SHARE 森田一弥建築設計事務所が改修を手掛けた、京都の住宅「下鴨の家」の写真
森田一弥建築設計事務所が改修を手掛けた、京都の住宅「下鴨の家」の写真が18枚公開されています。
京都市の下鴨神社に近い住宅地に建つ木造建物を改修した小さな住宅である。前面道路は京都と日本海をつなぐ街道の1つ鞍馬街道で、ゆるくカーブした道の両側には町家などの古い民家も点在する。
門から続く「路地庭」を歩いていくと玄関に着く。室内はコンクリートの土間で仕上げられ、土間のすぐ先に庭の緑が感じられる。土間部分の壁と天井もまた白漆喰で覆われているが、垂れ壁を設けてガラス面を切り取り、漆喰の入隅を丸めて洞窟のように仕上げることで、庭をすぐそばに感じながらも適度に壁に包まれた安心感を得ることができる。
庭に面した土間空間と対照的に、一階のキッチンと二階の寝室は、既存の木造軸組や古い土壁をできる限り露出することで、この建物の経てきた歴史と構造的な成り立ちを感じられるようにしている。
ガラス張りの白い浴室を通過して、寝室にはいつも明るい光が届く。そして寝室から洗面室を通り抜けた先にあるベランダからは再び、アプローチの「路地庭」を見渡すことができる。