SHARE 田中裕之建築設計事務所による、東京のオフィス「COMWARE TO SPACE」
田中裕之建築設計事務所が設計した、東京のオフィス「COMWARE TO SPACE」です。
NTTコムウェアがオフィス内に開設した、新たな開発拠点「COMWARE TO SPACE」である。
NTTコムウェアでは、アジャイル手法による協創型イノベーションを将来的なビジネスの柱にしようとしており、その一環として開発を推進する拠点づくりを進めていた。(*1)具体的には、Design Wall、7つのBase Camp、HUB、Insight Squareというゾーンを配置し、それぞれ、『チームビルディング』と『コミュニケーション』への即応性や推進ができる場所を目指した。
また設計の際には、プロダクトオーナー、スクラムマスター、デベロッパーの日々の行動パターンを分析し、それを空間に落とし込み、それをゾーニングやツールの選定にも役立てている。
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以下、建築家によるテキストです。
NTTコムウェアがオフィス内に開設した、新たな開発拠点「COMWARE TO SPACE」である。
NTTコムウェアでは、アジャイル手法による協創型イノベーションを将来的なビジネスの柱にしようとしており、その一環として開発を推進する拠点づくりを進めていた。(*1)
具体的には、Design Wall、7つのBase Camp、HUB、Insight Squareというゾーンを配置し、それぞれ、『チームビルディング』と『コミュニケーション』への即応性や推進ができる場所を目指した。
また設計の際には、プロダクトオーナー、スクラムマスター、デベロッパーの日々の行動パターンを分析し、それを空間に落とし込み、それをゾーニングやツールの選定にも役立てている。
様々な形態によるコミュニケーションに対応するため、BASE CAMPは壁面の開き具合により、それぞれのBASE CAMPのエリアが集中して作業しているのか、あるいはオープンにコニュニケーションをとって、チーム外でも気軽に加わることができるような雰囲気を作ることが可能になっている。
半円形のHUBは普段は個人作業や少人数チームミーティングのための場所だが、数十人規模のミーティングやイベント、カンファレンスにも対応できる場所となっている。
半円形HUBを取り囲むように設えられた壁は、間仕切りとしての機能だけでなく、そこを使った少人数のミーティングにも使え、また集中作業のソロワークにも使えるようになっている。
Insight Square はここにプロダクトオーナーのための常駐スペースであることの他に、社内で進んでいる様々な情報をリアルタイムでインプットできる場所になっている。
ワンフロア2500m2のオフィスビルの300m2部分の改修であり、
オフィスビルの一角という限られた場所のためビル側の工事を極力発生させないこと、他のオフィス部分に影響を及ぼさないことなどの制約を逆手に取り設計を進めていった。(チーム内ではこれを”hack”と呼んでいた。)
天井は既存のビルそのままだが照明を各什器に組み込むことで既存の照明を限りなく使用せずとも成立する仕組みを作り出している。
またBasecampの開閉可能なスクリーンは自動車のトランク用ダンパーで作られており、
それを支える梁の端部は既存のパーテンションに引っ掛ける構造とし現場工事の簡易さと移動を可能にしている。すべてのパーツを工場で製作し現場ではそれぞれの連結だけで工事が完結する仕組みとしているため
他のフロアに再設置可能なことや、他のビルに移動しても再利用することが可能である。
(*1)https://www.nttcom.co.jp/news/pr19060701.html
■建築概要
プロジェクト名:COMWARE TO SPACE
クライアント:NTT コムウェア
プロジェクトマネージャー:松本亮平 (株式会社ロフトワーク)
ディレクター:古市淑乃 (株式会社ロフトワーク)
プロデューサー:高橋卓 (株式会社ロフトワーク)
設計:田中裕之建築設計事務所
担当:田中裕之、花塚紘紀、服部あやの
施工:株式会社TANK
AD/D:ido/飯田将平
写真:長谷川健太
所在地:東京都
主用途:オフィス
面積:300m2
設計期間:2018年8月- 2018年12月
工事期間:2019年1月-2019年3月