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杉山幸一郎による連載エッセイ ”For Architectural Innocent” 第1回「ピーターズントー、もう一つの教会。」

2,208.79 杉山幸一郎による連載エッセイ ”For Architectural Innocent” 第1回「ピーターズントー、もう一つの教会。」

杉山幸一郎による連載エッセイ ”For Architectural Innocent” 第1回「ピーターズントー、もう一つの教会。」

はじめに

text:杉山幸一郎

 
これから10回にわたって建築を紹介していく「僕」が、初めて建築が生まれる瞬間に立ち会ったのは、生まれ育った自宅から少し離れたところで開発が始まった住宅街の新築工事現場で行われていた上棟式でした。

今では見かける機会が少なくなってしまった上棟式でのお餅投げも、当時は近所の人たちが大勢集まって行う一大イベント。
日が沈み始めた夕方5時、大工さんが木造の骨組みの上から家の四隅に隅餅を投げます。これは他のお餅に比べて大きく、決まって500円玉が一緒に包まれていました。

小学生低学年であった僕は、ひと月分のお小遣いと同じ硬貨を受け取ろうと、大工さんに必死に掛け声をかけながら、まだかまだかと空を見上げていました。その大工さんが梁の上をスタスタと歩いていく豪快かつ軽快な足取りといったら。どうして怖くないのだろうと不思議に思っていたが記憶に残っています。

隅餅が投げ終わると、次はお菓子や紅白のお餅が飛んで来ます。
この紅と白の丸いお餅は焼いて食べるとその家が焼ける、火事になると言われていて、必ず別の方法でもって食べなければいけない。本当は焼いて食べるのが一番美味しいのに、と思いつつも、誰とも知らないその家の施主に感謝の気持ちもあったのか、僕は律儀にも電子レンジで温めて食べていました。
ピーク時には毎月3回くらいは上棟式があったと記憶しています。

そうこうしてモダンな街が出来上がる頃に、近所の古い家が建て壊されて、代わりにいくつもの駐車場を前面に備えたコンビニエンスストアができました。そのうちに、近所のスーパーはなくなり、駐車場が売り場面積を上回る大型ショッピングセンターが建ちました。

そんな地方都市革命に加担したコンビニの登場が、僕自身に直接大きな影響を与えたことがあります。それは、近くの建設現場で働くお兄さんがダボダボのニッカボッカと地下足袋を履いて、タオル鉢巻をしてやってくるようになったことです。僕は、すぐにその大工さんのようになりたいと思った。
でもそれは、素直に建築をやりたいというのではなく、まず、あの格好をしたいと思ったのがきっかけなのです。

そんな僕は今、スイスのクールという街に住み、ハルデンシュタインという人口千人の村にある建築設計事務所で働いています。

このエッセイでは、まさにこの世界に「格好から入った」、建築についてさっぱりわからなかった僕が、どうやって建築空間に出会い、理解しようと努め、学んでいるのか、を紹介したいと思います。だからタイトルは For The Architectural Innocent。建築なんかさっぱりわからないや、という人たちへ。です。

 
※このエッセイは、杉山幸一郎個人の見解を記すもので、ピーター・ズントー事務所のオフィシャルブログという位置づけではありません。

 
 


 
 
ピーターズントー、もう一つの教会。

text:杉山幸一郎

 

杉山幸一郎による連載エッセイ ”For Architectural Innocent” 第1回「ピーターズントー、もう一つの教会。」 photo©杉山幸一郎

神秘的な空間を作り出すマジシャンとして日本でもよく知られている建築家ピーターズントー。彼が設計した建物の中でも、1989年に建てられた聖ベネディクト教会 (St.Benedict Chapel)と 2007年のブラザー・クラウス野外礼拝堂 (Bruder Klaus Chapel)は、素材の選択、工法、出来上がった空間から滲み表れ出る精神性という点において異彩を放っています。

【ap job更新】 二俣公一率いる「ケース・リアル株式会社」が、福岡アトリエ(本社)と東京オフィスで設計スタッフを募集中

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二俣公一率いる「ケース・リアル株式会社」の、福岡アトリエ(本社)と東京オフィスでの設計スタッフ募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

事務所規模拡大に伴い、設計スタッフを1~2名募集致します。

当事務所では福岡・東京を拠点として、ホテル、ブティック、ヘアサロン、レストラン、バー、オフィス、ギャラリーなどの様々なインテリアデザインや住宅設計ほか、 幅広い用途のプロジェクトに取り組んでいます。近年は小規模な建築物のプロジェクトも増えています。

様々なプロジェクトに取り組む意欲のある方、これまでに培った設計スキルを活かしたい方、歓迎します。ご応募お待ちしています。

隈研吾が、2019年11月に日本外国特派員協会で行った会見「Tokyo and Architecture beyond 2020」の動画 MADのマー・ヤンソンによる、TEDでのプレゼンの動画「山、雲、火山をヒントにした都市型建築」(日本語字幕付) 隈研吾建築都市設計事務所による、ブルガリア・ソフィアでの、現地の型枠板を用いたパヴィリオン「Cham」の写真

