SHARE 小林一行+樫村芙実 / テレインアーキテクツによる、ウガンダ・カンパラの商業施設「やま仙 / Yamasen Japanese Restaurant」
小林一行+樫村芙実 / テレインアーキテクツが設計した、ウガンダ・カンパラの商業施設「やま仙 / Yamasen Japanese Restaurant」です。
周辺は丘陵地であるが、敷地に立つとそのことに気づかないほどになだらかな斜面である。ある高さを境界水平面と決めて、上部は木、下部はRCとスチールと素材を切り替えることで水平面を可視化し、同時に斜面を顕在化させた。5本の既存樹木を避けて配置した長方形平面は、コンタラインにほぼ直角となり、地面から大屋根に潜り込むようなアプローチを実現している。
茅葺の大屋根を支える木フレームはユーカリ材を用いた。成長が早く植林後すぐに現金化されるため、枝のような若い状態で伐採され、工事現場の支保工や足場として、その後は調理用の薪として使われることが多い。この安価な材料を用いて、製材や乾燥などの工程を丁寧に監理することで、特性を活かした架構を実現した。
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以下、建築家によるテキストです。
周辺は丘陵地であるが、敷地に立つとそのことに気づかないほどになだらかな斜面である。ある高さを境界水平面と決めて、上部は木、下部はRCとスチールと素材を切り替えることで水平面を可視化し、同時に斜面を顕在化させた。5本の既存樹木を避けて配置した長方形平面は、コンタラインにほぼ直角となり、地面から大屋根に潜り込むようなアプローチを実現している。
茅葺の大屋根を支える木フレームはユーカリ材を用いた。成長が早く植林後すぐに現金化されるため、枝のような若い状態で伐採され、工事現場の支保工や足場として、その後は調理用の薪として使われることが多い。この安価な材料を用いて、製材や乾燥などの工程を丁寧に監理することで、特性を活かした架構を実現した。
また、部材やフレームの組み立ては、重機を使うと一気にコストが上がるため、できる限り地面で組み立て、人力で一本一本建ちあげていった。必要箇所に丸鋼Φ12mを溶接したブレースでつなぐことで大屋根を成り立たせている。
急激に成長する都市部では、安く量産された食物や既製品が店頭に並ぶ一方で、日々口にする食べ物の生産地や農薬の有無など、食材に対する興味はこの国の人々の中にも芽生えつつある。そのような意識を持つ人々から徐々にひろまり、様々な文化が集まる拠点となっている。
■建築概要
敷地:ウガンダ カンパラ
用途:商業施設(日本料理店、カフェ、ショップなど)
竣工:2018
面積:785㎡
設計:テレインアーキテクツ/TERRAIN architects (小林一行、樫村芙実、山下慎之介Albert Wasswa)
設計協力:Dream Architects
施工:分離発注, Cots Cots Ltd.
構造:Erias Walugunbe, 金田充弘 / 東京藝術大学, 鈴木芳典,五十嵐日菜子 / TECTONICA. INC
写真:Timothy Latim
種別 | 使用箇所 | 商品名(メーカー名) |
---|---|---|
外装・屋根 | 屋根 | 茅葺 [Adjumani産] |
外装・壁 | 外壁 | ユーカリ下見板張り, 焼成煉瓦現し, モルタル金鏝仕上げ |
外装・建具 | 開口部 | スチールサッシ、木製サッシ [現場製作] |
内装・床 | レストラン・カフェ・テナント床 | モルタル金鏝仕上げ |
内装・床 | 厨房床 | テラゾ |
内装・壁 | レストラン・カフェ壁 | ユーカリ下見板張り、焼成煉瓦現し |
内装・壁 | 厨房壁 | テラゾ(一部ジプサムボードの上塗装) |
内装・壁 | テナント壁 | 焼成レンガ現し、モルタル下地の上塗装 |
内装・天井 | レストラン・カフェ天井 | 茅葺現し |
内装・天井 | 厨房天井 | ジプサムボードの上塗装(Kansai Plascon) |
内装・天井 | テナント天井 | コンクリート打放し |
外構・床 | 床 | プレキャストコンクリート平板 |
外構・植栽 | 植栽 | 芝生 |
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