



ネリ&フーによる、上海の店舗「インサイド / アウトサイド ジスファン&ウーヴン・ムーンライト」です。
系列の2つのブランドの店舗を隣接して計画しました。建築家は、“人間の根源的な空間”を探求し、より“原始的な存在の状態への回帰”を呼び起こす空間を志向しました。そして、製品と呼応する“木造の小屋”と商品を輝かせる“洞窟の住居”を考案しました。
こちらは建築家によるテキストの翻訳です(文責:アーキテクチャーフォト)
インサイド / アウトサイド
ジスファン&ウーヴン・ムーンライト
上海で初の旗艦店をデザインしてから4年、ネリ&フーは再びジスファンと協力し、盤龍天地開発(Panlong Tiandi development)内にある2つの店舗のデュオを創り上げました。隣接する2つの空間は、ひとつはジスファン・ブティックのため、もうひとつは姉妹ブランドのウーヴン・ムーンライトのためのもので、それぞれが独自性を持ちながらも、互いに対話をしています。ジスファン・ブティックは内部に木造の家を含み、ウーヴン・ムーンライトはコンクリートの住居であり、それぞれが異なるブランド・アイデンティティと多様な空間的要件に合わせて作られています。
ジスファン・ブティックのデザインコンセプトは、すべての建築の基本的な原型とされるロジエの「原初の小屋(Primitive Hut)」に着想を得ています。装飾や様式を取り払った原初の小屋は、人間と自然界との関係を築き、シェルターの役割と自然とのつながりの両方を提供します。これは、リネン素材を日常生活と自然の文字通りの「糸」として捉えるというブランドの精神と一致しています。挿入された木造の構造体は、住まい、居住するための精神的な空間を形成すると同時に、製品を展示するための非常に機能的な要素でもあります。ホワイトオークは自然の木目と色をそのまま残し、床には手作りのセラミックタイルを組み合わせています。これらの温かみのある素材が、リネン製品の質感と調和しています。上部の傾斜屋根は空間の高さを最大限に活用し、人々がこの広々とした聖域を楽しめるようにしています。一方で、ファサードから差し込む柔らかな光と切り取られた眺めが、外のにぎやかな商業通りとの穏やかなつながりを生み出しています。