2025.5.19Mon
ザハ・ハディド・アーキテクツによる、アラブ首長国連邦の複合開発「Oystra」。集合住宅を中心に商業とレジャーの施設も内包。海と空の自然のエネルギーに着想源とし、バルコニーやテラスのデザインは“波が砂に刻むさざ波の模様”も反映。環境予測で日射遮蔽の最適化と自然換気の強化も実施
ザハ・ハディド・アーキテクツによる、アラブ首長国連邦の複合開発「Oystra」。集合住宅を中心に商業とレジャーの施設も内包。海と空の自然のエネルギーに着想源とし、バルコニーやテラスのデザインは“波が砂に刻むさざ波の模様”も反映。環境予測で日射遮蔽の最適化と自然換気の強化も実施 Render by Redvertex
ザハ・ハディド・アーキテクツによる、アラブ首長国連邦の複合開発「Oystra」。集合住宅を中心に商業とレジャーの施設も内包。海と空の自然のエネルギーに着想源とし、バルコニーやテラスのデザインは“波が砂に刻むさざ波の模様”も反映。環境予測で日射遮蔽の最適化と自然換気の強化も実施 Render by MIR
ザハ・ハディド・アーキテクツによる、アラブ首長国連邦の複合開発「Oystra」。集合住宅を中心に商業とレジャーの施設も内包。海と空の自然のエネルギーに着想源とし、バルコニーやテラスのデザインは“波が砂に刻むさざ波の模様”も反映。環境予測で日射遮蔽の最適化と自然換気の強化も実施 Render by Pyxid

ザハ・ハディド・アーキテクツが設計している、アラブ首長国連邦の複合開発「Oystra」です。
集合住宅を中心に商業とレジャーの施設も内包する計画です。建築家は、海と空の自然のエネルギーに着想源とし、バルコニーやテラスのデザインは“波が砂に刻むさざ波の模様”も反映しました。また、環境予測で日射遮蔽の最適化と自然換気の強化も実施します。


こちらはリリーステキストの翻訳です(文責:アーキテクチャーフォト)

ZHAがアラブ首長国連邦におけるオイストラ複合用途開発のデザインを公開

アラブ首長国連邦のラス・アル・ハイマにあるアル・マルジャン島に位置するオイストラは、12万8,000㎡の海沿いの開発で、1~4ベッドルームのアパート、デュプレックス、ペントハウス、ウォーターフロントヴィラ950戸に加え、充実したショッピング、飲食、レジャー施設を備えています。

ラス・アル・ハイマはアラブ首長国連邦で最も急成長している首長国の一つであり、その人口は2030年までに55%増加すると予測されており、将来の需要を満たすために追加で45,000戸の住宅が必要とされています。ラス・アル・ハイマの観光部門も記録的な成長を遂げており、2013年の来訪者数10万人から増加し、2030年までには年間350万人の観光客を迎えると予測されています。

アラビア海に4.5キロメートル突き出し、7.8キロメートルの白砂のビーチを含む全長23キロメートルの海岸線のあるアル・マルジャン島は、アラブ首長国連邦内の主要な観光地としてそのインフラが開発されています。公園、マリーナ、ウェルネスセンター、エンターテインメント拠点を備えるこの島は、ラス・アル・ハイマ空港から25分、ドバイ国際空港から45分の場所に位置しています。

全体の75%以上のアパートメントに遮るもののない海の眺望を提供するようにザハ・ハディド・アーキテクツにより設計された、この開発の流動的なジオメトリーは、波が砂に刻むさざ波の模様を反映するように形作られた大きなバルコニーやテラスを含んでいます。これらのバルコニーは、それぞれのアパートメントの居住空間の継ぎ目のない延長部として機能すると同時に、室内を直射日光から遮る役割も果たしています。

オイストラの彫刻的な20階建てのウォーターフロントタワーは、湾を見渡す美しく整備された庭園、中庭、スイミングプール、ビーチクラブを備えた4万2,000㎡の敷地内に建てられており、屋上のレストランと360度のインフィニティプールからは、アル・マルジャン島とアラビア海の全景を望むことができます。

この開発は、アル・マルジャン島の街路樹の並ぶ海沿いの遊歩道と直接つながっており、そして、海から内陸に吹く北西風によって冷やされる屋根付きの海岸沿いのこの歩道を通じて、住民は島内を徒歩で移動することができます。

環境シミュレーションによって、敷地条件、構造、方位における効率が最大化され、また、デジタルマッピング分析により、デザインの外部日射遮蔽が最適化され、自然換気が強化されました。この開発では、海水を利用した冷却システムと、建物の外皮と直射日光にさらされるファサードの間に断熱層が取り入れられる予定です。これらの戦略は、ラス・アル・ハイマの乾燥した気候において、冷却のためのエネルギー需要を削減しつつ、室内の快適性を高めることになります。

ザハ・ハディド・アーキテクツのディレクターであるクリストス・パッサス(Christos Passas)は次のように述べています「私たちのリッチマインドとの協業は、共通の志と創造的な対話の成果です。オイストラの彫刻的なデザインは、海と空の自然のエネルギーに着想を得ており、ダイナミズムと開放感をもってその環境に応答しています」

