SHARE 竹口健太郎+山本麻子 / アルファヴィルによる、京都・上京区のシェアハウス「庭路地の家」
竹口健太郎+山本麻子 / アルファヴィルが設計した、京都・上京区のシェアハウス「庭路地の家」です。
京都の中心市街地、御所や大学に隣接し、多彩な都市生活が営まれているエリア。子育てを終えた単身女性が早期退職後の豊かな時間を過ごすため、1階に自分のエリアを確保しながら2階の3室を近隣の女子学生に貸すシェアハウスである。1階においても、簡単な眠る場所と掘りごたつと洗面キッチンのみが完全なプライベートエリアで、街路に近いギャラリーは友人の作品の展覧会、近くに住む娘さんの料理教室、近所の子供に算数を教える私塾といった活動のためのパブリックリビング、敷地奥の静かな茶室は友人を招いてティーパーティーを開くためのプライベートなパブリックリビングと、街から住宅へ人々を招き入れて楽しむ彼女の生活スタイルが反映されている。
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以下、建築家によるテキストです。
街と住宅の距離を調整する庭路地
茶室とギャラリーのあるシェアハウス
京都の中心市街地、御所や大学に隣接し、多彩な都市生活が営まれているエリア。子育てを終えた単身女性が早期退職後の豊かな時間を過ごすため、1階に自分のエリアを確保しながら2階の3室を近隣の女子学生に貸すシェアハウスである。1階においても、簡単な眠る場所と掘りごたつと洗面キッチンのみが完全なプライベートエリアで、街路に近いギャラリーは友人の作品の展覧会、近くに住む娘さんの料理教室、近所の子供に算数を教える私塾といった活動のためのパブリックリビング、敷地奥の静かな茶室は友人を招いてティーパーティーを開くためのプライベートなパブリックリビングと、街から住宅へ人々を招き入れて楽しむ彼女の生活スタイルが反映されている。
幅が4.5mで奥行きが30mの敷地に、大小さまざまで使い手の異なる部屋を並べ、それぞれの場所への適切な自然光とアプローチをいかに確保するか。色々と検討したが敷地の長手方向が南だったこともあり、街路から敷地の奥にまで次第に細くなりながらのびる「庭路地」をもうけることにした。この庭路地に沿って細長くのびる建物には、2階のシェアハウスへの階段、ギャラリー入口、そして茶室への3カ所の出入口があり、色々な使い手が、用途に応じて路地を行ったり来たりする。また建物南面の長い外壁に窓が並べられて、庭路地におちた光を室内に導き入れるが、街路にむかって少し斜めに向いたこのスクリーンからは、中の様子がプライバシーを妨げない程度に垣間見られる。外壁とアルミサッシの色は、間接光が得られる明度があり、同時に長い庭を浮き立たせる背景となるよう、落ち着いたマットベージュを選んだ。こうして奥深い敷地いっぱいまで細長く切れ込む庭路地は街との間のバッファーゾーンであり、住宅の中のアクティビティーに応じて街と住宅の距離を調整する、インターフェイスの役割を空間として果たしている。落ち着きのある住宅であると同時に、京都の賑わいをひきこむことのできる新しい建ち方の提案である。
(竹口健太郎+山本麻子)
■建築概要
作品タイトル:庭路地の家 / Garden Alley House
設計:竹口健太郎+山本麻子/アルファヴィル
Kentaro Takeguchi + Asako Yamamoto / Alphaville Architects
住所:京都市上京区
データ
主要用途:オーナー住宅付きシェアハウス
構造・構法
主体構造・構法:木造在来軸組工法
基礎 直接基礎:べた基礎
規模
階数:地上2階
軒高5,900mm 最高の高さ6,300mm
敷地面積:141.40m2
建築面積:74.34m2(建蔽率52.57% 許容76.82%)
延床面積:148.68m2(容積率105.15% 許容284.10%)
1階:74.34m2
2階:74.34m2
敷地条件
地域地区:近隣商業地域、第2種中高層住居専用地域 準防火地域 15m第3種、第1種高度地区 歴史遺産型美観地区
道路幅員:東13.75m
駐車台数:1台
設備システム
空調:暖房方式/ルームエアコン
冷房方式/ルームエアコン
換気方式/第三種換気
その他/
給排水:給水方式/上水道直結方式
排水方式/下水道放流方式(合流)
給湯 :給湯方式/ガス給湯器