杉山幸一郎による、ドローイングとオブジェクトの作品群「Line & Fill」です。ここでは「drawing」「object」「structure」の3つのシリーズを紹介します。杉山はアーキテクチャーフォトにて「For The Architectural Innocent」を連載中の建築家です。
この場を借りて紹介させていただくのは、建築士として設計活動をするかたわら、時間の隙間を見つけては描き、制作してきたドローイングやオブジェクトたちです。
僕自身は、特別に絵描きになるために絵画を学んだとか、家具職人になるために工房に務めていたという経歴は、残念ながらありません。
ただ、アトリエピーターズントーで1年間ワークショップチーフを経験したこともあって、頭で考えるのと同時に手で作るというプロセスを、とても大切にしてきました。
«Line & Fill (線と面)»というタイトルを付けたのには、スイスに初めてやってきた当時の出来事ががありました。
建築設計で用いるCADソフトで壁を描く時に、日本で学び働いていた時には二本の平行線を描き、それで壁の場所、壁の厚みを表現していました。スイスにやってきて、ズントー事務所で働き始めてショックだったのは、壁を黒塗りの面 (長方形)で描くことです。