坪井飛鳥+和田わこ / atelier thuが設計した、高知・南国市の住宅「Zen(南国の家)」。山麓の約500坪の土地に風景の一部となる事を目指し計画、より高い位置からの見晴らしを考慮して平屋とし、建物と開口の形状で隣地や道路からの視線を遮ると共に景色を絵画のように切り取る建築です。
高知県南国市、四国山地の小高い山麓にあるこの土地は、135坪の宅地とそこから南西に広がる370坪の山林からなる。
北東側は見晴らしがよく、平野へと視線が抜け、美しい田園風景が広がる。
また、宅地から一段高い山林の平地部分を、子供の遊び場として活用したいという施主の要望を受け登ってみると、田園の向こうに山々の連なりがより美しく見えた。四季が移りゆく美しい山の自然を取り入れながら、山と平野の風景の一部となるような、建築を創りたいと考えた。
山林の平地部分を上の庭とよび、そこから建物で遮ることなく平野を見渡せるよう、高さを抑えた平屋建てとした。斜面とL字の建物によって囲むように中庭をつくり、両端を個室、中心が居間となるように計画した。建物自体で隣地からの視線を遮ることで、中庭に面した居間と個室の窓は周囲を気にせず開放できる。
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以下、建築家によるテキストです。
高知県南国市、四国山地の小高い山麓にあるこの土地は、135坪の宅地とそこから南西に広がる370坪の山林からなる。
北東側は見晴らしがよく、平野へと視線が抜け、美しい田園風景が広がる。
また、宅地から一段高い山林の平地部分を、子供の遊び場として活用したいという施主の要望を受け登ってみると、田園の向こうに山々の連なりがより美しく見えた。四季が移りゆく美しい山の自然を取り入れながら、山と平野の風景の一部となるような、建築を創りたいと考えた。
山林の平地部分を上の庭とよび、そこから建物で遮ることなく平野を見渡せるよう、高さを抑えた平屋建てとした。斜面とL字の建物によって囲むように中庭をつくり、両端を個室、中心が居間となるように計画した。建物自体で隣地からの視線を遮ることで、中庭に面した居間と個室の窓は周囲を気にせず開放できる。
平野のある北東側には、腰から上に大きな水平窓を設け、道路との高低差によって通行人の視線を遮り、平野の景色を絵画のように切り取り楽しめる。中庭と上の庭は斜面を介して緩やかに繋がり、室内空間を通して平野へと視線が抜ける。自然の恩恵を享受するこの家で育つ子供たちの楽しそうな声が聞こえてきそうだ。
高知県は雨が多く、夏には強い陽射しが降り注ぐ。そんな厳しい気候条件から建物を守るため軒を深くし、外壁には焼杉を採用した。道路から建物を見上げると、軒先の水平ラインの美しさを垂木や鼻隠しが一層引き立たせている。
構造は木造在来工法を採用し、高知に現存する建物に影響を受け災害に強い骨太な構造材とした。土佐杉や土佐桧など、地産の構造材を選び、主な化粧材は施主の親族が所有する山から切り出した木材を使用している。
年月が経ち、この建物が土地と馴染んでいくことで、風景の一部となることを期待している。
■建築概要
所在:高知県南国市
用途:専用住宅
規模:木造 平屋建て
家族構成:夫婦2人 子供3人
設計:atelier thu (坪井飛鳥+和田わこ)
施工会社:株式会社公文建設 担当 公文伸也 山西良一
敷地面積:455.92㎡
延床面積:91.71㎡
竣工:2022年1月
建材情報種別 | 使用箇所 | 商品名(メーカー名) | 外装・床 | 外部デッキ | 土佐桧
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外装・壁 | 外壁 | 焼杉(中本造林)
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外装・屋根 | 屋根 | ガルバリウム鋼板 横葺き
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外装・屋根 | 軒天 | 杉板[土佐杉]
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外装・建具 | 外部框戸 | 土佐桧
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内装・床 | 玄関床 | ナラ無垢フローリング
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内装・壁 | 玄関壁 | 土佐の漆喰[炭入り]
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内装・床 | 居間床 | ナラ無垢フローリング
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内装・壁 | 居間壁 | 土佐の漆喰[炭入り]
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内装・壁 | 個室壁 | クロス
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内装・床 | 個室床 | 唐松フローリング(共栄木材)
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内装・建具 | 建具 | ニヤトー、ラワン
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内装・建具 | 框戸 | ニヤトー
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外構・床 | 外部階段 | 炭モルタル
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