SHARE 新森雄大+ジェームス・ジャミソン / NIIMORI JAMISON ARCHITECTSによる、大阪・大阪市のヘアサロン「FUNCY」
新森雄大+ジェームス・ジャミソン / NIIMORI JAMISON ARCHITECTSが設計した、大阪・大阪市のヘアサロン「FUNCY」です。店舗の公式サイトはこちら。
敷地は大阪随一のビジネス街である本町。昼夜問わず多くの人々が行き交っている。そんな賑やかな街の、1950年代に建てられた古いオフィスビルの一画にヘアサロンを設計した。
テナントが2階道路側であることから、このプロジェクトでは、まず下を歩く人々の見上げに対する視覚的効果を考えた。既存建築の柱が外壁から後退し、柱と窓との間に隙間が生まれていたことから、それらを活かし、前面道路に向かってアルミ板貼の造作勾配天井を設けた。
一方で、室内にある家具は独立した「もの」である。引渡し後、無造作に置かれる様々な備品と等価な存在として、厳しい予算から安い木材をベースとしながらも、幾何学に基づき、出来る限り多様な家具を設計した。
美しい素材が、まだ資本主義の波に乗せられていなかった時代に対するロマン主義的憧憬を含みながら、それぞれの家具に対し恣意的に、そして注意深く意匠を加えていった。
以下の写真はクリックで拡大します
以下、建築家によるテキストです。
敷地は大阪随一のビジネス街である本町。昼夜問わず多くの人々が行き交っている。そんな賑やかな街の、1950年代に建てられた古いオフィスビルの一画にヘアサロンを設計した。
テナントが2階道路側であることから、このプロジェクトでは、まず下を歩く人々の見上げに対する視覚的効果を考えた。既存建築の柱が外壁から後退し、柱と窓との間に隙間が生まれていたことから、それらを活かし、前面道路に向かってアルミ板貼の造作勾配天井を設けた。
微かに波打った0.3mm厚のアルミ板に反射した照明の光/窓辺の緑は、平凡なファサードに、まるでインテリアと都市が交感しているかような不思議な揺らぎを齎している。
一方で、室内にある家具は独立した「もの」である。引渡し後、無造作に置かれる様々な備品と等価な存在として、厳しい予算から安い木材をベースとしながらも、幾何学に基づき、出来る限り多様な家具を設計した。
美しい素材が、まだ資本主義の波に乗せられていなかった時代に対するロマン主義的憧憬を含みながら、それぞれの家具に対し恣意的に、そして注意深く意匠を加えていった。
また幾つかの既製家具に関しても、修復/防汚を兼ねて手を加えている。
■建築概要
物件名称:FUNCY
所在地:大阪市中央区備後町3-3-1
延床面積:74.0㎡
事務所名称:NIIMORI JAMISON ARCHITECTS
設計:新森雄大、James Jamison
施工:delight house
植栽:en/pire
協力:廣田優斗、高杉優磨
竣工:2020年3月
写真:高畑貴良志