古谷デザイン建築設計事務所による、神奈川・川崎市の、集合住宅とオフィス「スイシャハウス・スイシャオフィス」。敷地内に存在した土蔵の佇まいを頼りに、既存樹木のみどりを享受できる空間をもつ建築を設計 左側に見える3つのヴォリュームが「スイシャハウス」。一番右側に位置するのが、既存の土蔵を改修した「スイシャオフィス」。 photo©山内紀人
古谷デザイン建築設計事務所による、神奈川・川崎市の、集合住宅とオフィス「スイシャハウス・スイシャオフィス」。敷地内に存在した土蔵の佇まいを頼りに、既存樹木のみどりを享受できる空間をもつ建築を設計 photo©山内紀人
古谷デザイン建築設計事務所による、神奈川・川崎市の、集合住宅とオフィス「スイシャハウス・スイシャオフィス」。敷地内に存在した土蔵の佇まいを頼りに、既存樹木のみどりを享受できる空間をもつ建築を設計 photo©山内紀人
古谷デザイン建築設計事務所による、神奈川・川崎市の、集合住宅とオフィス「スイシャハウス・スイシャオフィス」。敷地内に存在した土蔵の佇まいを頼りに、既存樹木のみどりを享受できる空間をもつ建築を設計 photo©山内紀人
古谷デザイン建築設計事務所 が設計した、神奈川・川崎市の、集合住宅とオフィス「スイシャハウス・スイシャオフィス」。敷地内に存在した土蔵の佇まいを頼りに、既存樹木のみどりを享受できる空間をもつ建築が設計されています。
神奈川県川崎市高津区。平瀬川の左右に展開する農園(生産緑地+宅地)の再編計画である。
農園内には樹齢100年を超える大きな庭園木に囲まれた明治・大正期の母屋と土蔵を中心に農作業小屋や温室などが散在する形であった。土地オーナーは数年前に生産緑地の有効利用のため平家の住まいを新築し、古い母屋と土蔵は長く形骸化している状態にあった。
我々は敷地のみどりに特別な思いを持つオーナーとその生活の支えになっている農作業と草花や樹木を景観とし、そのライフスタイルをお裾分けしてもらえるような賃貸住宅を作れないかと考え、収納性の劣化から形骸化し物置などの影に隠れていた置き屋根の土蔵に着目した。
1901年築の土蔵の佇まいを頼りに賃貸住宅4戸と農作業小屋が連結された建築を提案。
それぞれのボリュームの間にはみどりのお裾分けを享受できる空間を設えることとした。それはコンサバトリーであり、デッキテラス、ルーフテラスであり、パーゴラであり、それらが一体となったLDKである。
蔵は水廻りを増築しオフィスとして賃貸。敷地内の樹木はおおよそ元のままであり新しい建築がお邪魔した格好になっている。オーナーのプライバシーと住まい手のプライバシーは既存樹木や新設した混ぜ垣によって緩やかに仕切られその気配や育った植物の佇まいを共有することができる。
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古谷デザイン建築設計事務所による、神奈川・川崎市の、集合住宅とオフィス「スイシャハウス・スイシャオフィス」。敷地内に存在した土蔵の佇まいを頼りに、既存樹木のみどりを享受できる空間をもつ建築を設計 photo©山内紀人
古谷デザイン建築設計事務所による、神奈川・川崎市の、集合住宅とオフィス「スイシャハウス・スイシャオフィス」。敷地内に存在した土蔵の佇まいを頼りに、既存樹木のみどりを享受できる空間をもつ建築を設計 左側に見える3つのヴォリュームが「スイシャハウス」。一番右側に位置するのが、既存の土蔵を改修した「スイシャオフィス」。 photo©山内紀人
古谷デザイン建築設計事務所による、神奈川・川崎市の、集合住宅とオフィス「スイシャハウス・スイシャオフィス」。敷地内に存在した土蔵の佇まいを頼りに、既存樹木のみどりを享受できる空間をもつ建築を設計 photo©山内紀人