IKAWAYA建築設計による、東日本の住宅「Strolling Gardens & House」。住宅街の不定形な敷地に計画。自然と暮らしが一体となる住まいを求め、大小の庭を“多方向に積み上げる”建築を考案。周辺のスケールとの調和を意図した“小さな箱”を組合わせる構成は多様な居場所の創出にも寄与
IKAWAYA建築設計による、東日本の住宅「Strolling Gardens & House」。住宅街の不定形な敷地に計画。自然と暮らしが一体となる住まいを求め、大小の庭を“多方向に積み上げる”建築を考案。周辺のスケールとの調和を意図した“小さな箱”を組合わせる構成は多様な居場所の創出にも寄与外観、北側の道路より見る。 photo©三嶋一路
IKAWAYA建築設計による、東日本の住宅「Strolling Gardens & House」。住宅街の不定形な敷地に計画。自然と暮らしが一体となる住まいを求め、大小の庭を“多方向に積み上げる”建築を考案。周辺のスケールとの調和を意図した“小さな箱”を組合わせる構成は多様な居場所の創出にも寄与1階、ダイニングから「南庭」と「アウトリビング」を見る。 photo©三嶋一路
IKAWAYA建築設計による、東日本の住宅「Strolling Gardens & House」。住宅街の不定形な敷地に計画。自然と暮らしが一体となる住まいを求め、大小の庭を“多方向に積み上げる”建築を考案。周辺のスケールとの調和を意図した“小さな箱”を組合わせる構成は多様な居場所の創出にも寄与1階、リビングから「南庭」・ダイニング・キッチンを見る。 photo©三嶋一路
IKAWAYA建築設計による、東日本の住宅「Strolling Gardens & House」。住宅街の不定形な敷地に計画。自然と暮らしが一体となる住まいを求め、大小の庭を“多方向に積み上げる”建築を考案。周辺のスケールとの調和を意図した“小さな箱”を組合わせる構成は多様な居場所の創出にも寄与1階から2階への屋外階段から「南庭」を見下ろす。 photo©三嶋一路

井川充司+今田夕稀+廣瀬彩子 / IKAWAYA建築設計が設計した、東日本の住宅「Strolling Gardens & House」です。
住宅街の不定形な敷地に計画されました。建築家は、自然と暮らしが一体となる住まいを求め、大小の庭を“多方向に積み上げる”建築を考案しました。また、周辺のスケールとの調和を意図した“小さな箱”を組合わせる構成は多様な居場所の創出にも寄与しました。

回遊庭園を室内に引き込み、自然環境と暮らしが一体となる住空間を目指した。

建築家によるテキストより

大小の庭を多方向に積み上げ、日常の中で自然を感じ、心安らぐ環境を享受できるようにした。回遊性の中に多様なスケールの居場所を設け、開放性と居心地の良さを両立させている。

居場所の多様性は建物形状にも影響を受けている。不整形な敷地だったため、建物を大きな一塊にせず、小さな箱に分解し、敷地形状に沿わせてずらしながら配置した。これにより、街に威圧感を与えず、周囲の住宅スケールに自然に馴染む建築を実現している。

建築家によるテキストより

各所に配置された庭や開口部、手仕事で作り出された素材が、自然の気配を生活に取り込み、私たちの暮らしが自然の一部であることを実感できる住まいとなっている。

建築家によるテキストより
最も注目を集めたトピックス[期間:2025/5/12-5/18]
最も注目を集めたトピックス[期間:2025/5/12-5/18]

アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2025/5/12-5/18)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。


  1. ピタゴラスイッチ等の創作で知られる、佐藤雅彦の展覧会の入場チケットをプレゼント。横浜美術館で開催。多様な作品の創作プロセスを紹介し、その独創的な“作り方”を紐解く内容。ピタゴラ装置の実物も展示
  2. 隈研吾に、万博のパビリオン建築について聞いているインタビュー。建築への不要論や炎上し易さにも言及
  3. 妹島和世建築設計事務所による、長野の「森の別荘」を会場としたファッション展が開催
  4. リナ・ゴットメによる、大阪・関西万博の「バーレーンパビリオン」。“海をつなぐ”をテーマに計画。同国と海の繋がりを伝える施設として、“伝統的な船の製造技術”の参照に加えて“日本の木組の技術”も融合させる建築を考案。持続可能性を考慮して殆どの材料を再利用可能とする
  5. 大阪・関西万博の、若手建築家が設計を手掛ける全20施設のパース画像とコンセプト(前編)。前編では、休憩所・ギャラリー・展示施設・ポップアップステージの10施設を紹介
  6. 和順陽と和順菜々子による、東京・世田谷区の住戸改修「光を纏う部屋」。設計者とテキスタイルデザイナーの夫婦の自邸。明るいが型ガラスで景観が享受できない与件に対し、カーテンで光を拡散して“様々な要素を抽象化する”計画を考案。浮遊感が生まれ柔らかい雰囲気で空間が満たされる
  7. フォスター+パートナーズによる、大阪・関西万博の「サウジアラビアパビリオン」。国の魅力を伝える場として、町や都市を探訪する体験を想起させる存在を志向。迷路の様な曲がりくねる路地を探索する空間構成を考案。ローカルアーキテクトとして梓設計も参画
  8. 小林佑輔 / tombow architectsによる、神奈川・川崎市の住宅改修「house K / T」。アトリエ併設の設計者の自邸。既存の構成などの魅力の最大化もテーマとし、“空間の境界面”を主対象として“繋がり方”を編集する設計を志向。壁や開口だけでなく家具・階段・構造材なども等価に扱い再構築する
  9. 湯浅良介による、埼玉・狭山市の住宅「LIGHTS」。ウルフの描く“灯台”をモチーフとして構想。“誰かの帰りの足並みを軽くする”住まいを求め、灯台の様に“光を指し示す”在り方を志向。形態・配置・開口部の検討に加えてカーテンの柄までも考慮して作り上げる
  10. 永山祐子建築設計による、大阪・関西万博の「ウーマンズ パビリオン in collaboration with Cartier」。女性をテーマとしジェンダー平等を目指す施設。自身設計のドバイ万博日本館のファサードのリユースも試み、解体・運搬・保管・再構築に関わる様々な問題を乗り越えて実現。次のリユース先も決定済で設計も既に開始
  11. 青木淳がキュレーターを務める、ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展日本館の展示「中立点」の会場写真。生成AIと人間の関係をテーマに実施。キュラトリアルアドバイザーとして家村珠代、出展作家として藤倉麻子・大村高広・木内俊克・砂山太一が参加
  12. トラフ建築設計事務所による、東京・港区のショールーム「SLEEPY TOFU HOUSE」。寝具ブランドの為に計画。“やわらかい暮らし”の体感の場として、豆腐を模した“TOFU ROOM”の周りに住空間を想起させるエリアを配置する構成を考案。製品の柔らかい質感との呼応も意図して建材を選定
  13. 隈研吾建築都市設計事務所による、大阪・関西万博の「ポルトガルパビリオン」。“海、青の対話”をテーマとした施設。“海洋の動きのダイナミズム”の表現を意図し、ロープとリサイクルネットを主要素材とする建築を考案。ファサードには広場に向けたパフォーマンス用のステージも組み込まれる
  14. トラフ建築設計事務所による、東京・渋谷区の店舗「Whisky Bank Shibuya」。センター街に位置するウィスキー販売店。棚を空間全体を包み込むように配置し、琥珀色の瓶のライトアップで通行人の視線を引寄せる計画を考案。時を経た鉱物を用いたテーブルは熟成された商品との親和性も考慮
  15. 都留理子建築設計スタジオによる、東京・墨田区の住宅「京島H」。木密地域でもある“典型的な下町”での計画。“街そのものに住む”感覚の獲得を求め、街と建築の“応答と共創”を構成から設えまで展開する設計を志向。空気感や密度感に新たな形で接続して肯定的な関係を作り出す
  16. BWM デザイナーズ&アーキテクツによる、大阪・関西万博の「オーストリアパビリオン」。“未来を作曲”をテーマとした施設。同国の音楽と木造の文化の伝達を意図し、“歓喜の歌”をあしらった螺旋状で木造の“五線譜”を備えた建築を考案。会期終了後の容易な解体と再利用が可能な構法でつくる
  17. 永山祐子建築設計による、愛知・名古屋市の飲食店「AOI CELESTIE COFFEE ROASTERY」がオープン。地下にはボッチャも体験できる多目的なイベントスペースも備える
  18. 小阿瀬直+山田優+大嶋励 / SNARK Inc.による、東京の「三鷹の家」。公園に近い住宅街の狭小地に建つ住まい。限られた容積の中で“快適”を求め、天空率を用いた後退の回避で“街の空地の風景”を居住空間に導入。中央階段に家具の機能を付与して動線のみならず“居場所”にもする
  19. パナソニックが運営する、東京・新橋の“BRIDGEHEAD Shimbashi”を会場に「『現し』を考える。展 ver.2.0」が開催。スキーマ建築計画出身の西原将が企画監修手掛ける、“現し”をテーマとした展示会。デザイン・設備・法規などの視点でまとめた、“現し天井標準化マニュアル”も公開。初日にはトークイベントも実施
  20. 黒崎敏 / APOLLOとニコラ・ガリッツィアによる、東京・港区の住戸「MORANDI」。家具ブランドとの協働で計画。代表製品であるシステム収納を“建築の核”とし、各部屋を繋げた壁面に“シームレスに収納を連続”させる構成を考案。シークエンスの創出や公私の分割も収納のデザインや配置で行う

