まちのあらゆるシーンで舞台装置のように振る舞いの場を組み上げることができる。木、スチール、ポリカーボネートによるミニマルな素材と寸法は、明るく親しみやすく、まちの風景を阻害することなく溶け込めるよう意図した。

建築家によるテキストより
小山光+KEY OPERATIONによる、東京・豊島区の「池袋テラスビル」。駅前の間口の狭い敷地に建つ商業ビル。隣接建物の後退に着目し、角部に積層させたテラスが“大きな袖看板”の様に賑わいを周知する建築を考案。軒裏を第二のファサードと捉えて意識的な素材選択と照明計画も行う
小山光+KEY OPERATIONによる、東京・豊島区の「池袋テラスビル」。駅前の間口の狭い敷地に建つ商業ビル。隣接建物の後退に着目し、角部に積層させたテラスが“大きな袖看板”の様に賑わいを周知する建築を考案。軒裏を第二のファサードと捉えて意識的な素材選択と照明計画も行う photo©矢野紀行
小山光+KEY OPERATIONによる、東京・豊島区の「池袋テラスビル」。駅前の間口の狭い敷地に建つ商業ビル。隣接建物の後退に着目し、角部に積層させたテラスが“大きな袖看板”の様に賑わいを周知する建築を考案。軒裏を第二のファサードと捉えて意識的な素材選択と照明計画も行う photo©矢野紀行

小山光+KEY OPERATIONが設計した、東京・豊島区の「池袋テラスビル」です。
駅前の間口の狭い敷地に建つ商業ビルです。建築家は、隣接建物の後退に着目し、角部に積層させたテラスが“大きな袖看板”の様に賑わいを周知する建築を考案しました。また、軒裏を第二のファサードと捉えて意識的な素材選択と照明計画も行われました。

池袋東口からサンシャイン60へ向かうサンシャイン60通りとサンシャイン通りを繋ぐ脇道に面した、ラウンドワンの大きなビルとラウンドワンの機械式駐車場の建物に挟まれた敷地に建つ地上8階、地下1階の商業テナントビル。

間口6.8m、奥行き16mという間口の狭い敷地なので、通常であればアピールできるファサードが前面のみに限定されるが、左右のラウンドワンの建物は10階建てにするため3mほどセットバックしており、前面以外に側面の一部もファサードとして見せることができる。

建築家によるテキストより

1階部分はこの突出した形状を利用して、人を招き入れるように作られている。よりトラフィックの多いサンシャイン60通り側は共用エレベーターのホールと1階店舗への入り口に誘導するように飛び出している。反対のサンシャイン通り側は屋外避難階段が設置され、地下テナントへの誘導ができる設えとしている。

我々の設計してきた飲食テナントビルでは、恵比寿のテラスビル、神田テラスなどコロナ禍以前から積極的に提案してきたが、コロナ禍以降はテラスなどの屋外空間を設けることを望むテナントがより多く増えてきた。このビルでも、サンシャイン60通り側の側面ファサードには2.5m角のテラスを設けている。

建築家によるテキストより

さらに建物に近づくと、ファサードは立面図としての見え方ではなくなり、見上げて見える軒裏がファサードとなる。このテラスの軒裏は燻製したアッシュで仕上げて、さらに手すりの上に設置された照明でライトアップすることで、このビルで一番目につく軒裏の天井面をもう一つのファサードとして立体的に表現している。外壁面のアスロックも木目のあるものを採用し、塗装も木調にして、モノトーンなラウンドワンの建物に対して有機的な佇まいを対照的に見せるようにしている。

立体的な垂直ガーデンテラスを作ることで、それぞれのレストランがもっと街に関わることができる空間を持ち、人と交通が行き来する都市のなかで食事を楽しめるダイナミックなパブリックランドスケープを提起している。

建築家によるテキストより
【ap job更新】 “心地の良い時間”を求め、住宅を設計施工で手掛ける「前田工務店」が、意匠設計と現場管理職の正社員を募集中
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“心地の良い時間”を求め、住宅を設計施工で手掛ける「前田工務店」の、意匠設計と現場管理職の正社員募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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【私達の想い】
私達は神奈川県、東京都を中心に注文住宅の設計から施工までを年間10棟ほど手掛ける工務店です。