276.84 隈研吾建築都市設計事務所による、ブルガリア・ソフィアでの、現地の型枠板を用いたパヴィリオン「Cham」の写真

隈研吾建築都市設計事務所のウェブサイトに、ブルガリア・ソフィアでの、現地の型枠板を用いたパヴィリオン「Cham」の写真が8枚掲載されています。

ブルガリアのコンクリート型枠に用いられる最も「普通の木」がchamである。
この素朴な木で板を作り孔を開け、麻縄を使ってソフィア建築・土木・測地学大学の学生たちと編み上げていった。
麻縄のテンションを生かすことで、想像以上に軽やかでやわらかなパビリオンができあがった。
パラメトリックデザインで新しい幾何学を探すことによって、ブルガリアの民家のような素朴さと、日本の格子の透明性を再生することができた。

アトリエ・ワンがキュレーションとデザインを担当した、NYでの建築展「メイド・イン・トーキョー:建築と暮らし1964/2020」の会場写真

694.03 アトリエ・ワンがキュレーションとデザインを担当した、NYでの建築展「メイド・イン・トーキョー:建築と暮らし1964/2020」の会場写真

アトリエ・ワンがキュレーションとデザインを担当した、NYでの建築展「メイド・イン・トーキョー:建築と暮らし1964/2020」の会場写真が10枚、japan-architects.comに掲載されています。展覧会の公式ページはこちらです。
以下は展覧会のプロモーション動画。

山田紗子建築設計事務所による、東京・世田谷区の自宅兼事務所「daita2019」の写真とレポート

254.67 山田紗子建築設計事務所による、東京・世田谷区の自宅兼事務所「daita2019」の写真とレポート

山田紗子建築設計事務所が設計した、東京・世田谷区の自宅兼事務所「daita2019」の写真が20枚とレポートが、100life.jpに掲載されています。
以下は同建築の動画。

noizの豊田啓介へのインタビュー「建築家・豊田啓介が創造する 新しい建築・都市のカタチ」

276.84 noizの豊田啓介へのインタビュー「建築家・豊田啓介が創造する 新しい建築・都市のカタチ」

noizの豊田啓介へのインタビュー「建築家・豊田啓介が創造する 新しい建築・都市のカタチ」が、icf.academyhills.comに掲載されています。

ディラー・スコフィディオ+レンフロのエリザベス・ディラーが、2019年11月にコロンビア大学で行った講演の動画 オラファー・エリアソンが、2019年4月に東京で行った講演「アートをエコロジーの視点で見直すこと」のダイジェスト版(日本語字幕付)

643.50 オラファー・エリアソンが、2019年4月に東京で行った講演「アートをエコロジーの視点で見直すこと」のダイジェスト版(日本語字幕付)

アーティストのオラファー・エリアソンが、2019年4月に東京で行った講演「アートをエコロジーの視点で見直すこと」のダイジェスト版です。日本語字幕付。

いよいよ2020年3月から東京都現代美術館で開催する「オラファー・エリアソン」展の関連プログラムとして、スペシャルトークを開催しました。国際的に活躍するアーティスト自身のこれまでの制作活動と来春の個展に向けての抱負を語ったダイジェスト版です。

「オラファー・エリアソン:アートをエコロジーの視点で見直すこと」
日時:2019年4月23日(火)
会場:東京都現代美術館 講堂
出演:オラファー・エリアソン
聞き手:長谷川祐子(東京都現代美術館 参事)

中斉拓也建築設計による、富山の店舗「NATURAL CAFE KOKAND」

334.70 中斉拓也建築設計による、富山の店舗「NATURAL CAFE KOKAND」

中斉拓也建築設計による、富山の店舗「NATURAL CAFE KOKAND」 photo©新澤一平

中斉拓也建築設計が設計した、富山の店舗「NATURAL CAFE KOKAND」です。

無機質なビル群の合間に位置するカフェにとって、景色や採光の頼りは南方に広がるポケット広場のみで、そんな場所において老若男女を対象としたカフェの在り方を最小限の設えと素材で考えました。

全面を鏡面材で仕上げた天井がビル群の合間にいる閉塞感を軽減してくれること、また新緑の季節には広場の緑を天井に映して、少しでも広場の景色や採光を店内に取り込むことを意図しました。

建築家によるテキストより
安藤忠雄とブルガリがコラボした腕時計が発売。価格は180万との事。

694.03 安藤忠雄とブルガリがコラボした腕時計が発売。価格は180万との事。

安藤忠雄とブルガリがコラボレーションした腕時計が発売されるそうです。リンク先に写真が2枚掲載されています。価格は180万との事。

東大院の建築学生を中心とした団体 ミンガヤによる、エクアドルの漁村に地域工房を建てるプロジェクトが、クラウドファウンディングで資金を募集中

1,193.45 東大院の建築学生を中心とした団体 ミンガヤによる、エクアドルの漁村に地域工房を建てるプロジェクトが、クラウドファウンディングで資金を募集中

東京大学大学院の建築学生を中心とした団体 ミンガヤによる、エクアドルの漁村に地域工房を建てるプロジェクトが、クラウドファウンディングで資金を募集しています。

被災地に「地域工房」を。手仕事から現状を変えていきたい。

ページをご覧頂きありがとうございます。東京大学大学院・修士2年の両川厚輝と申します。建築を専門に、住民が地域環境と主体的に関わるような「人と土地の関わり」をテーマとした研究や、それを活かした地域活動を行っています。