古谷デザイン建築設計事務所による、神奈川・川崎市の、集合住宅とオフィス「スイシャハウス・スイシャオフィス」。敷地内に存在した土蔵の佇まいを頼りに、既存樹木のみどりを享受できる空間をもつ建築を設計 photo©山内紀人
古谷デザイン建築設計事務所による、神奈川・川崎市の、集合住宅とオフィス「スイシャハウス・スイシャオフィス」。敷地内に存在した土蔵の佇まいを頼りに、既存樹木のみどりを享受できる空間をもつ建築を設計 photo©山内紀人
古谷デザイン建築設計事務所による、神奈川・川崎市の、集合住宅とオフィス「スイシャハウス・スイシャオフィス」。敷地内に存在した土蔵の佇まいを頼りに、既存樹木のみどりを享受できる空間をもつ建築を設計 photo©山内紀人
古谷デザイン建築設計事務所による、神奈川・川崎市の、集合住宅とオフィス「スイシャハウス・スイシャオフィス」。敷地内に存在した土蔵の佇まいを頼りに、既存樹木のみどりを享受できる空間をもつ建築を設計 photo©山内紀人
古谷デザイン建築設計事務所による、神奈川・川崎市の、集合住宅とオフィス「スイシャハウス・スイシャオフィス」。敷地内に存在した土蔵の佇まいを頼りに、既存樹木のみどりを享受できる空間をもつ建築を設計 photo©山内紀人
古谷デザイン建築設計事務所による、神奈川・川崎市の、集合住宅とオフィス「スイシャハウス・スイシャオフィス」。敷地内に存在した土蔵の佇まいを頼りに、既存樹木のみどりを享受できる空間をもつ建築を設計 photo©山内紀人
古谷デザイン建築設計事務所による、神奈川・川崎市の、集合住宅とオフィス「スイシャハウス・スイシャオフィス」。敷地内に存在した土蔵の佇まいを頼りに、既存樹木のみどりを享受できる空間をもつ建築を設計 photo©山内紀人
古谷デザイン建築設計事務所による、神奈川・川崎市の、集合住宅とオフィス「スイシャハウス・スイシャオフィス」。敷地内に存在した土蔵の佇まいを頼りに、既存樹木のみどりを享受できる空間をもつ建築を設計 photo©山内紀人
古谷デザイン建築設計事務所による、神奈川・川崎市の、集合住宅とオフィス「スイシャハウス・スイシャオフィス」。敷地内に存在した土蔵の佇まいを頼りに、既存樹木のみどりを享受できる空間をもつ建築を設計 既存の土蔵を改修した「スイシャオフィス」の外観。 photo©山内紀人
古谷デザイン建築設計事務所による、神奈川・川崎市の、集合住宅とオフィス「スイシャハウス・スイシャオフィス」。敷地内に存在した土蔵の佇まいを頼りに、既存樹木のみどりを享受できる空間をもつ建築を設計 「スイシャオフィス」の内部。 photo©山内紀人
古谷デザイン建築設計事務所による、神奈川・川崎市の、集合住宅とオフィス「スイシャハウス・スイシャオフィス」。敷地内に存在した土蔵の佇まいを頼りに、既存樹木のみどりを享受できる空間をもつ建築を設計 「スイシャオフィス」の内部。 photo©山内紀人
古谷デザイン建築設計事務所による、神奈川・川崎市の、集合住宅とオフィス「スイシャハウス・スイシャオフィス」。敷地内に存在した土蔵の佇まいを頼りに、既存樹木のみどりを享受できる空間をもつ建築を設計 photo©山内紀人
古谷デザイン建築設計事務所による、神奈川・川崎市の、集合住宅とオフィス「スイシャハウス・スイシャオフィス」。敷地内に存在した土蔵の佇まいを頼りに、既存樹木のみどりを享受できる空間をもつ建築を設計 photo©山内紀人
古谷デザイン建築設計事務所による、神奈川・川崎市の、集合住宅とオフィス「スイシャハウス・スイシャオフィス」。敷地内に存在した土蔵の佇まいを頼りに、既存樹木のみどりを享受できる空間をもつ建築を設計 photo©山内紀人