2025.5.18Sun
藤本壮介が、自身が設計した武蔵野美術大学の図書館を解説している動画。2025年5月に公開されたもの

藤本壮介が、自身が設計した武蔵野美術大学の図書館(2010年竣工)を解説している動画です。2025年5月に公開されたもの。合計で5つの動画が公開されています。

以下に、4つの動画も掲載します。

2025.5.17Sat
アーティストの李禹煥へのインタビュー動画。生立ちから自身の作品まで語る内容。ルイジアナ美術館の制作で2025年5月に公開されたもの。日本語で視聴可能

アーティストの李禹煥へのインタビュー動画です。生立ちから自身の作品まで語る内容。ルイジアナ美術館の制作で2025年5月に公開されたもの。日本語で視聴可能です。収録は2022年9月に兵庫県立美術館で行われました。

2025.5.16Fri
axonometricによる、東京・中央区のオフィス「Creation Palette YAE」。約1,300㎡のワンフロアでの計画。多様と一体感を両立する“共創”の場として、皆で共有できる“象徴的な風景”がある空間を志向。間仕切り壁やデスク等の役割も担う“1本の帯”を全体に配する構成を考案
axonometricによる、東京・中央区のオフィス「Creation Palette YAE」。約1,300㎡のワンフロアでの計画。多様と一体感を両立する“共創”の場として、皆で共有できる“象徴的な風景”がある空間を志向。間仕切り壁やデスク等の役割も担う“1本の帯”を全体に配する構成を考案展示エリア3側からエントランスエリアを見る。 photo©Yasu Kojima
axonometricによる、東京・中央区のオフィス「Creation Palette YAE」。約1,300㎡のワンフロアでの計画。多様と一体感を両立する“共創”の場として、皆で共有できる“象徴的な風景”がある空間を志向。間仕切り壁やデスク等の役割も担う“1本の帯”を全体に配する構成を考案エントランスエリアからイベントスペースを見る。 photo©Yasu Kojima
axonometricによる、東京・中央区のオフィス「Creation Palette YAE」。約1,300㎡のワンフロアでの計画。多様と一体感を両立する“共創”の場として、皆で共有できる“象徴的な風景”がある空間を志向。間仕切り壁やデスク等の役割も担う“1本の帯”を全体に配する構成を考案イベントスペース photo©Yasu Kojima

axonometricが設計した、東京・中央区のオフィス「Creation Palette YAE」です。
約1,300㎡のワンフロアでの計画です。建築家は、多様と一体感を両立する“共創”の場として、皆で共有できる“象徴的な風景”がある空間を志向しました。そして、間仕切り壁やデスク等の役割も担う“1本の帯”を全体に配する構成を考案しました。