私達は、建築主、建築家、協力業者、社会の4方が「勝者」となれる組織を目指しています。

世の中には様々な建築物が存在します。そしてその中には誰かしらの不利益や我慢によって実現されているケースもあると感じています。私達はそのような状況に陥らずに、良い建築ができる術はないかと日々模索しています。

建築には様々な範囲があると思います。前衛的で誰もみたことのない素晴らしい建築から経済合理性だけを重視した建売住宅まで(全ての建売住宅がそうであるわけではありません)。

どのような建築が良いかということは前提で分かれますが、私たちにとっての「良い建築」「良い住宅」とは、暮らす人の心が穏やかになり、その人の人生にゆとりという余白を生み出してくれる住宅です。

【私たちについて】
私たちは自社で年間10棟程度の住宅を設計から施工までを請負い形にしております。
一部外部設計者との協業案件もあるため、自社以外の設計手法を学ぶことも可能です。
住宅を形にする職人さんはいつも同じメンバーとなります。不定期ではありますが、キャンプ会や食事会で職人さんとも親交を深める場がありますので日々の業務における質問などがしやすい環境を整えております。
現場との近さや現場との友好的な関係性はわたしたち工務店の強みとなっています。

【弊社で働く魅力とやりがい】
前田工務店では、赤坂へ支店拡大をしてテクノロジーの導入にも力を入れています。
BIMの導入や、VR環境の整備、新規事業企画などのほか、設計以外の環境を整えることでも、設計者の業務環境の向上に努めているため、設計だけに留まらず総合的に理想の家づくりを提供することができます。

【ap job更新】 トータルで空間創造をサポートする構造設計事務所「株式会社ラケンネ」が、設計スタッフ(2024年新卒)とアルバイトを募集中
【ap job更新】 トータルで空間創造をサポートする構造設計事務所「株式会社ラケンネ」が、設計スタッフ(2024年新卒)とアルバイトを募集中
【ap job更新】 トータルで空間創造をサポートする構造設計事務所「株式会社ラケンネ」が、設計スタッフ(2024年新卒)とアルバイトを募集中レヴォ躯体 ※意匠設計:本瀬齋田建築設計事務所

トータルで空間創造をサポートする構造設計事務所「株式会社ラケンネ」の、設計スタッフ(2024年新卒)とアルバイト募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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当事務所は2017年に設立された構造設計業務を中心とした建築設計事務所です。

ラケンネとはフィンランド語で「建築」や「構造」を意味します。

当事務所では木造:在来軸組工法、枠組壁工法(ツーバイフォー)、CLT工法、大規模木造、鉄骨造(S造)、鉄筋コンクリート造(RC造、壁式・ラーメン)など、様々な工法に合わせて構造設計を行います。

小回りの利くトータルで空間を創造するお手伝いをする設計事務所を目指します。

ザハ・ハディド事務所による、中国・珠海市の「珠海金湾市民芸術センター」。舞台芸術・科学・美術の三施設を内包する建築。現代の創造拠点として、公共広場を中心に諸機能を配置し“渡り鳥の飛行パターン”を参照した形の屋根で覆う構成を考案。特徴的な屋根は施工性や機能性も考慮して設計
ザハ・ハディド事務所による、中国・珠海市の「珠海金湾市民芸術センター」。舞台芸術・科学・美術の三施設を内包する建築。現代の創造拠点として、公共広場を中心に諸機能を配置し“渡り鳥の飛行パターン”を参照した形の屋根で覆う構成を考案。特徴的な屋根は施工性や機能性も考慮して設計 photo©CAT-OPTOGRAM_STUDIO
ザハ・ハディド事務所による、中国・珠海市の「珠海金湾市民芸術センター」。舞台芸術・科学・美術の三施設を内包する建築。現代の創造拠点として、公共広場を中心に諸機能を配置し“渡り鳥の飛行パターン”を参照した形の屋根で覆う構成を考案。特徴的な屋根は施工性や機能性も考慮して設計 photo©Virgile Simon Bertrand
ザハ・ハディド事務所による、中国・珠海市の「珠海金湾市民芸術センター」。舞台芸術・科学・美術の三施設を内包する建築。現代の創造拠点として、公共広場を中心に諸機能を配置し“渡り鳥の飛行パターン”を参照した形の屋根で覆う構成を考案。特徴的な屋根は施工性や機能性も考慮して設計 photo©Virgile Simon Bertrand
ザハ・ハディド事務所による、中国・珠海市の「珠海金湾市民芸術センター」。舞台芸術・科学・美術の三施設を内包する建築。現代の創造拠点として、公共広場を中心に諸機能を配置し“渡り鳥の飛行パターン”を参照した形の屋根で覆う構成を考案。特徴的な屋根は施工性や機能性も考慮して設計 photo©Virgile Simon Bertrand

