SHARE 藤田雄介 / Camp Design inc.による、東京・小金井市の、木造戸建て住宅の改修「柱の間の家」
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藤田雄介 / Camp Design inc.による、東京・小金井市の、木造戸建て住宅の改修「柱の間の家」です。
リビタの展開しているHOWS Renovationは、空き家を社会資産と捉え、リノベーションによって改めて市場価値を与える意欲的な事業である。今回の物件は検査済証の残っていない新耐震基準以前の建物であったため、既存不適格調書を提出した後、南側に10平米以上のサンルームを増築して確認申請を新たに通している。また中古住宅をリビタが買取り、改修した後に販売となるスキーム上、具体的な施主がいない状態から設計がスタートする。3~40代の子供がいる家族を想定した上で、汎用的かつ可変的な構成を用意し、まだ見ぬ住まい手に対応しようと考えた。
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※以下、建築家によるテキストです。
リビタの展開しているHOWS Renovationは、空き家を社会資産と捉え、リノベーションによって改めて市場価値を与える意欲的な事業である。今回の物件は検査済証の残っていない新耐震基準以前の建物であったため、既存不適格調書を提出した後、南側に10平米以上のサンルームを増築して確認申請を新たに通している。また中古住宅をリビタが買取り、改修した後に販売となるスキーム上、具体的な施主がいない状態から設計がスタートする。3~40代の子供がいる家族を想定した上で、汎用的かつ可変的な構成を用意し、まだ見ぬ住まい手に対応しようと考えた。
木造軸組工法は、1間=約1820mmをモジュールとして構成されているため、柱間もそれに則った規格となる。そのため、それぞれの間隔に対応した建具を用意すれば、それらは住み手自らが簡単に交換可能な閾となる。この原理を用いて、ほとんどの柱間に敷居と鴨居を設け、どこでも建具を設置できる冗長的な構成を取っている。さらに1・2階共に中央を縦断する、「柱の間」と呼ぶ半間幅のスペースを中心に田の字型プランとしている。柱の間は、建具の移動により間取りを改変する際の中間領域となり、より多くのパターンがそれによって生まれることになる。可動家具もモジュールに合わせて設計し、建具と共に設える要素となっている。
これらは木造軸組の形式性を、時間や生活の変化の流れの中で定着させる道具として、場所を選ばず汎用可能なものとなる。そのような形式と道具の円環を描くことで、木造軸組の更新さらには都市の様相の更新の流れを生み出せないかと考えている。
■建築概要
デザイン監修:藤田雄介・荒巻菜生子 / Camp Design inc.
企画・事業主:リビタ
構造:高橋建築工房
施工:英建設
写真:長谷川健太
構造:木造軸組工法
階数:2階建て
敷地面積:140.18m2
建築面積:59.62m2
延床面積:119.24m2
設計期間:2015年11月-2016年5月
工事期間:2016年6月-2016年10月