東京駅前の八重洲ミッドタウン内にある約1,300㎡の大きなワンフロアの内装計画。

クライアントは100年以上の歴史をもつ三井化学株式会社。社員同士でも互いにどのような事業やプロダクトが社内で開発されているのかうまく共有できていない状態であった。それを束ねる社員が自分の担当以外の幅広い事業や製品・技術にも精通することで、連携を強化して事業創出と拡大につなげられる、一体感を生みだせるような共創の空間が求められた。

建築家によるテキストより

様々な人々やアイデアが集まるための多様な場所が与件として求められたが、それをそのまま並べてもバラバラな空間の寄せ集めにしかならず、同じ場所に集まる意味がない。多様でありながら、一体感がある空間はどのようなものかということがテーマとなった。

建築家によるテキストより

そこで、皆で共有できる一つの象徴的な風景をつくろうと考えた。
1本の浮遊する帯を、全体の意識を統合する媒体として位置づけている。白い帯が、フロア内を有機的に巡り、多様な空間を緩やかに区切りながら、キッチンカウンターになり、デスクになり、ベンチになり、イベントステージになって、人々の活動を誘発する装置となる。

一つの大きな川がその周りに多様な文化を育みながらも、ある共通の景観や物語を紡ぐことができるように、一つの大きな風景をインテリア空間に持ち込むことで、分断された空間がその個性を保ちながらも、緩やかに統合されたような状態をつくれないかと考えた。

建築家によるテキストより
小林佑輔 / tombow architectsによる、神奈川・川崎市の住宅改修「house K / T」。アトリエ併設の設計者の自邸。既存の構成などの魅力の最大化もテーマとし、“空間の境界面”を主対象として“繋がり方”を編集する設計を志向。壁や開口だけでなく家具・階段・構造材なども等価に扱い再構築する
小林佑輔 / tombow architectsによる、神奈川・川崎市の住宅改修「house K / T」。アトリエ併設の設計者の自邸。既存の構成などの魅力の最大化もテーマとし、“空間の境界面”を主対象として“繋がり方”を編集する設計を志向。壁や開口だけでなく家具・階段・構造材なども等価に扱い再構築する1階、リビングから開口部越しにテラスを見る。 photo©山内紀人
小林佑輔 / tombow architectsによる、神奈川・川崎市の住宅改修「house K / T」。アトリエ併設の設計者の自邸。既存の構成などの魅力の最大化もテーマとし、“空間の境界面”を主対象として“繋がり方”を編集する設計を志向。壁や開口だけでなく家具・階段・構造材なども等価に扱い再構築する1階、リビングからキッチンを見る。 photo©山内紀人
小林佑輔 / tombow architectsによる、神奈川・川崎市の住宅改修「house K / T」。アトリエ併設の設計者の自邸。既存の構成などの魅力の最大化もテーマとし、“空間の境界面”を主対象として“繋がり方”を編集する設計を志向。壁や開口だけでなく家具・階段・構造材なども等価に扱い再構築する1階、アトリエからキッチン側を見る。 photo©山内紀人

小林佑輔 / tombow architectsが設計した、神奈川・川崎市の住宅改修「house K / T」です。
アトリエ併設の設計者の自邸です。建築家は、既存の構成などの魅力の最大化もテーマとし、“空間の境界面”を主対象として“繋がり方”を編集する設計を志向しました。そして、壁や開口だけでなく家具・階段・構造材なども等価に扱い再構築しました。

多摩丘陵地帯の傾斜地に建つ築45年の戸建て住宅の改修計画である。
既存建物は南東向きの傾斜地という敷地条件に対して、コンパクトで合理的な設計がされていた。今回の改修においては、建物の外形や水回りの位置を大幅には変更せずに、既存建物が持っていた空間的魅力を最大化しながら、家族4人のための住空間と設計者自身のアトリエを併設するための整備を行う。

建築家によるテキストより

設計を始めるにあたり周囲を取り巻く環境を観察してみると、接道にあたる西側階段路地と東側隣地の地盤が家の床を介して地続きであるように感じた。中庭テラスに土が盛られ雑草が育っている状況がよりそれを感じさせたのかもしれない。
一方で、既存時点では景色を取り込む静かな空気が流れていた。そこで、家族の住まい方を考えた時に地続きの状況を家に取り込み、より動的に外界とつながる風景を生むことで、生活空間としての可能性を広げることが出来るのではないかと考えた。

建築家によるテキストより

既存の室配置と形状は肯定し維持しつつ、空間の境界に手を加えることで繋がり方を編集し、ひいては家全体を再定義することを試みた。

既存建物が持つコの字の形式をより生かすために、リビング・ダイニング・廊下の間仕切りを変更し、玄関側に属していた廊下を居室側のものとすることで、視線、光、風が中庭を囲うかたちで回るようにした。
次に、地上階ではアトリエの入口と中庭の出口を新設し、地下階ではアトリエへの動線を兼ねた吹抜けを追加することで、内部を経由して外から外へ貫通するような抜けを内外開口部の配置により整理した。

ここでの境界面の編集は、壁と開口だけに焦点を当てるのではなく、建具、家具、階段、素材、構造部材など、境界面に被さるエレメントを新旧の境やサイズの大小関係なく全て等価に扱い再構築している。
内-外の抜けだけでなく、自律したモノが重なり合い、境界を越えた繋がりを持つことで意識は自然と外へ向かい、結果として家全体が傾斜地に丸ごと飲み込まれたような空間へと変質していく。

建築家によるテキストより
2025.5.15Thu
妹島和世建築設計事務所による、長野の「森の別荘」を会場としたファッション展が開催
妹島和世建築設計事務所による、長野の「森の別荘」を会場としたファッション展が開催

妹島和世建築設計事務所が設計した、長野の「森の別荘」(1994年竣工)を会場としたファッション展が開催されます。
メゾン・マルタン・マルジェラの作品を展示する内容で、2025年5月31日の一日限定開催とのこと。抽選で選ばれた30組が閲覧できる展示になるそうです。申込ページはこちら。森の別荘の図面などはこちらのページに掲載されています

