ODS / 鬼木孝一郎が設計した、神奈川・横浜市の「Ambientec GALLERY」です。
ポータブルライトを扱う企業のショールームです。建築家は、全製品が展示でき配置変更もできる空間の要望に、“モジュール化”した部品を用いて“多様に組替可能な”什器を考案しました。そして、光の干渉も防ぎ製品の魅力を“正確”に見せます。店舗の公式ページはこちら。
高品質なポータブル照明器具を取り扱う「Ambientec」のギャラリーのデザイン。
それぞれに個性があり、異なる光りかたをするAmbientecの商品を、限られた面積の中で全点数展示し、将来的なレイアウトの変更にも対応できる空間が求められた。
その方法として、モジュール化されたパーツを使って多様な組み替えができる什器を提案。
フレームと薄い白い板で構成した什器は、組み方によって大きさを変えたり、壁面棚や平台へと形を変えることができる仕組みとなっている。
フレームとなるパーツは16mmのスチール角パイプをカットし、精度の高い溶接技術を用いて形状の異なる4種類を製作。しっかりと固定しながらも組み替えが容易にできるように、フレームパーツ同士の接合には電気機器などのプロダクトに使われる耐摩耗性に優れたエンジニアリング・プラスチックを採用した。
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以下、建築家によるテキストです。
高品質なポータブル照明器具を取り扱う「Ambientec」のギャラリーのデザイン。
それぞれに個性があり、異なる光りかたをするAmbientecの商品を、限られた面積の中で全点数展示し、将来的なレイアウトの変更にも対応できる空間が求められた。
その方法として、モジュール化されたパーツを使って多様な組み替えができる什器を提案。
フレームと薄い白い板で構成した什器は、組み方によって大きさを変えたり、壁面棚や平台へと形を変えることができる仕組みとなっている。
フレームとなるパーツは16mmのスチール角パイプをカットし、精度の高い溶接技術を用いて形状の異なる4種類を製作。しっかりと固定しながらも組み替えが容易にできるように、フレームパーツ同士の接合には電気機器などのプロダクトに使われる耐摩耗性に優れたエンジニアリング・プラスチックを採用した。
フレームを組み立てた後に、アルミ製の白い板をねじ止めすることで棚は完成し、板同士の間にできる隙間は商品を充電させるために必要な電気コードの配線スペースとなる。平台は、フレームパーツを組んで作られた脚の上からアルミ製のボックスを被せて出来上がる。
今回、什器の詳細設計はAmbientecの技術者と共同して行った。精密なプロダクトの設計を行なっている方々の経験と知識を借り、素材や工法を取り入れることで、高い精度が要求される什器の製作が実現した。
光が干渉し合わないように商品1点1点を白い板(リフレクター)で囲ってできたこの什器は、Ambientecの商品の魅力を正確に見せる「標本箱」となることを目指してデザインしたものとなっている。
■建築概要
名称:Ambientec GALLERY
所在地:神奈川県横浜市神奈川区金港町2-1パークタワー横濱ポートサイド2F
用途:ショールーム、オフィス
設計:ODS / 鬼木孝一郎、加藤葉月
計画面積:142.60㎡
竣工:2023年2月
写真:太田拓実