ザハ・ハディド・アーキテクツによる、中国・珠海市の「珠海金湾市民芸術センター」です。
舞台芸術・科学・美術の三施設を内包する建築です。建築家は、現代の創造拠点として、公共広場を中心に諸機能を配置し“渡り鳥の飛行パターン”を参照した形の屋根で覆う構成を考案しました。また、特徴的な屋根は施工性や機能性も考慮して設計されました。


こちらはリリーステキストの翻訳です

世界で最もダイナミックな地域のひとつであるこの地域で、現代的な創造性の拠点として設計された珠海金湾市民芸術センターは、珠海の金湾地区に10万人の住民を収容し、新しい市民、文化、学術、商業のインフラを組み込んだ建築面積478万㎡の都市、航空新都市の中心に位置しています。広州-珠海都市間鉄道の延長である珠海空港鉄道は、珠海の市街地と空港を直通で結び、新しい香港-珠海-マカオ橋は、深センと香港の人々が1時間以内に珠海に着くことを可能にします。

珠海金湾市民芸術センターは、3つの文化施設(1,200席の大劇場と500席の多機能ブラックボックス劇場を備えた舞台芸術センター、インタラクティブなサイエンスセンター、美術館)を統合したもので、各施設はそれぞれ異なる特徴が組み込まれ、来場者に異なる体験をもたらしますが、東西170メートル、南北270メートルにわたる首尾一貫した形式的・構造的ロジックによって統一されています。

中央を軸に左右対称に配置された2つの大きな会場と2つの小さな会場は、すべての文化施設の外部ホワイエとして共有される中央広場で結ばれています。この中庭に面したガラス張りの壁によって、来場者は各会場の個性や特徴を知ることができます。グランド・シアターと美術館は明るい色調の素材で仕上げられ、多機能のブラックボックス・シアターと科学センターは暗い色調の素材で構成されています。

中国南部の上空を編隊を組んで飛ぶ渡り鳥のシェブロンパターンを反映し、各会場を覆う格子状のスチール製キャノピーは、繰り返し、対称性、規模の変化によって構成されています。その結果、それぞれの建物の異なる機能要件に対応する関連要素が構成されることになります。この屋根モジュールが自己支持と自己安定を繰り返すことで、プレファブリケーション、プレアセンブリ、モジュール建設の利用が最適化されました。

特徴的な屋根の構造は、センターの4つの翼を包む網目状のシェルの下に、異なる会場を一体化させています。ブリッジとヴォイドを相互に接続することで、センターの中心に多層構造の公共広場が生まれ、内部だけでなく、カフェやレストラン、教育施設のある周辺のプロムナードまで見渡すことができます。デザインは、直感的なナビゲーションを最適化し、すべての公共エリアに自然光を取り入れることで、コネクティビティを高め、地域住民が昼も夜も楽しめる魅力的な市民空間を作り出しています。

グランド・シアターの内部は、センターの外部ルーフ・キャノピーの構成を踏襲し、天井パネルの位置と角度が音響反射板として最適化されている。グランドシアターの吸音面は、国内外での公演に要求される最高の音響基準を満たすように設計されている。

美術館は、屋根のシェブロン幾何学的な形状を適用してメインアトリウムを囲み、美術館に自然光を供給すると同時に、作品を展示するための連続した垂直面を作り出しています。内部のギャラリー、倉庫、管理スペースは、この垂直の区画の背後にあります。建築と展示体験を融合させ、ミュージアムの垂直循環と展示ルートの連続する白い「リボン」が、このミュージアムの特徴となっています。