古谷デザイン建築設計事務所による、神奈川・川崎市の、集合住宅とオフィス「スイシャハウス・スイシャオフィス」。敷地内に存在した土蔵の佇まいを頼りに、既存樹木のみどりを享受できる空間をもつ建築を設計 photo©山内紀人
古谷デザイン建築設計事務所による、神奈川・川崎市の、集合住宅とオフィス「スイシャハウス・スイシャオフィス」。敷地内に存在した土蔵の佇まいを頼りに、既存樹木のみどりを享受できる空間をもつ建築を設計 photo©山内紀人
古谷デザイン建築設計事務所による、神奈川・川崎市の、集合住宅とオフィス「スイシャハウス・スイシャオフィス」。敷地内に存在した土蔵の佇まいを頼りに、既存樹木のみどりを享受できる空間をもつ建築を設計 敷地の向かい側に建つ「スイシャソウコ」。既存母屋の軒桁を転用されている。 photo©山内紀人
古谷デザイン建築設計事務所による、神奈川・川崎市の、集合住宅とオフィス「スイシャハウス・スイシャオフィス」。敷地内に存在した土蔵の佇まいを頼りに、既存樹木のみどりを享受できる空間をもつ建築を設計 敷地の向かい側に建つ「スイシャソウコ」。既存母屋の軒桁を転用されている。 photo©山内紀人
古谷デザイン建築設計事務所による、神奈川・川崎市の、集合住宅とオフィス「スイシャハウス・スイシャオフィス」。敷地内に存在した土蔵の佇まいを頼りに、既存樹木のみどりを享受できる空間をもつ建築を設計
古谷デザイン建築設計事務所による、神奈川・川崎市の、集合住宅とオフィス「スイシャハウス・スイシャオフィス」。敷地内に存在した土蔵の佇まいを頼りに、既存樹木のみどりを享受できる空間をもつ建築を設計 image©古谷デザイン建築設計事務所
古谷デザイン建築設計事務所による、神奈川・川崎市の、集合住宅とオフィス「スイシャハウス・スイシャオフィス」。敷地内に存在した土蔵の佇まいを頼りに、既存樹木のみどりを享受できる空間をもつ建築を設計 image©古谷デザイン建築設計事務所
古谷デザイン建築設計事務所による、神奈川・川崎市の、集合住宅とオフィス「スイシャハウス・スイシャオフィス」。敷地内に存在した土蔵の佇まいを頼りに、既存樹木のみどりを享受できる空間をもつ建築を設計 image©古谷デザイン建築設計事務所
古谷デザイン建築設計事務所による、神奈川・川崎市の、集合住宅とオフィス「スイシャハウス・スイシャオフィス」。敷地内に存在した土蔵の佇まいを頼りに、既存樹木のみどりを享受できる空間をもつ建築を設計 image©古谷デザイン建築設計事務所
以下、建築家によるテキストです。
農園の中の暮らし
神奈川県川崎市高津区。平瀬川の左右に展開する農園(生産緑地+宅地)の再編計画である。
農園内には樹齢100年を超える大きな庭園木に囲まれた明治・大正期の母屋と土蔵を中心に農作業小屋や温室などが散在する形であった。土地オーナーは数年前に生産緑地の有効利用のため平家の住まいを新築し、古い母屋と土蔵は長く形骸化している状態にあった。
そんな折、収益物件の建築を柱に農園の再編の依頼を受けた我々はオーナーが趣味で育ていているバラや季節の草花とともに、こだわりの農作物が育てられている景色を目にすることになる。そこには鳥のえさ台がそこかしこにあり、愛猫や愛犬が敷地内を闊歩している幸せな光景があった。
そこで我々は敷地のみどりに特別な思いを持つオーナーとその生活の支えになっている農作業と草花や樹木を景観とし、そのライフスタイルをお裾分けしてもらえるような賃貸住宅を作れないかと考え、収納性の劣化から形骸化し物置などの影に隠れていた置き屋根の土蔵に着目した。
1901年築の土蔵の佇まいを頼りに賃貸住宅4戸と農作業小屋が連結された建築を提案。
