
2023年ap賞のトロフィーを受賞者に贈呈いたしました。「ap賞(アーキテクチャーフォト賞)」は、2014年から始まり2023年で第10回目となりました。本アワードは、特定の審査員によらずアクセス解析のUU数を根拠としており、1年間のアクセス結果を集計して順位を決定します。また、過去に弊サイトに掲載された全作品が対象となっています(新規の応募作業等は必要ありません)。2023年の受賞作品はこちらのページから閲覧可能です。2024年も皆様からの建築作品のご投稿をお待ちしております。
2023年ap賞のトロフィーを受賞者に贈呈いたしました。「ap賞(アーキテクチャーフォト賞)」は、2014年から始まり2023年で第10回目となりました。本アワードは、特定の審査員によらずアクセス解析のUU数を根拠としており、1年間のアクセス結果を集計して順位を決定します。また、過去に弊サイトに掲載された全作品が対象となっています(新規の応募作業等は必要ありません)。2023年の受賞作品はこちらのページから閲覧可能です。2024年も皆様からの建築作品のご投稿をお待ちしております。
建築と土木の領域を越えて、“公共空間のデザイン”を手掛ける「株式会社 設計領域」の、設計スタッフ(経験者・既卒・2025年新卒)と 有給インターン募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください。
設計領域は、新たな設計スタッフと有給インターンを若干名募集します。
私たち設計領域は、都市スケールでの空間デザイン戦略から、駅や街路、広場、公園などの土木デザイン・パブリックスペースの設計、建築スケールでの設計まで手がける設計事務所です。土木、建築、ランドスケープといった分野や、公共/民間といった区分にとらわれず、これからの社会に求められる場所づくりを目指し全国各地で活動を展開しています。
現在、令和8年に全面共用開始予定の長崎駅をはじめとする駅・駅前広場のトータルデザインや、静岡市都心部における都市デザインなど、広範囲で分野横断的なプロジェクトから、街路や広場の設計、水辺や公園のランドスケープデザイン、住宅や店舗などの建築設計まで、各地で数多くのプロジェクトが進行中です。
扱うデザインの領域やスケールの幅広さが、他の事務所にはない私たちの特徴であり、面白さです。チームに加わっていただける方には、計画から設計まで、視野の広い思考や技術を身につけていただくことを重視しています。そのため、社内外での勉強会や、海外含む先進事例の視察など、新しい情報のインプットや共有も定期的に実施しています。
このたびは、新卒・既卒の方に加え、実務経験を持ち、プロジェクトを共に遂行して頂ける方も募集いたします。土木、ランドスケープ、建築、都市工学など、幅広い分野からの応募をお待ちしています。
また、秋季~冬期の有給インターンも若干名受け入れます。広く設計・デザインの仕事や就職に関心がある方のご応募をお待ちしております。
小嶋伸也+小嶋綾香 / 小大建築設計事務所が設計した、東京・日本橋の宿泊施設「Hotel Rakuragu」です。
都心の雑居ビルに囲まれた狭小地での計画です。建築家は、“面積以上の広さの獲得”を求め、“都市の隙間”に向けて各階ごとに異なる形状のバルコニーを設ける建築を考案しました。また、構想を実現する為に“ブレース併用ラーメン構造”を採用しています。施設の場所はこちら(Google Map)。
場所は東京の日本橋です。
周囲は東京都心の典型的な雑居ビル群に囲まれているエリアで、景勝地のような遠方へのビューはなく、高さも幅も素材も開口部に関しても、統一されたデザインコードがないビルに囲まれた場所です。敷地面積はわずか84㎡の狭小地で、限りある面積の中で14部屋の客室を求められました。
建物の敷地自体は小さいですが、左右の建物形状と敷地向かいの建物形状を観察することで、建物が密集するエリアの中においても気持ちよく外に開ける方角を各階毎に見つけていきました。そのような手法で室内の面積は限りがありますが、面積以上の広さを獲得できないかと考えました。
白い直方体をくり抜いていったような外観が特徴の形状を成立させるための構造形式がまず1番の大きな特徴です。
ゲストの外への視線を遮らないようにバルコニーには柱が落ちていません。各階毎に左右に三角にくり抜いたようなバルコニーもあれば、前面を全て大きくバルコニーにしたり、リズム感があるファサードですが、その形状を実現するために、一般的な柱梁のラーメン構造ではなく、ブレース併用ラーメン構造を採用することで、柱配置をある程度プランに合わせて自由にすることができ今回のような空間を作り出せました。都心の狭い敷地というネガティブな面を払拭するために、私達は都市の隙間に着目して視線の抜けをテーマにし設計をしました。
