SHARE 今津康夫 / ninkipen!による、大阪・高槻市の二世帯住宅「㐂の家」。施工者自身の住宅であり、その哲学に共振した設計者は構造材に天然乾燥の吉野杉を用い、加工は全て手刻みで行われる
今津康夫 / ninkipen!が設計した、大阪・高槻市の二世帯住宅「㐂の家」です。施工者自身の住宅であり、その哲学に共振した設計者は構造材に天然乾燥の吉野杉を用い、加工は全て手刻みで行われました。
2世帯7人家族が暮らす大工の家である。住まい手自らが棟梁となり叩いた。
線路沿いに拡幅された道路によって台形に切り取られた敷地は住宅街の入口に位置し、弥生時代の遺跡が眠る豊かな公園へと続いている。
特徴的な敷地の折れ点に棟木を合わせて屋根を架け大きく気積を取り、南側の角に下屋を出して1階の床をわずかに拡げた。外壁は1階をモルタル掻き落とし、2階を赤身の吉野杉押縁張の2トーンとして全体のヴォリュームを和らげている。
大工の哲学に共振して構造材は天然乾燥の吉野杉を用い、加工は全て手刻みとした。時間をかけてじっくりと熟成したそれらは深い赤色を帯び、油分を多く含んだ表面は艶やかに光る。
プレカットに頼らない軸組みは寸分狂わず立ち上がり、改めて熟達した職人の技に舌を巻いた。
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以下、建築家によるテキストです。
2世帯7人家族が暮らす大工の家である。住まい手自らが棟梁となり叩いた。
線路沿いに拡幅された道路によって台形に切り取られた敷地は住宅街の入口に位置し、弥生時代の遺跡が眠る豊かな公園へと続いている。
特徴的な敷地の折れ点に棟木を合わせて屋根を架け大きく気積を取り、南側の角に下屋を出して1階の床をわずかに拡げた。外壁は1階をモルタル掻き落とし、2階を赤身の吉野杉押縁張の2トーンとして全体のヴォリュームを和らげている。
大工の哲学に共振して構造材は天然乾燥の吉野杉を用い、加工は全て手刻みとした。時間をかけてじっくりと熟成したそれらは深い赤色を帯び、油分を多く含んだ表面は艶やかに光る。
プレカットに頼らない軸組みは寸分狂わず立ち上がり、改めて熟達した職人の技に舌を巻いた。
トンネル状に設けたポーチから繋がった大きな土間は来客の多い親世帯のサロンスペースとし、階段は2世帯の動線が独立する位置に据えると同時に、その周りに回遊性も生み出している。
子世帯の2階は幼い3人の子どもに合わせて大きなワンルームにとどめ、バッファとしてロフトを浮かべて梯子を掛け将来の子供部屋とした。
先の見えないコロナ禍に生った「7人家族の木の家」は今、未来に向かって「喜び」を紡いでいる。
■建築概要
作品名:㐂の家
用途:住宅
場所:大阪府高槻市
延床面積:129.11m2
意匠設計:今津康夫 Yasuo Imazu / ninkipen!
施工:㐂三郎
構造設計:海野敬亮 Keisuke Unno / 海野構造計画研究所
照明設計:NEW LIGHT POTTERY
植栽:庭づくり三宅
竣工:2021年7月
撮影:河田弘樹 Hiroki Kawata
種別 | 使用箇所 | 商品名(メーカー名) |
---|---|---|
外装・屋根 | 屋根 | ガルバリウム鋼板平葺 |
外装・壁 | 外壁 | 吉野杉押縁張・モルタル掻落 |
内装・床 | 床 | モルタル |
内装・壁 | 壁 | 漆喰 |
内装・天井 | 天井 | 漆喰 |
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