サイエンス・センターの内装は、センターの屋根の幾何学的な形状を翻訳し、好奇心と学習意欲を刺激するインタラクティブな展示で、科学の革新を紹介しています。サイエンス・センターのレクチャー・ホールは、科学実験や発見の一般公開デモンストレーション・プログラムのために設計されています。

珠海金湾市民芸術センターの基壇は、中興湖の中にある島を定義しています。歩行者用スロープとトンネルが、来場者を湖面を横切って基壇の中央広場に誘い、歩道橋がヴォイドを通って各会場につながっています。モジュラールーフキャノピーに守られたガラス張りのファサードは、透明性を提供し、掃き出し屋根構造の下にある湖畔の遊歩道や広場に地域住民を迎え入れます。センターの西側にある外部円形劇場では、屋外でのパフォーマンスや アクティビティを実施することができます。

武保学 / きりんによる、三重・伊賀市の住宅「森の中の浮き床」。山あいの広大な敷地に計画。周囲の木々の植生の変化に着目し、環境を“ここにしかない”風景として実感できる建築を志向。外まで伸びる“十字壁”で空間を分割し其々の領域と風景を関係づけるように開口部を設計
武保学 / きりんによる、三重・伊賀市の住宅「森の中の浮き床」。山あいの広大な敷地に計画。周囲の木々の植生の変化に着目し、環境を“ここにしかない”風景として実感できる建築を志向。外まで伸びる“十字壁”で空間を分割し其々の領域と風景を関係づけるように開口部を設計外観、夕景 photo©山内紀人
武保学 / きりんによる、三重・伊賀市の住宅「森の中の浮き床」。山あいの広大な敷地に計画。周囲の木々の植生の変化に着目し、環境を“ここにしかない”風景として実感できる建築を志向。外まで伸びる“十字壁”で空間を分割し其々の領域と風景を関係づけるように開口部を設計1階、左:ダイニング、右:リビング photo©山内紀人
武保学 / きりんによる、三重・伊賀市の住宅「森の中の浮き床」。山あいの広大な敷地に計画。周囲の木々の植生の変化に着目し、環境を“ここにしかない”風景として実感できる建築を志向。外まで伸びる“十字壁”で空間を分割し其々の領域と風景を関係づけるように開口部を設計1階、小上がりからダイニングとキッチンを見る。 photo©山内紀人
武保学 / きりんによる、三重・伊賀市の住宅「森の中の浮き床」。山あいの広大な敷地に計画。周囲の木々の植生の変化に着目し、環境を“ここにしかない”風景として実感できる建築を志向。外まで伸びる“十字壁”で空間を分割し其々の領域と風景を関係づけるように開口部を設計1階、寝室、上部:「ネコの道」 photo©山内紀人

武保学 / きりんが設計した、三重・伊賀市の住宅「森の中の浮き床」です。
山あいの広大な敷地に計画されました。建築家は、周囲の木々の植生の変化に着目し、環境を“ここにしかない”風景として実感できる建築を志向しました。そして、外まで伸びる“十字壁”で空間を分割し其々の領域と風景を関係づけるように開口部を設計しました。

三重県伊賀市の北部、山あいの広大な敷地にこの住宅は建つ。

前面道路から進入路を登っていくと、森に囲まれ静かさで満たされた場所に至る。周りの木々を観察すると、東から北東にかけてはスギ・ヒノキなどの人工林が茂り、北に移るにつれてクヌギなどの雑木林へと植生が変化していくことが分かった。

建築家によるテキストより

「どこにでもある」ように思える風景も、よく観察すると「ここにしかない」豊かなディティールを備えている。そんなこの場所ならではの風景が住まい手の「暮らしの背景」として、心の中に定着していくことを想像した。

建築家によるテキストより

周辺環境を「ここにしかない」風景として感じられるように、外への意識を促す十字の壁を計画した。
この壁は屋外へ伸びて、風景をゆるやかにエリア分けする。十字壁で分けられた領域に住まいの居場所を配置し、それぞれのエリアに広がる風景との関係性を考慮して開口部のあり方を決定している。その結果、十字壁の交点を中心として回遊できる平面プランが生まれた。生活の時間帯が異なる家族も、回遊動線によってお互い気兼ねなく生活することができる。

