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【ap編集長の建築探索】vol.17 ワタリウム美術館「ジャッド|マーファ 展」
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ap編集長の建築探索アート展ドナルド・ジャッド後藤連平東京論考
【ap編集長の建築探索】vol.17 ワタリウム美術館「ジャッド|マーファ 展」展示風景、2階、左:「無題」1990年、黒のアノダイズド・アルミニウム、ブロンズ色のプレキシグラス(10ユニット)、静岡県立美術館蔵、右:「無題」1989年、アルミニウムに塗装、鹿児島県霧島アートの森蔵 photo©rem goto

「ap編集長の建築探索」は、23年の歴史ある建築ウェブメディア「アーキテクチャーフォト」の編集長である後藤連平が、訪問した建築を紹介する連載シリーズです。論考のようなかっちりとした形式ではなく、現地で感じた雰囲気や空気感が伝わるような“ライブ感”のある文体で綴ります。読者の皆様も自身が建築を体験するように読んでいただければ幸いです。


ワタリウム美術館「ジャッド|マーファ 展」

TEXT:後藤連平

 
ワタリウム美術館で行われている「ジャッド|マーファ 展」を訪問した。(会期は2026/7/12まで)

伊勢丹でのジャッドの家具に注目した展示「Donald Judd:Design」に続いて訪問した。
(こちらの展示は終了しています)

ドナルド・ジャッドは、言わずと知れたミニマルアートの代表的アーティストだ。

また、2000年前後に建築を学び始めた自分にとって、思い入れの強いアーティストでもある。
というのは、当時、建築デザインの分野においてもミニマルの流れが席巻しており、学生であった僕も、惜しまれつつ無くなってしまった『SD』が1997年3月号で行った特集「ミニマル・スペース・アーキテクチャー」や、ミニマル建築の代表的な建築家であるジョン・ポーソンが編集した、ミニマリズムの精神を伝える建築やアートなどを紹介する書籍『minimum』(1996年刊行)を読み込んでいた。
そのような流れの中でアート分野のミニマリズムにも触れることになり、ジャッドを知ることになった。

そんな時代を過ごすなかで、滋賀県立美術館にて1999年に「ドナルド・ジャッド 1960-1991」というジャッドの大規模な展覧会が開催されて、実際の作品を目の当たりにして魅了された、、、!

また、大阪には、ギャラリーヤマグチというミニマルアートを多数扱うギャラリーがあり、こちらが刊行したジャッドの建築に関する文章を収録した書籍『ドナルド・ジャッド 建築』(2000年)も読み込んでいて、ジャッドの建築思想に触れたりもしていた。

そのようなわけで、2000年前後に関西で建築を学んでいた自分にとって、ジャッドはかなり思い入れのある。そのジャッドの作品群を、20年以上の年月を経て改めて見ることが出来る機会ということで、期待して美術館を訪問した。

以下の写真はクリックで拡大します

【ap編集長の建築探索】vol.17 ワタリウム美術館「ジャッド|マーファ 展」展示風景、2階、左:「無題」1958年、キャンバスに油彩、ジャッド財団蔵、中央:「無題」1956年、キャンバスに油彩、ジャッド財団蔵、右:「ウェルフェア・アイランド」1956年、キャンバスに油彩、ジャッド財団蔵 photo©rem goto
【ap編集長の建築探索】vol.17 ワタリウム美術館「ジャッド|マーファ 展」展示風景、2階、左:「無題」1989年、アルミニウムに塗装、鹿児島県霧島アートの森蔵、右:「無題」1960年、キャンバスに油彩、ジャッド財団蔵 photo©rem goto
【ap編集長の建築探索】vol.17 ワタリウム美術館「ジャッド|マーファ 展」展示風景、2階、左:「無題」1990年、黒のアノダイズド・アルミニウム、ブロンズ色のプレキシグラス(10ユニット)、静岡県立美術館蔵、右:「無題」1989年、アルミニウムに塗装、鹿児島県霧島アートの森蔵 photo©rem goto

会場は3層に分かれていて、エレベーターで移動するのだけれど、下の階から見ていくと、初期の絵画から、立体作品への移行期の絵画、立体作品、マーファの建築群とジャッド作品の変遷が分かるような構成となっている。
ちなみに会場構成は、建築ユニットのw/が手掛けている。

