子浦中 / シオ建築設計事務所による、東京・新宿区の集合住宅「Kicka」。建物が入れ替わり始めた木密地域に計画。収益性と威圧感解消の両立を目指し、ヴォリュームの分節と一部セットバックで視覚的な大きさを軽減。雁行した平面の素材を切り替えて街に対する明るい表情も作る南側前面道路から建物を見る。ジョリパットとタイルの外壁が交互に繰り返すことで街に表情を作る。 photo©淺川敏
子浦中 / シオ建築設計事務所による、東京・新宿区の集合住宅「Kicka」。建物が入れ替わり始めた木密地域に計画。収益性と威圧感解消の両立を目指し、ヴォリュームの分節と一部セットバックで視覚的な大きさを軽減。雁行した平面の素材を切り替えて街に対する明るい表情も作る東側外観。ジョリパットとタイルの外壁が交互に繰り返し、庇が水平ラインを強調するファサードを作る。 photo©淺川敏
子浦中 / シオ建築設計事務所による、東京・新宿区の集合住宅「Kicka」。建物が入れ替わり始めた木密地域に計画。収益性と威圧感解消の両立を目指し、ヴォリュームの分節と一部セットバックで視覚的な大きさを軽減。雁行した平面の素材を切り替えて街に対する明るい表情も作る301号室LDK。外観の雁行している形状がわかる。 photo©淺川敏
子浦中 / シオ建築設計事務所が設計した、東京・新宿区の集合住宅「Kicka」です。
建物が入れ替わり始めた木密地域に計画されました。建築家は、収益性と威圧感解消の両立を目指し、ヴォリュームの分節と一部セットバックで視覚的な大きさを軽減しました。また、雁行した平面の素材を切り替えて街に対する明るい表情も作る事も意図されました。
たくさんの集合住宅がある東京には、昭和から残る木造密集地がまだあり、古くからの人が住んでいる。これらは道路幅員2m程度の場所に、古い木造住宅と少し傾いた古いブロック塀が建っており薄暗く少し怖い。今回、このような木造密集地でありながら少しずつ建物が入れ替わり始めた環境に、賃貸用の集合住宅を作る計画である。
集合住宅は、収益性から最大ヴォリュームを求められるが木造密集地には大きく、威圧感がある。これらを解消するために外観は、前面道路から建物をセットバックをすること、建物が大きく見えないようにヴォリュームを大きく二つに分節すること、3Fの外壁面をセットバックすることとした。
その上で平面を雁行させることで、ファサード面のタイルと左官の仕上が交互に繰り返し、ブロック塀が道路境界ギリギリまで迫る街に表情と変化を与える。建物がセットバックすることで太陽光が入るようになり、薄暗い街が明るくなる。
以下の写真はクリックで拡大します
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子浦中 / シオ建築設計事務所による、東京・新宿区の集合住宅「Kicka」。建物が入れ替わり始めた木密地域に計画。収益性と威圧感解消の両立を目指し、ヴォリュームの分節と一部セットバックで視覚的な大きさを軽減。雁行した平面の素材を切り替えて街に対する明るい表情も作る南側前面道路から建物を見る。ジョリパットとタイルの外壁が交互に繰り返すことで街に表情を作る。 photo©淺川敏
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子浦中 / シオ建築設計事務所による、東京・新宿区の集合住宅「Kicka」。建物が入れ替わり始めた木密地域に計画。収益性と威圧感解消の両立を目指し、ヴォリュームの分節と一部セットバックで視覚的な大きさを軽減。雁行した平面の素材を切り替えて街に対する明るい表情も作る東側外観。ジョリパットとタイルの外壁が交互に繰り返し、庇が水平ラインを強調するファサードを作る。 photo©淺川敏
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子浦中 / シオ建築設計事務所による、東京・新宿区の集合住宅「Kicka」。建物が入れ替わり始めた木密地域に計画。収益性と威圧感解消の両立を目指し、ヴォリュームの分節と一部セットバックで視覚的な大きさを軽減。雁行した平面の素材を切り替えて街に対する明るい表情も作る建物が雁行しタイルとジョリパットの仕上げが繰り返すのがわかる。 photo©淺川敏
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子浦中 / シオ建築設計事務所による、東京・新宿区の集合住宅「Kicka」。建物が入れ替わり始めた木密地域に計画。収益性と威圧感解消の両立を目指し、ヴォリュームの分節と一部セットバックで視覚的な大きさを軽減。雁行した平面の素材を切り替えて街に対する明るい表情も作る東側見上げ。 photo©淺川敏
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子浦中 / シオ建築設計事務所による、東京・新宿区の集合住宅「Kicka」。建物が入れ替わり始めた木密地域に計画。収益性と威圧感解消の両立を目指し、ヴォリュームの分節と一部セットバックで視覚的な大きさを軽減。雁行した平面の素材を切り替えて街に対する明るい表情も作る photo©淺川敏
