STA土屋辰之助アトリエが設計した、千葉・いすみ市の別荘「SHouse IS」です。
眼の前に川と海を望む敷地での計画です。建築家は、建具を用いた流動性を高める設計などで、常に“外部”を感じながらも“包まれる”様な感覚の内部空間を構築しました。また、リビングでは“シンプルな表現”で自然への開放性を確保することも意図されました。
南麻布の住宅のクライアントが、引き続き私達に千葉県いすみ市にサーフィンやマリンスポーツ等を楽しめる別荘を依頼された。敷地の選定からクライアントと一緒に見てまわり、眼前に川が流れ、その先にどこまでも広がる太平洋を望むことができる場所にすることで設計がスタートした。
海が見えるということ、空が見えるということは別荘の建築において重要な要素であり、シンプルに表現される必要があるため、2階を屋根の形状がそのまま天井となり、様々な方向に視野が開ける、ひとつの開放的なリビングルームとし、さらに上がれば海と空の眺めを楽しめる屋上デッキを設定した。
また、この別荘に明確な「部屋」は存在しておらず、1階に配置した3つのエリアにゆるく分けられる寝室スペースも建具は折れ戸となっていて、全てを開放すると洗面所まで一体的につながる空間となる。そして外壁に沿ってL型に配置された階段により旋回しながら連続していく、動きと共に視点が変化し、それぞれの開口を通して常に外部を感じながら、それでいて包まれるような感覚を抱くことができる内部空間となった。