隈研吾建築都市設計事務所による、大阪・関西万博の「ポルトガルパビリオン」。“海、青の対話”をテーマとした施設。“海洋の動きのダイナミズム”の表現を意図し、ロープとリサイクルネットを主要素材とする建築を考案。ファサードには広場に向けたパフォーマンス用のステージも組み込まれる
隈研吾建築都市設計事務所による、大阪・関西万博の「ポルトガルパビリオン」。“海、青の対話”をテーマとした施設。“海洋の動きのダイナミズム”の表現を意図し、ロープとリサイクルネットを主要素材とする建築を考案。ファサードには広場に向けたパフォーマンス用のステージも組み込まれる photo©AICEP and Portugal Pavilion
隈研吾建築都市設計事務所による、大阪・関西万博の「ポルトガルパビリオン」。“海、青の対話”をテーマとした施設。“海洋の動きのダイナミズム”の表現を意図し、ロープとリサイクルネットを主要素材とする建築を考案。ファサードには広場に向けたパフォーマンス用のステージも組み込まれる photo©AICEP and Portugal Pavilion
隈研吾建築都市設計事務所による、大阪・関西万博の「ポルトガルパビリオン」。“海、青の対話”をテーマとした施設。“海洋の動きのダイナミズム”の表現を意図し、ロープとリサイクルネットを主要素材とする建築を考案。ファサードには広場に向けたパフォーマンス用のステージも組み込まれる photo©AICEP and Portugal Pavilion
隈研吾建築都市設計事務所による、大阪・関西万博の「ポルトガルパビリオン」。“海、青の対話”をテーマとした施設。“海洋の動きのダイナミズム”の表現を意図し、ロープとリサイクルネットを主要素材とする建築を考案。ファサードには広場に向けたパフォーマンス用のステージも組み込まれる photo©AICEP and Portugal Pavilion

隈研吾建築都市設計事務所による、大阪・関西万博の「ポルトガルパビリオン」です。
“海、青の対話”をテーマとした施設です。建築家は、“海洋の動きのダイナミズム”の表現を意図し、ロープとリサイクルネットを主要素材とする建築を考案しました。また、ファサードには広場に向けたパフォーマンス用のステージも組み込まれています。施設の公式ページはこちら


こちらは日本語での公式リリーステキストです。

海、青の対話

「海、青の対話」は、2025年大阪万博へのポルトガルの参加テーマです。歴史的、文化的、経済的に海洋とその生態系に着目してきたポルトガルは、今回の万博への参加を、政府機関、企業、学術機関、NGO間のプロジェクトや実りあるパートナーシップを推進することで、SDG14(海洋、海、海洋資源の保全と持続可能な利用)およびSDG7(すべての人が信頼でき、持続可能な近代的エネルギー源へのアクセスを確保する)の達成に向けた公約を推進する機会と捉えています。

また、この国と海洋の歴史的な関係、大西洋に関する知識、ポルトガルを持続可能なブルーエコノミーの最前線に置く革新的で刺激的な技術を世界に示す目的も果たします。

約500年前にポルトガルと日本が「出会う」ことを可能にした「海」は、独特のイベントや展示のプログラムを通じて、2025年大阪万博の来場者に、経済の原動力として、またイノベーションの源泉としての海と海洋の重要性を示し、海洋環境の保全とその生態系のサービスを促進します。

パビリオン

ポルトガルパビリオンは、大阪万博にポルトガルが参加するための中心の場であり、184日間の会期中、日本との過去と現在の関係に焦点を当てた展示が2つのセクションに分かれて行われます。

展示エリアのほか、ポルトガルパビリオンには売店、ポルトガルの美食を紹介するレストラン、さまざまなイベントを開催できる多目的スペースがあります。広大な経済・科学・文化プログラムは、ブルーエコノミー、観光、文化といった優先分野におけるポルトガル経済の国際化を促進します。

日本の建築家、隈研吾氏による設計のポルトガルパビリオンは、来場者を海に飛び込み、発見するよう誘い、2025年万博に海の一部を持ち込むことを暗喩しています。

海洋の動きのダイナミズムは、パビリオンの「脱構築」によって表現され、吊り下げられたロープやリサイクルされた網を使用することで、より永続的な効果を生み出し、太陽や風といった自然の要素にさらされながら、要素のリズミカルな増殖によって達成されています。

パビリオンのボリュームは、波のように吊り下げられた上部の広場を象徴する景観インスタレーションによって特徴づけられ、訪問者や外部の歩行者に印象的なイメージを作り出しています。

パビリオンは、2025年大阪万博会場の「エンパワーリングゾーン」エリアに位置し、1,836.75平方メートルの敷地に建設され、持続可能性と循環経済の概念に従い、ポルトガルの万博参加に伴う二酸化炭素排出量の削減に貢献する最高の技術的・環境的慣行を厳守しています。

ポルトガルパビリオンの戦略的な立地は、そのダイナミックな構成と、ロープとネットが作り出す光と影の戯れと相まって、来場者に特別な光景を提供し、2025年大阪万博会場の「灯台」として機能します。

ピタゴラスイッチ等の創作で知られる、佐藤雅彦の展覧会の入場チケットをプレゼント。横浜美術館で開催。多様な作品の創作プロセスを紹介し、その独創的な“作り方”を紐解く内容。ピタゴラ装置の実物も展示
ピタゴラスイッチ等の創作で知られる、佐藤雅彦の展覧会の入場チケットをプレゼント。横浜美術館で開催。多様な作品の創作プロセスを紹介し、その独創的な“作り方”を紐解く内容。ピタゴラ装置の実物も展示展覧会メインビジュアル image courtesy of 横浜美術館
ピタゴラスイッチ等の創作で知られる、佐藤雅彦の展覧会の入場チケットをプレゼント。横浜美術館で開催。多様な作品の創作プロセスを紹介し、その独創的な“作り方”を紐解く内容。ピタゴラ装置の実物も展示ピタゴラ装置(NHK「ピタゴラスイッチ」より) image courtesy of 横浜美術館