僕たち、東京大学大学院の建築を学ぶ学生が中心の有志団体【ミンガヤ】は、南米エクアドルの漁村チャマンガで復興支援に携わっており、現在はチャマンガの若者たちが自由に使えるような「地域工房」を建てるプロジェクトを進めています。

2016年4月、マグニチュード7.8の地震がエクアドル西部で発生し、チャマンガには依然として震災の傷跡が残っています。震源に近かったチャマンガの被害は甚大でした。

崩壊した建物が点在するチャマンガでは、僕たちと同じ若者たちが職を失い、行くあてもなく道端に寄り集まっていました。ギャングの通り道になりやすい立地的要因もあり、彼らがいとも簡単に麻薬取引などに引き込まれてしまうことを、実際に見聞きして知りました。

しかし一方で、住民がただ嘆いているだけかと言うと、そうではありませんでした。住民たちはお互いに協力しあって、近隣住民の家を直したり、小屋を作って商売を始めたりしていました。もともとチャマンガでは、自分たちの家は自分たちで建てるものであり、そこには震災にただ打ちひしがれない逞しさがありました。

STUDIO MONAKAと岸本姫野建築設計事務所による、京都市の、築約70年の町家を改修した週末住宅「中保町の家」

2,258.18 STUDIO MONAKAと岸本姫野建築設計事務所による、京都市の、築約70年の町家を改修した週末住宅「中保町の家」

STUDIO MONAKAと岸本姫野建築設計事務所による、京都市の、築約70年の町家を改修した週末住宅「中保町の家」 photo©笹倉洋平 / 笹の倉舎

岡山泰士+森田修平+仲本兼一郎 / STUDIO MONAKA岸本将太+姫野友哉 / 岸本姫野建築設計事務所による、京都市の、築約70年の町家を改修した週末住宅「中保町の家」です。

築およそ70年の町家の改修である。
元々は卵屋兼住宅であった建物を週末住宅へコンバージョンしている。

大通りに面した環境であるため、平面的には道路面にセミパブリックな機能を配置し、奥に行くほどプライベート性の高い平面構成としている。

更に周囲より少しセットバックした環境であったため、エキスパンドメタルでファサードにもう1枚レイヤを重ねる事で道路との心理的な距離をとりつつ周囲の建物との壁面ラインを揃え調和を図った。

建築家によるテキストより
クリスチャン・ケレツの設計で2009年に完成した、スイスのロイチェンバッハ学校を特集したドキュメンタリー動画「チューリヒの灯台」(日本語字幕付)

1,528.15 クリスチャン・ケレツの設計で2009年に完成した、スイスのロイチェンバッハ学校を特集したドキュメンタリー動画「チューリヒの灯台」(日本語字幕付)

クリスチャン・ケレツの設計で2009年に完成した、スイスのロイチェンバッハ学校を特集したドキュメンタリー動画「チューリヒの灯台」です。日本語字幕付。建築家と、建物を使っている子どもたちのコメントも収録。こちらのサイトでは写真と図面を見ることができます
※今のところ第1回目の動画が公開されている状況です。更新され次第随時追加していきます。
※第2・3回目を追加しました。
※第4回目を追加しました。

第1回目

2009年9月、スイス北部チューリヒのロイチェンバッハに新しい学校校舎がオープンした。最上階に体育館が設置され、そのユニークな設計は人目を引く存在だ。校舎を一つの岩のようだという人もいれば、宇宙船のようだという人もいる。建築工事のようすを映した映像と専門家の話を交えながら校舎の完成までを追った建築アーカイブシリーズ。

田中悠希・榎本亮祐 / YRADによる、大分・別府市の住宅「house-N」

1,278.53 田中悠希・榎本亮祐 / YRADによる、大分・別府市の住宅「house-N」

田中悠希・榎本亮祐 / YRADによる、大分・別府市の住宅「house-N」 photo©矢野紀行

田中悠希・榎本亮祐 / YRADが設計した、大分・別府市の住宅「house-N」です。

建主は都心に住む60代の夫婦です。
子供たちの独立と自身のセミリタイアを機に、温泉と食が楽しめる暖かい場所で暮らそうと、大分県別府市への移住を決めました。
それぞれが自分のライフスタイルを持つ2人と、元気な犬たちが暮らす住宅の計画です。
「愛犬との自由な生活」と「自然を感じられること」。それが建主からの要望でした。

建築家によるテキストより

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