この1つのバルコニーのコンセプトが建築のアイコニックなファサードを生み出し、バルコニーの違いによるプランがそのままホテルのルームミックスもバランスよく生み出しています。
OpenAとケース・リアルが設計した、佐賀・嬉野市の「UPLIFT SHIMOJYUKU+MILKBREW COFFEE URESHIO ONSEN」です。
新設駅の駅前広場に建つカフェ兼ラボの計画です。建築家は、どの方向からも目に入る敷地の特性に着目し、四方をガラス窓とした回遊性のある“正方形平面”の建築を考案しました。また、建設費の高騰などに対応する為に“システム建築”を流用して造りました。店舗の場所はこちら(Google Map)。
計画地は、新幹線の延伸に伴い佐賀県・嬉野市に新設された「嬉野温泉駅」の駅前広場の一角。
広場のどの方向からも視認できるこの敷地において、立方体のような箱型のボリュームを提案した。
このプロジェクトでは、嬉野温泉駅開業に合わせた明確な竣工時期が設定されていたが、コロナ禍の工事費の高騰や建材流通の不安定さに悩まされ、それらを解決する方法として工場や倉庫などで利用されるシステム建築を流用することを考えた。
システム建築は、建材が規格化されることで比較的コストや納品時期が安定しており、無柱の大空間を作るのに適した方法である。
クライアントの「観光客だけでなく地元の人も集まるような大らかな雰囲気と、地域の日常の延長にこの建物があって欲しい」という希望もあり、工場のような大きな無柱空間を確保することで、人やモノ、コトを受け入れられるような空間をつくりつつ、広場に面した建物として周囲の景色を感じられる、視線の抜けを意識した平面と外壁の構成を選択している。
この建物は、エリアで酪農を営むクライアントが運営する「MILKBREW COFFEE」のカフェを中心に、近隣で作られた食に関する様々な商材を扱う物販機能や、商品の開発・加工のためのラボ機能、そして地域の農産物を使ったフードを提供するためのキッチンを備えている。また、さまざまな生産者がこの場所に関わりを持てるよう、マーケットなどのイベントを行うことを前提に計画された。
吉田昌弘 / KAMITOPENが設計した、埼玉の店舗「右門 川越工場本店」です。
蔵造りの街並みを特徴とする地域での計画です。建築家は、店の魅力を感じてもらえる存在を目指し、代表的商品と蔵に共通する“層”状の作りに着目する設計を志向しました。そして、左官の様々な手法を用いて“層の重なり”表現する空間を考案しました。店舗の公式サイトはこちら。
川越の街並みにおいて特筆されるものの一つに蔵造りがある。
蔵造りとは、類焼を防ぐための巧妙な耐火建築物で、江戸の町家様式として発達したもので、その外観は漆喰と板張りの「層」となっている。
「右門」の代表的な商品である「いも恋」は皮と中の餡と蒸かしたさつまいもが「層」になって豊かな味わいを生んでいる。
そこで、「右門 川越工場本店」では、建築の層とブランドの「層」の重なりを様々な手法を用いた左官で表現することを試みる。
私はここで、右門の工場と本店の魅力を感じてもらうことを望む。
本瀬あゆみ+齋田武亨 / 本瀬齋田建築設計事務所が設計した、茨城・東茨城郡の「畑の中のこども園」です。
地域の教育と保育を担ってきた施設の建替計画です。建築家は、“原風景”にもなる存在を目指し、周囲のスケールや地面の色とも呼応する“大屋根”を備えた建築を考案しました。また、軒下に長いデッキを配して内外の見通しの良さと連続性も生み出しました。
いばらき幼稚園では、長らく地域の教育・保育を担ってきたので、卒園生の子供たちも多く通っている。
敷地東側の道路は卒園生たちが小学校へ通う通学路である。
茨城町のゆったりとした畑の風景の中、広々と駆け回れるような場所を作るため、畑のスケール感で大きく掛けた屋根の下に長いデッキを設け、内外を見通し良く連続的に行き来できるようにした。
デッキの周りには、ベンチや足洗場など遊びのきっかけになる場を点在させている。また、屋根に沿って長くのびた遊戯室には、玄関や調理室などを隣接させることで、ランチルームや預り保育、放課後お迎えを待ちながら遊ぶ場所として利用でき、送迎時や放課後を含めた1日を通して、見通しの良い空間を有効に使えるようにした。
3~5歳が同じクラスになる「縦割り学級」を採用している本園では、ひとつながりの空間は遊びを誘発するだけでなく、0~2歳児を含めた年齢の違う子供たちの交流も生まれる見守りの場ともなっている。
アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2024/8/26-9/1)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。
平田晃久へのインタビュー動画です。自身の展覧会の説明から始まり哲学やコンセプトにも触れる内容。2024年8月に公開されたものです。
内藤廣による講演会の動画です。自身が手掛ける「鳴門市新庁舎」について語る内容で2024年6月8日に行われたもの。
アーキテクチャーフォトで、2024年8月に注目を集めた記事をランキング形式でご紹介します。
宮崎晃吉 / HAGISOが設計した、東京・江東区の住宅改修「亀戸天神の客間」です。
客人をもてなす暮らしを思い描く施主の為に計画されました。建築家は、ゲストの為に“どうあるべきか”を主題とし、ホテルやレストランを作る様な姿勢で設計しました。そして、自然光が美しく照らすように考慮した“広いワンルーム”のLDK空間を考案しました。
亀戸天神に建つ5人家族のための住宅フルリノベーションである。
敷地は、葛飾北斎や歌川広重の浮世絵で有名な亀戸天神社付近に位置しており、春先になると梅や藤の花を見る多くの観光客で溢れている。施主は毎月1日に家族でお参りに行くことが習慣になっており、神社周辺の自然環境をとても気に入っていた。
打合せを重ねていく中で印象的だったのは、住宅全体を「客間」のように捉えていたことであった。ホテル好きと料理好きな夫婦は常に人を招いてもてなす風景をイメージしており、ゲストのために住宅がどうあるべきかがキーワードとなった。
間取りは1階を小割りとし、水回りと最小限の寝室を配置、2階は間仕切り壁の大部分を撤去し、広いワンルームとすることでゲストを招き入れるLDKを最大限確保することにした。寝室はオークや杉の木質素材で落ち着いた雰囲気とし、天井の照明や設備は一切つけず、ベッドまわりのライン照明によって必要最低限の照度で明るさをコントロールしている。
プライベートの寝室とは対称的に、それ以外の空間はカチオン樹脂の左官材で壁天井を仕上げ、トップライトや開口部からの太陽光が美しく照らされることを意図した。2階正面の研ぎ出しカウンターはダイニングキッチンを一直線につなぎ、その上には長さ5mの特注造作照明が外に向かって伸びている。造作照明の形は合掌をモチーフにしており、ゲストを想う施主の気持ちに重ねている。
藤江保高 / ESPAD環境建築研究所と留目知明が設計した、東京・世田谷区の「下馬の別邸」です。
住宅街のゲストの滞在も可能な住まいです。建築家は、外に開きながらも“非日常”を感じられる存在を目指し、異なる特徴を持つ“6つの庭”で建物を分節する構成を考案しました。また、外壁は曲面の“煉瓦透かし積み”とし非日常への導入としています。
世田谷区の閑静な住宅街に建つ、ゲストが滞在できる邸宅。
①ゲストをもてなすゴルフラウンジ、②施主が経営する会社のゲスト空間、③施主の衣食住空間という、3つの機能を包含している。敷地は起伏の多いエリアの中でもとりわけ小高い丘の上にあり、近隣の住宅街を眼下に、都心の中で風・光・空といった自然の力を強く感じた。
施主からは周辺の住宅地とは切り離された、「非日常を感じられる空間」が求められたが、一方で敷地から読み解かれる「非日常を作り出す外部への開放性」という、相反する環境を同時に実現しようと試みた。
そこで、低層から順に、1階:ゴルフラウンジ、2階:ゲスト空間、2・3階施主の衣食住空間、とセキュリティとプライバシーの高さに応じて積層する断面構成とし、6つの庭で建物のボリュームが分節された、建物のどこからでも光と風を感じられる平面構成とした。
外部の庭や、屋根に覆われた半外部の庭、吹抜けの庭等、室内と庭とのつながり方や、庭の設えに多様性を持たせて計画し、各居室には必ず1つ以上の庭が面するように計画している。その性格に応じて、内庭・光庭・露地庭・坪庭・裏庭・石庭と名付けている。
東京谷中を拠点に、自社での店舗運営も行う設計事務所「株式会社HAGISO」の、建築事業企画 及び 意匠設計のスタッフ(経験者・既卒)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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東京谷中を拠点に、建築設計や地域に根ざした自社経営の店舗運営も行う一級建築士事務所 株式会社HAGISOが、コトのデザインを行う企画部門のスタッフと、建築設計スタッフを募集します。
わたしたちHAGISOの活動は、建築を自分たちの手で社会の中で活かしていきたいという衝動から始まっています。
