architecturephoto®

  • 特集記事
  • 注目情報
  • タグ
  • 建築
  • アート
  • カルチャー
  • デザイン
  • ファッション
  • 動画
  • 展覧会
  • コンペ
  • 書籍
  • 建築求人
  • すべてのタグ

建築求人情報

Loading...
2026.5.12Tue
2026.5.11Mon
【ap編集長の建築探索】vol.019 GROUP「SHIBUYA PARCO 2F POP UP SPACE CRACK」

SHARE 【ap編集長の建築探索】vol.019 GROUP「SHIBUYA PARCO 2F POP UP SPACE CRACK」

architecture|feature
ap編集長の建築探索GROUP店舗東京渋谷区論考
【ap編集長の建築探索】vol.019 GROUP「SHIBUYA PARCO 2F POP UP SPACE CRACK」 photo©rem goto

「ap編集長の建築探索」は、23年の歴史ある建築ウェブメディア「アーキテクチャーフォト」の編集長である後藤連平が、訪問した建築を紹介する連載シリーズです。論考のようなかっちりとした形式ではなく、現地で感じた雰囲気や空気感が伝わるような“ライブ感”のある文体で綴ります。読者の皆様も自身が建築を体験するように読んでいただければ幸いです。


GROUP「SHIBUYA PARCO 2F POP UP SPACE CRACK」

TEXT:後藤連平

 
先日、GROUPが内装を手掛けた、渋谷PARCO2階にあるポップアップスペースを拝見した。

見たといっても、訪問した時には、実際にはポップアップスペースは設営作業中で衝立で覆われており、見ることができたのは、空間上部に設えられている「廻り縁」のみ。でも、この廻り縁を見たときに「ああ、これは建築家の仕事だなあ」と深く思わされた。

僕自身、この建築メディアを仕事にする前には、住宅の設計などにも携わっていたのだけど、「廻り縁」の扱いについて考えることはあったが、正直このようなアプローチは思いつきもしなかったし、この廻り縁を見たときに、当たり前(慣習と言っても良い)の一歩手前に立ち返って、設計されているなと強く感じた。

恐らく、多目的に使われるスペースの為、空間全体に対して大きな特徴やデザインを与えることは難しいし求められてもいないだろう。そのような与件の中で、空間の雰囲気に影響を与え、空間を定義する要素として廻り縁に目を付け、既成の廻り縁の概念の外から思考して、生み出されたのが、この金属パイプを用いた廻り縁なのだと思った。

以下の写真はクリックで拡大します

【ap編集長の建築探索】vol.019 GROUP「SHIBUYA PARCO 2F POP UP SPACE CRACK」 photo©rem goto

断面の空洞を敢えて見せるディテールも素材の種明かしをするようなチャーミングさもあり、建築家の思考を想像させられる。面白い。

また、建築家の岸和郎が設計した初期代表作のひとつである「下鴨の家」で、側面に用いられている成形セメント板が敢えてその小口の穴を見せるデザインになってることも思い出させてくれた。(参照しているかは不明だが、そういう想像力を喚起させるかどうか、ということも「建築」を世に提示するという意味では重要だと考えている)

このような感じで、実際に見られたのは廻り縁だけだったものの、大いに建築的刺激を受けたのでした。

以下の写真はクリックで拡大します

【ap編集長の建築探索】vol.019 GROUP「SHIBUYA PARCO 2F POP UP SPACE CRACK」 photo©rem goto

最初に書いた内容に戻るのだけれど、冒頭で書いた「あたり前の一歩手前に立ち返って考える」を、筆者は、建築をつくるときの非常に重要な視点だと考えている。

建物を「建築作品」として世に提示するということは、そこに何らかの新規性があり、建築の歴史を一歩先に進めているということを提示することだと思う。つまり論文のようなもの。(論文は、既往研究をまとめ、その先にある新規性を証明するものだ)

様々な建築経験を積む中で、そのような建築をつくるときにキーとなるのは「如何に、慣習の一歩手前に立ち返って考えられるか」であると考えるようになった。

本作品は、そんな自身の建築への価値観も思い出させてくれる作品でした。

お施主さん、GROUPの皆さん、ご竣工おめでとうございます!

