
OMA / レイニエル・デ・グラーフによる、フランス・リヨンの「Lyon Bridge」です。
新しい橋の設計競技の勝利案です。建築家は、“純粋なランドマーク”を目指している現代の橋とは異なる在り方を求め、風景を支配するのではなく“完成させる”橋を志向しました。そして、トラムと歩行者と自転車の通路を効率的かつ体験的に統合する計画を提案しました。
OMAは、2024年にフランス・ボルドーで、「シモーヌ・ヴェイユ橋」を完成させています。アーキテクチャーフォトでは「シモーヌ・ヴェイユ橋」も特集記事として紹介しています。
こちらはリリーステキストの翻訳です(文責:アーキテクチャーフォト)
OMAは、シトラル・モビリテ(SYTRAL Mobilites)が主導するTEOL(リヨン西部トラム・エクスプレス)プロジェクトの一環として、リヨンのソーヌ川に架かる新しい橋の設計競技で勝利しました。かつての工業港であり、複合用途の都市区画へと変貌を遂げたコンフリュアンス地区と市の西岸を結ぶこの橋は、リヨンの公共交通ネットワークにおける長年の空白を解消します。OMAの当選案は、2つの異なる交通手段―トラムと歩行者および自転車のための通路―を、効率的でかつ体験的な単一の構造物に統合しています。
レイニエル・デ・グラーフ(Reinier de Graaf)「現代の橋のほとんどは、純粋なランドマークであろうとしています。しかしこの橋は違います。OMAの橋は風景を支配するのではなく、それを完成させており、都市のウォーターフロントと川の自然な縁との間に優雅なつながりを提供しています。この設計は周囲の環境から着想を得ており、西側のラ・バルムの険しい緑の斜面と調和しつつ、東側のコンフリュアンス側では控えめに姿を現します」
この設計は、OMAのパートナーであるレイニエル・デ・グラーフが主導し、アソシエイトのジル・ギヨ(Gilles Guyot)とプロジェクト建築家のアントン・アニケエフ(Anton Anikeev)が加わりました。OMAはまた、ボルドーにあるシモーヌ・ヴェイユ橋(Simone Veil Bridge)も設計しており、これは2024年に完成し、同年にインフラおよび土木工学部門でエケール・ダルジャン(Equerre d’Argent)を受賞しました。リヨン都市圏において、OMAはヴァレ・ド・ラ・シミ(Vallee de la Chimie )のマスタープランを担当しており、このヨーロッパ最大級の化学および石油化学工業地帯のひとつを活性化しています。
このプロジェクトは、パートナーであるWSP、ドゥヴォー&ドゥヴォー建築事務所(Devaux & Devaux architects)、およびマルコ・ロッシ・ペイザジスト(Marco Rossi Paysagiste)との協働で進められました。