ジャッドは、ミニマルな彫刻作品で知られる作家であるのだけれど、それ以前に出がけていた絵画を見ても、彫刻に繋がる知覚や抽象化の探究が見られて興味深かった。

彫刻については最後に触れるとして、最上階では、マーファのジャッドによる建築群の写真や図面やドローイングが展示されており、こちらも興味深かった。ドローイングは、荒々しいタッチの中に、数値が記されており、形態と同時に比例関係がジャッドにとって重要なのだということがよく分かるものだった。

以下の写真はクリックで拡大します

【ap編集長の建築探索】vol.17 ワタリウム美術館「ジャッド|マーファ 展」展示風景、3階、左奥:「無題」1977年、ステンレス鋼に青のプレキシグラス、ワタリウム美術館蔵、右奥:「彫刻のためのドローイング」1977年、紙に鉛筆、ワタリウム美術館蔵、右手前:「無題」1991年、アノダイズド・アルミニウム、黄色に透明な琥珀色のプレキシグラス、ジャッド財団蔵 photo©rem goto
【ap編集長の建築探索】vol.17 ワタリウム美術館「ジャッド|マーファ 展」展示風景、4階 photo©rem goto
【ap編集長の建築探索】vol.17 ワタリウム美術館「ジャッド|マーファ 展」展示風景、4階 photo©rem goto

展示順と紹介の順番が入れ替わってしまったが、本展のメインと言えるのは、吹き抜けの空間に設置された、ボックスが10個連なる作品「無題」(1990年)。
この作品と、マリオ・ボッタによるワタリウムの空間が呼応しあっていて、本来のジャッド作品が持ち得ている性質を超えた感覚も付与されている実感があり、凄かった。会場構成を手掛けたw/の手腕も感じされられた。

ボックスが連なる作品は、滋賀県立美術館や、東京都現代美術館でも見た記憶があるのだけれど、その際にはもっとドライな箱という感覚がで、そのもの自体がどう見えるか、という「知覚」の問題に感覚が集中していたと思う。
しかし、ワタリウム美術館で見た本作品は、この知覚の観点に加えて、なんというか神々しさも感じることが出来て、作品と空間の関係性が構築されると、作品本来の性質に加えて、この場所でしかあり得ない固有の感覚も与えられるのだという気づきがあった。

以下の写真はクリックで拡大します

【ap編集長の建築探索】vol.17 ワタリウム美術館「ジャッド|マーファ 展」「無題」1990年、黒のアノダイズド・アルミニウム、ブロンズ色のプレキシグラス(10ユニット)、静岡県立美術館蔵、2階で見る。 photo©rem goto
【ap編集長の建築探索】vol.17 ワタリウム美術館「ジャッド|マーファ 展」「無題」1990年、黒のアノダイズド・アルミニウム、ブロンズ色のプレキシグラス(10ユニット)、静岡県立美術館蔵、3階から見下ろす。 photo©rem goto

また、この「無題」という作品が、ひとつ上の階から吹き抜けを介して見下ろせる視点が提供されているのも非常に面白かった、、、、!

この作品は、鑑賞者が特定の場所に立って作品を見た時に、同じ形態の様々な面を同時に鑑賞することになるというところがポイントだと思うのだけれど、全体を見下ろすという視点は、ジャッドも想定していなかったのではないだろうか。これは、ホワイトキューブではないワタリウムの展示空間だからこそ生まれたものだとも感じた。

そんなわけで、本展は、ジャッドの作品を堪能するという経験に加えて、ジャッド作品とボッタ空間との対話も味わうことが出来る展覧会でと言える。そのような意味でも建築関係者が訪問しても楽しめる展覧会であると思う、、、!

(訪問日:2026年3月29日)


後藤連平(ごとう れんぺい)
アーキテクチャーフォト編集長
1979年、静岡県磐田市生まれ。2002年京都工芸繊維大学卒業、2004年同大学大学院修了。組織設計事務所と小規模設計事務所で実務を経験した後に、アーキテクチャーフォト株式会社を設立。23年にわたり建築情報の発信を続けており、現在は、建築と社会の関係を視覚化するウェブメディア「アーキテクチャーフォト」の運営をメインに活動。著書に『建築家のためのウェブ発信講義』(学芸出版社)など。


  • ワタリウム美術館「ジャッド|マーファ 展」のページ
  • ワタリウム美術館「ジャッド|マーファ 展」の図録販売ページ
  • 「ap編集長の建築探索」のアーカイブはこちらから

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