フォルム・木村浩一建築研究所が設計した、滋賀・栗東市の「景色をつくる家」です。
巨大ビルもある“雑然とした”住宅街の敷地での計画です。建築家は、“閉じながらも開放的な”建築を求め、窓を減らしつつビルのヴォイドに向けて“視線が抜ける大開口”を設ける構成を考案しました。また、ガレージは黒で統一して心を整える場にもする事も意図されました。
敷地は、市街地の幹線道路から入った川沿いの雑然とした住宅街にあり、西側面には大きなビルが迫っている。
クライアントからの要望は、インナーガレージを設けた閉じながらも開放的な住まいである。
そこで、まず必要とされるガレージの広さを決定し、敷地の特性を見極めながら計画を進めた。
東西に長い敷地形状に合わせるように建物を配置し、壁面はプライバシー確保のため開口部を最小限に抑えている。建物は、量感のあるプロポーションであるが、外壁材を吹き付け塗装とガルバリウム鋼板を組み合わせることで、片流れ屋根とフラットルーフの対比を際立たせた伸びやかな佇まいとなっている。
ガレージは、車庫としてだけでなく、静かに心を調えてくれるための場所として計画されている。室内は、黒で統一されており、フロストガラスからの柔らかな光が、窓際に置かれたオブジェの輪郭を際立たせ、鏡面仕上げの床に反射して非日常を演出する。また、隣接するエントランスホールに向けて設けた大きな引き戸を開け放てば、ホールと一体となった空間が広がり、室内がドラマティックに変貌する。
2階に配置したLDKは、東西の景色を繋ぐ開口と高さのある勾配天井を活かしたダイナミックな空間となっている。敷地の西側には長大なビルが建ち、街並みに圧迫感を与えているが、ビルの一角に設けられた解放性のあるオープンスペースに敷地が面している。 そこで、このスペースに向かってバルコニーと視線が抜ける大開口を設けて風景を室内に引き込んだ。開口部によって切り取られた風景は、都会的な情景を醸し出して室内に洗練された雰囲気を演出する。
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以下、建築家によるテキストです。
敷地は、市街地の幹線道路から入った川沿いの雑然とした住宅街にあり、西側面には大きなビルが迫っている。
クライアントからの要望は、インナーガレージを設けた閉じながらも開放的な住まいである。
そこで、まず必要とされるガレージの広さを決定し、敷地の特性を見極めながら計画を進めた。
東西に長い敷地形状に合わせるように建物を配置し、壁面はプライバシー確保のため開口部を最小限に抑えている。建物は、量感のあるプロポーションであるが、外壁材を吹き付け塗装とガルバリウム鋼板を組み合わせることで、片流れ屋根とフラットルーフの対比を際立たせた伸びやかな佇まいとなっている。
ガレージは、車庫としてだけでなく、静かに心を調えてくれるための場所として計画されている。室内は、黒で統一されており、フロストガラスからの柔らかな光が、窓際に置かれたオブジェの輪郭を際立たせ、鏡面仕上げの床に反射して非日常を演出する。また、隣接するエントランスホールに向けて設けた大きな引き戸を開け放てば、ホールと一体となった空間が広がり、室内がドラマティックに変貌する。
2階に配置したLDKは、東西の景色を繋ぐ開口と高さのある勾配天井を活かしたダイナミックな空間となっている。敷地の西側には長大なビルが建ち、街並みに圧迫感を与えているが、ビルの一角に設けられた解放性のあるオープンスペースに敷地が面している。 そこで、このスペースに向かってバルコニーと視線が抜ける大開口を設けて風景を室内に引き込んだ。開口部によって切り取られた風景は、都会的な情景を醸し出して室内に洗練された雰囲気を演出する。
この住まいはビルと対峙し、建物形状を最大限生かしたプランによって豊かな内部空間を実現している。
■建築概要
題名:景色をつくる家
所在地:滋賀県栗東市
用途:住宅
設計:フォルム・木村浩一建築研究所
施工:想武工房
規模:木造2階建て
敷地面積:156,87㎡
延べ床面積:169,64㎡
竣工年:2023年1月
写真:山内紀人