(訪問日:2026年3月26日)


後藤連平(ごとう れんぺい)
アーキテクチャーフォト編集長
1979年、静岡県磐田市生まれ。2002年京都工芸繊維大学卒業、2004年同大学大学院修了。組織設計事務所と小規模設計事務所で実務を経験した後に、アーキテクチャーフォト株式会社を設立。23年にわたり建築情報の発信を続けており、現在は、建築と社会の関係を視覚化するウェブメディア「アーキテクチャーフォト」の運営をメインに活動。著書に『建築家のためのウェブ発信講義』(学芸出版社)など。


  • GROUPのウェブサイト
  • 「ap編集長の建築探索」のアーカイブはこちらから

あわせて読みたい

【ap編集長の建築探索】vol.012 i+i 設計事務所「代沢K邸」
  • SHARE
ap編集長の建築探索GROUP店舗東京渋谷区論考
2026.05.12 Tue 06:52
0
permalink

#GROUPの関連記事

  • 2026.4.22Wed
    建築家8組による新作模型の展覧会「波板と珊瑚礁 ‐ 建築を遠くに投げる八の実践」をレポート。WHAT MUSEUMで開催。ALTEMY、Office Yuasa、ガラージュ、GROUP、DOMINO ARCHITECTS、畠山鉄生+吉野太基+アーキペラゴアーキテクツスタジオ、平野利樹、RUI Architectsが出展
  • 2025.7.21Mon
    GROUPによる、山梨・北杜市の住宅「道具と広い庭」。自然豊かな環境の“広い庭”のある敷地。居場所作りの為に“手入れ”が必要な状況に着目し、人ではなく“道具”を中心とする建築を志向。同形の5部屋が並ぶ構成として其々に用途の異なる道具の収納場所を用意する
  • 2024.6.28Fri
    GROUPによる、建築展「島をつくる」。都心のビルの22階にあるアートスペースでの展覧会。窓から廃棄物処理の“埋立地 / 島”が見える空間に、“島をつくる”建築を移設。会場内で廃材をコンポストして土をつくり“新しい島”の創造を試みる
  • 2023.10.10Tue
    川勝真一のキュレーションで、日本建築学会が主催する建築展「繕いの営み / 営みの繕い」。補修や手入れ等の“つくろい”に建築的意味を見出す展示。アリソン理恵・伊藤孝仁・GROUP・木村俊介・辻琢磨・山本周+小林栄範・渡邉竜一が出展
  • 2023.6.14Wed
    GROUPによる、東京・中野区の「三岸アトリエの手入れ」。20世紀初頭竣工の山脇巌の木造モダニズム建築を改修。様々な箇所の応急処置的補修を改善すべく、資料から原型を想定した上で現在の環境にも適合する意匠を探求。自ら建築に触れて判断する“手入れ”の態度で行う
  • 2022.12.06Tue
    日本の現代建築を特集した、スイス建築博物館での建築展「Make Do With Now:日本の建築の新たな方向性」。博物館所属の篠原祐馬のキュレーションで24組が参加。日本建築の特徴として海外で認知された“クリーン”とは対照的な“創造的に‘やりくり’する”建築的アプローチに注目。会場構成は関祐介が担当
  • 2021.11.30Tue
    GROUP+清原惟+三野新による、神奈川の「海老名のアトリエ付きシェアハウス」。メーカーが建設した集合住宅の改修の依頼に、設計者が実際にそこに住み“生活の痕跡”を見つけ“形”に再構築することで、その新しい関係性により建築が更に変化する発端となることを構想
  • 2021.11.15Mon
    建築コレクティブGROUPによる、磯崎新の処女作を改修したアートスペースでの建築展「手入れ/Repair」のレポート。床の改修工程を再考し“戯曲”の公演を加えることで、直線的な施工プロセスを改変し、その時限りの多様な空間を立ち上げる
  • 2021.8.13Fri
    GROUPによる、東京・新宿区のアートスペース「新宿ホワイトハウスの庭」。様々な変遷を経た磯崎新による初めての建築物の外部空間をバー・カフェ・アートスペースのための庭に作り直す
  • view all
view all

