富永哲史+小野里紗+名畑碧哉 / n o t architects studioが設計した、東京・品川区の住宅「天気とくらすイエ」です。散歩道を建築内に引き込むことで、季節や時間によってうつろい続ける公園的な環境を意図しました。
公園を散歩していると、その日の天気、季節、時間によってうつろい続けていく空間を感じながら、その時々に応じて居場所をみつけ、過ごし方を変えていく。そんな公園と散歩道のような住宅の提案。
敷地は東京の小さな住宅街の一角。周りには大きな公園と小さな公園、それを結ぶ長い散歩道がある。この公園と散歩道は周りの住宅街に溶け込みながら、ここにしかない環境をつくり出していた。
そこで、目の前にある散歩道をゆるやかに建物全体へと引き込んでゆくことにした。
この道は、周辺環境と家をつなぎながら、どこまでが都市で、どこまでが家なのかを曖昧にしてゆく。散歩をしていると現れる坂道や広場のように、形と勾配が全て違う階段と様々な大きさの空間を配置することで建物全体の空間をゆるやかにつなげている。
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以下、建築家によるテキストです。
公園を散歩していると、その日の天気、季節、時間によってうつろい続けていく空間を感じながら、その時々に応じて居場所をみつけ、過ごし方を変えていく。そんな公園と散歩道のような住宅の提案。
敷地は東京の小さな住宅街の一角。周りには大きな公園と小さな公園、それを結ぶ長い散歩道がある。この公園と散歩道は周りの住宅街に溶け込みながら、ここにしかない環境をつくり出していた。
そこで、目の前にある散歩道をゆるやかに建物全体へと引き込んでゆくことにした。
この道は、周辺環境と家をつなぎながら、どこまでが都市で、どこまでが家なのかを曖昧にしてゆく。散歩をしていると現れる坂道や広場のように、形と勾配が全て違う階段と様々な大きさの空間を配置することで建物全体の空間をゆるやかにつなげている。
道を包む壁は、2面ひし形金網、2面RC壁でつくられている。
道路に面した2面はひし形金網で包むことでプライベートな空間とパブリックな空間の解像度を落しつつ、ひし形金網につる植物をからませてあげることで、周辺の環境と同じうつろいが道全体を包み込む。RCの壁側は、ひっそりと身を潜められる内的な空間となっている。
2面異なった要素の壁をみながら家を巡り居場所をみつけいく。
それぞれの空間をつなぐ道は、天気よって異なる境界を生み、大きな道となったり、小さな道となる。
そしてある時は、座って風景を眺める丘になったりみんなで集まる広場となり使い方も環境と共にうつろい続けていく。
このひし形金網のファサードは毎年少しずつ緑が成長し1年を通して透過度が変化することで、内的な空間になったり、外的な空間へと変化する。
そんな公園的な環境をつくり出すことを目指した。
(小野 里紗)
■建築概要
設計事務所:n o t architects studio
担当:富永哲史、小野里紗、名畑碧哉
所在地:東京都品川区
構造:木下洋介構造計画
写真:高木康広(yasuhiro takagi)
ドローイング:小野里紗 (Lisa Ono)
建築面積:57.29m2
延床面積:165.93m2
竣工:2021年3月