黒川智之建築設計事務所が設計した、東京・世田谷区の「東玉川の集合住宅」です。
都市住居の周辺に閉じ領域区分が明快な特徴を再考、環境を生活の一部と捉え“都市と住居が未分化な状態”を目指して量塊に“孔”となる空間を挿入、領域が階調的に繋がる新しい風景をつくる事が意図されました。
都心の幹線道路沿いに建つ19戸の集合住宅の計画。
今日、所有や帰属といった制度上の区分を横断して、新たな価値観が様々な分野で展開されている一方、都市居住においては、周辺環境に対して閉じ、セキュリティを一層強化し、所有区分を明確にする考えが支配的であり、従来型の区分意識の囚われが未だに強い。
本計画では都市環境を生活の一部として捉え、閉じられた量塊に孔を穿つことで、都市と住まいが未分化な状態を目指す。
孔として位置づけられた土間空間は、外部の都市環境と、建物内部の共用部の両方に対して開かれ、都市環境・生活空間・共用空間といった明確な区分で捉えられていた領域区分を階調的に捉え直す端緒となる。
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以下、建築家によるテキストです。
都心の幹線道路沿いに建つ19戸の集合住宅の計画。
今日、所有や帰属といった制度上の区分を横断して、新たな価値観が様々な分野で展開されている一方、都市居住においては、周辺環境に対して閉じ、セキュリティを一層強化し、所有区分を明確にする考えが支配的であり、従来型の区分意識の囚われが未だに強い。
本計画では都市環境を生活の一部として捉え、閉じられた量塊に孔を穿つことで、都市と住まいが未分化な状態を目指す。
孔として位置づけられた土間空間は、外部の都市環境と、建物内部の共用部の両方に対して開かれ、都市環境・生活空間・共用空間といった明確な区分で捉えられていた領域区分を階調的に捉え直す端緒となる。
こうした領域の階調性により、個人の生活が都市に滲出する断片的な情景を生み出し、さらには「集まって住む」ことによりそれらが一つの全体像を帯びはじめ、都市における新しい風景が作り出されることを期待する。
■建築概要
所在地:東京都世田谷区東玉川
主用途:共同住宅 (19戸)
構造規模:鉄筋コンクリート造 / 地上4 階
意匠設計:黒川智之建築設計事務所
構造設計:LOW FAT structure
設備設計:泉設備設計 / 五十嵐設備設計
施工:FORM GIVING (旧新都市建設)
敷地面積:245.22㎡
建築面積:171.11㎡
延床面積:567.02㎡
竣工:2020年1月
撮影:歌津亮悟、長谷川健太