SHARE 大野友資 / DOMINO ARCHITECTSによる、東京・渋谷・道玄坂のカフェのエントランス周りのデザイン「FabCafe Tokyo エントランス」
all photos©長谷川健太
大野友資 / DOMINO ARCHITECTSが設計した、東京・渋谷・道玄坂のカフェのエントランス周りのデザイン「FabCafe Tokyo エントランス」です。
製作は非常に高度な技術を持つ木工家具メーカーの飛騨産業に依頼した。設計者と施工者の間でのディテールの検討は図面を介してではなく、全て3DCGのモデルを用いて行われた。三次元的な角度の指示は図面化をすると逆に難しくなったため、設計で用いた三次元データをもとに治具を制作することで角度を数値で表現することなく材を加工している。無理に図面化を行わず、かといって過度に職人の経験や技術に頼りすぎることもなく非常に精緻でシャープな納まりが実現され、結果として木の質感を持ちながらCGのようにもグラフィックのようにも見える、不思議な質感を持ったエントランスとなった。
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以下、建築家によるテキストです。
渋谷区道玄坂の路面にあるカフェのエントランス周りをデザインした。
それまでの入口がビルの外壁より奥まったところにあり陰になっていたため、
直接光を受けることのできる所までファサードを出すという方針のもと設計の範囲を決めた。また正面から見た時にカフェの入口に斜線のハッチがかかったように見えるように線材を流し、グラフィカルにエントランスを強調することを考えた。
国産の広葉樹である栗の角材は一本一本が三次元的な角度で継がれており、透かして見ることで飛騨の伝統技術である千鳥格子が見えてくるような仕掛けになっており、複雑に見える形状の中にどこか懐かしい印象が残るようにした。形状や技術を直接参照するのではなく、渋谷という場所のもつ風土、カフェという文化やプログラムに合うようにそれらを再構築している。
製作は非常に高度な技術を持つ木工家具メーカーの飛騨産業に依頼した。設計者と施工者の間でのディテールの検討は図面を介してではなく、全て3DCGのモデルを用いて行われた。三次元的な角度の指示は図面化をすると逆に難しくなったため、設計で用いた三次元データをもとに治具を制作することで角度を数値で表現することなく材を加工している。無理に図面化を行わず、かといって過度に職人の経験や技術に頼りすぎることもなく非常に精緻でシャープな納まりが実現され、結果として木の質感を持ちながらCGのようにもグラフィックのようにも見える、不思議な質感を持ったエントランスとなった。
■建築概要
設計:大野友資 / DOMINO ARCHITECTS
製作:飛騨産業株式会社
施工:有限会社イーシー・キッツ
構造:江村哲哉
照明:矢野大輔 / Tokyo Lighting Design合同会社
製作協力:株式会社飛騨の森でクマは踊る
竣工:2016年