SHARE 今津康夫 / ninkipen!による、兵庫・神戸市の住戸改修「∠六甲」。安藤忠雄の“六甲の集合住宅III”の住戸を改修する計画。恵まれた眺望を活かす事を求めて、風景に意識を向ける役割も担う“掛込天井”やキッチン等の配置を考案。既存RC壁を象徴として捉え現し仕上げも採用
今津康夫 / ninkipen!が設計した、兵庫・神戸市の住戸改修「∠六甲」。
安藤忠雄が設計した“六甲の集合住宅III”の住戸を改修する計画です。建築家は、恵まれた眺望を活かす事を求めて、風景に意識を向ける役割も担う“掛込天井”やキッチン等の配置を考案しました。また、既存RC壁を象徴として捉え現し仕上げも採用しました。
安藤忠雄による「六甲の集合住宅III」の一室リノベーションである。
神戸市東部に位置する六甲の街は神戸港から六甲山まで南北に広がり、古くから外国人向けの居留地が開発されて今も成熟した住宅地として発展している。とりわけ六甲山の麓にあたるこの場所は、南下りの斜面と用途地域の境界線が海までの眺望を可能とし、晴れた日には遠くに大阪湾までを望む。
リビングの天井は、その斜面と呼応するように角度を持った掛込天井とすることで、風景に意識を向けるのと同時に柔らかい光を奥へと導く。3本が平行に並ぶキッチンカウンターとソファーベンチも眺望への矢印の役割を果たす。
戸境のコンクリート壁はジャンカや地墨も残り外壁のそれとは大きく表情が異なるが、当時の手仕事による質感と痕跡を認め、この住宅の象徴としてそのまま現しとした。
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以下、建築家によるテキストです。
安藤忠雄による「六甲の集合住宅III」の一室リノベーションである。
神戸市東部に位置する六甲の街は神戸港から六甲山まで南北に広がり、古くから外国人向けの居留地が開発されて今も成熟した住宅地として発展している。とりわけ六甲山の麓にあたるこの場所は、南下りの斜面と用途地域の境界線が海までの眺望を可能とし、晴れた日には遠くに大阪湾までを望む。
リビングの天井は、その斜面と呼応するように角度を持った掛込天井とすることで、風景に意識を向けるのと同時に柔らかい光を奥へと導く。3本が平行に並ぶキッチンカウンターとソファーベンチも眺望への矢印の役割を果たす。
戸境のコンクリート壁はジャンカや地墨も残り外壁のそれとは大きく表情が異なるが、当時の手仕事による質感と痕跡を認め、この住宅の象徴としてそのまま現しとした。
コロナ禍を映してワークスペースを2箇所必要としたが、使い勝手だけでなく周囲との関係性を慎重にはかった。
竣工から40年を迎える一連の六甲の集合住宅は、今も変わることなく神戸の風景を見つめ続けている。
■建築概要
作品名:∠六甲
場所:神戸市
設計:今津康夫 Yasuo Imazu / ninkipen!
施工:中野工務店
用途:住宅
延床面積:78.86m2
竣工:2022年4月
撮影:河田弘樹 Hiroki Kawata
種別 | 使用箇所 | 商品名(メーカー名) |
---|---|---|
内装・床 | 床 | オーク複合フローリング |
内装・壁 | 壁 | 漆喰 |
内装・天井 | 天井 | 漆喰 |
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