久米貴大+チャンヴィタン・ワタンヤ / Bangkok Tokyo Architectureが設計した、タイの「森の広場」です。
催し等に使われる半屋外広場の計画、多様な人々や用途の呼び込みを目指して文脈と繋がりつつ複数の観点の交差から生まれる建築を志向、地域の葉と鋼管フレームという対極の素材と仕組みでつくられました。
森の中にある半屋外の広場の計画である。
週末にはマーケット、平日は様々なイベントが開かれ、ときには地域の人びとが集まる場所にもなる。
森の中にこのような多種多様な人や用途を呼び込む場所を作るために、コンテクストに深く繋がりながらも、一つの意味から生まれるのではない、複数のパースペクティブの交差に生まれる世界の化身のような建築を作りたいと考えていた。
この建築の具体的な構成は、木の葉を積層してできた屋根が、鋼管のグリッドフレームによって支えられているというものである。ここで使用している木の葉は、この周辺地域に群生する樹木から、年に一度乾季に落葉する際に集められたものである。
この葉を屋根材として使用する場合4、5年を目安に葺き替えを行う。構造部分も含めてこの建築の全ての部分はあり合わせのものを材料として反復することで全体を構成し、組み立ては全て手作業で行われている。仮設的に構成されているが、新陳代謝するように部材が入れ替わっていくことで、この先も長く生き残っていくことを意図したものである。
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以下、建築家によるテキストです。
総体としての建築
森の中にある半屋外の広場の計画である。
週末にはマーケット、平日は様々なイベントが開かれ、ときには地域の人びとが集まる場所にもなる。
森の中にこのような多種多様な人や用途を呼び込む場所を作るために、コンテクストに深く繋がりながらも、一つの意味から生まれるのではない、複数のパースペクティブの交差に生まれる世界の化身のような建築を作りたいと考えていた。
この建築の具体的な構成は、木の葉を積層してできた屋根が、鋼管のグリッドフレームによって支えられているというものである。ここで使用している木の葉は、この周辺地域に群生する樹木から、年に一度乾季に落葉する際に集められたものである。
この葉を屋根材として使用する場合4、5年を目安に葺き替えを行う。構造部分も含めてこの建築の全ての部分はあり合わせのものを材料として反復することで全体を構成し、組み立ては全て手作業で行われている。仮設的に構成されているが、新陳代謝するように部材が入れ替わっていくことで、この先も長く生き残っていくことを意図したものである。
木の葉の屋根材と鋼管のグリッドフレームはそれぞれローカルとインターナショナルという軸から見れば対極に位置する材料でありシステムである。これらの相反するシステムが同時に存在する第三者性を携えた建築が、ここではすべてのものに対して開かれた場所を作り出すことを期待している。
■建築概要
森の広場
所在地:タイ、チェンマイ
主要用途:集会場
構造:鉄骨造
設計:BTA
構造:Pongrapee Lilatasninukul
施工:Studio Giavi
延床面積:201.41㎡
竣工:2022年4月
撮影:Ratthee Phaisanchotsiri