建築家によるテキストより
二俣公一 / ケース・リアルによる、佐賀・唐津市の「Whale Brewing」。空家増加の課題を抱える町の古民家を改修した醸造所。地域の活気への貢献を求め、内側が“通りに滲み出る”ように二層吹抜のガラスファサードの建築を考案。既存空間の強さと新機能を掛け合わせランドマークを作る
二俣公一 / ケース・リアルによる、佐賀・唐津市の「Whale Brewing」。空家増加の課題を抱える町の古民家を改修した醸造所。地域の活気への貢献を求め、内側が“通りに滲み出る”ように二層吹抜のガラスファサードの建築を考案。既存空間の強さと新機能を掛け合わせランドマークを作る外観、通りから見る。 photo©水崎浩志
二俣公一 / ケース・リアルによる、佐賀・唐津市の「Whale Brewing」。空家増加の課題を抱える町の古民家を改修した醸造所。地域の活気への貢献を求め、内側が“通りに滲み出る”ように二層吹抜のガラスファサードの建築を考案。既存空間の強さと新機能を掛け合わせランドマークを作る1階、ショップ、バー photo©水崎浩志
二俣公一 / ケース・リアルによる、佐賀・唐津市の「Whale Brewing」。空家増加の課題を抱える町の古民家を改修した醸造所。地域の活気への貢献を求め、内側が“通りに滲み出る”ように二層吹抜のガラスファサードの建築を考案。既存空間の強さと新機能を掛け合わせランドマークを作る1階、ブルーイングエリア photo©水崎浩志
二俣公一 / ケース・リアルによる、佐賀・唐津市の「Whale Brewing」。空家増加の課題を抱える町の古民家を改修した醸造所。地域の活気への貢献を求め、内側が“通りに滲み出る”ように二層吹抜のガラスファサードの建築を考案。既存空間の強さと新機能を掛け合わせランドマークを作る外観、夜景 photo©水崎浩志

二俣公一 / ケース・リアルが設計した、佐賀・唐津市の「Whale Brewing」です。
空家増加の課題を抱える町の古民家を改修した醸造所です。建築家は、地域の活気への貢献を求め、内側が“通りに滲み出る”ように二層吹抜のガラスファサードの建築を考案しました。また、既存空間の強さと新機能を掛け合わせランドマークを作る事も意図されました。店舗の公式サイトはこちら

佐賀県唐津市に位置する港町「呼子」で、築80年の古民家をクラフトビールを扱う醸造所「Whale Brewing」として再生するプロジェクト。

かつて江戸時代には捕鯨の拠点として栄えていた呼子は、現在はイカ漁が盛んな町として知られる一方で、若者の転出など人口の減少も続いており、空き家増加などの課題も抱えている。今回のプロジェクトは、そのようなエリアの状況を背景に、まちに活気を取り戻したいというクライアントチームの思いからスタートした計画である。

建築家によるテキストより

計画地となったのは、毎朝地元で獲れた海産物や加工品などの露店が並ぶ、「呼子朝市通り」と呼ばれる通り沿いにある古民家。
店舗兼住宅として長年使われたのち空き家となっており、一部雨漏りなどによる腐食が発生していた。特にファサード部分は痛みがひどく、内部も含めて適宜構造的な補強や、屋根や外壁などの補修も必要な状況であったが、一方で内装解体後には、最高高さ約9mの大空間に迫力のある小屋組もあらわになった。
私たちは施主と打ち合わせを重ねながら、建築的に必要な再生はもちろん、この建物がもつ空間の強さをブルワリーに取り込むこと、そしてこの新しい場所と目の前の通りが繋がりを感じられる空間を目指すことにした。

建築家によるテキストより

この建物は断面的に、天井のある店舗スペースをファサード側に確保しつつ、醸造スペースの一部は2階分の高さを活かした大きな吹き抜け空間としている。さらに、ファサードは2階高さも含めてガラス張りとすることで、店舗部分に天井がありながらも、通りからは梁組の迫力とブルワリーらしい雰囲気が同時に感じられる構成とした。

