宇賀神亮 / アトリエルルによる、埼玉の住宅改修「久喜の家」。戸建て住宅が建ち並ぶ地域での計画。瓦屋根で“重たい印象”の既存を、部分的に陸屋根に変更して“風景に馴染みながらも新しさのある”外観に転換。元々の梁を現しとして“過去の時間が持つ空気感”の継承も意図 外観、南側の道路より見る。 photo©河田弘樹
宇賀神亮 / アトリエルルによる、埼玉の住宅改修「久喜の家」。戸建て住宅が建ち並ぶ地域での計画。瓦屋根で“重たい印象”の既存を、部分的に陸屋根に変更して“風景に馴染みながらも新しさのある”外観に転換。元々の梁を現しとして“過去の時間が持つ空気感”の継承も意図 外観、南側の道路より見る。 photo©河田弘樹
宇賀神亮 / アトリエルルによる、埼玉の住宅改修「久喜の家」。戸建て住宅が建ち並ぶ地域での計画。瓦屋根で“重たい印象”の既存を、部分的に陸屋根に変更して“風景に馴染みながらも新しさのある”外観に転換。元々の梁を現しとして“過去の時間が持つ空気感”の継承も意図 1階、左:ダイニング、右手前:キッチン、右奥:リビング photo©河田弘樹
宇賀神亮 / アトリエルルによる、埼玉の住宅改修「久喜の家」。戸建て住宅が建ち並ぶ地域での計画。瓦屋根で“重たい印象”の既存を、部分的に陸屋根に変更して“風景に馴染みながらも新しさのある”外観に転換。元々の梁を現しとして“過去の時間が持つ空気感”の継承も意図 2階、ライブラリーから開口部越しにルーフバルコニーを見る。 photo©河田弘樹
宇賀神亮 / アトリエルル が設計した、埼玉・久喜市の住宅改修「久喜の家」です。
戸建て住宅が建ち並ぶ地域での計画です。建築家は、瓦屋根で“重たい印象”の既存を、部分的に陸屋根に変更して“風景に馴染みながらも新しさのある”外観に転換しました。また、元々の梁を現しとして“過去の時間が持つ空気感”の継承も意図しました。
埼玉県久喜市に建つ築37年の一戸建て住宅をスケルトンリフォームにより改修した事例である。
玄関部分の増築と耐震改修、断熱改修も合わせて行い性能向上も図っている。
本敷地は駅近くではあるが土地の細分化により小さな戸建て住宅が建ち並ぶ、よくある郊外の分譲地と変わらない風景のなかにあった。周辺にはサイディング外壁に勾配屋根の木造2階建て住宅が同じように並んでいる。久喜の家はそのような郊外型住宅地の風景のなかに取り残されたように佇んでいた。
改修前の外観は1階がL字型になっており、瓦屋根の載る重たい印象であった。そこで前面に突出していた1階の屋根を解体し陸屋根として箱型をつくり、残った2階建て部分は既存のまま寄棟屋根とする。そうすると2階建て部分は周りと同じ郊外型住宅のプロポーションとなり、そこに箱型を増築したような形になった。
この単純化の操作により、住宅地の風景に馴染みながらも新しさのある外観となり、ありきたりの郊外の風景に少しの変化が生まれた。
平面計画ではまず、部屋が多く暗くなっていた1階をL字型のままひとつながりのLDKに改修した。Lの角部分にキッチンを配置したことで、ダイニングとリビング両方にサーブしやすく、料理好きの施主家族にとって最適なプランとなった。水廻りの位置は大きく動かさずに設備の更新に留めてコストコントロールする方針とした。
2階の間取りも大きくは変えなかったが、南東の一番良い場所にライブラリーと呼ばれる、子どもの勉強と遊び場、ご主人のリモートワーク等が行える家族の共有スペースを設けている。ここから陸屋根にしたルーフバルコニーに出られ、天気のいい日には外との一体的な利用も期待できる。