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子浦中 / シオ建築設計事務所による、東京・新宿区の集合住宅「Kicka」。建物が入れ替わり始めた木密地域に計画。収益性と威圧感解消の両立を目指し、ヴォリュームの分節と一部セットバックで視覚的な大きさを軽減。雁行した平面の素材を切り替えて街に対する明るい表情も作る前面道路北側から館名板付近を見る。 photo©淺川敏
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子浦中 / シオ建築設計事務所による、東京・新宿区の集合住宅「Kicka」。建物が入れ替わり始めた木密地域に計画。収益性と威圧感解消の両立を目指し、ヴォリュームの分節と一部セットバックで視覚的な大きさを軽減。雁行した平面の素材を切り替えて街に対する明るい表情も作る銅板鎚目仕上の館名板。 photo©淺川敏
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子浦中 / シオ建築設計事務所による、東京・新宿区の集合住宅「Kicka」。建物が入れ替わり始めた木密地域に計画。収益性と威圧感解消の両立を目指し、ヴォリュームの分節と一部セットバックで視覚的な大きさを軽減。雁行した平面の素材を切り替えて街に対する明るい表情も作る101号室入口から室内を見る。土間スペースはバイクや自転車を保管できるだけでなく、SOHOスペースとしても使える。 photo©淺川敏
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子浦中 / シオ建築設計事務所による、東京・新宿区の集合住宅「Kicka」。建物が入れ替わり始めた木密地域に計画。収益性と威圧感解消の両立を目指し、ヴォリュームの分節と一部セットバックで視覚的な大きさを軽減。雁行した平面の素材を切り替えて街に対する明るい表情も作る101号室室内。フレンチヘリンボーンのフローリングと折上天井が特徴的な室内。 photo©淺川敏
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子浦中 / シオ建築設計事務所による、東京・新宿区の集合住宅「Kicka」。建物が入れ替わり始めた木密地域に計画。収益性と威圧感解消の両立を目指し、ヴォリュームの分節と一部セットバックで視覚的な大きさを軽減。雁行した平面の素材を切り替えて街に対する明るい表情も作る102号室。隣地のエアコン室外機と疲れたブロック塀は、都心の木造密集地ならではの景色である。 photo©淺川敏
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子浦中 / シオ建築設計事務所による、東京・新宿区の集合住宅「Kicka」。建物が入れ替わり始めた木密地域に計画。収益性と威圧感解消の両立を目指し、ヴォリュームの分節と一部セットバックで視覚的な大きさを軽減。雁行した平面の素材を切り替えて街に対する明るい表情も作る103号室。西側に専用庭を明るい室内。103号室は共同住宅に珍しい3面採光の部屋である。 photo©淺川敏
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子浦中 / シオ建築設計事務所による、東京・新宿区の集合住宅「Kicka」。建物が入れ替わり始めた木密地域に計画。収益性と威圧感解消の両立を目指し、ヴォリュームの分節と一部セットバックで視覚的な大きさを軽減。雁行した平面の素材を切り替えて街に対する明るい表情も作る202号室。全ての部屋が南向き採光で、基本的な内装は変わらない。 photo©淺川敏
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子浦中 / シオ建築設計事務所による、東京・新宿区の集合住宅「Kicka」。建物が入れ替わり始めた木密地域に計画。収益性と威圧感解消の両立を目指し、ヴォリュームの分節と一部セットバックで視覚的な大きさを軽減。雁行した平面の素材を切り替えて街に対する明るい表情も作る301号室LDK。外観の雁行している形状がわかる。 photo©淺川敏
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子浦中 / シオ建築設計事務所による、東京・新宿区の集合住宅「Kicka」。建物が入れ替わり始めた木密地域に計画。収益性と威圧感解消の両立を目指し、ヴォリュームの分節と一部セットバックで視覚的な大きさを軽減。雁行した平面の素材を切り替えて街に対する明るい表情も作る301号室寝室。2面開口で、広いバルコニーの寝室。 photo©淺川敏