ピタゴラスイッチ等の創作で知られる、佐藤雅彦の展覧会の入場チケットを抽選でプレゼントいたします。
横浜美術館で開催されます。多様な作品の創作プロセスを紹介し、その独創的な“作り方”を紐解く内容です。ピタゴラ装置の実物も展示されます。展示会期は、2025年6月28日~11月3日まで。展覧会の公式ページはこちら。入場チケットプレゼント企画の応募締切は、2025年6月20日(金)13時まで(お申込みにはGoogleアカウントが必要になります)。こちらのフォームからご応募ください。厳正な抽選を行い当選された方にはメールにてご連絡いたします(メール送付を当選発表にかえさせていただきます)。

横浜美術館は、2025年6月28日(土)から11月3日(月・祝)まで、横浜美術館リニューアルオープン記念展として「佐藤雅彦展 新しい×(作り方+分かり方)」(読み:さとうまさひこてんあたらしいつくりかたとあたらしいわかりかた)を開催します。

この展覧会は、佐藤の創作活動の軌跡をたどる世界初の大規模個展です。佐藤が表現者・教育者として世に送り出してきたコンテンツを一堂に紹介し、40年にわたる創作活動を概観します。

佐藤の創作の根幹には、「作り方」「分かり方」についての独自の理論やアイデアが蓄積されています。展覧会では、佐藤の多様な作品の創作プロセスを紹介し、その独創的なコミュニケーションデザインの考え方や理論を紐解いていきます。

「作り方が新しければ、自ずとできたものは新しい」と語る佐藤。あらゆる物事にじっくりと対峙すること、自分なりの考え方を整理整頓すること、そこから表現を生み出すことの大切さ、面白さを、展覧会を通して広く伝えます。

リリーステキストより

以下に、詳細な情報を掲載します。

2025.5.14Wed
トラフ建築設計事務所による、東京・港区のショールーム「SLEEPY TOFU HOUSE」。寝具ブランドの為に計画。“やわらかい暮らし”の体感の場として、豆腐を模した“TOFU ROOM”の周りに住空間を想起させるエリアを配置する構成を考案。製品の柔らかい質感との呼応も意図して建材を選定
トラフ建築設計事務所による、東京・港区のショールーム「SLEEPY TOFU HOUSE」。寝具ブランドの為に計画。“やわらかい暮らし”の体感の場として、豆腐を模した“TOFU ROOM”の周りに住空間を想起させるエリアを配置する構成を考案。製品の柔らかい質感との呼応も意図して建材を選定エントランス側より空間全体を見る。 photo©木寺紀雄
トラフ建築設計事務所による、東京・港区のショールーム「SLEEPY TOFU HOUSE」。寝具ブランドの為に計画。“やわらかい暮らし”の体感の場として、豆腐を模した“TOFU ROOM”の周りに住空間を想起させるエリアを配置する構成を考案。製品の柔らかい質感との呼応も意図して建材を選定「リビングルーム」から「ベッドルーム」側を見る。 photo©木寺紀雄
トラフ建築設計事務所による、東京・港区のショールーム「SLEEPY TOFU HOUSE」。寝具ブランドの為に計画。“やわらかい暮らし”の体感の場として、豆腐を模した“TOFU ROOM”の周りに住空間を想起させるエリアを配置する構成を考案。製品の柔らかい質感との呼応も意図して建材を選定「ベッドルーム」から「TOFU ROOM」を見る。 photo©木寺紀雄
トラフ建築設計事務所による、東京・港区のショールーム「SLEEPY TOFU HOUSE」。寝具ブランドの為に計画。“やわらかい暮らし”の体感の場として、豆腐を模した“TOFU ROOM”の周りに住空間を想起させるエリアを配置する構成を考案。製品の柔らかい質感との呼応も意図して建材を選定「TOFU ROOM」 photo©木寺紀雄

トラフ建築設計事務所が設計した、東京・港区のショールーム「SLEEPY TOFU HOUSE」です。
寝具ブランドの為に計画されました。建築家は、“やわらかい暮らし”の体感の場として、豆腐を模した“TOFU ROOM”の周りに住空間を想起させるエリアを配置する構成を考案しました。また、製品の柔らかい質感との呼応も意図して建材を選定しました。店舗の場所はこちら(Google Map)。

台湾発の寝具ブランド「SLEEPY TOFU」の日本初となる旗艦店「SLEEPY TOFU HOUSE」の内装計画。

南青山の落ち着いた街並みに位置するこの店舗は、感度の高いショップやギャラリーが集まるエリアにあり、ブランドが掲げる「日常に余白をもたらし、暮らしをもっとやわらかくする」というコンセプトを空間で体現することが求められた。

建築家によるテキストより

店内は、玄関、リビング、ダイニング、キッチン、書斎、寝室など、実際の住空間をイメージしたエリアを緩やかにつなげる構成とし、訪れる人が自然な流れの中で製品に触れられるように計画した。

中央には「TOFU ROOM」を配置し、ワンルームの空間を緩やかに仕切る役割を担っている。

建築家によるテキストより

店内には、「SLEEPY TOFU」が製作したダイニングテーブルセットや豆腐のようなソファ、キューブ型スツールなどを配置し、製品と空間の統一感を高めている。

ブランドとして大切にしている台湾茶を提供するキッチンには、収納扉に100%繊維系廃材を再利用した圧縮パネルを用いて仕上げており、柔らかさを感じさせる素材が空間全体にやさしい雰囲気をもたらしている。

床仕上げにはメープルフローリングを使用し、カーテンやラグには隣接するデンマークのテキスタイルメーカー「Kvadrat」の製品を選定することで、素材や色彩を通じて「SLEEPY TOFU」の製品が持つ柔らかい質感に呼応する穏やかなトーンを生み出している。

