片田友樹 / micelleによる、群馬の住宅「ARI」。住居と農地が混在する敷地に計画。施工業に携わる施主の技術に注目し、住み手と環境をシンプルに規定する“原初的”な建築を志向。感覚に従って環境を変えられる“可変性”も建具等で導入 photo©Lemmart
片田友樹 / micelleによる、群馬の住宅「ARI」。住居と農地が混在する敷地に計画。施工業に携わる施主の技術に注目し、住み手と環境をシンプルに規定する“原初的”な建築を志向。感覚に従って環境を変えられる“可変性”も建具等で導入 photo©Lemmart
片田友樹 / micelleによる、群馬の住宅「ARI」。住居と農地が混在する敷地に計画。施工業に携わる施主の技術に注目し、住み手と環境をシンプルに規定する“原初的”な建築を志向。感覚に従って環境を変えられる“可変性”も建具等で導入 photo©Lemmart
片田友樹 / micelle が設計した、群馬の住宅「ARI」です。
住居と農地が混在する敷地に計画されました。建築家は、施工業に携わる施主の技術に注目し、住み手と環境をシンプルに規定する“原初的”な建築を志向しました。そして、感覚に従って環境を変えられる“可変性”も建具等で導入しました。
夫婦と3人の子供たちのための住居。
敷地は比較的温暖だが夏と冬の気候が大きく変わる関東平野の北端にある。スプロールの周縁に位置するため、住居と農地が入り組んだコントラストの強い「日本の郊外」独特の風景が特徴的であった。
建主は施工業に従事しており、ライフサイクルにおける変化をその都度解決できる方であったこともあり、住まい手と環境との関係をシンプルに規定し、ローテクでありながら室内環境を自らの感覚に従って大きく変化する原初的な環境をつくり、室内は可動可変なものとすることを考えた。
屋根を透明のFRPに、天井と壁を不透明の開閉式とすることで、雨・日射・風等様々な外的要因のうち、屋根に雨仕舞いと気密を、大きな小屋裏に熱環境や光環境の調整を担わせ、外的環境を遮断ではなく、取り込んで利用できるようにした。
環境調整を担うことになった天井は、梁のグリッドごとに開閉できる扉へと変更し、開閉機構にて4エリアを選択的に開閉できる。採光から解放された壁面は、跳ね上げる不透明な扉へと変更し、雨の激しい時期に深い庇として機能する。同時に、「窓」という要素が無くなったため、プライバシーや開放感を得るために大きな開口部を作る必要がなく、真に自由な平面を得られた。
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片田友樹 / micelleによる、群馬の住宅「ARI」。住居と農地が混在する敷地に計画。施工業に携わる施主の技術に注目し、住み手と環境をシンプルに規定する“原初的”な建築を志向。感覚に従って環境を変えられる“可変性”も建具等で導入 photo©Lemmart
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片田友樹 / micelleによる、群馬の住宅「ARI」。住居と農地が混在する敷地に計画。施工業に携わる施主の技術に注目し、住み手と環境をシンプルに規定する“原初的”な建築を志向。感覚に従って環境を変えられる“可変性”も建具等で導入 photo©Lemmart
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片田友樹 / micelleによる、群馬の住宅「ARI」。住居と農地が混在する敷地に計画。施工業に携わる施主の技術に注目し、住み手と環境をシンプルに規定する“原初的”な建築を志向。感覚に従って環境を変えられる“可変性”も建具等で導入 photo©Lemmart
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片田友樹 / micelleによる、群馬の住宅「ARI」。住居と農地が混在する敷地に計画。施工業に携わる施主の技術に注目し、住み手と環境をシンプルに規定する“原初的”な建築を志向。感覚に従って環境を変えられる“可変性”も建具等で導入 image©micelle
以下、建築家によるテキストです。
夫婦と3人の子供たちのための住居。
敷地は比較的温暖だが夏と冬の気候が大きく変わる関東平野の北端にある。スプロールの周縁に位置するため、住居と農地が入り組んだコントラストの強い「日本の郊外」独特の風景が特徴的であった。
建主は施工業に従事しており、ライフサイクルにおける変化をその都度解決できる方であったこともあり、住まい手と環境との関係をシンプルに規定し、ローテクでありながら室内環境を自らの感覚に従って大きく変化する原初的な環境をつくり、室内は可動可変なものとすることを考えた。
まずは、環境を選択的に取り込むため、住宅の外皮に必要とされる諸機能を捉え直した。雨仕舞いのための勾配と夏の深い庇、室内への採光のための大きい開口部、そして適切な天井高さを得つつ、農地と都市の境界に立地するというコンテクストにも適した寄棟とした。
屋根を透明のFRPに、天井と壁を不透明の開閉式とすることで、雨・日射・風等様々な外的要因のうち、屋根に雨仕舞いと気密を、大きな小屋裏に熱環境や光環境の調整を担わせ、外的環境を遮断ではなく、取り込んで利用できるようにした。
環境調整を担うことになった天井は、梁のグリッドごとに開閉できる扉へと変更し、開閉機構にて4エリアを選択的に開閉できる。採光から解放された壁面は、跳ね上げる不透明な扉へと変更し、雨の激しい時期に深い庇として機能する。同時に、「窓」という要素が無くなったため、プライバシーや開放感を得るために大きな開口部を作る必要がなく、真に自由な平面を得られた。
遠目にはその形状から日本の民家を連想させるが、近づくにつれ屋根面の透明さによって透明の波板・木の小屋組・無骨な金属のボックスという素材に即した具体的なパーツの集まりとして認識されるため、大きな屋根にどうしても生じてしまう権威性が感じられない。「可愛らしい家形」という抽象的なイメージと「無骨なボックスの上に傘のようにかかる屋根」という具象的なイメージ等の異なるイメージが重なり、抽象とも具象とも言えない佇まいを得られた。
この建築は非常に発展した日本のプレカットと温室等の既製品を、それぞれ本来と少しずつ違う使い方で組み上げていくことで作られている。特殊で高価な設備を導入するのではなく、外皮の諸機能を捉え直し、忘れ去られていた小屋裏空間を「環境」を調整するためだけの何もない空間のまま、この住宅の心臓部としたことで、「普通の家」がスペック値以上のたたずまいや付加性能を得られたことに意味がある。
環境を自らの意思と動きで変化させていく身体性と、建てることが結びついた姿は、住まいとしての本質的な姿だと感じている。
■建築概要
場所:群馬県
設計:micelle ltd. / katada tomoki
施工:TANK
延べ床面積:159m2
期間:2015年3月~2017年11月
撮影:Lemmart