SHARE アンサンブル・スタジオのギャラリー・間での建築展の概要が発表。スペインを拠点とし革新的な構法や構造を探求する建築家
- 日程
- 2021年6月8日(火)–9月12日(日)
アンサンブル・スタジオのTOTOギャラリー・間での建築展「Architecture of The Earth」の概要が発表されました。アンサンブル・スタジオは、スペインを拠点とし革新的な構法や構造を探求する建築家です。会期は2021年6月8日~9月12日。事前予約制での開催です。彼らの作品にはアーキテクチャーフォトも以前より注目しており、それらの記事はこちらから閲覧できます。
記事のトップで紹介している「トリュフ」というプロジェクトは、地面を掘った穴と干し草を型枠にしコンクリートを流し込み完成させた住宅で彼らの代表作の一つです。こちらで施工プロセスも含む写真と図面を、こちらで動画を見ることができます。
地球規模の視点と、自然と響きあうような力強い造形、独自の構法を軸に、建築の可能性を追求するアンサンブル・スタジオ。TOTOギャラリー・間では、スペインとアメリカを拠点に活動を続ける彼らの 、日本で初めての個展を開催いたします 。
アンサンブル・スタジオは、アントン・ガルシア=アブリルとデボラ・メサが主宰する 職能横断型チームとして、スペインのマドリードで2000年に設立されました。彼らは単に建物のデザインを行うだけでなく、実験を通して自らの手で考え、建設方法まで 考案することにより、他に類を見ない革新的な建築を生み出してきました。
彼らの活動は近年、よりダイナミズムを増し、広大なスケールのプロジェクトも手がけるようになりました。2016年にはアメリカのモンタナ州にあるティペット・ライズ・アート・センターにおいて、屋外彫刻のような一連の作品「ランドスケープの構造体」を発表。約48㎢の広大な敷地に点在する、先史時代の遺跡を思わせるような構築物は、大地を型枠に利用しながらも、現代の技術をベースに、モックアップによる検証、コンピューターを使ったモデリングなど、複雑な構造計算と建設プロセスを経て完成しました。
こうした彼らの活動は 、地球規模で建築を考える「Architecture of The Earth」という テーマに 結実 しています。本展覧会では、「地球」と「建築」の関係性の探究のなかから生まれたプロジェクトに焦点をあて、アンサンブル・スタジオ独自のリサーチ・設計・建設の過程を、模型や映像を通じて紹介します。
以下ではその他の作品画像と建築家による展覧会コンセプトを紹介します
以下の写真はクリックで拡大します
展覧会コンセプト
Architecture of The Earth
大地(Earth)は素材だ。
私たちが暮らし、変化をもたらす場所でもある。
大地から建築をつくることもできる。
大地は、それ自体で存在しているものでもある。
あるいは、その表面をならすこともできる。岩に刻まれた古代のモニュメントの痕跡やその建造物、周囲を取り巻く素材に秩序を与えているヴァナキュラーな建築群、ランドアートや土を使った作品などは、大地をとめどなく搾取できる資源ととらえる考え方を超えて、土地や地形をよりいきいきと活かすことができる可能性を示している。
「Architecture of The Earth」では、アンサンブル・スタジオが過去20年間に行ってきた、一連のリサーチや専門的なプロジェクトを紹介する。異なる時期、異なる場所、そして異なる理由 のために展開されながら、それらはすべて「建築」と「地球(The Earth)」の関係、あるいは私たち人間が環境に及ぼす影響について熟考する機会を与えてくれる。地形を読み取り、再び活用し、その堅い表面を補強し、あるいは型枠として利用し、場所のもつ自然の力を利用し、相乗効果を生み出しながら、構築物をつくっていく。地質上のさまざまな作用に学びながら、アナログな施工方法を開発し、新しい建築言語を見い出しながら、私たちの想像力は探究する価値のある未知の領域へと開かれていく。
TOTOギャラリー・間の展覧会では、3つの異なる空間がそれぞれのテーマ「アイディアラボ(リサーチ)」「 中庭 (デザイン)」「オーディオビジュアルランドスケープ(施工)」のもとで展開される。アイディアから実現化へ、そして再びアイディアへと巡る旅の道のりである。そして、それは現在も続き、「終わることのない冒険」というテーマを表す循環である。
(アントン・ガルシア=アブリル&デボラ・メサ / アンサンブル・スタジオ)
アンサンブル・スタジオ
アンサンブル・スタジオは、2000年に設立され、建築家アントン・ガルシア=アブリル(1969年生、写真左)とデボラ・メサ(1981年生、写真右)が主宰する職能横断型チームである。彼らの作品はリサーチと実践のバランスをとりながら、ランドスケープの構築から住宅のプレファブリケーションといった多様な課題に取り組むために、タイポロジー、技術、方法論を刷新する。初期の作品から最新作まですべてのプロジェクトにおいて、彼らが扱う分野、そして社会における建築家の役割のさらなる進歩を目指して、実地実験を行っている。彼らの作品では、アート、科学、建設、開発とデザインとを連携させ、アイディアを最も良い方法で形に置き換える方法を探究している。 近年ガルシア=アブリルはマサチューセッツ工科大学にて、メサはジョージア工科大学にて教鞭を執る。代表作に、「ランドスケープの構造体」(米国、モンタナ州、ティペット・ライズ・アート・センター、2016)「カン・テラ(大地の家)」(スペイン、メノルカ島、2018~)、主な受賞としてRIBA チャールズ・ジェンクス賞(2019)等がある。
■展覧会概要
展覧会名(日):アンサンブル・スタジオ展 Architecture of The Earth
展覧会名(英):Ensamble Studio: Architecture of The Earth
会期:2021年6月8日(火)〜9月12日(日)
開館時間:11:00~18:00
休館日:月曜・7月22日(木)、23日(金)・夏期休暇[8月9日(月)~16日(月)]
※状況により、会期や内容等を変更する場合がございます。
ご来館の際には、TOTOギャラリー・間ウェブサイトにて最新情報をご確認ください。
入場料:無料 事前予約制*
*新型コロナウイルス感染拡大防止の一環として、会期中は展覧会、 Bookshop TOTO共通で事前予約制を導入して開催します。予約受付開始予定:2021年5月中旬~
会場:TOTOギャラリー・間
〒107-0062 東京都港区南青山1-24-3 TOTO乃木坂ビル3F
東京メトロ千代田線乃木坂駅3番出口徒歩1分
TEL=03-3402-1010 URL=https://jp.toto.com/gallerma
主催:TOTOギャラリー・間