建築家によるテキストより
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BWM デザイナーズ&アーキテクツによる、大阪・関西万博の「オーストリアパビリオン」。“未来を作曲”をテーマとした施設。同国の音楽と木造の文化の伝達を意図し、“歓喜の歌”をあしらった螺旋状で木造の“五線譜”を備えた建築を考案。会期終了後の容易な解体と再利用が可能な構法でつくる
BWM デザイナーズ&アーキテクツによる、大阪・関西万博の「オーストリアパビリオン」。“未来を作曲”をテーマとした施設。同国の音楽と木造の文化の伝達を意図し、“歓喜の歌”をあしらった螺旋状で木造の“五線譜”を備えた建築を考案。会期終了後の容易な解体と再利用が可能な構法でつくる photo©Stefan Schilling
BWM デザイナーズ&アーキテクツによる、大阪・関西万博の「オーストリアパビリオン」。“未来を作曲”をテーマとした施設。同国の音楽と木造の文化の伝達を意図し、“歓喜の歌”をあしらった螺旋状で木造の“五線譜”を備えた建築を考案。会期終了後の容易な解体と再利用が可能な構法でつくる photo©BWM Designers & Architects
BWM デザイナーズ&アーキテクツによる、大阪・関西万博の「オーストリアパビリオン」。“未来を作曲”をテーマとした施設。同国の音楽と木造の文化の伝達を意図し、“歓喜の歌”をあしらった螺旋状で木造の“五線譜”を備えた建築を考案。会期終了後の容易な解体と再利用が可能な構法でつくる photo©BWM Designers & Architects
BWM デザイナーズ&アーキテクツによる、大阪・関西万博の「オーストリアパビリオン」。“未来を作曲”をテーマとした施設。同国の音楽と木造の文化の伝達を意図し、“歓喜の歌”をあしらった螺旋状で木造の“五線譜”を備えた建築を考案。会期終了後の容易な解体と再利用が可能な構法でつくる photo©Stefan Schilling

BWM デザイナーズ&アーキテクツ(BWM Designers & Architects)による、大阪・関西万博の「オーストリアパビリオン」です。
“未来を作曲”をテーマとした施設です。建築家は、同国の音楽と木造の文化の伝達を意図し、“歓喜の歌”をあしらった螺旋状で木造の“五線譜”を備えた建築を考案しました。また、会期終了後の容易な解体と再利用が可能な構法でつくりました。施設の公式ページはこちら


こちらは建築家によるテキストの翻訳です(文責:アーキテクチャーフォト)

パヴィリオンのストーリーライン:未来を創造する

「象徴的な螺旋状の彫刻がドラマチックに空へとそびえ立ち、万博におけるオーストリア・パヴィリオンの視覚的な中心となっています。近くで見ると、それは『歓喜の歌』の冒頭部分をあしらった巨大な木製の五線譜であることがわかります。螺旋は、文化を超越する普遍的な象徴的力を有しています。それは、直線的な進歩モデルを超えて、人生の循環的な本質、変化、成長、そして変容についての省察を促します」と、BWMデザイナーズ&アーキテクツのヨハン・モーザー(Johann Moser)は説明します。

とりわけ、世界的な課題や将来への不安が高まる中で、オーストリアのそびえ立つ螺旋は、喜びと楽観の力強い象徴として存在しています。この螺旋の形状は音楽から着想を得ています。音楽は、特に日本においてオーストリアがよく知られているものです。音楽は動きをもたらします。くるくると回るワルツ、指揮者の動き、ダンスのリズム――これらすべてがこの螺旋の中に表現されています。螺旋の裏側は、絶えず上昇する五線譜としてデザインされています。「歓喜の歌」の冒頭部分は、音楽が持つ深い感情の力を象徴しています――それは文化や国境を超えて響き合う力です。

さらに、このメロディの選択は文化的なメッセージでもあります。欧州連合のアンセムとして、それはオーストリアの越境的なアイデンティティを反映しています。オーストリアは、自らをより大きな全体の一部と見なしています。そこでは、音楽が普遍的な言語として、国境を越えて人々をつなぎ、架け橋となるのです。この象徴的な楽曲の作曲家であるベートーヴェンはドイツに生まれ、オーストリアで作品を生み出しました。それでも彼の音楽は、特定の国に属するものではなく、世界全体のものなのです。

未来を創造する――それは、喜びに満ちた共同の取り組みです。

螺旋

オーストリア・パヴィリオンの際立った特徴は、空へと伸びる目を引く螺旋状の彫刻です。木材で作られたこの彫刻は、現代の木造建築におけるオーストリアの技術力を示すとともに、CO2排出量の削減を目指す世界的な動きの中で、この伝統的な素材が持続可能な代替資材として大きく復活しつつあることを強調しています。「木材は、伝統と革新を独自の形でつなぐ素材です」と、BWMデザイナーズ&アーキテクツのヨハン・モーザー(Johann Moser)は説明します。

長さ91メートル、幅4.3メートルの「リボン」は、上下の縁が265本の斜めの支柱で交差して構成されています。この二重ループの形状は5本の鉄製パイロンによって支えられ、高さ16メートルにまで達しています。螺旋の内側は五線譜としてデザインされており、ベートーヴェンの「歓喜の歌」の冒頭部分が描かれています。外側には、すべての継ぎ目や構造的なディテールを含めて、木材構造が完全に公開されています。

2025.5.13Tue
隈研吾に、万博のパビリオン建築について聞いているインタビュー。建築への不要論や炎上し易さにも言及
隈研吾に、万博のパビリオン建築について聞いているインタビュー。建築への不要論や炎上し易さにも言及