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子浦中 / シオ建築設計事務所による、東京・新宿区の集合住宅「Kicka」。建物が入れ替わり始めた木密地域に計画。収益性と威圧感解消の両立を目指し、ヴォリュームの分節と一部セットバックで視覚的な大きさを軽減。雁行した平面の素材を切り替えて街に対する明るい表情も作る302号室LD。長方形形状の使いやすく明るいリビングダイニング。右側開口の先には独立キッチンがある。 photo©淺川敏
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子浦中 / シオ建築設計事務所による、東京・新宿区の集合住宅「Kicka」。建物が入れ替わり始めた木密地域に計画。収益性と威圧感解消の両立を目指し、ヴォリュームの分節と一部セットバックで視覚的な大きさを軽減。雁行した平面の素材を切り替えて街に対する明るい表情も作る特徴的な床材。廊下チーク無垢のフローリングから居室内パーケットフローリングへの切替え。 photo©淺川敏
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子浦中 / シオ建築設計事務所による、東京・新宿区の集合住宅「Kicka」。建物が入れ替わり始めた木密地域に計画。収益性と威圧感解消の両立を目指し、ヴォリュームの分節と一部セットバックで視覚的な大きさを軽減。雁行した平面の素材を切り替えて街に対する明るい表情も作るメラミン仕上の木製建具。王手には面材より濃色を用いている。 photo©淺川敏
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子浦中 / シオ建築設計事務所による、東京・新宿区の集合住宅「Kicka」。建物が入れ替わり始めた木密地域に計画。収益性と威圧感解消の両立を目指し、ヴォリュームの分節と一部セットバックで視覚的な大きさを軽減。雁行した平面の素材を切り替えて街に対する明るい表情も作る image©シオ建築設計事務所
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子浦中 / シオ建築設計事務所による、東京・新宿区の集合住宅「Kicka」。建物が入れ替わり始めた木密地域に計画。収益性と威圧感解消の両立を目指し、ヴォリュームの分節と一部セットバックで視覚的な大きさを軽減。雁行した平面の素材を切り替えて街に対する明るい表情も作る image©シオ建築設計事務所
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子浦中 / シオ建築設計事務所による、東京・新宿区の集合住宅「Kicka」。建物が入れ替わり始めた木密地域に計画。収益性と威圧感解消の両立を目指し、ヴォリュームの分節と一部セットバックで視覚的な大きさを軽減。雁行した平面の素材を切り替えて街に対する明るい表情も作る image©シオ建築設計事務所
以下、建築家によるテキストです。
街に顔を作る
賃貸の集合住宅は、地方から出てきた大学生が大学の近くに、結婚してすぐの夫婦が家を購入するまで、単身赴任のサラリーマンが一時的に住む、仮住まいのようなものである。そのため住まいを決めるとき、賃貸だからといった妥協が建物にも街にもある。
たくさんの集合住宅がある東京には、昭和から残る木造密集地がまだあり、古くからの人が住んでいる。これらは道路幅員2m程度の場所に、古い木造住宅と少し傾いた古いブロック塀が建っており薄暗く少し怖い。今回、このような木造密集地でありながら少しずつ建物が入れ替わり始めた環境に、賃貸用の集合住宅を作る計画である。
集合住宅は、収益性から最大ヴォリュームを求められるが木造密集地には大きく、威圧感がある。これらを解消するために外観は、前面道路から建物をセットバックをすること、建物が大きく見えないようにヴォリュームを大きく二つに分節すること、3Fの外壁面をセットバックすることとした。
その上で平面を雁行させることで、ファサード面のタイルと左官の仕上が交互に繰り返し、ブロック塀が道路境界ギリギリまで迫る街に表情と変化を与える。建物がセットバックすることで太陽光が入るようになり、薄暗い街が明るくなる。
内装は、集合住宅ではあまり使わない角を丸めた無垢の木の枠や、フローリングなど経年劣化を楽しめる素材を採用した。また、居住性を上げるために折上天井や高い天井、通風や採光のために各住戸二面以上の開口部を作った。これらは、入居者が建物に愛着を持って長く住んでもらえるようにするためである。
木造密集地に新しい建物が建つことで、道路は広くなり植物が植えられ、日が入り、街が新しくなっていく。入居者が新しく生活を始める街で、古くから住んでいる人も含めて街や建物に愛着を持て、長く住みたくなるような建物を目指した。
■建築概要
所在地:東京都新宿区
用途:共同住宅
設計監理:シオ建築設計事務所
構造設計:木村佳央建築構造設計室
照明設計:杉尾篤照明設計事務所
施工:山田建設株式会社
敷地面積:170.56㎡
建築面積:100.66㎡
延床面積:275.47㎡
竣工::2020年8月
設計期間:2018年3月~2019年9月
工事期間:2019年11月~2020年8月
撮影:淺川敏