SHARE 御手洗龍建築設計事務所による、ウインドウディスプレイ「HERMÈS IN MOTION 伊勢丹新宿店メンズ館ウィンドウ GROUND CAVE」。エルメスの“躍動”を馬の走り方を空間化することで表現
御手洗龍建築設計事務所が設計した、ウインドウディスプレイ「HERMÈS IN MOTION 伊勢丹新宿店メンズ館ウィンドウ GROUND CAVE」です。この作品は2021年8月31日まで閲覧可能です。
エルメス・テンポラリーストア「HERMÈS IN MOTION」が伊勢丹新宿店にてオープン致しました。エルメスの絶え間ない「躍動」を、馬の特徴的な走り方(WALK、TROT、CANTER、GALLOP)を元にそれぞれ空間化しています。全4店舗のうちまずは2店舗がオープンとなり、メンズ館ではウィンドウもデザインしております。
このウィンドウでは4つの店舗と同様に、馬の脚の動きを空間化することで、動的且つ発見的な場を立ち上げ、そこにNarrative (物語)を編み込もうと考えました。
馬の脚の動きから抽出した二つの図形同士を直線で繋いでいくと、立体的なサーフェースが立ち上がります。こうして生まれた洞窟のような空間は、視点が変わる度に内部の見え方がダイナミックに変化していきます。また3Dデータを用いて削り出される硬質発泡ウレタンフォームの表面に、筋状に風化した岩肌の表情を重ねていくことで、さらに奥行きの感じられるものを目指しました。
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以下、建築家によるテキストです。
エルメス・テンポラリーストア「HERMÈS IN MOTION」が伊勢丹新宿店にてオープン致しました。エルメスの絶え間ない「躍動」を、馬の特徴的な走り方(WALK、TROT、CANTER、GALLOP)を元にそれぞれ空間化しています。全4店舗のうちまずは2店舗がオープンとなり、メンズ館ではウィンドウもデザインしております。
このウィンドウでは4つの店舗と同様に、馬の脚の動きを空間化することで、動的且つ発見的な場を立ち上げ、そこにNarrative (物語)を編み込もうと考えました。
馬の脚の動きから抽出した二つの図形同士を直線で繋いでいくと、立体的なサーフェースが立ち上がります。こうして生まれた洞窟のような空間は、視点が変わる度に内部の見え方がダイナミックに変化していきます。また3Dデータを用いて削り出される硬質発泡ウレタンフォームの表面に、筋状に風化した岩肌の表情を重ねていくことで、さらに奥行きの感じられるものを目指しました。
そしてここで我々は、ウィンドウにおける二つの新しさの実現を試みています。
一つ目は、図と地の関係とその反転によって、観る者の視点に揺さぶりをかけることです。遠くから全体を眺めると白く抽象化された馬の脚が図として認識され、徐々に近づいていくと内側の印象的な表情によって、馬の脚が地として認識されていきます。その動的な相関関係によって、ウィンドウにグラッフィクとしてのダイナミズムをもたらそうと試みました。
二つ目は、「ショーウィンドウの中に展示されるオブジェ」という在り方を超え、ウィンドウの枠組みの在り方まで含めてデザインするということです。硬質発泡ウレタンフォームで作られた立体造形を前面のガラスギリギリまで寄せて設置し、その造形の延長としてガラス表面にテクスチャの施されたシートを貼り込んでいます。そうすることであたかも不定形のガラスが立体の中に象嵌されているような表情を作ろうと考えました。馬の脚の動きから作られる洞窟がオブジェから、ガラス境界面を超えウィンドウそのものへと昇華していきます。
馬の脚で形作られた洞窟の中を白馬たちが思い思いに駆け巡り探求の旅をしています。 赤い岩の中に埋まる時計やジュエリー、香水などの小物は鉱物のような輝きを放ち、川を進む帆船は湖、そして海への旅の始まりを示唆しています。馬の脚の動きの中に様々なストーリーと世界が織り込まれ、観た人が思わず覗き込みたくなるようなウィンドウとなることを期待しています。
(御手洗龍)
■建築概要
タイトル:HERMÈS IN MOTION 伊勢丹新宿店メンズ館ウィンドウ GROUND CAVE
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敷地情報
場所:伊勢丹新宿店メンズ館
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設計
デザイン:御手洗龍建築設計事務所
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規模
ケースサイズ:W3440 x H3053 x D860
ウィンドウサイズ:W2800 x H2347
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工程
設計期間:2021年3月半ば~2021年5月20日(2ヶ月間)
製作期間:2021年4月末~2021年5月20日(1ヶ月間)
竣工:2021年5月20日
種別 | 使用箇所 | 商品名(メーカー名) |
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内装・造作家具 | 材料・器具 | 馬脚造作:硬質発泡ウレタンフォーム+水性ウレタン塗装 |
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