小嶋伸也+小嶋綾香 / 小大建築設計事務所による、プリズミックギャラリーでの建築展「小⇔大展」が開催されています。会期は2018年12月22日まで。
事務所を設立してからの4年弱を振り返ると、ある時は、都内の狭小地にホテルを設計し、設計者として近隣住民説明会に出席し、建築密集地域特有のプライバシー問題に向き合い、またある時は、中国の携帯電波も無い山奥の限界集落で、図面が読み込めない職人達と、どうすれば現地の技術で建築が作れるか、炎天下の中議論し、 またある時は、フランスのルーブル美術館でも展示した、移動する建築のファスナーで作るジョイントについて、ファッションデザイナーの友人と打ち合わせをしては、試作品を何度も作り直し、ああでもない、こうでもないと、試行錯誤を繰り返していました。
登場人物は多岐にわたり、プロジェクト毎の文化的な背景や、地域の慣習も大いに異なる為、思いもしないタブーを指摘され、想像もしないような事態が(ドラマのように)次々と我々の提案に降りかかり続けました。この4年間をひと言で表現すると、私達が提示してきたアイディアの強度を問われ続けた日々でした。
私たちは核心を突くアイディアにはとても大きな力があると信じています。核心を突くアイディアというのは、プロジェクトを進めていく上での制約や要望を受け入れ、多くの関係者を巻き込みながら成長していく、懐の広い力強さがあります。そしてそのアイディアは、私達の手から離れ社会に解き放たれた後も、人種の垣根を超え、人々を惹きつける力があると信じています。
建築にまつわる設計与件はいつも複雑なパズルのようですが、建築のパズルは無数の形のゴールがある喜びがあります。地道な検討の上に誰も見たことの無いような、ピースがパチッとはまるような瞬間を私達は追い求めています。
本展示では7つのプロジェクトを通して、その実践の一部をご紹介致します。
小嶋伸也・綾香
以下に、会場写真も掲載します。