SHARE 山崎壮一建築設計事務所による、兵庫の住宅「芦屋の家」
all photos©下村康典
山崎壮一建築設計事務所が設計した、兵庫の住宅「芦屋の家」です。
兵庫県芦屋市に建つ木造2階建ての住宅。敷地は駅からほど近い住宅地にある。東と南に接道する角地で、街区も比較的ゆったりとしているため、街中でありながら空間の広がりが感じられる。しかし目の前の道路は交通量が多く、社員寮や店舗、住宅の建ち並ぶ風景はやや煩雑な印象があった。
建主からは開放性が高く広がりのある空間を求められた。角地であること、建主の要望、を考えればできるだけ開かれた住宅としたい。一方で、周辺環境・プライバシーを考慮すれば一定のコントロールが必要である。そこで、主空間を置いた2階を高い「腰壁」で囲い、その上を水平連続窓とする構成にした。
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以下、建築家によるテキストです。
兵庫県芦屋市に建つ木造2階建ての住宅。敷地は駅からほど近い住宅地にある。東と南に接道する角地で、街区も比較的ゆったりとしているため、街中でありながら空間の広がりが感じられる。しかし目の前の道路は交通量が多く、社員寮や店舗、住宅の建ち並ぶ風景はやや煩雑な印象があった。
建主からは開放性が高く広がりのある空間を求められた。角地であること、建主の要望、を考えればできるだけ開かれた住宅としたい。一方で、周辺環境・プライバシーを考慮すれば一定のコントロールが必要である。そこで、主空間を置いた2階を高い「腰壁」で囲い、その上を水平連続窓とする構成にした。
腰壁は1.6Mに設定した。1.6Mはちょうど人の背の高さ~目線の高さにあたる。立った時あるいは椅子やソファに座った時、外の風景は見上げる関係となる。これにより煩雑な風景があまり目に入ってこない。もちろん外からは内部の様子が見えずプライバシーが保たれている。水平連続窓の上には桁が走り放射状に連なる化粧垂木を受ける。高い「腰壁」と化粧垂木が、家族の居場所をおおらかに包み込む空間となった。
外から見れば、自然土による左官壁の上に化粧材の屋根が浮かぶ構成となっている。屋根の庇は隅切りがされた街角に対してぐるりと跳ね出し、窓に影を落とす。足元には小さなスペースながらも造園を施した。街角を彩る中低木・草花の他、約5Mのアオダモ・シマトネリコを植え、ちょうど2階の居室から風にゆれる葉を楽しめるようにも配慮している。市街地における すまいの内外のつなぎ方を、人体寸法から組み立てた提案である。
■建築概要
題名:芦屋の家
設計:山崎壮一建築設計事務所
構造:間藤構造設計事務所
施工:木村工務店
所在地:兵庫県芦屋市
用途:専用住宅
敷地面積:122.78㎡
建築面積:81.18㎡
延床面積:159.77㎡
階数:地上2階
構造:木造
竣工:2016年4月
写真:下村康典