代表の宮崎晃吉は東京芸術大学大学院 建築設計を修了後、磯崎新アトリエに勤務。国際的な大規模プロジェクトに関わりながらも、建築がプロジェクトとして立ち上がる瞬間から構想に携わりたいと感じ、2011年の東日本大震災をきっかけに独立しました。同時に学生時代から住み、震災をきっかけに解体が予定されていた東京谷中の木造アパート「萩荘」を弔うための「建物のお葬式」をアートイベント「ハギエンナーレ」として開催。三週間で1500人を集めたこのアートイベントをきっかけに萩荘を最小文化複合施設HAGISOとして自分たちでリノベーションして運営することから創業しました。
建築をただの物質的な箱とみなすのではなく、わたしたちが実現したい暮らしや社会の舞台とするために、建築設計にとどまらない多角的な活動を行ってきました。現在は建築設計業に加え、谷中エリアで7拠点の飲食店や宿泊施設を自社運営し、作るだけではなく育てていく場作りを行っています。
はじめは一人で始めた設計事務所も、徐々に仲間が増え、多様な専門性をもったチームに育っています。共通しているのは、クライアントの理想を実現させながらも、一過性の消費されるものづくりではなく、本質的に社会や地域に必要とされる場作り、コトづくりを目指していることです。そのためにも、自主運営のスタッフも含め、それぞれの分野のスタッフが柔軟に協業しながら、このチームだからこそできることを実現させていきます。
佐々木翔 / INTERMEDIAが設計した、福岡・那珂川市の「南畑ピノキオ森のこども園」です。
自然豊かで“濃いコミュニティ”の残る地域での計画です。建築家は、地域に還元もできる施設を目指し、設計時から住民との対話を重ねて“フェンスのない”交流空間を備えた建築を考案しました。また、周囲の山々との呼応も意図し木造で造りました。
本計画地は那珂川市の中でも五箇山へ抜ける山あいに囲まれた農村地域であり、そこに建つ定員60名の小規模なこども園である。
平屋建てで計画できる用途と規模であり、また耐火要求の無い規模であることから周囲の木質溢れた山々の素材感と呼応するように木造を採用した。床材では地元の那珂川市産のヒノキを活用している。
南畑エリアは過疎化が進行しながらも移住者が多く、地元出身者も移住者も良好な関係を保ちながら昔ながらの濃いコミュニティが形成されている。そこで設計時から地元の方々とワークショップを重ね、この園が南畑に求められていること、還元できることを話し合ってきた。
国道385号線にフェンスのない深い軒の「地域のえんがわ」を設けられたのも住民たちとの対話が事前にあったことが大きい。道路沿いに深い軒を作れば近隣の方々の休憩スペースになったり、路線バスの待ち合い場になったり、イベント活用の可能性もある、ということは設計時に住民とも共有できていた。
そこに面して「地域子育て支援室」を設けたのも地域の方々にも利用しやすい余白をつくるためである。それらの仕掛けと活動はこれからの南畑の景観形成にも繋がっていくだろう。実際に、お迎えの時間帯に日用品の移動販売が国道側の軒下空間で行われ始めていたりしている。
今津康夫 / ninkipen!が設計した、大阪・羽曳野市の飲食店「viteraska」です。
歴史ある街道沿いの古民家を改修しました。建築家は、“現代的な料理”を提供する店舗の為に、“過去と現在をチューニング”する空間を志向しました。そして、既存を“土と木の状態”に戻した上でメッキ鋼板や人造大理石などの様々な素材を用いました。店舗の場所はこちら(Google Map)。
大阪府羽曳野市、世界遺産「古市古墳群」の一つである「白鳥陵古墳」を目の前に眺め、日本最古の官道「竹内街道」に面するイタリアンレストランのインテリアデザインである。
築150年の古民家を改装した。
オーナーシェフの父親の生家であるこの家は改装を繰り返し、積み重ねた年月の情緒と昭和の新建材がちぐはぐに混在していた。
まずはじめにそれらを整理し土と木の状態に戻したが、今では手に入れることができない4種類の型板ガラスは積極的にその価値を認め、保存・転用して記憶を継承した。
次に、振る舞われる現代的な料理に合わせて、メッキ鋼板・ステンレス・人造大理石を各所に配し、この場所でしか成し得ない過去と現在のチューニングを試みている。
街道沿いには、オーシャンビューならぬ「古墳ビュー」のピクチャー・ウィンドウを穿って1400年に渡る悠久の時の流れを顕在化させ、さらに鏡面ステンレスの掛込天井とすることで窓へのベクトルを強めると同時に、街道の移ろいに像を結んで現在(いま)の風景を取り込んでいる。
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