#ap編集長の建築探索の関連記事

  • 2026.5.06Wed
    【ap編集長の建築探索】vol.18 B1D「402号室のこれから」
  • 2026.4.30Thu
    【ap編集長の建築探索】vol.17 ワタリウム美術館「ジャッド|マーファ 展」
  • 2026.4.27Mon
    【ap編集長の建築探索】vol.16 若手建築家9組「第2回 発掘展」
  • 2026.4.21Tue
    【ap編集長の建築探索】vol.015 日吉坂事務所「KITAYON KADO」
  • 2026.4.15Wed
    【ap編集長の建築探索】vol.014 ウルトラスタジオ「上原坂道のマンション」
  • 2026.4.08Wed
    【ap編集長の建築探索】vol.013 太田拓実「オープンスタジオと20周年を振り返る小さな展示」
  • 2026.3.17Tue
    【ap編集長の建築探索】vol.012 i+i 設計事務所「代沢K邸」
  • 2026.3.11Wed
    【ap編集長の建築探索】vol.011 坂田裕貴・若杉賢一・金田未来「バス停前の長屋」
  • 2026.3.03Tue
    【ap編集長の建築探索】vol.010 成瀬・猪熊建築設計事務所「Nishiogi comichi terrace」
  • 2026.2.24Tue
    【ap編集長の建築探索】vol.009 後藤周平建築設計事務所「loose」
  • view all
view all

建築求人情報

Loading...

 

    公式アカウントをフォローして、見逃せない建築情報を受け取ろう。

    62,026
    • Follow
    87,374
    • Follow
    • Follow
    • Add Friends
    • Subscribe
    • 情報募集/建築・デザイン・アートの情報を随時募集しています。
      More
    • メールマガジン/ メールマガジンで最新の情報を配信しています。
      More
    2026.5.10Sun
    • 山﨑健太郎のテレビ番組「情熱大陸」の出演回がオンラインで配信中。2026年5月17日までの期間限定公開
    • 【ap job更新】 商業空間を中心に活動し設立25年を越え、“心が動く”空間づくりを実践する「Jamo Associates」が、インテリアデザイナー(経験者・既卒・2026年新卒)を募集中
    • 【ap job更新】 “チームラボ”と協働し、デジタルを用いた新しい空間をつくる「チームラボアーキテクツ」が、設計スタッフ(経験者・既卒・2026年新卒)を募集中
    • 【ap job更新】 多様な仕事を通して、事務所とスタッフの成長も促す「竹内巌 / ハル・アーキテクツ」が、スタッフ(経験者・既卒・2026年新卒)を募集中
    • ビオフォルム環境デザイン室による、東京・世田谷区の「三年鳴かず飛ばずプロジェクト 長屋棟」。場所が持つ“人々が集う記憶”を未来につなぐプロジェクトの一環。子育て世代が暮らす為の建築として、コモン的な空間を備えた“長屋形式の賃貸シェアハウス”を計画。交流の場から外への“賑わい”の表出も意図
    • ほか

    Subscribe and Follow

    公式アカウントをフォローして、
    見逃せない建築情報を受け取ろう。

    「建築と社会の関係を視覚化する」メディア、アーキテクチャーフォトの公式アカウントです。
    様々な切り口による複眼的視点で建築に関する情報を最速でお届けします。

    62,026
    • Follow
    87,374
    • Follow
    • Follow
    • Add Friends
    • Subscribe
    • 情報募集/建築・デザイン・アートの情報を随時募集しています。
      More
    • メールマガジン/ メールマガジンで最新の情報を配信しています。
      More

    architecturephoto® News Letter

    メールマガジンでも最新の更新情報を配信中

    • ホーム
    • アーキテクチャーフォトについて
    • アーキテクチャーフォト規約
    • プライバシーポリシー
    • 特定商取引法に関する表記
    • 利用者情報の外部送信について
    • 広告掲載について
    • お問い合わせ/作品投稿

    Copyright © architecturephoto.net.

    • 建築
    • アート
    • カルチャー
    • デザイン
    • ファッション
    • 動画
    • 展覧会
    • コンペ
    • 書籍
    • 建築求人
    • 特集記事
    • 注目情報
    • タグ
    • アーキテクチャーフォト ジョブボード
    • アーキテクチャーフォト・ブック
    • ホーム
    • アーキテクチャーフォトについて
    • アーキテクチャーフォト規約
    • プライバシーポリシー
    • 特定商取引法に関する表記
    • 利用者情報の外部送信について
    • 広告掲載について
    • お問い合わせ/作品投稿

    メールマガジンで最新の情報を配信しています

    この記事をシェア
    タイトルタイトルタイトルタイトルタイトル
    https://architecturephoto.net/permalink

    記事について#architecturephotonetでつぶやいてみましょう。
    有益なコメントは拡散や、サイトでも紹介させていただくこともございます。

    architecturephoto®
    • black
    • gray
    • white

    建築求人情報紹介

    Loading...