隈研吾に、万博のパビリオン建築について聞いているインタビューが、大阪・関西万博の公式サイトに掲載されています。建築への不要論や炎上し易さにも言及されています。

トラフ建築設計事務所による、東京・渋谷区の店舗「Whisky Bank Shibuya」。センター街に位置するウィスキー販売店。棚を空間全体を包み込むように配置し、琥珀色の瓶のライトアップで通行人の視線を引寄せる計画を考案。時を経た鉱物を用いたテーブルは熟成された商品との親和性も考慮
トラフ建築設計事務所による、東京・渋谷区の店舗「Whisky Bank Shibuya」。センター街に位置するウィスキー販売店。棚を空間全体を包み込むように配置し、琥珀色の瓶のライトアップで通行人の視線を引寄せる計画を考案。時を経た鉱物を用いたテーブルは熟成された商品との親和性も考慮外観、北側の道路より見る。 photo©阿野太一
トラフ建築設計事務所による、東京・渋谷区の店舗「Whisky Bank Shibuya」。センター街に位置するウィスキー販売店。棚を空間全体を包み込むように配置し、琥珀色の瓶のライトアップで通行人の視線を引寄せる計画を考案。時を経た鉱物を用いたテーブルは熟成された商品との親和性も考慮エントランス側から空間全体を見る。 photo©阿野太一
トラフ建築設計事務所による、東京・渋谷区の店舗「Whisky Bank Shibuya」。センター街に位置するウィスキー販売店。棚を空間全体を包み込むように配置し、琥珀色の瓶のライトアップで通行人の視線を引寄せる計画を考案。時を経た鉱物を用いたテーブルは熟成された商品との親和性も考慮チェックアウトカウンター側から試飲用テーブルと商品棚を見る。 photo©阿野太一
トラフ建築設計事務所による、東京・渋谷区の店舗「Whisky Bank Shibuya」。センター街に位置するウィスキー販売店。棚を空間全体を包み込むように配置し、琥珀色の瓶のライトアップで通行人の視線を引寄せる計画を考案。時を経た鉱物を用いたテーブルは熟成された商品との親和性も考慮売場の奥からエントランス側を見る。 photo©阿野太一

トラフ建築設計事務所が設計した、東京・渋谷区の店舗「Whisky Bank Shibuya」です。
センター街に位置するウィスキー販売店です
。建築家は、棚を空間全体を包み込むように配置し、琥珀色の瓶のライトアップで通行人の視線を引寄せる計画を考案しました。また、時を経た鉱物を用いたテーブルは熟成された商品との親和性も考慮されました。店舗の場所はこちら(Google Map)。

ジャパニーズウィスキーを中心に世界中の厳選されたボトルを取り揃える、高級ウィスキー販売店
「Whisky Bank」の関東初となる路面店の内装計画。渋谷のセンター街という若者の文化の発信地に位置し、間口2.7m・奥行6.5mという限られた空間が設計対象となった。

建築家によるテキストより

喧騒に包まれる周囲の環境、そして建物上階の存在感から一歩引くように、ファサードには柔らかく描かれた大きな円弧を採用。既存の黒い外装との対比により、落ち着いた佇まいを生み出している。

ライトアップされた透き通る琥珀色のボトルが、通りを行き交う人々の視線を引き寄せる。商品棚はシルバーの構造体で構成され、天井まで伸びて空間全体を包み込むように配置。その構造体と既存躯体の間には意図的に隙間を設け、浮遊感を演出している。

建築家によるテキストより

中央には、試飲用テーブルとして天然石の塊を据えた。このオニックスの一種である石材は、数千年の時を経た鉱物であり、長い時間をかけて熟成されるウィスキーと親和性を物語る。周囲のメタリックな色調の什器との対比により、空間の重心として存在感を放つ。

壁一面に並ぶウィスキーボトルは、棚の上下および前後から光を当てることで、ラベルだけでなくウィスキー本来の琥珀色が引き立つように設計。背景のベージュとの組み合わせにより、光と色の奥行きが生まれている。

足元には茶色のフェルト状カーペットを敷き、硬質な路面から足を一歩踏み入れた瞬間に、来訪者に柔らかな安心感をもたらす。

建築家によるテキストより
2025.5.12Mon
【ap job更新】 公共プロポから地域のプロジェクトまで、大小様々な建築を手掛ける「STA土屋辰之助アトリエ」が、設計スタッフ(経験者・既卒・2025年新卒)を募集中
【ap job更新】 公共プロポから地域のプロジェクトまで、大小様々な建築を手掛ける「STA土屋辰之助アトリエ」が、設計スタッフ(経験者・既卒・2025年新卒)を募集中
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公共プロポから地域のプロジェクトまで、大小様々な建築を手掛ける「STA土屋辰之助アトリエ」の、設計スタッフ(経験者・既卒・2025年新卒)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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主任スタッフ(経験者)/ 設計補助スタッフ募集

公共建築のプロポーザルによるプロジェクトや、地域とのつながりによるプロジェクト、規模の大きい別荘や住宅建築等、現在、複数のプロジェクトが同時進行中です。伊勢神宮内宮参集殿改修設計を機に立ち上げた当事務所も16年目を迎えることとなり、実績とともに設計事務所としての認知度も充実してきました。

今回、実施設計、現場監理等を主任担当者として行うことができる一級建築士の資格を有する経験者を募集します。
資格を有しない方も、経験とやる気しだいで是非お問い合わせください。プロジェクト契約も可能です。

同時に、新卒・中途で公共施設や住宅設計の経験を積みたいとお考えの方も募集します。

これまでの経験を活かして、主任として公共プロジェクトに取り組む意欲のある方、一人の建築家として共にアトリエ系設計事務所を盛り立てていくなど事務所の成長に積極的に取り組む意欲のある方、そして建築をつくること、また企画立案や維持運営といった建築、都市、コミュニティのサイクルに興味と実行力をもった人材を求めています。

また住宅の設計などにも、ひとつひとつ丁寧に向き合える、「好きな仕事」としての建築設計を実行できる、熱意のある方を歓迎します。

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