また平面的には、地盤の関係で床上げが必要だった建物奥側をスロープで繋げつつ、店舗やファサードのカウンター、取手などのパーツにはステンレスを用い、それぞれゾーンとしては分けながらも、醸造スペースに並ぶタンクと連続した素材感が通りに滲み出るよう意識している。

建築家によるテキストより
【ap job更新】 “ドアノブから街の風景までデザインする”を目標に掲げる「LINE-INC.」が、インテリアデザイン・建築設計・プロダクト開発のスタッフを募集中
【ap job更新】 “ドアノブから街の風景までデザインする”を目標に掲げる「LINE-INC.」が、インテリアデザイン・建築設計・プロダクト開発のスタッフを募集中
【ap job更新】 “ドアノブから街の風景までデザインする”を目標に掲げる「LINE-INC.」が、インテリアデザイン・建築設計・プロダクト開発のスタッフを募集中VERMICULAR HOUSE_FLAGSHIP SHOP photo©kozo takayama

“ドアノブから街の風景までデザインする”を目標に掲げる「LINE-INC.」の、インテリアデザイン・建築設計・プロダクト開発のスタッフ募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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LINE-INC.がスタッフを募集

【事務所の特徴・ビジョン】
LINE-INC.はドアノブから街の風景までデザインする。を目標に現在の業務領域は、リテールストアやレストラン、ホテルやオフィスなどのインテリアデザインを軸に、公共施設や集合住宅の建築設計など多岐に渡ります。2002年の設立以来、手がけたプロジェクトは1000件を超え、それらの経験から得たノウハウ、柔軟性、多様性こそLINE-INC.の最大の強みだと言えます。また今年スタートしたLINE-PRODUCTSではショールームを新設し家具のデザイン、ディズプレイデザイン、スタジオ運営など建築インテリアを総合的に提案するブランドになりました。

【代表者メッセージ】
家具からインテリア、時には建築まで一貫しプロジェクトに参加できます。また、多種他業の様々な空間プロジェクトに関わる事が出来るのも弊社の面白いところだと思います。1FにCAFEのある中目黒オフィスではLINE-PRODUCTSのショールームを含む約150坪のゆとりのある空間で仕事が出来るのも魅力のひとつです。

五十嵐理人 / IGArchitectsによる、埼玉の「市松の家」。住宅街の角地に計画。暮らしの変化に柔軟に応える存在を目指し、諸機能を収めた“大きな壁柱”を対角線上に配置してスラブを片持ちで支える建築を考案。柱と床を行き来して“思い思いの場で生活できる”空間を作る
五十嵐理人 / IGArchitectsによる、埼玉の「市松の家」。住宅街の角地に計画。暮らしの変化に柔軟に応える存在を目指し、諸機能を収めた“大きな壁柱”を対角線上に配置してスラブを片持ちで支える建築を考案。柱と床を行き来して“思い思いの場で生活できる”空間を作る外観 photo©神宮巨樹
五十嵐理人 / IGArchitectsによる、埼玉の「市松の家」。住宅街の角地に計画。暮らしの変化に柔軟に応える存在を目指し、諸機能を収めた“大きな壁柱”を対角線上に配置してスラブを片持ちで支える建築を考案。柱と床を行き来して“思い思いの場で生活できる”空間を作る1階、ダイニング photo©神宮巨樹
五十嵐理人 / IGArchitectsによる、埼玉の「市松の家」。住宅街の角地に計画。暮らしの変化に柔軟に応える存在を目指し、諸機能を収めた“大きな壁柱”を対角線上に配置してスラブを片持ちで支える建築を考案。柱と床を行き来して“思い思いの場で生活できる”空間を作る2階、ルーム2から廊下側を見る。 photo©神宮巨樹

五十嵐理人 / IGArchitectsが設計した、埼玉の「市松の家」です。
住宅街の角地に計画されました。建築家は、暮らしの変化に柔軟に応える存在を目指し、諸機能を収めた“大きな壁柱”を対角線上に配置してスラブを片持ちで支える建築を考案しました。そして、柱と床を行き来して“思い思いの場で生活できる”空間を作りました。

