富永大毅+藤間弥恵 / TATTAが設計した、東京・新宿区の、集合住宅の一室の改修「一二三のコンパートメント」です。TATTAの旧名称は富永大毅建築都市計画事務所です。
都内のマンションの一室の改修である。
小さなこどもが2人いて、10年住んだらこのまま転売するという建て主の要望から、暮らしと資産価値の両方の向上が求められた。
活用されていなかった東のテラスを活かすために、逆梁となっていて梁型のない窓際の細長い空間をお座敷列車に見立て、スギの角材(一寸二分×一寸三分材:通称一二三(いんにっさん))を使ったボールト天井で仕上げた。
細長い空間に連なるようにコンパートメントのような寝室、キッチン、リビングが連なる。部屋の中央のキッチンからは部屋の隅々まで見渡せて、まだ小さい子供に目が行き届くよう配慮した。
家族4人で住むには限られたスペースであったので、部屋を小分けにせず、床座で贅沢にくつろげるリビングと贅沢にゴロゴロできる寝床があり、贅沢につくられた収納につながる水回りがつくられた。キッチンのついたスイートルームのような構成となっている。
(富永大毅)