荻逃魚+梶山英幸 / N&C一級建築士事務所が設計した、神奈川・横浜市の住宅改修「2021郊外の住居」です。テレワーク中心の施主の為に郊外木造住宅を改修、既存の内部が暗い構成を構造補強を施した上で間仕切り壁を撤去する事で開放感あるリビングを実現、時代の要求に答える住まいの在り方も意識されました。
クライアントは4人家族。
ご夫婦はともにテレワークを中心とした働き方をしていて、まだ幼い子供と一緒に家で過ごすことが多くなっていた。元々は電車で通勤していたので駅に近い集合住宅に住んでいたが、働き方の変化や子供の成長に合わせて駅から少し離れた郊外に、広さにゆとりのある既存の木造住宅を購入し、改築するという選択をした。
敷地は、東・南・北の3方が車道や遊歩道になっていて、光がよく入り、風通しもよい環境である。ただ、既存建物は日本家屋のような設えで、壁や襖によりいくつもの部屋に仕切られていたため、家の内部は暗くなりがちだった。
そのため改築においては、リビングと和室を仕切る耐力壁を適切な補強を施したうえで撤去し、開放感のある新たなリビングとした。分割されていた部屋を1つの大きい空間にすることで、それぞれの部屋にあった窓が不規則に1つの空間の中に出現してくることが懸念であったが、カーテンを壁と同化させることで窓の存在感を消し、空間の統一性を図った。
都市において住宅の購入を考えた場合、駅に近い便利な場所に家を購入することは、通勤などの利便性はよいものの価格や広さといった部分に課題が生じることが多い。ましてや、駅近の土地を購入し、設計事務所に依頼して注文住宅を建てることは一般的にはハードルが高いといえるだろう。それを考えると、郊外の中古住宅を自分好みに改築するというのは時代のニーズを捉えている。
以下の写真はクリックで拡大します
改築前写真
以下の写真はクリックで拡大します
以下、建築家によるテキストです。
クライアントは4人家族。
ご夫婦はともにテレワークを中心とした働き方をしていて、まだ幼い子供と一緒に家で過ごすことが多くなっていた。元々は電車で通勤していたので駅に近い集合住宅に住んでいたが、働き方の変化や子供の成長に合わせて駅から少し離れた郊外に、広さにゆとりのある既存の木造住宅を購入し、改築するという選択をした。
敷地は、東・南・北の3方が車道や遊歩道になっていて、光がよく入り、風通しもよい環境である。ただ、既存建物は日本家屋のような設えで、壁や襖によりいくつもの部屋に仕切られていたため、家の内部は暗くなりがちだった。
そのため改築においては、リビングと和室を仕切る耐力壁を適切な補強を施したうえで撤去し、開放感のある新たなリビングとした。
分割されていた部屋を1つの大きい空間にすることで、それぞれの部屋にあった窓が不規則に1つの空間の中に出現してくることが懸念であったが、カーテンを壁と同化させることで窓の存在感を消し、空間の統一性を図った。
都市において住宅の購入を考えた場合、駅に近い便利な場所に家を購入することは、通勤などの利便性はよいものの価格や広さといった部分に課題が生じることが多い。ましてや、駅近の土地を購入し、設計事務所に依頼して注文住宅を建てることは一般的にはハードルが高いといえるだろう。それを考えると、郊外の中古住宅を自分好みに改築するというのは時代のニーズを捉えている。
テレワークの導入による働き方の変化や、住居が住むだけでなく、働く場所としても役割を果たす時代において、この「2021郊外の住居」はクライアントにとって理想的な住まいになったのではないかと思う。
■建築概要
計画地:神奈川県横浜市
種別:リノベーション
用途:専用住宅
規模:木造 2階建て
設計監理:N&C一級建築士事務所 荻逃魚、梶山英幸
施工担当:サブチャーター 音道修二
カーテン:fabricscape
塗装:本橋塗装店 芹澤裕樹
床暖房:ウォーミングパン 高橋悠
延べ床面積:43.3坪
竣工時期:2021年5月
写真撮影:exp 塩谷淳