3人家族のためのRC造の住宅。
将来の家族の変化や、経営されているお店の移転など、暮らしの変化に柔軟に対応できることを求められた。

建築家によるテキストより

角地の敷地の、隅切り部とその対角に住宅の規模には一見不釣り合いなコンクリートの大きな壁柱を建てた。この壁柱の中にはエントランス、浴室、トイレ、収納といった、大きな開口部を必要としないプライベートな機能と、空調・電気配線・配管が格納されている。

壁柱の外に掛けられた床と屋根には基礎や柱はなく、2本の柱から枝葉のようにキャンチレバーで支えられている。壁柱とスラブが、樹木の幹と葉の関係のようになっている。

建築家によるテキストより

内部は一筆書きのように、奥に行くほどプライベートな空間になっていて、まるで鳥の枝移りのようにこの柱と床の間を移動しながら、思い思いの場所で生活ができるように計画されている。

建築家によるテキストより
トラフ建築設計事務所による、京都・下京区の、店舗「Aesop 京都髙島屋店」。百貨店内のモノトーンの共用部に面する区画。店がオープンする秋の京都の景色に着想を得て、イチョウを想起させる“黄金色のカーペット”を敷詰めた空間を考案。商品棚には“幹”を思わせる濃い色調の合板を用いる
トラフ建築設計事務所による、京都・下京区の、店舗「Aesop 京都髙島屋店」。百貨店内のモノトーンの共用部に面する区画。店がオープンする秋の京都の景色に着想を得て、イチョウを想起させる“黄金色のカーペット”を敷詰めた空間を考案。商品棚には“幹”を思わせる濃い色調の合板を用いる共用部から店内を見る。 photo courtesy of Aesop, Norihito Yamauchi
トラフ建築設計事務所による、京都・下京区の、店舗「Aesop 京都髙島屋店」。百貨店内のモノトーンの共用部に面する区画。店がオープンする秋の京都の景色に着想を得て、イチョウを想起させる“黄金色のカーペット”を敷詰めた空間を考案。商品棚には“幹”を思わせる濃い色調の合板を用いる売り場 photo courtesy of Aesop, Norihito Yamauchi
トラフ建築設計事務所による、京都・下京区の、店舗「Aesop 京都髙島屋店」。百貨店内のモノトーンの共用部に面する区画。店がオープンする秋の京都の景色に着想を得て、イチョウを想起させる“黄金色のカーペット”を敷詰めた空間を考案。商品棚には“幹”を思わせる濃い色調の合板を用いる左:ベンチ、中奥:エンスウィートシンクカウンター、右:ラッピングエリア photo courtesy of Aesop, Norihito Yamauchi

トラフ建築設計事務所が設計した、京都・下京区の、店舗「Aesop 京都髙島屋店」です。
百貨店内のモノトーンの共用部に面する区画に計画されました。建築家は、店がオープンする秋の京都の景色に着想を得て、イチョウを想起させる“黄金色のカーペット”を敷詰めた空間を考案しました。また、商品棚には“幹”を思わせる濃い色調の合板を用いるられました。店舗の公式ページはこちら

オーストラリアのスキンケアブランド イソップの、京都髙島屋内装計画。間口9m、奥行き7mでファサードの左右に躯体柱をもつ空間が計画地となった。

建築家によるテキストより

かつて漫画家の谷口ジローが「歩く人」で繊細に表現した、日常風景を切り取る視点にインスピレーションを受け、京都の街中の風景に着目した。同店がオープンする秋は、京都が紅葉で彩られる季節である。イチョウのある通りでは鮮やかな黄金色の葉が絨毯のように地面を覆い、街の様子を一変させる。この景色に着想を得て、床面には紅葉したイチョウを思わせる黄金色のカシミアのカーペットを敷き詰めた。

建築家によるテキストより

壁面や天井は床を引き立たせるように彩度の低い色にすることによって、明るい共用部からも切り離され、空間に落ち着きを与えている。商品棚はイチョウの太い幹を思わせる濃い色調に染色されたラワン積層合板を用い、方立てをセットバックさせることによって、並べられた商品の水平ラインが際立つ構成としている。シンクなど什器の一部に使われる真鍮は、黄金に染められた空間の中でより輝きを放つ。