それぞれのボリュームの間にはみどりのお裾分けを享受できる空間を設えることとした。それはコンサバトリーであり、デッキテラス、ルーフテラスであり、パーゴラであり、それらが一体となったLDKである。
蔵は水廻りを増築しオフィスとして賃貸。敷地内の樹木はおおよそ元のままであり新しい建築がお邪魔した格好になっている。オーナーのプライバシーと住まい手のプライバシーは既存樹木や新設した混ぜ垣によって緩やかに仕切られその気配や育った植物の佇まいを共有することができる。
土蔵は屋根も土で構成されており、そこへ簡易な木製の傘をかけたような構造(置き屋根)となっていた。現行法規に則った置き屋根の収まりを開発しつの屋根全てに置き屋根工法を採択した。言わずもがな、雨を除ける機能に加えて、その間の空気層が熱気を吹き流し上層部の温熱環境の安定化を狙っている。
外壁には窯業系サイディングメーカーの開発中の材料を採択。セメントの白化現象を適度に引き出し経年変化をする大判の外壁材である。日本の街並みを形成しているといっても過言ではないサイディング材料の可能性を引き出しみどりと共にある緑地と住宅の幸せな形を生み出すモデルケースとなりたいと考えた。
かつてこの地には水車が回り、農村の風景としてシンボル化されていた歴史があったという。灌水や脱穀などの生業を示す水車の回転のようにみどりと建築のリズミカルな景観が時を隔ててそのような存在になれていけるのだとしたら嬉しい。
■建築概要
所在地:神奈川県川崎市高津区
建築設計:古谷デザイン建築設計事務所
構造設計:KAP
設備設計:ZO設計室
施工:株式会社栄港建設
設計期間:2019年12月~2020年7月
施工期間:2020年7月~2021年4月
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■スイシャハウス(新築棟)
主要用途:長屋及び工場(作業所)
敷地面積:872.89㎡
建築面積:236.55㎡
延床面積:365.71㎡(1F/236.55㎡ 2F/129.16㎡)
構造:在来木造
階数:地上2階
敷地条件:準住居 第一種中高層住居専用地域、準防火地域
戸数・ユニット面積:全4戸 64.63㎡/戸
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■スイシャオフィス(蔵改修)
主要用途:事務所
敷地面積:189.94㎡
建築面積:35.14㎡
延床面積:50.59㎡(1F/29.23㎡ 2F/21.36㎡)
構造:在来木造
階数:地上2階
敷地条件:準住居地域・準防火地域
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撮影:山内紀人
建材情報 種別 使用箇所 商品名(メーカー名) 外装・壁 スイシャハウス(新築棟)外壁 窯業系外装材:SOLID ファサード(KMEW )
外装・屋根 スイシャハウス(新築棟)屋根 ガルバリウム鋼板縦ハゼ葺き
内装・床 床 タモ複層フローリング
内装・壁 壁 PBt12.5+ビニルクロス
構造用合板t9
内装・天井 天井 PBt12.5+ビニルクロス
構造用合板t9
外構・床 床 コンクリート刷毛引き仕上
外装・壁 スイシャオフィス(蔵改修) 漆喰塗り[既存部]
窯業系外装材:SOLID ファサード[増築部](KMEW )
外装・屋根 屋根 ガルバリウム鋼板縦ハゼ葺き(既存部)
St-PL-12(増築部)
内装・床 床 墨モルタル+ウレタン塗装
パンチカーペット
内装・壁 壁 既存モルタル塗
内装・天井 天井 既存構造体現し
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