竹口健太郎+山本麻子 / アルファヴィルが設計した、京都・中京区の「絆屋ビルヂング」です。
京都の中心商業地区にたつジュエリー・アーティストのためのアトリエ、ギャラリー、住居が一体となったビル。故人の遺髪やペットの毛などを封入した唯一無二のジュエリー製作を行う彼にとって、ここは家族と暮らし、製作を行い、さらに遺骨や遺髪の埋封作業をゲストと共に行う場所でもある。
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以下、建築家によるテキストです。
京都の中心商業地区にたつジュエリー・アーティストのためのアトリエ、ギャラリー、住居が一体となったビル。故人の遺髪やペットの毛などを封入した唯一無二のジュエリー製作を行う彼にとって、ここは家族と暮らし、製作を行い、さらに遺骨や遺髪の埋封作業をゲストと共に行う場所でもある。
通りから路地を抜けた先、木の壁による門型ファサードをくぐりアトリエ棟に入ったゲストを迎えるように、建物を縦断する階段室は、地下1mの応接室、最後の封入作業を行う地上2mの高さの対面制作室を、心静かにつなぐ参道のような場所であってほしいという要望に応え、トップライトから自然光をうけて菱形が立体的にうかびあがる壁を、架構と架構との間に、柔らかく区切るように設けた。
長手方向の壁、間口方向のガラス、在来モジュールの木造架構に、フロアごとにプログラムを変えた構成という、明快なルールを重ね合わせながら、そこに波うつ壁を挿入することで立体的な住と職との関係が生まれ、それぞれに適切な距離を持って都市に染み出してゆくことで、四周の建て混んだ街区と内部のプログラムが共振するような、コンテクストの力をひきこんだ豊かな空間がつくられると考えた。
■建築概要
用途:アトリエ、ギャラリー、住居
敷地:京都市中京区
敷地面積:121.958 m2
建築面積:121.95 m2
延床面積:198.83 m2
規模:地下1階、地上2階
構造:木造
構造設計:tmsd 萬田隆構造設計事務所
竣工:2017年