建築家によるテキストより
原山大+村上芙美子 / HaMAoによる、広島・尾道市の二世帯住宅「向島の家」。本土から島へ移住する家族の住まい。近隣との関係性の構築を主題とし、新たな建築を“既に存在する周囲の多様な状況”と繋ぎ合わせる設計を志向。庇や外壁等の様々な要素が敷地境界を越えて周りと関わるように作る
原山大+村上芙美子 / HaMAoによる、広島・尾道市の二世帯住宅「向島の家」。本土から島へ移住する家族の住まい。近隣との関係性の構築を主題とし、新たな建築を“既に存在する周囲の多様な状況”と繋ぎ合わせる設計を志向。庇や外壁等の様々な要素が敷地境界を越えて周りと関わるように作る外観、北西側より見る、里道が、建物右側にある。 photo©YASHIRO PHOTO OFFICE
原山大+村上芙美子 / HaMAoによる、広島・尾道市の二世帯住宅「向島の家」。本土から島へ移住する家族の住まい。近隣との関係性の構築を主題とし、新たな建築を“既に存在する周囲の多様な状況”と繋ぎ合わせる設計を志向。庇や外壁等の様々な要素が敷地境界を越えて周りと関わるように作る2階、子世帯部分、左:ダイニング、中:階段室、右:「浮床」と子ども部屋 photo©YASHIRO PHOTO OFFICE
原山大+村上芙美子 / HaMAoによる、広島・尾道市の二世帯住宅「向島の家」。本土から島へ移住する家族の住まい。近隣との関係性の構築を主題とし、新たな建築を“既に存在する周囲の多様な状況”と繋ぎ合わせる設計を志向。庇や外壁等の様々な要素が敷地境界を越えて周りと関わるように作る2階、子世帯部分、キッチン、大きな窓により遠景を取り込んでいる。 photo©YASHIRO PHOTO OFFICE
原山大+村上芙美子 / HaMAoによる、広島・尾道市の二世帯住宅「向島の家」。本土から島へ移住する家族の住まい。近隣との関係性の構築を主題とし、新たな建築を“既に存在する周囲の多様な状況”と繋ぎ合わせる設計を志向。庇や外壁等の様々な要素が敷地境界を越えて周りと関わるように作る2階、子世帯部分、ブリッジから階段室とキッチンを見る。 photo©YASHIRO PHOTO OFFICE

原山大+村上芙美子 / HaMAoが設計した、広島・尾道市の二世帯住宅「向島の家」です。
本土から島へ移住する家族の住まいです。建築家は、近隣との関係性の構築を主題とし、新たな建築を“既に存在する周囲の多様な状況”と繋ぎ合わせる設計を志向しました。そして、庇や外壁等の様々な要素が敷地境界を越えて周りと関わるように作りました。

本計画は新型コロナウィルス及び、それに端を発するウッドショック真っただ中に計画された住宅である。
フィジカルなコミュニケーションが避けられる風潮がある中、新たに本土から島に移り住む家族にとっていかに周辺との関係性を築いてゆくか、また、日々高騰する材料費を吸収するために、2世帯住宅として可能な限り面積を抑えつついかに広がりや豊かさを確保できるかが求められた。

建築家によるテキストより

尾道水道を挟んで対岸にある向島。計画地は海岸から1kmほど離れた内陸部(縦断距離が3km程度なので十分内陸と言える)の山裾に位置する。近くの主要道路は明治初期までは満潮時には島を南北に船で往来が出来た入り江であったことから、古くは半島の先端であったということが容易に想像できた。

計画地を境に、山側は緩勾配の地形を道に沿って個別にゆっくりと造成されたと思われる緑の多い風景が広がる一方、平地側は田んぼを分筆して宅地にした比較的小さな庭付き一戸建てが建ち並ぶ。敷地の目の前もまた、これから分譲されるであろう土地が広がっている。

建築家によるテキストより

このように建ち方や時間軸も異なる風景の結節点にあったどっちつかずの空地は、擁壁を背負う里道と合わせて、前面道路に対してほどよい広がりを持っていた。その場所に、まったく新しい要素を持ってくるのではなく、既に存在する周囲の多様な状況をひとつひとつ繋げ合わせるような建築を提案した。

建築家によるテキストより

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